嘘つきが死ぬ話

しおりんごん

文字の大きさ
2 / 2

嘘つきの日記

しおりを挟む
4月3日

今日、朝陽に告られて付き合い始めた
ちょうど一年ぐらい前、話しかけてきた初めはなんだこいつと思ってたが、俺はいつの間にか好きになってたみたいだ

俺はこの体格と顔つきで周りの人から恐れられることが多かったから、気に留めず接してくれたあいつのことに惚れたんだろう

俺と違ってあいつは人気者だから見捨てられないようにしたい





5月5日
弟のこどもの日に朝陽が付き合ってくれた

「弟想いなんだね」と、いわれたが、兄というものなったには弟を可愛がる以外の選択肢はないだろう

まぁ、確かにどこから勝手に言われてる俺のヤバい噂の人物像からしたら、こんなに弟にベタ惚れな俺は想像できないかもしれない





8月13日
朝陽と海に行った

同級生とは初めて行った
今まで家族としか行ったことがなかったから

俺が浮き輪をめちゃくちゃ早く膨らましたのをみて朝陽は大爆笑だった
曰く、膨らましてる顔がフグみたいだと

あいつはモテるからそこらの美女に逆ナンというものをされていたが、俺の顔を見た女性たちはすぐさま逃げていった

、、、昔から慣れてはいるものだが少し悲しかった

そんな俺を気にしてか、朝陽が「茂は可愛いよ」と言ってきた

およそ可愛いなど思えない顔つきの俺だが、好きな奴に言われて少し恥ずかしかった

岩に隠れて初めて朝陽とキスをした




10月25日
大学の学園祭があった

俺は周りから距離を取られてるから不参加で行こうかと悩んでいたが、朝陽がミスコンに出ると聞いて参加した

ミスコンでは朝陽が選ばれた
やっぱりすごい

帰りは朝陽と一緒に帰った
打ち上げはいいのか?と思ったけど、俺を優先してくれるのに少しだけ優越感を持ったのは墓場まで内緒だ



12月25日

これを書いてるのは27日だ

朝陽と初めてセックスをした

俺が入れられるとは考えてもなかったが、正直良かった
ただ、朝陽は慣れていたから今までの女性と比べられたかもしれない

やっぱり女が良かったなんて思われるのは嫌だな


1月1日
最近連絡しなかった朝陽と大喧嘩したのが昨日

今日は朝陽の家に泊まった
女と比べたのか気になってきまづくなってたと正直に話した

そんなことか。と朝陽は笑った

朝陽は俺だけ。と言った
それと俺がセックスが嫌だったから避けてたのかと心配したのだとも。

お互いバカみたいな勘違いしてたのがわかって、年を越した

俺も朝陽だけだ




4月3日
朝陽と付き合い始めて一年だ

不安なこともあったけど変わらず続いてる
俺はずっとこのままがいい

朝陽にペアリングをもらった
首にかけるチェーンももらったが、俺が付けたらどうもあっちのお仕事の人たちに見える

朝陽と会う休日だけつけていつもは綺麗な箱に入れておくことにした

大好きだ朝陽




5月5日
朝陽が今年も弟のために家に来てくれた

部屋に置きっぱなしにしてたこの日記帳がバレそうだったから焦って隠した

ここにはいつもいえないこととか書いてあるから見られてしまうのは恥ずかしい



6月13日
朝陽と映画を見に行った

この間朝陽の家で見たやつの続編だった

まだ続くらしい
次も見に行こうと朝陽と約束した






















7月26日
俺に膵臓癌が見つかった

もうかなり広がってて余命半年あるかないかだと
両親が酷い顔してたから俺はどうにか明るく振る舞いたかったが、うまくできなかった

朝陽だったら上手くできたのだろうな





8月1日
俺はもう治療はしないことを両親に伝えた

貯金は俺にではなく弟の進学とかに使って欲しかったから

両親は泣いた
小5の弟も泣いてた

弟は俺の状態を理解してくれたのだろうか?

これからもっと悩むこととか増えてくだろうに
相談に乗れずにごめんな





8月2日
両親は俺の意向を尊重してくれた
それから父方の実家に戻ろうとも

東京でもいいけど、田舎の方でゆっくり暮らしてみないかと
父の会社は俺の状況を聞いて配慮してくれたみたいだ




俺は朝陽とのことを伝えた
朝陽に膵臓がんのことを伝えたくないとも


何度かこの家に来てた朝陽のことを両親は覚えていたし、多分好んでいた

朝陽に黙ってここを離れることを2人は渋ったけど、俺の意思は変わらなかった















8月15日
ずっと朝陽との連絡をのらりくらりしていたが、今日だけは言わなければいけないことがあった

朝から電話をかける







『もしもし茂?!?!
大丈夫?!昨日も一昨日も連絡できなくて心配してたよ』

「うん。ごめん朝陽
あ、のさ


おれ、もうお前のこと好きじゃねーから別れよ」

『えっ、、、どういうこと』

「だからお前のこと嫌いになったから別れてって言ってんだよ
じゃあな」

『ちょ、しげ、、、』








初めて朝陽に嘘をついた








8月17日

一昨日着いたじいちゃん家は心地よかった

夏でも日陰は涼しいし、でも蝉はちょっとうるさい


、、

一昨日は大学に退学届を出してそのまま車で来た

いつもの癖で講義室に入った時は、失敗したなって思った
朝陽がいたから

案の定詰め寄られたけど
、俺は心にもない言葉を口にした

これで朝陽が俺のことを嫌ってくれたらいい
やっぱり噂通りのヤバいやつだったと嫌えばいい








いや、うそだ

俺は初めてこの日記帳に嘘をかいたな


嫌われたくなんてない
ずっと俺を好きでいてほしい
ずっと一緒にいてほしい



また海に行きたかった
夏祭りにも行きたかった
今度は俺からペアリングを渡したかった
学園祭も一緒に回りたかった
朝陽の作ったフレンチトーストが食べたかった
この間できた猫カフェに行きたかった
映画の続き見に行きたかった


でも、ダメなんだおれは

もうすぐ死んじまうし
朝日は優しいから、俺の病気を伝えればきっと最後まで俺に付き合う
それに俺が死んだ時とても悲しむ

それなら少しでも嫌われた方が良かった
でもあいつは騙されてくれないかもな
初めから本当の俺のことを見てくれてたやつだから




思えば、『ぶっ殺すぞ』なんて言葉初めて使ったな


















12月17日

この日記も最後かもしれない
最近はほとんど起きれないから

時期というものが近づいているのかも

でもまぁ、日記というかは、朝陽と起きたことばかり書いてたな

俺の毎日はほとんど朝陽だったから


今日も大好きだ朝陽

























しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ
BL
☆完結済みです☆ 番外編として短い話を追加しました。 男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ) 中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。 一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ) ……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。 て、お前何考えてんの? 何しようとしてんの? ……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。 美形策士×純情平凡♪

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

両片思いの幼馴染

kouta
BL
密かに恋をしていた幼馴染から自分が嫌われていることを知って距離を取ろうとする受けと受けの突然の変化に気づいて苛々が止まらない攻めの両片思いから始まる物語。 くっついた後も色々とすれ違いながら最終的にはいつもイチャイチャしています。 めちゃくちゃハッピーエンドです。

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。

処理中です...