死を恋う神に花束を 白百合を携える純黒なる死の天使【アルファポリス版】
兵士の罪を、背負うことを定められた青年カイム。そして、最強の幼き人外である、無性別のヘルレイア。
愛なき契りを求められ、思惑で結ばれる二人は、本当の愛を見つけられるのか――。
兵士達をまとめる最高主権者、カイム・ノヴェクは、純黒の軍服まとい白百合を携える。その姿の彼を、誰もが天使と呼んだ。
死の具現、ヨルムンガンド・ヘルレイア。神話の大蛇を号して、世界最強の力を誇り、人界に災厄をもたらす死の神。
だが、この二人は生と死を違えた。
守るために殺め続ける人間。
過去の愛に不殺を誓う死神。
気紛れな糸に引き合わされた二人が、戦いの末に下す、決断とは――。
アルファポリス版 加筆修正有
世界へ災いを喚ぶ、双生児ヨルムンガンド。人間が認知しうる究極の美を誇り、黒い髪に白い肌、その瞳は青く蛍火のように灯る。双生児は人間と愛を交わすが為に美を具えた。
自身は性を持たず、番として交わった人間と、相反する性別へと自在に変化する。性別を得て初めて幼蛇は大人になり、番となった人間の地位に寄生し、己の巣として支配下に置くのだった。そして、双生児はただ互いを殺し合う為に存在する。双子は人間社会に死と苦痛を蔓延させ、紛争を裏から手引きして、終わりのない災禍を招くのだった。
ヨルムンガンド・ヘルレイア――ヘルレア。
王であるヘルレアは、十代半ばを迎えており、既に死期も間近に迫っていた。世界蛇は、番を得て性別を持たなければ、十代半ばくらいまでしか命がない。
そんなおり、民間軍事会社〈ステルスハウンド〉の代表――カイム・ノヴェクがヘルレアの番として名乗りを上げる。ヘルレアと交渉したカイムなのだが、彼の風貌で『お人形さん』と突っぱねられてしまうのだった。番の話しは破談。だが、些細なきっかけでヘルレアと再開。今度は、舞い込んできた紛争で、双方の思惑が一致し、共闘することとなる。
カイムの兵士――彼らは、自らを猟犬と呼ぶ。
猟犬の一人ジェイド・マーロンは、雪深い東占領区へと、ヘルレアと協力して潜入していくのだった。だが、猟犬達と王は仇敵。ジェイドはヘルレアへ憎しみを抱いている。ただ主人であるカイムの言葉を胸にして、王と歩む道を選んだだけにしかすぎない。
――王と猟犬。
相容れない二者は、苦難の道行きに希望を見い出せるのか。
双生児、その相対する二王の壮絶な戦いが始まる――。
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