完全無欠な運命の番が、ピュアピュアすぎて困ってます!

しおりんごん

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中学生

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先週からちょうど夏休みに入ったから、パーク内は親子連れで溢れていた


夏休みを狙ったようにオープンされたこのパークは飲食から服小物、映画館にプラネタリウム、小さな遊園地みたいなブースまで備わっている


今日はちょうど父も休暇を取れたのだが、母と2人きりの時間も必要かと思って、俺と美華だけで訪れた
まぁ、父のことだからちゃんと見守り人がついているんだろうけど


「あーちゃん、あーちゃん!人いっぱいだねー!」

「そーだな。離れないようにしないとな」

「うん!手~つなご!」


中学生同士にもなって妹と手を繋ぐ兄は多くはないだろうが、俺たちはなにも気にしてない

昔からそうだったし、美華が居ることに安心できるのだ
、、、少しだけ恥ずかしいけどな



「ふふ~あーちゃんの髪型ばっちしだね!
イケてるぅ~」

「そーか?なら美華の腕前のおかげだな」

「いいって事よ!」

美華が嬉しそうにニコニコしてるから俺もつられて笑ってしまう








美華はきっと俺がここ最近考え込んでることに気づいているんだろう

一ヶ月前から俺はことあるごとに運命の番について悩んでいた








そもそも俺はアルファフェロモンを感じ取ることができないからか、いまだに発情期というものがきていない

基本的には中学一年の頃に初めて起きるとされているが、俺にはそんな予兆が見えなかった


まだ一年ずれているだけかもしれないけれど、不安は多少感じていた




そんな時に現れた神宮くんという、運命の番(仮定)

およそ魅入られる要素が全くない俺に出逢いざま求婚してきたとんでも美少年

俺には運命の番いう認識を得ることはできなかったけど、トイレでぶっ倒れたのがオメガフェロモンの暴走と言われたら、神宮くんの存在が俺のオメガフェロモンを刺激したのは確かなことだ



、、、番契約

基本的にアルファとオメガは一生の中で番という契約を結ぶ

発情期中のオメガのうなじに、その、そういうえっちな行為中のアルファがガブリと噛み付くことで成立する

番になったアルファとオメガはお互いのフェロモンしか感じることができなくなるし、オメガに関しては発情期につがいのアルファとしかえっちができない

もしも不慮の事故で番契約を行い、アルファがオメガを支えない選択をした場合、オメガは一生制欲剤で発情期を乗り越えなくてはいけない


今では効果が強く、副作用が少ない薬も開発されているけど、
たとえオメガがアルファに恋情を抱いてなかったとしても、番契約をしたオメガは番のアルファを求めてしまうという

そしてそのままアルファに見捨てられたオメガはどんどん身体が弱くなって、早死にしてしまう



そんな不幸な出来事が起きないようにオメガには頸を守るためのネックガードの着用を義務付けられている
俺も発情期は来てないものの今日もきちんとつけてきたのだ



だからオメガは一般的に「守られる性」「アルファの加護を受ける性」だなんて言われている






そんなアルファのオメガの関係性の中で、本当にごく稀に「運命の番」という存在がある

番うことが神様に義務付けられているような、『こいつしかいない!こいつ以外のことを番になんて考えられない!一生こいつと共に生きる!!!』みたいな感覚にお互い出会った瞬間になってしまうらしい

まさしく、神宮くんが俺に対して今そんな状況なんだと思うが、、、








「お互いってわけじゃねーのにな」

「あーちゃん?」

「お?どーした?」

「もーまた考え事してたよ!今日は全部忘れて楽しむんでしょ!」




、、、その話を美華にした覚えはないのだが
なぜ心中を把握されているのか



だが、うんそうだったな





「よし!美華!クレープ食べよう!甘いものを食べれば万事解決だ!」

「そう来なくっちゃ!いこいこ!!!」



堂坂家は、根っからの甘党なのだ
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