死を恋う神に花束を 白百合を携える純黒なる死の天使【アルファポリス版】

高坂 八尋

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作品解説

【全ネタバレ】作品独自のヨルムンガンド解説

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『編集中』


【ヨルムンガンド】


死の王、怪物の王、世界蛇、双生児、王とも。

〈向こう側〉から来るという謎の双生児。〈向こう側の女達〉がヨルムンガンドを人間の世界へ送り出しているという。

ヨルムンガンド双生児は互いに激しい攻撃性を持ち、ただ殺し合う為だけに存在する。

性別を持たない王は、人間と交わり番になる事によって、相手の性と反対の性別へと自在に変化する。その時ようやく成熟して大人になり、番となった相手の組織へ寄生して人間社会に災禍を招くのだった。

先代の王が崩御すると、期間も土地も決まりなく幼蛇ようだが顕現する。その為人間は幼蛇のうちに双生児を殺そうと画策するが、幼くとも既に人間を殺める術と悦びを具えており、危険な事に何ら変わりはない。

カイムのような王の血筋が残るということは、世界蛇は人との間に子供をもうけられるということになるが、三章までではまだ詳しい記述は無い。

生殖効率化の為、視覚的扇情性と粘膜興奮誘引能を持つ。双生児からの一方的な人間への皮膚等に対する粘膜接触は、異常な暴力性を伴う性的興奮を誘う。そして、一度接触してしまうと王のみに欲情する状態が続く。反面粘膜同士になると、人間へ思考能力を失わせる程の快楽をもたらし、王への欲情状態を鎮める効果がある。

チェスカルの見解では繰り返し段階を踏ませる事によって、脳へ刷り込んで行き、囲い込む為の能力ではないかという事だった。

特殊な生殖形態と、互いへの強い攻撃性から、けして交わらないものの象徴とされている。しかし、娼館〈蜂の巣〉、その女王蜂のねや天井には和合と称して、愛し合い交尾する巨大な蛇型のヨルムンガンドが画かれていた。

双生児は必ず黒髪と、青く蛍火を灯す瞳に、抜けるような白い肌を持つ。


『 その顔を形作る線は、緻密に造形されたかのよう。黒い睫毛は、遠くからでもよく見える程、長く豊かだ。青い瞳は仄暗く灯る。化粧を知らないであろう肌は、どこまでも透き通るようでいて白い。血色はまるで感じられないのに、不思議な事に、形の良い唇は血を刷いたように熟れている。

造り物のようだと思う。粗がまるでなくて、ただただ純粋に美を追求し極める、神の寵愛を受けた造形物。 』

(第2章 15話17節より抜粋)


体温が外気温と同じという生理がある。

感情の動きで――特に怒りに寄って――外気温すら奪い下げていくという生理がある。




《異能1》

綺紋きもん
王の使う異能。物質に文字のような紋様を綺述きじゅつする事によって、物質を支配し能力を付加出来る。綺紋は王の瞳と同じように、青く蛍火が灯る。
〈向こう側の女達〉が元々使う能力らしく、ヨルムンガンドは彼女達と血縁関係にあるため、綺紋官能を具えているという。



ヘルレアはこの能力で〈シャムシエル(シャマシュ)〉という自律人形というものを幼い頃に作り出した。一章では行方不明となっていた兵士〈オルスタッド・ハイルナー〉の探索を行い活躍し、その他にもクシエルの綺士を倒す一助となった。

ヘルレアは他にも綺紋を綺述したナイフを使うなどしている。

そうした綺紋を使う為に世界蛇は〈綺紋官能〉を具えているのだが、ヘルレアは一章の物語終盤でクシエルからオルスタッドを救う為に〈綺紋官能の発露〉というものを行った。そうすることによってヘルレアは綺紋を使えなくなり、身体能力も落としてしまう事になる。


《異能2》

王は綺士という下僕を持ち、自らの手駒として人間を使役し自在に操る。綺士は王から名前を与えられ、心臓に〈綺紋〉で与えた名前を〈綺述〉される。


《補足1》

〈向こう側の女達〉は一切不明の存在。自らの望むように人間社会の物事を〈采配〉という表現で動かすという。運命と認識する者もあるが謎。

〈向こう側〉も場所なのかすら不明。

対双生児業界で何故この言葉――〈女達〉や〈向こう側〉――が流通しているのかも既に判らない状態にある。別記にある〈外界〉とは全く違うものとも。


《補足2》
ヘルレアやクシエル等のヨルムンガンドは、伝説の蛇の名を冠するものの、対双生児業界ではウロボロスや、その他の伝承に置ける蛇と混交されている。なので、必ずしも王が伝承そのものの“ヨルムンガンド”という存在ではなく、完全に同一視はしていないようだ。どちらかというと〈蛇〉という存在に強く繋がりを持ち、時の流れによって混同、忘却などにより現在の状況に至っている。何よりも――恒例として――という言葉が先に付く事が多く、意味も理由も失われている事が多い。

一般の人々のほうが余程、ヨルムンガンドやウロボロス等の伝承に対して、明確な区分けを行っているよう、とも言われる。それは造形物に関しても同じようで、ステルスハウンドの館での“蛇”についての造形は、混沌としているようだ。

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