愛を知らない僕は死んじゃう前に愛を知りたい

しおりんごん

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第一章 ぼくの居場所

ギルフォードside もっと俺に力を

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憎い、憎い、憎い、


とてつもなく腹立たしい!!!!!!


モーリス公爵家から帰城した僕は

未だかつてない感情が込み上げていた



最初は、、、きっと一目惚れだろう

あの姿を見て愛しいと思わない方がおかしいと思う

僕は少しでも彼のことを知りたくて
そっと歩み寄った

すると彼は自分の体を守るように
頭に手を被せギュッと丸くなった


、、、怯えている


彼を怖がらせないように
立ち止まる

彼の名前はルティアーヌ・モーリス

モーリス公爵家の嫡男らしい


、、、今までそんな話は聞いたことがない
モーリス公爵家の屋敷には、令嬢と夫人しか公爵家のものはいないはずなのに



僕が第一王子だと知ったら
きっと彼はどう対応すれば良いかわからなくなってしまうだろう

だから僕は隣町の商人の息子だと
嘘をついた


ルティは少しずつ少しずつ僕に寄り添ってきた
会話は苦手そうだが、僕に精一杯伝えてくれようとする姿はとても愛しい


そんな彼の口からこぼれた話は


僕の感情を最高潮に沸き上げた

夫人と義姉から暴力を受ける日々
滅多にもらえない食事
物置部屋から今日初めて外に出たこと

僕はすぐさま夫人たちに罪を問い詰めようとしたが

ルティはこのことを当たり前のように
飄々と話している



なぜだ


なぜルティがこんな目に遭わなきゃいけないんだ

この世の中には少なくともクズがいる

僕からしたら夫人と義姉は、クズだ

なぜそいつらは裕福な暮らしをして

ルティが息が詰まるような生活をしているんだ

本当に最初は一目惚れだ

でも、ルティの口から溢れる言葉は
すごく優しい

優しいが

すごく悲しい



僕が、、、俺が強くならなければ

この状況のルティを無理やり
連れ去っても

誰も文句を言わせないほどの
力と権力を
もっともっといち早く蓄えなければ

ルティを救い出す


そう決意した


ルティと話す時間は授業や会議なんかと
比べ物にならないぐらい
あっという間で

気がつけばランチの時間など
とっくに過ぎていた

、、、今頃全総力で俺を探し回っているだろう


しかし、この庭園はとても不思議だ
魔力が溢れている
さらにここは認識阻害されている


選ばれたものしか入れない場所に
俺とルティが巡り会えたのは
運命なんだろう


別れ際にすごく悲しそうなルティの顔が見える
やめてくれ!そんな顔されたら
何がなんでも連れ去りたくなるだろ!

だが、俺も離れがたいのは当たり前だ

俺はルティに俺の魔力が詰まった
ブローチを渡した

これがあれば離れていても
会話ができる
さらに、認識阻害と防音の魔法を付与した
これで夫人と義姉に見つかり
暴力を受けることはなくなるだろう

、、、だからといって安心できるわけではない

ルティをこの屋敷から救い出す日まで

「待っていてくれ」

ルティは花のような笑顔でありがとうと俺に伝えた


その後にしたおでこのキスを
挨拶だと誤魔化した話は
また今度ルティに話そう
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