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三章 棘の迷宮
第33話 抱え切れない力
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34
ヘルレアが死体を軽々と飛び越えると、血の一滴も踏まずに廊下をひた走って行く。少し前に自害した〈聖母の盾〉の構成員二人の死体は、変わらず廊下に倒れ伏していたままだった。
ヘルレアはやはり進む速度を抑えているようで、ジェイドとオリヴァンが追い付いていけるようにしている。ジェイドもなるべく足手まといにならないようにと、走りたいものだが、それでは今度オリヴァンを取り残しかねない。ジェイドはオリヴァンと横並びになるか、ならないかの速度で調整していた。
思い違いをしかける時があるが、ヘルレアは人ではない。王がどんなに気を使って人に合わせようとしていても、完全に調和を保てはしない。
「ヘルレア、敵は!」
「今なら分かり易い。巣の性質か、守りの強さは底に行くほど強くなる。上層階から攻めてくるなら、とっととカイムを拾って、降りてくる奴をぶっ殺すぞ」
「この方角で降りて行けるのか」
「近道だ、守りが薄い方へ向かう。今度こそ床ぶち抜いて一気に下る。意味は分かるだろう」
「交戦するしかないな」
「邪魔だから下がってろ」
ヘルレアはそれ以上何も言わず、速度を上げてしまった。
どんなに駆けても相変わらず、左右対称の廊下が続いているので、ヘルレアの誘導がなければ一切移動している感覚が掴めず、忽ち迷ってしまうだろう。現状、ヘルレアを見失いはしないが、どこか王は一人走り去ってしまうのではないかという思いが、ジェイドの胸をもたげた。
――何か失いかけているような。
――それは何を。
「……何が不安なんだ、」ジェイドは溢す。
「ワンコちゃん独りで何言ってんの?」
「不安も何も、私が戦ってやるんだ。巻き込まれない範囲で、好きに見てろ」
「それは……いや、俺も戦おう」
「先ほどの言葉を聞いてなかったのか。邪魔だ」
「そんな事言われてもな。楽をしたら主人にどやされる」ジェイドから自然に、笑顔が引き出された。そこに喜びなどなかった。鍛錬された機械的な感情表現には、本心を悟らせる隙きなどなかった。
「巻き込まれて死んでも知らないぞ」
「それは気にするな。どうせ遠からず死ぬのだから」
「忠告だ、死に時は選べ。カイムのお遊びに付き合ったばかりに、娼館で命を捨てる羽目になるのは愚行だ」
「本当だね、ダサダサだね」
「これが選んだ死に時だ」
「……何を考えているかは知らないが、私が今、死ぬなと言っているんだ。お前に死期を選ぶ自由などない」
思いの外強い言葉に、ジェイドは二の句が継げなかった。それは、死の王からジェイドへ下された言葉だった。
「喜べ、死に時は私が決めてやる。あの間抜け、行方を眩ませやがって」
ヘルレアは本当にイラついているようだった。王のどこか荒れたような足運びに、ジェイドが気を取られてしまう。しかし、直ぐにヘルレアは天井を見上げて、些細に目を走らせ始めた。
「上階から魍魎が近付いてくる」
ヘルレアは滑るように立ち止まると、今にも襲い掛かっていきそうに身を構えた。
時を置かず天井から、巨大な犬に似た獣が顔を出す。その赤と錆び色が縞模様になった毛色の犬は、首が出るまで乗り出して来た。それは天井を壊ったというより、すり抜けて覗き込んでいたのだ。
ジェイドは一瞬で、ヘルレアを強く抑え込むように発声した。
「待て! あれはエルドの炎狗だ――炎狗、エルド達は側にいるのか」
炎狗は黒い瞳で瞬き、まるでジェイドへ笑いかけているようにさえ見える。
「ジェイド殿、エルドや他の猟犬もおります。既に敵と交戦済みで撃退いたしました。次の敵襲もそう遠くはないかと」
「そうか、ヘルレア。猟犬共を呼び寄せるか?」
「いや、上はあいつらにまかせる方がいいだろう。自分達で無駄に穴を開いて、人間共を通す道を作ることはない。このままなら外道の魍魎しか、今は通れない筈だ。猟犬共が居るなら、多少なりとも敵が降って来ないように、時間が稼げるはずだ」
「ジェイド殿、それでよろしいですか」
「分かった、上はお前達が対処しろ」
「御意」炎狗は天井に溶けるように消えていった。
ヘルレアがしばらく炎狗が居た天井付近を見ている。
「お前等、あのようなものを使っているのか」
「まあ、あれを使役できるのはエルドだけだからな。俺には到底無理だ。だから、別に猟犬が万能というわけではないぞ」
炎狗は四凶でいうところの外道だ。外道は召喚喚起をまとめた呼称となる。ジェイド達は〈蜂の巣〉で先程、召喚体である天使と遭遇したが、炎狗の場合は喚起体に分類される。通常は召喚体の方が上位存在であるが、その契約方法によっては、召喚喚起の力関係が逆転する場合がある。術者の余力によって使役という方法が可能となり、外道を完全な形で配下に置けるようになるからだ。
「……よく下す覚悟があったな」
「そこは俺には分からん世界だ。聞いてくれるな――リスクも大きい、だからあの時ヘルレアに同道させなかった。あれを見れば、それはわかるだろう。力が強いだけ、自滅されれば取り返しがつかなくなる。だが、今はカイムが居るからな。状況がまた違う」
ヘルレアはジェイドを見詰めて、無言で何か考えている。
「ああ、何となく分かったよ」
ヘルレアは踵を返して、また廊下を走り始めた。もう、無駄話はしなかった。廊下を直進し続けては、たまに折れる事もあり、少しづつ廊下の様相が変わって来た感覚に気が付き始めた。
「何と表現するべきか、更に普通になって来た雰囲気がある。棲家の廊下を走っているような、そうした自然さだ」
「階下へ降りやすい場所は、もう、殆ど力の外だ。その感想に間違いはない。そろそろ、適当な所で部屋へ入るぞ。その方が安全性が高い」
「ねえねえ、ヘルレア王。部屋ってどこでもいいの?」
「は? まあ、どこでもいいが……オリヴァン・リード、お前には絶対選ばせない」
「それって、あれだよね。押すな、押すなの――押すんじゃないぞっとお!」
オリヴァンは勝手に手近な扉を、叩きつけるように開けた。
獣の猛る声が爆音で廊下に押し寄せて来た。
「クソ野郎! お前絶対に態とだろ」
「俺っちにそんな力は無いよん」
ヘルレアが自分の背後にオリヴァンを押しやって、部屋から遠ざける。切れてはいるが、相変わらず人を気遣ってくれる。それがこのオリヴァンであろうとも。
「もうこうなったらやるしかない。ここから下を目指すぞ。ジェイド、ゴミを隅に掃いとけ」
オリヴァンの呼び名が、ゴミに定着しそうになっている。
ヘルレアが死体を軽々と飛び越えると、血の一滴も踏まずに廊下をひた走って行く。少し前に自害した〈聖母の盾〉の構成員二人の死体は、変わらず廊下に倒れ伏していたままだった。
ヘルレアはやはり進む速度を抑えているようで、ジェイドとオリヴァンが追い付いていけるようにしている。ジェイドもなるべく足手まといにならないようにと、走りたいものだが、それでは今度オリヴァンを取り残しかねない。ジェイドはオリヴァンと横並びになるか、ならないかの速度で調整していた。
思い違いをしかける時があるが、ヘルレアは人ではない。王がどんなに気を使って人に合わせようとしていても、完全に調和を保てはしない。
「ヘルレア、敵は!」
「今なら分かり易い。巣の性質か、守りの強さは底に行くほど強くなる。上層階から攻めてくるなら、とっととカイムを拾って、降りてくる奴をぶっ殺すぞ」
「この方角で降りて行けるのか」
「近道だ、守りが薄い方へ向かう。今度こそ床ぶち抜いて一気に下る。意味は分かるだろう」
「交戦するしかないな」
「邪魔だから下がってろ」
ヘルレアはそれ以上何も言わず、速度を上げてしまった。
どんなに駆けても相変わらず、左右対称の廊下が続いているので、ヘルレアの誘導がなければ一切移動している感覚が掴めず、忽ち迷ってしまうだろう。現状、ヘルレアを見失いはしないが、どこか王は一人走り去ってしまうのではないかという思いが、ジェイドの胸をもたげた。
――何か失いかけているような。
――それは何を。
「……何が不安なんだ、」ジェイドは溢す。
「ワンコちゃん独りで何言ってんの?」
「不安も何も、私が戦ってやるんだ。巻き込まれない範囲で、好きに見てろ」
「それは……いや、俺も戦おう」
「先ほどの言葉を聞いてなかったのか。邪魔だ」
「そんな事言われてもな。楽をしたら主人にどやされる」ジェイドから自然に、笑顔が引き出された。そこに喜びなどなかった。鍛錬された機械的な感情表現には、本心を悟らせる隙きなどなかった。
「巻き込まれて死んでも知らないぞ」
「それは気にするな。どうせ遠からず死ぬのだから」
「忠告だ、死に時は選べ。カイムのお遊びに付き合ったばかりに、娼館で命を捨てる羽目になるのは愚行だ」
「本当だね、ダサダサだね」
「これが選んだ死に時だ」
「……何を考えているかは知らないが、私が今、死ぬなと言っているんだ。お前に死期を選ぶ自由などない」
思いの外強い言葉に、ジェイドは二の句が継げなかった。それは、死の王からジェイドへ下された言葉だった。
「喜べ、死に時は私が決めてやる。あの間抜け、行方を眩ませやがって」
ヘルレアは本当にイラついているようだった。王のどこか荒れたような足運びに、ジェイドが気を取られてしまう。しかし、直ぐにヘルレアは天井を見上げて、些細に目を走らせ始めた。
「上階から魍魎が近付いてくる」
ヘルレアは滑るように立ち止まると、今にも襲い掛かっていきそうに身を構えた。
時を置かず天井から、巨大な犬に似た獣が顔を出す。その赤と錆び色が縞模様になった毛色の犬は、首が出るまで乗り出して来た。それは天井を壊ったというより、すり抜けて覗き込んでいたのだ。
ジェイドは一瞬で、ヘルレアを強く抑え込むように発声した。
「待て! あれはエルドの炎狗だ――炎狗、エルド達は側にいるのか」
炎狗は黒い瞳で瞬き、まるでジェイドへ笑いかけているようにさえ見える。
「ジェイド殿、エルドや他の猟犬もおります。既に敵と交戦済みで撃退いたしました。次の敵襲もそう遠くはないかと」
「そうか、ヘルレア。猟犬共を呼び寄せるか?」
「いや、上はあいつらにまかせる方がいいだろう。自分達で無駄に穴を開いて、人間共を通す道を作ることはない。このままなら外道の魍魎しか、今は通れない筈だ。猟犬共が居るなら、多少なりとも敵が降って来ないように、時間が稼げるはずだ」
「ジェイド殿、それでよろしいですか」
「分かった、上はお前達が対処しろ」
「御意」炎狗は天井に溶けるように消えていった。
ヘルレアがしばらく炎狗が居た天井付近を見ている。
「お前等、あのようなものを使っているのか」
「まあ、あれを使役できるのはエルドだけだからな。俺には到底無理だ。だから、別に猟犬が万能というわけではないぞ」
炎狗は四凶でいうところの外道だ。外道は召喚喚起をまとめた呼称となる。ジェイド達は〈蜂の巣〉で先程、召喚体である天使と遭遇したが、炎狗の場合は喚起体に分類される。通常は召喚体の方が上位存在であるが、その契約方法によっては、召喚喚起の力関係が逆転する場合がある。術者の余力によって使役という方法が可能となり、外道を完全な形で配下に置けるようになるからだ。
「……よく下す覚悟があったな」
「そこは俺には分からん世界だ。聞いてくれるな――リスクも大きい、だからあの時ヘルレアに同道させなかった。あれを見れば、それはわかるだろう。力が強いだけ、自滅されれば取り返しがつかなくなる。だが、今はカイムが居るからな。状況がまた違う」
ヘルレアはジェイドを見詰めて、無言で何か考えている。
「ああ、何となく分かったよ」
ヘルレアは踵を返して、また廊下を走り始めた。もう、無駄話はしなかった。廊下を直進し続けては、たまに折れる事もあり、少しづつ廊下の様相が変わって来た感覚に気が付き始めた。
「何と表現するべきか、更に普通になって来た雰囲気がある。棲家の廊下を走っているような、そうした自然さだ」
「階下へ降りやすい場所は、もう、殆ど力の外だ。その感想に間違いはない。そろそろ、適当な所で部屋へ入るぞ。その方が安全性が高い」
「ねえねえ、ヘルレア王。部屋ってどこでもいいの?」
「は? まあ、どこでもいいが……オリヴァン・リード、お前には絶対選ばせない」
「それって、あれだよね。押すな、押すなの――押すんじゃないぞっとお!」
オリヴァンは勝手に手近な扉を、叩きつけるように開けた。
獣の猛る声が爆音で廊下に押し寄せて来た。
「クソ野郎! お前絶対に態とだろ」
「俺っちにそんな力は無いよん」
ヘルレアが自分の背後にオリヴァンを押しやって、部屋から遠ざける。切れてはいるが、相変わらず人を気遣ってくれる。それがこのオリヴァンであろうとも。
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