死を恋う神に花束を 白百合を携える純黒なる死の天使【アルファポリス版】

高坂 八尋

文字の大きさ
86 / 167
二章 猟犬の掟

第17話 煙霧に狂う

しおりを挟む
23


 チェスカルは寝ていたようだった。

 慌てて体勢を立て直すと、庭木に寄りかかって眠っていたようだ、というのが分かった。そこは民家のささやかな庭で、花壇には小花が咲いている。よく見る平和な光景なのだが――。

 触れられそうな程、霧が深い。

「幻?」チェスカルは立ち上がり周囲を観察する。

 霧以外おかしな風景ではない。今まで自分がいた場所を考えなければ。

 これも幻覚で惑わされているというのだろうか。しかし、チェスカルにはこの民家の見覚えがなかった。庭を出て公道へ出てみる。霧が濃過ぎて先まで見通せない。霧の中に、黒く影を浮かばせる建物へ、向かってみる。やはりごく普通の民家であった。何も珍しくもないありふれた家。

 家を見上げていると、人の気配が迫って来て、視線を素早く落とす。チェスカルはほとんど攻撃する体勢に入っていたが、中年の女性が普通に横切って行った。何の珍しくもない主婦だ。思わず目で追いかけると、人が何の奇異もなく歩道を歩き、遠くからは車が走る音もする。

 ごく普通の日常がそこにあった。

 何故か自分が唐突に切り貼りされた気分で、周囲を見て周る。何もおかしくはない、ただ異常に霧が濃いそれだけだ。

 チェスカルは人に話しかけるべきか迷う。これも何かの罠なのか。

 チェスカルは周囲を見渡しているうちに、通行人とかなり近付いてしまい、飛び退いた。

「失礼」

 相手の青年も社交辞令で笑むと、通り過ぎようとした。

「いや、待ってください」

「どうかしましたか」

「ここは何という場所ですか」

「ローザ村ですけど」

「なるほど、ご親切にありがとう」

 青年は何の興味もなさそうに通り過ぎて行った。

 ここはチェスカル達が目指していたローザ村だ。日中なので行き交う人は多く、村という区分から来る想像とは離れた賑やかさだ。

 ――使徒の擬態から来る影響か。

 ――しかし、何かがおかしい。

 あの女児を満身創痍にして、兄を救ってくれとすがらせる化物がここにいるのだろうか。子供の言う事だと侮る気は更々ない。むしろ恐怖に対しては子供の方が余程敏感なのだ。しかし、だからといって、大人が鈍感だから今の風景があるとも言わない。

 正直、チェスカルはもう既に、村が混乱の渦中にあるのではないかと思っていた。手遅れだとも思っていた。身食いに支配され、管理されている、と。しかし、今の様子は散発的な使徒に、二、三人喰われているような、初期段階にあるかどうかの状態に見受けられる。つまり、村人は使徒そのものに気付いているかさえ危うい。

 チェスカルは心を落着けて村を覗う。

 村人が歩道を行く。ベビーカーを押す母親がいて、荷物を抱えた老人がいる。ある人達は道の隙間を見つけて、たむろしてお喋りをする。軽トラが走り去ると、排気ガスの胸を悪くする臭いが鼻をついた。

 この乾いたような喧騒。

「……幻覚なのか?」

 せめて、あの子の名と家が分かれば、家族の安否を確認出来たはず。

 副隊長と呼ぶ、よく聞き慣れた声がどこからか聞こえる。周囲を見渡してみると、霧の中、人より一つ以上高いところにある顔を見つけた。片手を上げて、人好きのする笑顔で走ってくる。

「ハルヒコ、無事だったか」

「何故かいきなりローザ村へ来ていて。これもまた、幻惑係妖魔の仕業かと思ったのですが」

「お前も妖人を仕掛けられたか」

「やられましたけど、偶然タックルして潰しました」

「よくやった――ルークは」

「……あいつは、考えても仕方がないです。自分から出て来るのを待ちましょう」

「まあ、そうだな。何とかなるだろう」

「そんな事より、ここがローザ村と言われて、思っていたより、その……」

「正常過ぎる、か?」

「ブドウちゃんに申し訳ないんだけど、俺、正直ローザ村は絶望的かと思っていました」

「私もそうだ。相違ない」

「でも、今の様子を見ると、何かが違うんですよね。あまりにも綺麗過ぎる」

「綺麗過ぎる、か」

「浮き足立つ感じがなくて不安になる。不気味なんです。本当に誰も異変に気付いてないのかって」

「ハルヒコに言われて、私も自分の中にあるものが分かった気がする。どこかもう少し、違和感なく村人と接触出来るところへ行ってみよう。単純に酒場へでも行ってみるか」




 歩き周って見つけたのうらぶれたパブだった。ローザ村というのは何とも健全なのか、昼間は酒場類が軒並み閉まっているのだ。

 店内へ入ると客の男が三、四人いる。女は三人いて、その派手な服装から店の者だと分かる。

 チェスカルは品定めを始めた。さり気なく周囲を見回す振りをして、瞬時に店内に居る全員の身体的特徴を把握する。

 一番若そうな男へ、チェスカルは目を向ける。ティーシャツにスウェットパンツで、独り酒をチビチビ飲んでいる。二十二才くらい、座っているがおそらく身長は百七十、二か三センチ、体重七十キロ台。筋肉量より脂肪が上回っている。筋肉の質と量から戦闘経験は無し。装いから近隣住民。直近は肉体労働。

 指で合図を送ると、ハルヒコが一人で男の元へ向かった。

「やあやあ、何だか楽しそうだね。俺も混ぜてくれる?」

 ハルヒコがやや大げさで、微妙にズレた調子で突っ込んで行く。

 チェスカルは酒をボトルで注文して、ハルヒコの元へ運ぶように指示する。

 暇そうな女を手早く選ぶ。

 チェスカルは背中を向ける女に目を止めた。ナチュラルな茶色の髪を、高い位置でまとめ髪にしていて、シンプルなシャツとタイトなスカート姿をしている。チェスカルは偶然振り返った彼女と、目を合わせてしまった。

 彼女はけして美しいと表現出来る容貌ではなく――醜いというわけではないが――どちらかというと愛嬌のある丸顔だった。場所柄で化粧は濃いが、その女にはあまり似合っていなかった。チェスカルの目算で二十才という年故か、素顔の方が、おそらく彼女の大人に成り切れない顔に合っているだろう。

 年齢は二十才、百六十一センチ。四十キロ台か、痩せているな。だが、よく筋肉量もあって運動しているのが見受けられる。彼女の様子から、この中に馴染みの客は無し、だろう。これなら変に悋気も起こされまい。

「ねえ、名前何ていうの?」地声より低めに発声する。

「ミラ」

「ミラちゃん、俺達と一緒に酒飲まない?」

 女が了承すると直ぐに対人距離を詰めて、腰を引くと一瞬驚いていたが、直ぐにとろけるような笑顔になる。

「身体、凄く鍛えているのね」

「後で、見せてあげるよ」

 くすくすと密やかに笑い合う。

「君に会えて嬉しい」耳元で囁く。

 その声は甘いのに、チェスカルの顔はいつもの仏頂面。見えていなければ何でもいいのだ。

 女の首元に入墨を見る。

 ――百足ムカデの入墨。それに文字……名前か。

 強過ぎる香水の臭いで鼻が鈍感になりそう。猟犬にはかなりキツい。顔が見えないようにして、しかめた。

 ハルヒコと若い男の元へ行くと、チェスカルは屈託なく笑う。若い男の傍へ女を誘導した。

「おお、酒ゴチになります」

「いただきます」

「休暇で来たんですけど、いい村ですよね」ハルヒコは相変わらず良い人そうだ。

「俺の故郷はローザ村によく似ていて、実家を思い出して――あ、でも妖樹の森はないよ」チェスカルは手をひらひらと小さく振ってから、酒を傾ける。

「こんな森、あっちこっちあったら困るわよ」ミラが笑っている。

「なんか、霧酷くない?」チェスカルが困り顔で笑う。酒を仕掛けておいた吸水体へ、少しずつ捨てていたのだ。

「そうね」

「まあな」

 チェスカルはハルヒコへ一瞬だけ視線を送った。

「俺、方向音痴だからやなんだよね」ハルヒコがにこにこ笑う。

「ねえ、二人共お名前教えて」

「俺はヤン」

「オズワルド」

「俺は村の人間なんだけど、アキ」

「ヤンさん、私はミラっていうの。よろしく」

「なんか嬉しいね。みんなとお近づきになれて」チェスカルは陽気に笑う。

「俺もなんだか今日は楽しい」アキが酒を呷る。

「ねえ、オズワルドさんはどんなお仕事なさっているの」

「車のディーラー」

「どこの車かしら」

「クストース」

 事前にハルヒコと決めておいた車の名前を出す。高過ぎず安過ぎず、女の気を引け、男の矜持を脅かさないギリギリのラインを守る。

「外車なのね。あら、でも、アメリアの方かしら。そうすると外車ではなくて、国産車?」

 チェスカルの人種的特徴をいうと、大陸のアメリア国土でいう北西部を占める民族のものだ。さすがに見た目ばかりはいじれないし、話しを複雑にせざる負えない場合を除いて、真実も織り交ぜつつ会話を進めて行く。

「アメリア人だよ。ヤンもそう」

「じゃあ、ここへは、まさか遊びに?」

「俺達は妖樹の森が見たくてね。幼馴染の男二人でドライブってとこ」チェスカルが気さくにハルヒコの肩を叩く。

「そりゃいい、俺もそういう事してみたいな」

「ああ、気楽でいいよ」

「男の人ってそういうの好きね。男の友情って憧れてしまうところがあるわ」

 ドリンク類を次々に追加して、気分が上がるような話題をチェスカルとハルヒコは絶えず提供していく。若い男も女も楽しげで、段々と饒舌になって行く具合を、チェスカルは測っていた。気分が上がった状態を保たせつつ、ちょろちょろと自分達が欲しい話へ軌道をずらしていくのだが、肝心な話しになると、二言三言で終わってしまう。

 チェスカルはこの二人といても実にならないと、ハルヒコへサインをだした。

「ところで、あのさ、変な噂を聞いたんだけど。女の子が行方不明だとかって本当なの?」

「何の話しかしら」

「初めて聞いたな」

 ――また、これだ。

 チェスカルは二人をよく観察する。

 女がわざとらしくカウンターを見た。

「ごめんなさい、呼ばれちゃった」

「ああ、俺ももう帰るわ。楽しかった、ありがとう」

 二人がほぼ同時に立ち上がった。チェスカルは驚いて、不自然な挙動を取りかけたが、ごく自然に会計を済ませると店を出る。

「初端、気候の話しに乗ってこないのは気になるな」

「変な感じがしますね。濃霧という特色が十二分にあるのに、挨拶のような会話を避けるのは不思議です。民間人ですから、初対面となると無難な会話を求めると思うのに」

「それに何よりも、この小さな村で数日前に女の子が一人逃げ出したというのに、直接的な問い掛けにすら、村人は何も反応を示さなかった。噂の一つすら流れないというのは奇妙と言ってもいいかもしれないな――気付かない、あるいは隠している――どちらにしろ、不自然なものを感じざるおえない」

「結局、どうにもならなくて確信を突いたのに、それも駄目でしたね」

「……乗せる事は出来たはず」

「俺、相変わらず副隊長には慣れない。身体に悪い。鬼の形相されてる方が、居心地いいくらいです」

 場の雰囲気を作るというのは大事なことだ。チェスカルは対人工作もわりかし得意としている。場を支配するのではなく、盛り上がる方向へ働きかけ円滑に物事を進めてやるのだ。カイムや――あるいはヘルレア――のように、一瞬で場を掌握して支配するような、既に力と呼ぶべき強いものではなく、せせこましい工作でしかないが、猟犬として生きるには便利なものである。あるのだが、部下がドン引きするのが、チェスカルには少々面倒だった。

 店からミラが出て来る。

「今日、休みにしてもらっちゃった。オズワルドさん一緒にどうかしら」

 チェスカルはやり過ぎたな、と内心悪態をつく。だが、男女の仲というのは踏み込むのに丁度いい。

「ヤン、先に行っててくれ」

「あ、え、はい」

 ――ハルヒコ、動揺するな。

「どこか、遊びに行く?」

「ここは何もないわよ」

 ミラはチェスカルの腕に自身の腕を絡め、身体を密着させる。女の柔らかな身体に、チェスカルは捕らえられてしまったような気がした。

「昼間から行くの?」チェスカルはミラの髪を触る。

「いいじゃない、楽しいわよ」

 ――どうか、待っててブドウちゃん。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

処理中です...