死を恋う神に花束を 白百合を携える純黒なる死の天使【アルファポリス版】

高坂 八尋

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二章 猟犬の掟

エピローグ2

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 ――私は死んだのだろうか。

 言葉を引きずり目を醒ます。

 その瞬間に、ここがよく見知った館の別館、医療棟だと理解した。

 少しだけ手狭に感じる薄暗い個室。しかし、病院の個室と思えば些か広い。

 窓のカーテンは閉じられている。

 部屋は薄暗いが照明が点いていた。廊下への扉は開放され、差し込む明りが部屋との落差で強く感じる。

 一体何が起こって医療棟などにいるのか。

 そう、事故を起こした。

 山道で車が燃え盛り、手を差し伸べられて――。

 ――それは、誰に?

 オルスタッドはそれ以上思い出せなかった。

 医療棟へ来てからこれで何度目になるのだろう。目を醒しては同じ事を考えて、考えている内に気を失って自分を見失う。

 混乱している。そして、最も忘れてはいけない何かを、決定的に思い出せなくなっている気がする。

 どれだけの時が過ぎたのか。

 何にしろ損なったものを取り戻せるだけの時間を、費やしていないのだけは確かだった。

 汗が額に浮いていた。身体が弱く震える。身体を静める為に、自分の体調へと感覚を澄ませた。

 オルスタッドは自分の内側へ意識を向け続ける。しかし、彼は一瞬で獲物を捕える素早い視線へ変えた。部屋の中へ止めどなく目を走らせ続ける。気配がする。限りなく闇く静かなものがいる。開いたドアの中程から、どういう仕掛けか、が貼り付くように覗いている。立って身体を折り曲げているのではなく、完全に壁へ取り付いてヤモリのようだ。それは面を着けていて、長い口吻と立ち耳が、ルークの天犬地味た容貌に似ている。しかしその色は暗過ぎて虚空に穴が空いているかのよう。オルスタッドが見つめていると、全身闇いイヌが、驚くべき愚鈍さで壁を這い、四足で床に降りてきた。

 そのイヌは腰の曲がった老人のような姿勢で、胸に手を当て頭を垂れる。これは近現代から我が国では、立礼においては最敬礼を意味する。動作一つ取っても物音一つしない。

「分からないあなたではないでしょう。長い間、本当にお疲れさまでした」

 ――これが噂で聞く、地獄の番犬ヘルハウンド

「私からあの方へ言葉を伝える事は?」

「お赦しください。小生にはあの方とやらは図りかねます」

 オルスタッドは主人にすら棄てられたのだと、胸に痛みが走った。だが、直ぐに感覚は鈍麻し、意識がふわふわとして眠ってしまいそうになる。

「……はて、でもどなたかが独り言を仰っていましたな――ただ、誇りに思うと」

 オルスタッドは息を呑む。涙がこめかみを伝うのをはっきりと感じ取れた。

 彼は意識が散じないよう、懸命に意識を保たせ続ける。明らかにカイムは、オルスタッドへ夢を見せようと局所集中的に操作している。

 ――忘れられてはいない。棄てられてはいない。

 あらゆる過酷な任務に耐えて来た猟犬としての生涯。他の猟犬とはまた違う、自ら望んで選んだ道とはいえ苦しく辛い事には変わりがなかった。そして、また他の兵士のように骸となって帰還した――あるいは帰る事も出来なかった――とは違い、手負いとなって地獄の番犬から直に死を賜る、その幸と不幸。穏やかな主の顔を思い出し、オルスタッドは微笑む。

 ――お言葉を頂戴出来ただけでも、十分ではないのか。

「では、参りましょうか。恐れは無用に御座います」

 番犬が何かを握っているようだったが、何も見えなかった。

 オルスタッドは夢に誘われるまま目を瞑る。もう、抵抗はしなかった。

「――終わらない夢を約束しよう、か」

 オルスタッドの顔は、変わらずほころんでいる。

 優しい声がぽつんぽつんと心に溢れて来た。


 ……お帰り、よく帰って来たね。


 いつの間にか主人の元へ帰った事に気が付いた。何の任務に赴いていたかと考えるが、ただ日向にいるような心地よさで主人の顔を見ていた。

 緑の瞳が優しげに細められ、微笑んでいた。

 オルスタッドは不思議な感覚に首を傾げる。


 ――任務はどうなったのでしょうか?


 ……もう、いいんだよ。


 ――いいのですか、何故でしょう。


 ……一緒に廃霊園へ行こう。


 ――お伴させて頂けるのですか。

 オルスタッドが喜びに相好を崩した瞬間、遠くからか、それとも近くからなのか、声なき哄笑が上がった。ただそれは呼気だけで繰り返されて、彼の耳にまとわり付いた。

 オルスタッドはその不快な音で、自分が夢を見ている事に気付く。現実へ引き戻されると、猟犬として養った感覚で、直ぐ反射的に周囲を見回した。

 その哄笑は番犬がもたらしたものはない事が分かった。番犬は無言で近付いて来る。長い間、夢を見ていた気になっていたが、愚鈍な番犬は今だオルスタッドの傍へは来ていなかった。

 そろそろと番犬が近寄って来て、オルスタッドの足元へようやく辿り着く。――その一歩。怒りのような何かが爆発的に部屋へ満ちた。

 瞬間、地獄の番犬が先程では考えられない速さで飛び退ると、いなくなってしまった。

 どこかで青い火が灯る。

 彼の身の内で激しい炎が燃え盛っている。なのに炎はまるで闇を照らす事がない。闇の中で炎は荒れ狂い、オルスタッドを脅かしている。この、けして消えない炎が、身体を凍り付かせているのが分かる。酷く寒々しくて、身体の芯まで犯しているのが分かった。
 
 滲むように白い手が闇に浮かび上がる。白くほっそりとした手だった。手は闇を探っていた。何ものも触れられないはずの闇の中を、白い手が伸びてくる。手は闇を舐め取るようにゆっくりと動いていた。

 青い炎が荒れている。

 白い手が闇を弄ると、冷や汗が額を流れ落ちた。

 ――炎が、

 これは現実ではない。

 手が近付いて来る程、炎はその動きを激しくした。炎と手が互いに呼び合っている。

 何故――。

 何をしている。

 目的は。

 ――私を探している。

 これは、いつか見た、青。

 そして、差し伸べられたのは――、

 岩の高みに立つ子供が、オルスタッドを見下ろしていた。手には巨大な岩塊を持ち、赤い液体が伝い落ちる。オルスタッドは子供へ目が釘付けになる。子供が首を傾げると風が吹いた。

 青い双眸がオルスタッドを睥睨する。子供は僅かに低い哄笑を上げ始める。

 オルスタッドはいつの間にか、自分の手が真っ赤に染まっている事に気が付いた。

 ――騙して、傷付けて、無視した。

 ――無いもののように振る舞って。

 ――人の想いも踏み躙った。

 ――邪魔になったら、どうした?

 ――この、ひとごろし。

 自分自身を責立てる声が、止められなくなった。分かっている。知っている。だから、受け取ってくれる。護ってくれる。

 そして、気付く。

 夢が見られなくなっていた。

 子供がいつの間にか平坦な場所にいる。

『可哀想な生き物』

 子供が手を伸ばすと、いつの間にか闇を弄る手と重なり合う。はっきり見えるようになると、全身に凄まじいミミズ腫れが彫られたように走っていた。見るだけで痛々しいというのに、本人は全く気にしている様子がない。

『逃げる場所をあげようか』

 子供が笑み崩れる。

『夢を見せてあげる』

『終わらない夢を約束しよう』

 オルスタッドは言葉に出来ない怒りを覚え、夢の中で、夢を断ち切る様に抵抗する。

 ――お救い下さい。

 ――どうか、どうか。

「目を覚ませ、お前の主は業魔だ!」

 耳へ直接語りかけられ、オルスタッドは身を竦ませた。彼はいつの間にか再び現実へ戻っていた。荒れた息を繰り返し、周囲を窺う。確かにベッド脇へ子供が立っていたような気がする。だが、誰もいなかった。

 穏やかな風がオルスタッドの頬を撫でた。

 風で汗がひんやりと冷たい。風に息をつくと、カーテンがたなびいているのが分かった。

 オルスタッドは今までとは違う気配がある事に気付いた。誰かが確実に居る。そして、隠す気が全くないのだと分かった。それはあまりに自然だったからだ。地獄の番犬のように鍛え上げられて気配を消しているような、ある種無理をしたような異物感がない。

 気配はあまりにも大きくて、それはどこか凍てつくような――。

 彼には気配の中心が直ぐに分かり、眼で捉えた。しかし、そこにあるのは余りにも小さい影だった。

「オルスタッド、目を醒ましたな。私が誰か分かるか」

 黒い髪に青い瞳。薄闇の中で仄かに灯る双眸がオルスタッドを見つめている。でも、悪夢に見た存在ではないと直ぐに分かった。

 その子供は独り立っていた。

「……ヨルムンガンド」

「ヘルレアだ」

「我が死神はこんなにも美しいのか……」

「馬鹿を言うな」

「ずっとお会いしてみたかった」

「奇矯な事だ」

「お褒めに預かり光栄です」

「もうお前の心は半分喰われてる」

「知っています。もう心のどこかが自分のものではないところに居ます」

「分かるんだな」

「今も私の中にいます。私はどうなるのでしょう」

「お前次第だ」

「私、次第?」

「クシエルを受け入れれば、命は永らえられるはず……」

「拒否すれば」

「聞かなくても、そんな事分かるだろう――お前は死ぬ」

「ヘルレアから直接お聞きしたかったので、これで満足です」

「お前はどうする気だ。どちらにしろボンボンの掃除屋に片付けられるぞ」

「このような二択、迷う必要も何もないでしょう――私は猟犬のまま死にます」

 ヘルレアが暗く笑う。

猟犬おまえたちは、馬鹿ばかりだな」

「幸いというものです、ヘルレア」

「どうしようもない馬鹿野郎に、私がもう一つ選択肢をやろうか」

「どう言う事ですか?」

「私の綺士にしてやるって事だよ。綺士になれば、損傷は全てなかった事になる」

「そんな事が許されるのですか? しかし、猟犬ではいられなくなってしまうのでは」

「生きてれば何とかなるだろう。ただし、もう二度と普通には生きられないし、何より、人と同じ時間は生きられなくなる。さあ、どうする」

「迷うはずなどありましょうか」

 ヘルレアは伏し目がちに微笑む。

 ナイフを抜く音がしてオルスタッドは身体を強張らせたが、ヘルレアは手にするナイフを、いとも簡単に手で折ってしまった。

 すると真っ二つのナイフから、仄かに青い紋様が滲み出て来て、中空に踊る。それは薄暗がりであまりにも幻想的に灯っている。

「なんと、神秘的な」

「オルスタッド、今私は事情があって綺紋が使えない。綺士を下すには綺紋が必要なんだ。だから、ナイフの綺紋を解いて無理矢理お前に綺述する」

 オルスタッドは何を答えるべきか分からず、無言のまま通した。

「もう、これで私の武器はお前だけになる」

「お側におりましょう」

 オルスタッドの脳裏にカイムの顔が過る。

 ――もうあの方のお側に居ても、お役には立てないのだから。せめて、違う道で。

 ヘルレアは小さく白い手を差し出すと、浮かんでいる綺紋が手へ吸い込まれて行った。すると手のひらには、紋様が青く灯って、浮かび上がっている。造形があまりにも精緻で、彼はついぼんやりと見つめてしまう。

 その手は、いつか見た死ではなかった。

 オルスタッドはそう感じた。

「……全部が全部、出来損ないで、いい思いはさせてやれないかもしれない。今までよりも更に、過酷になると想像に難くない――すまない、私のオルスタッド」

 その声はあまりにも優しく悲しげだった。

 オルスタッドは自分の選択が間違っていないのだと、笑み頷く。米上に涙が一粒溢れる。

 オルスタッドは恭しく手を取った。

 ――ヨルムンガンド・ヘルレイア。

 全身全霊を以ってお仕え致します。




つづく

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