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三章 棘の迷宮
第32話 壊された巣箱
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オリヴァンはヘルレアに跨がられて、強制腹筋運動させられていたが、その激しい制裁は止まった。しかし、オリヴァンはそのままヘルレアの下で、ぐったり伸びている。彼は目を閉じたまま倒れて、中々動こうとはしなかった。ジェイドは、珍しく大人しくなったオリヴァンが、ピクリとも動かなくなって、額に冷汗が浮いた。
ジェイドはオリヴァンの頸が折れたかと、二人の様子を覗っていたが、ヘルレアといえば、普段と変わらず静かで、オリヴァンを気にかけてはいない。王が人間の死に無頓着ではないとは言えないが、ここまでヘルレイアと共に居て、王が簡単に人を殺めるような存在だとは思えなかった。
何より口にした言葉を、思うのなら、なおさらだろう――。
「こいつ、やっと懲りたか……」
ヘルレアが立ち上がろうとする、と、
「う~ん? もちょっち、お肉付けた方がいいかなっ!」
ジェイドが何を――と、最後まで考える隙もなく、ヘルレアの拳がオリヴァンの頭を潰す瀬戸際で、地面にめり込んでいた。さすがに近過ぎて破片が吹っ飛び、オリヴァンの頬を僅かに切り裂いていた。
「な、……」ジェイドは突然見せられた、世界蛇の凶暴性に、本能が全開に働きそうになって、意識が飛びそうになった。
「ヨルムンガンドにセクハラとは、どうなるか判らないとは言わせないぞ」
「オリヴァン殿、いったい……」
「ヘルレア王のおケツは、やっぱし中途半端だよね。おっぱいが無いんだから、せめてって思ったんだけど……六十五点!」
「お望み通り、一番最初に、ぶっ殺してやる」バキバキと鳴る指は何かの破壊音に近く、健全な肉体が出せる音だとは、とても思えなかった。
「止めてくれ、ヘルレア!」空気の流れが変わり、全身に鳥肌が立つと、膚がちりちりとする。無意識に伸ばした手は末端から凍る感覚で、自重のみで振りかぶるようにしか動かず、異物と化したようだった。
ジェイドが攻め立てられているわけではないのに、現状を理解すると、当のオリヴァンよりも酷く狼狽していた。オリヴァンはよくも世界蛇の隙きを見付けて、強行に及んだものだ。命知らずにも程があるだろう。
そして、何よりもジェイドを動揺させるのは、カイムが既に、ヘルレアと性的な接触をしているからだ。主人は王と口付けをし、また、臀部を愛撫している。それが、猟犬として、人間とはまた違った形でオリヴァンへと、嫌悪を誘われるのがはっきりと解る。あのヨルムンガンドにさえ、主人が手を付けたモノという認識が、既にあり、無体を働かれたという怒りすら湧いて来るのだ。
だが、相手はオリヴァン――。
ヘルレアは倒れ伏したままのオリヴァンの首を絞めている。
「自分が何をしたか解っているのか!」
カイムへは示さなかったであろう、触れる事への拒絶。それを、威圧でもってオリヴァンを責め立てる。
「世界蛇へ気軽に性的な接触をするな。債務の無い、お前で試して見る気は無い!」
ジェイドはヘルレアが放った、一つの文言を捉え、反芻してしまった。自分が陥りかけていた、ヨルムンガンドとの誤った距離感を、突き付けられた気がした。ジェイド達へ、親しみや共感を誘うヘルレアの態度。それに、何度も理想と夢を重ねられた。しかし、そうした全ては、ヘルレアの義務と責任に基づいた上で、人間と相対する為のあり方だったのだろう、か。
ジェイドは意外な程、自分が落胆している事に気付く。ヘルレアがカイムへの好意で、触れ合っていたなどとは、勿論、本心から思っていたわけでは無い。
そもそも、心など必要だったのか――。
まだ考えていたい。けれども、思考は考える傍から、穏やかに解けて消え行く。
ヘルレアに首を締め付けられたまま、オリヴァンは苦しげに笑い声を上げる。
「ふーん、やっぱ試したのね。我慢出来なかったかな? カイムもなかなかにいいポジションに居るもの。顔もいいんじゃないかい。それとも、幾ら王サマでも死ぬのが怖い? 本能の性欲が抑えられなかったのかな。キミの性欲は命がかかっているものね」
「それがどうした。本気で欲情してたらあいつを殺してた。私に番などいらない」
ヘルレアの両手へ更に力が入る、オリヴァンはもう言葉が出なくなっていた。ジェイドは縋るように王の両手へ、自らの大きな手を被せた。
「赦してくれ、ヘルレア。殺さないでくれ。このような形で、カイムのご友人を失いたくない。オリヴァン殿ではなく、あの子の孤独を汲んでほしい」
ヘルレアは手に力を込めたそのまま、動きを止めた。それ以上負荷を与えず、俯いたまま微動だにしなかった。
「……お前等は似てる。私は間違いを犯さない、そう言った。でも、やはり私は――また同じだ」
「……ヘルレア」
「いいか、オリヴァン・リード! 二度と私に触れるな。次は首が飛ぶと思え」ヘルレアはオリヴァンから離れた。
ぶえっふ。オリヴァンはそんな咳き込みを漏らすと、首をさすりながら身軽に上半身を起こす。今まで自分が何をされていたのか、全く覚えていないような身軽さだ。
「あぶないな、死にかけた。ジェイドちゃんありがとね~。カイム、もう手遅れだねこりゃ」
ジェイドはオリヴァンに、もう喋るなと言いたくなった。今度はもう助けられないだろう。この状況でジェイドの声を聞いてくれたのが、もう奇跡なのだ。本当に次はない。
オリヴァンが好き勝手に、書斎机の方へ向かって行ってしまう。そうすると、机は老女と共に滲むようにぼやけて、輪郭を失い、色だけになった。オリヴァンが触れられる距離へ着くと、それすら消えて煙のように散じた。
「あっれー、婆ちゃんの顔見たかったのに」
「後ろを見ろ、元の扉へ戻るぞ」
ジェイドが振り返ると、入って来た時と同じ場所に扉が出現していた。ヘルレアが警戒心一つなく扉を開けると、そこは最初に囚われた廊下だった。ヘルレアが廊下へ出るに任せて、ジェイドとオリヴァンが続く。遠く見渡せば、黒装束が二人、血海で弛緩していた。
「戻って、来たのか?」
「違う……カイムが居る。気配がする、あいつは本当に生きている」
「気配が追えるのか!」
「もう、ほとんど、ここは人界だ。壊れやがった……と、いうか私が手加減せずに攻撃したものだが。喜んでいる場合じゃない。得体の知れない奴らが来るぞ」
「競走だ! 走っしれ~」オリヴァンが何も聞かずデタラメに、死体とは逆方向へと走り出した。
「勝手に走るな、方向が違う」
オリヴァンはヘルレアに跨がられて、強制腹筋運動させられていたが、その激しい制裁は止まった。しかし、オリヴァンはそのままヘルレアの下で、ぐったり伸びている。彼は目を閉じたまま倒れて、中々動こうとはしなかった。ジェイドは、珍しく大人しくなったオリヴァンが、ピクリとも動かなくなって、額に冷汗が浮いた。
ジェイドはオリヴァンの頸が折れたかと、二人の様子を覗っていたが、ヘルレアといえば、普段と変わらず静かで、オリヴァンを気にかけてはいない。王が人間の死に無頓着ではないとは言えないが、ここまでヘルレイアと共に居て、王が簡単に人を殺めるような存在だとは思えなかった。
何より口にした言葉を、思うのなら、なおさらだろう――。
「こいつ、やっと懲りたか……」
ヘルレアが立ち上がろうとする、と、
「う~ん? もちょっち、お肉付けた方がいいかなっ!」
ジェイドが何を――と、最後まで考える隙もなく、ヘルレアの拳がオリヴァンの頭を潰す瀬戸際で、地面にめり込んでいた。さすがに近過ぎて破片が吹っ飛び、オリヴァンの頬を僅かに切り裂いていた。
「な、……」ジェイドは突然見せられた、世界蛇の凶暴性に、本能が全開に働きそうになって、意識が飛びそうになった。
「ヨルムンガンドにセクハラとは、どうなるか判らないとは言わせないぞ」
「オリヴァン殿、いったい……」
「ヘルレア王のおケツは、やっぱし中途半端だよね。おっぱいが無いんだから、せめてって思ったんだけど……六十五点!」
「お望み通り、一番最初に、ぶっ殺してやる」バキバキと鳴る指は何かの破壊音に近く、健全な肉体が出せる音だとは、とても思えなかった。
「止めてくれ、ヘルレア!」空気の流れが変わり、全身に鳥肌が立つと、膚がちりちりとする。無意識に伸ばした手は末端から凍る感覚で、自重のみで振りかぶるようにしか動かず、異物と化したようだった。
ジェイドが攻め立てられているわけではないのに、現状を理解すると、当のオリヴァンよりも酷く狼狽していた。オリヴァンはよくも世界蛇の隙きを見付けて、強行に及んだものだ。命知らずにも程があるだろう。
そして、何よりもジェイドを動揺させるのは、カイムが既に、ヘルレアと性的な接触をしているからだ。主人は王と口付けをし、また、臀部を愛撫している。それが、猟犬として、人間とはまた違った形でオリヴァンへと、嫌悪を誘われるのがはっきりと解る。あのヨルムンガンドにさえ、主人が手を付けたモノという認識が、既にあり、無体を働かれたという怒りすら湧いて来るのだ。
だが、相手はオリヴァン――。
ヘルレアは倒れ伏したままのオリヴァンの首を絞めている。
「自分が何をしたか解っているのか!」
カイムへは示さなかったであろう、触れる事への拒絶。それを、威圧でもってオリヴァンを責め立てる。
「世界蛇へ気軽に性的な接触をするな。債務の無い、お前で試して見る気は無い!」
ジェイドはヘルレアが放った、一つの文言を捉え、反芻してしまった。自分が陥りかけていた、ヨルムンガンドとの誤った距離感を、突き付けられた気がした。ジェイド達へ、親しみや共感を誘うヘルレアの態度。それに、何度も理想と夢を重ねられた。しかし、そうした全ては、ヘルレアの義務と責任に基づいた上で、人間と相対する為のあり方だったのだろう、か。
ジェイドは意外な程、自分が落胆している事に気付く。ヘルレアがカイムへの好意で、触れ合っていたなどとは、勿論、本心から思っていたわけでは無い。
そもそも、心など必要だったのか――。
まだ考えていたい。けれども、思考は考える傍から、穏やかに解けて消え行く。
ヘルレアに首を締め付けられたまま、オリヴァンは苦しげに笑い声を上げる。
「ふーん、やっぱ試したのね。我慢出来なかったかな? カイムもなかなかにいいポジションに居るもの。顔もいいんじゃないかい。それとも、幾ら王サマでも死ぬのが怖い? 本能の性欲が抑えられなかったのかな。キミの性欲は命がかかっているものね」
「それがどうした。本気で欲情してたらあいつを殺してた。私に番などいらない」
ヘルレアの両手へ更に力が入る、オリヴァンはもう言葉が出なくなっていた。ジェイドは縋るように王の両手へ、自らの大きな手を被せた。
「赦してくれ、ヘルレア。殺さないでくれ。このような形で、カイムのご友人を失いたくない。オリヴァン殿ではなく、あの子の孤独を汲んでほしい」
ヘルレアは手に力を込めたそのまま、動きを止めた。それ以上負荷を与えず、俯いたまま微動だにしなかった。
「……お前等は似てる。私は間違いを犯さない、そう言った。でも、やはり私は――また同じだ」
「……ヘルレア」
「いいか、オリヴァン・リード! 二度と私に触れるな。次は首が飛ぶと思え」ヘルレアはオリヴァンから離れた。
ぶえっふ。オリヴァンはそんな咳き込みを漏らすと、首をさすりながら身軽に上半身を起こす。今まで自分が何をされていたのか、全く覚えていないような身軽さだ。
「あぶないな、死にかけた。ジェイドちゃんありがとね~。カイム、もう手遅れだねこりゃ」
ジェイドはオリヴァンに、もう喋るなと言いたくなった。今度はもう助けられないだろう。この状況でジェイドの声を聞いてくれたのが、もう奇跡なのだ。本当に次はない。
オリヴァンが好き勝手に、書斎机の方へ向かって行ってしまう。そうすると、机は老女と共に滲むようにぼやけて、輪郭を失い、色だけになった。オリヴァンが触れられる距離へ着くと、それすら消えて煙のように散じた。
「あっれー、婆ちゃんの顔見たかったのに」
「後ろを見ろ、元の扉へ戻るぞ」
ジェイドが振り返ると、入って来た時と同じ場所に扉が出現していた。ヘルレアが警戒心一つなく扉を開けると、そこは最初に囚われた廊下だった。ヘルレアが廊下へ出るに任せて、ジェイドとオリヴァンが続く。遠く見渡せば、黒装束が二人、血海で弛緩していた。
「戻って、来たのか?」
「違う……カイムが居る。気配がする、あいつは本当に生きている」
「気配が追えるのか!」
「もう、ほとんど、ここは人界だ。壊れやがった……と、いうか私が手加減せずに攻撃したものだが。喜んでいる場合じゃない。得体の知れない奴らが来るぞ」
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