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53 ご両親とは話せますか?
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「元気だった?」
洋介が手に持つスマホの画面に向かって富士子が身を乗り出して来たので、「ほい」とスマホを渡そうとしたが富士子はその手を払うようにして、「持ってて」と言いそのまま話し続ける。これはあれか、また俺をスマホ棒にするつもりかと、洋介は内心ブスくれながらも星の手前大人しく富士子に従う。
『はい』
「そちらはどんな様子? ご家族はお元気?」
『両親は元気です。父からはあまり外出しないように言われています』
「そう。せっかくだからご両親にご挨拶したいんだけど、今って大丈夫かしら? 夜の八時過ぎよね? 夕ご飯食べてゆっくりしている時間かしら?」
『ああ。ええっと……』
お袋め、急に何を言い出すんだと洋介は吃驚したが、珍しく星が言い淀んでいる。
いつもハキハキとした喋り方で、曖昧な受け答えをしない星らしくなかった。星なら、両親の都合が悪いなら悪いとはっきり言そうだった。だが、顔を赤くして俯き困ったように黙り込んでいる。画面越しにも、答えたくない何とか誤魔化して曖昧にやり過ごしたい、と思っているのが見てとれた。
洋介は、富士子がそんな空気を読まずにしつこく絡んだらどうしようと危ぶんだが、「あら、ご都合悪い? じゃあ仕方ないわね。急に電話したし」とすぐに折れたのでホッとした。
『はい、申し訳ありません』
画面越しの星も、見るからにホッとしている。まあ急に両親と話したいと言われても困るだろう。それにそもそも付き合ってるんだかそうでないのだか分からないこの状況だ。星にしたってご両親に洋介達をなんと言って紹介すればいいのか困るのではないか? というか、ご両親に洋介の事を話しているのだろうか?
でもそう言えばご両親の話を星から聞いた事がなかった。富士子達とはもしかしたら話しているのかも知れないが、洋介が居る場で自分の家族の話をした事が無かった気がする。てっきり星は家族から愛されて大事にされて育ってきたいいところのお坊ちゃん、という印象だったが、もしかしてご両親と仲良くないのだろうか。だったら何も話していないとか。
あんまりにも星がホッとした様子だったので勘繰ってしまう洋介をよそに、富士子は絶好調に話し続ける。
「こちらは三人とも元気よお~。日本はまだ原因が分からなくて、バタバタしてるわね。とりあえずマスクしておけば大丈夫みたい」
「あとは、手洗いとうがいだな」と平介が向こうから口を挟む。
「やだ、お父さんも真一君と話したいなら、もっとこっちに来なさいよお」
富士子が誘うと、「お、そうか」と平介は素直に椅子を寄せて来た。スマホ棒にさせられている洋介を親二人が挟む感じで身を乗り出す。目の前に白髪頭が二つ割り込んで来たので、洋介は仕方なく腕を伸ばし、首を反らせる格好になる。四十路にはちょっと辛い姿勢だが仕方が無い。これも親孝行だと我慢する。
「アメリカはどうなの? もうちゃんと原因が分かってるの?」
『こちらでもまだはっきりした事はニュースでは言っていません。ただ新種のウィルスだとは言われています。そしてマスクが有効そうだとはこちらでも言われてますけど、誰もしてません』と星がクスリと笑う。それに、「アメリカ人はマスク、嫌いだからな」と平介がしたり顔で答える。
『そうなんです。僕がマスクをして歩いていたらギョッとした顔で振り返られました。寧ろマスクをしている人間の方が危ない病気に架かっているんじゃないかと思われる傾向にありますね』
星の話に、「あら、日本とは逆なのね。日本人は予防の為にマスクするでしょ? 元気な人が病気を移されないように」と富士子は面白がる。
『そうなんです。でも、流石に今回は、マスクしている人はチラホラいます。普段よりは多いですよ。でもほんの数人ですが』
「そうなのねえ~。やっぱり日本とは違うのね! それで! こっちにはいつ戻って来るの? 真一君があんまり帰って来ないもんだから、洋ちゃんに迎えに行かせようと思ってたのよ! あたしが! お金出して!」
『えっ!?』
「ちょ、お袋。何言ってんだよ」と洋介は焦って富士子の背中をバンと叩いた。
「痛いわね!」と富士子は身を揺すりうるさそうにした後、ご機嫌で話し続ける。これはあれだ、ノリにのっちゃってる時の富士子だ。つまりは止められない。
「図書館でねえ、ガイドブック借りて来たのよ」
『え? 洋介さんがですか?』
「違う違う! あたしが! 洋ちゃんにお土産沢山買って来て貰おうと思って」
「でも洋介は無職だからアメリカに入国出来ない」と平介がボソボソと話に入り込む。
「そうそう。そうなの? 真一くん?」
『あ、ええと』
「でも、調べてる間にこんな事になっちゃって結局、中止? 中止よね?」と富士子が洋介を見上げて来た。
星は言いにくそうにしながらも説明しようとしていたが、ノリに乗ってる富士子なので「そうなの?」と聞いてる癖に答えは待たずに自分の話を進めてしまった。いつもなら星の一挙一動にまるで推しに対するみたいに小躍りしながら全力で反応する富士子だが、ノリに乗っちゃってる時は相手の答えを待たずに自分の話したい事を押し通す。こんな富士子を星がどう思うか、家族は慣れているが慣れない星は呆れて引いているんじゃと気になるが、ーー実際行介のお嫁さんである康子ちゃんはよく引いている。答えようとしたのに無視されちゃった、どうしよう?みたいな顔で固まっているのでーーでも洋介だって無職云々の話はしたく無かったので、話題が変わったのをいい事にそのまま話を続けた。
「中止だろ。てか、今渡航制限されてんじゃないの?」
『中国とはされています。後、イランもだったかも知れません。そして最近ではヨーロッパからの入国が制限されましたね。日本人は出るのは今は控えている人が多いようです。今出国すると今度は逆に戻って来られなくなるんじゃないかという噂があるので、敢えて帰国しない人が多いらしくて』
洋介の無職云々には答えにくそうだった星は、今度はスラスラと話す。富士子も言いたい事を言って気持ちが落ち着いて来たのか、今度はちゃんとおとなしく星の話が終わる迄待っていた。
「あら、そうなの。大丈夫?」
『はい。それで僕は、主治医がこちらに居るので、日本に帰ってもいざ通院の為にアメリカに渡りたいとなった時に、入国出来なくなっていたら困るんじゃないかと母に言われまして』
「確かにそれはそうよねえ。まだ具合悪いの?」
『いえ、体調はもう落ち着きました。でも医者からは急変する可能性もあると言われましたので、念の為に状況が落ち着くまでは此方に居るつもりです』
「そう。心配だけど、体調が良くなって良かったわ。安心した。でも会社は大丈夫なの?」
『はい。メールや電話でやり取り出来ますから』
「でも、時差があるでしょう?」
『そうですけど、普段からアメリカと日本で行き来してますから慣れてます』
「そう言えばそうよね」
『はい』
「良かった。あ、そろそろ切らなくちゃ! 海外とだから電話代高いわよね!」
『大丈夫ですよ。ラインはWi-Fiなら無料です!』
「え、そうなの?」と富士子が洋介を見上げたので、うんうんと頷く。「あら、凄いわね、ライン。Wi-Fiってよく分かんないけど、うちもWi-Fiなの?(うんうん、と頷く洋介と平介)そうなの、無料なの! じゃあ幾らでも電話できちゃうわね。すっごーい! でもそろそろ切るわ。あんまり長話しちゃうのも悪いし。そうだ! 洋ちゃんとだけもう少しお話しする?」
『え!?』
「いや、急に電話したんだし今日はもう切った方がいいよ」と洋介は慌てて止めた。急に、後は若い二人で、と振られても困る。だいたいこれは富士子のスマホで、此処は居間で、親二人にサイドからサンドイッチされている状況でなんて、話なんか出来やしない。
洋介の返事に不満そうな顔をしながらも富士子はすんなり引き下がった。多分急に電話したし向こうは夜だからだろう。
「そう、じゃあまたね! また電話してもいいかしら?」
『はい、是非お待ちしています』
「はい、じゃあ洋ちゃん最後」と富士子がスマホを洋介に押し付ける。
全然すんなり引き下がっていなかった。
「え!? あ、ああ。急に電話してごめんね。元気で良かった」
急にスマホを押し付けられて洋介は焦った。富士子と平介の手前普通に話せていたのに、一対一での会話と言われると、ちゃんと向き合おうと考えてメールしたのに返事を貰えなかった気まずさがぶり返してくる。何を言ったらいいのか分からない。
「えっと……、じゃあ……。……また」
『はい』
洋介は少し、ほんの数秒だろうがーー体感では二、三分かーー待ったが、星が通話を切ろうとしないので、もう一回「じゃあ」と言いながらゆっくりと通話を切った。
洋介が手に持つスマホの画面に向かって富士子が身を乗り出して来たので、「ほい」とスマホを渡そうとしたが富士子はその手を払うようにして、「持ってて」と言いそのまま話し続ける。これはあれか、また俺をスマホ棒にするつもりかと、洋介は内心ブスくれながらも星の手前大人しく富士子に従う。
『はい』
「そちらはどんな様子? ご家族はお元気?」
『両親は元気です。父からはあまり外出しないように言われています』
「そう。せっかくだからご両親にご挨拶したいんだけど、今って大丈夫かしら? 夜の八時過ぎよね? 夕ご飯食べてゆっくりしている時間かしら?」
『ああ。ええっと……』
お袋め、急に何を言い出すんだと洋介は吃驚したが、珍しく星が言い淀んでいる。
いつもハキハキとした喋り方で、曖昧な受け答えをしない星らしくなかった。星なら、両親の都合が悪いなら悪いとはっきり言そうだった。だが、顔を赤くして俯き困ったように黙り込んでいる。画面越しにも、答えたくない何とか誤魔化して曖昧にやり過ごしたい、と思っているのが見てとれた。
洋介は、富士子がそんな空気を読まずにしつこく絡んだらどうしようと危ぶんだが、「あら、ご都合悪い? じゃあ仕方ないわね。急に電話したし」とすぐに折れたのでホッとした。
『はい、申し訳ありません』
画面越しの星も、見るからにホッとしている。まあ急に両親と話したいと言われても困るだろう。それにそもそも付き合ってるんだかそうでないのだか分からないこの状況だ。星にしたってご両親に洋介達をなんと言って紹介すればいいのか困るのではないか? というか、ご両親に洋介の事を話しているのだろうか?
でもそう言えばご両親の話を星から聞いた事がなかった。富士子達とはもしかしたら話しているのかも知れないが、洋介が居る場で自分の家族の話をした事が無かった気がする。てっきり星は家族から愛されて大事にされて育ってきたいいところのお坊ちゃん、という印象だったが、もしかしてご両親と仲良くないのだろうか。だったら何も話していないとか。
あんまりにも星がホッとした様子だったので勘繰ってしまう洋介をよそに、富士子は絶好調に話し続ける。
「こちらは三人とも元気よお~。日本はまだ原因が分からなくて、バタバタしてるわね。とりあえずマスクしておけば大丈夫みたい」
「あとは、手洗いとうがいだな」と平介が向こうから口を挟む。
「やだ、お父さんも真一君と話したいなら、もっとこっちに来なさいよお」
富士子が誘うと、「お、そうか」と平介は素直に椅子を寄せて来た。スマホ棒にさせられている洋介を親二人が挟む感じで身を乗り出す。目の前に白髪頭が二つ割り込んで来たので、洋介は仕方なく腕を伸ばし、首を反らせる格好になる。四十路にはちょっと辛い姿勢だが仕方が無い。これも親孝行だと我慢する。
「アメリカはどうなの? もうちゃんと原因が分かってるの?」
『こちらでもまだはっきりした事はニュースでは言っていません。ただ新種のウィルスだとは言われています。そしてマスクが有効そうだとはこちらでも言われてますけど、誰もしてません』と星がクスリと笑う。それに、「アメリカ人はマスク、嫌いだからな」と平介がしたり顔で答える。
『そうなんです。僕がマスクをして歩いていたらギョッとした顔で振り返られました。寧ろマスクをしている人間の方が危ない病気に架かっているんじゃないかと思われる傾向にありますね』
星の話に、「あら、日本とは逆なのね。日本人は予防の為にマスクするでしょ? 元気な人が病気を移されないように」と富士子は面白がる。
『そうなんです。でも、流石に今回は、マスクしている人はチラホラいます。普段よりは多いですよ。でもほんの数人ですが』
「そうなのねえ~。やっぱり日本とは違うのね! それで! こっちにはいつ戻って来るの? 真一君があんまり帰って来ないもんだから、洋ちゃんに迎えに行かせようと思ってたのよ! あたしが! お金出して!」
『えっ!?』
「ちょ、お袋。何言ってんだよ」と洋介は焦って富士子の背中をバンと叩いた。
「痛いわね!」と富士子は身を揺すりうるさそうにした後、ご機嫌で話し続ける。これはあれだ、ノリにのっちゃってる時の富士子だ。つまりは止められない。
「図書館でねえ、ガイドブック借りて来たのよ」
『え? 洋介さんがですか?』
「違う違う! あたしが! 洋ちゃんにお土産沢山買って来て貰おうと思って」
「でも洋介は無職だからアメリカに入国出来ない」と平介がボソボソと話に入り込む。
「そうそう。そうなの? 真一くん?」
『あ、ええと』
「でも、調べてる間にこんな事になっちゃって結局、中止? 中止よね?」と富士子が洋介を見上げて来た。
星は言いにくそうにしながらも説明しようとしていたが、ノリに乗ってる富士子なので「そうなの?」と聞いてる癖に答えは待たずに自分の話を進めてしまった。いつもなら星の一挙一動にまるで推しに対するみたいに小躍りしながら全力で反応する富士子だが、ノリに乗っちゃってる時は相手の答えを待たずに自分の話したい事を押し通す。こんな富士子を星がどう思うか、家族は慣れているが慣れない星は呆れて引いているんじゃと気になるが、ーー実際行介のお嫁さんである康子ちゃんはよく引いている。答えようとしたのに無視されちゃった、どうしよう?みたいな顔で固まっているのでーーでも洋介だって無職云々の話はしたく無かったので、話題が変わったのをいい事にそのまま話を続けた。
「中止だろ。てか、今渡航制限されてんじゃないの?」
『中国とはされています。後、イランもだったかも知れません。そして最近ではヨーロッパからの入国が制限されましたね。日本人は出るのは今は控えている人が多いようです。今出国すると今度は逆に戻って来られなくなるんじゃないかという噂があるので、敢えて帰国しない人が多いらしくて』
洋介の無職云々には答えにくそうだった星は、今度はスラスラと話す。富士子も言いたい事を言って気持ちが落ち着いて来たのか、今度はちゃんとおとなしく星の話が終わる迄待っていた。
「あら、そうなの。大丈夫?」
『はい。それで僕は、主治医がこちらに居るので、日本に帰ってもいざ通院の為にアメリカに渡りたいとなった時に、入国出来なくなっていたら困るんじゃないかと母に言われまして』
「確かにそれはそうよねえ。まだ具合悪いの?」
『いえ、体調はもう落ち着きました。でも医者からは急変する可能性もあると言われましたので、念の為に状況が落ち着くまでは此方に居るつもりです』
「そう。心配だけど、体調が良くなって良かったわ。安心した。でも会社は大丈夫なの?」
『はい。メールや電話でやり取り出来ますから』
「でも、時差があるでしょう?」
『そうですけど、普段からアメリカと日本で行き来してますから慣れてます』
「そう言えばそうよね」
『はい』
「良かった。あ、そろそろ切らなくちゃ! 海外とだから電話代高いわよね!」
『大丈夫ですよ。ラインはWi-Fiなら無料です!』
「え、そうなの?」と富士子が洋介を見上げたので、うんうんと頷く。「あら、凄いわね、ライン。Wi-Fiってよく分かんないけど、うちもWi-Fiなの?(うんうん、と頷く洋介と平介)そうなの、無料なの! じゃあ幾らでも電話できちゃうわね。すっごーい! でもそろそろ切るわ。あんまり長話しちゃうのも悪いし。そうだ! 洋ちゃんとだけもう少しお話しする?」
『え!?』
「いや、急に電話したんだし今日はもう切った方がいいよ」と洋介は慌てて止めた。急に、後は若い二人で、と振られても困る。だいたいこれは富士子のスマホで、此処は居間で、親二人にサイドからサンドイッチされている状況でなんて、話なんか出来やしない。
洋介の返事に不満そうな顔をしながらも富士子はすんなり引き下がった。多分急に電話したし向こうは夜だからだろう。
「そう、じゃあまたね! また電話してもいいかしら?」
『はい、是非お待ちしています』
「はい、じゃあ洋ちゃん最後」と富士子がスマホを洋介に押し付ける。
全然すんなり引き下がっていなかった。
「え!? あ、ああ。急に電話してごめんね。元気で良かった」
急にスマホを押し付けられて洋介は焦った。富士子と平介の手前普通に話せていたのに、一対一での会話と言われると、ちゃんと向き合おうと考えてメールしたのに返事を貰えなかった気まずさがぶり返してくる。何を言ったらいいのか分からない。
「えっと……、じゃあ……。……また」
『はい』
洋介は少し、ほんの数秒だろうがーー体感では二、三分かーー待ったが、星が通話を切ろうとしないので、もう一回「じゃあ」と言いながらゆっくりと通話を切った。
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