最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ

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第三章 大戦国

三百三十二話 罪

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リンジェは準備されていた部屋に行き、ベッドに寝っ転がった

「ふぁぁ…………ぁっ…………色々あって眠くなってきちゃった」

『見張りしてやっから、寝ても大丈夫だ』

『私達に任せて大丈夫だからね~』

「ありがとう……………ゆっくりさせてもらうね…………」

色々あったリンジェは疲れてそのまま眠った

  普通に疲れたとかではなく、色々ありすぎて疲れたの方が分かりやすいのかもしれない。来て早々に堕天使と悪魔に襲撃されてミラエル、アンリデット、クレアは連れて行かれ、エレナ、武翠、レンは重症で英雄ギルドはほぼ全滅になった。リンジェだけが残った  
  リンジェだけが残ると寂しくなるに決まってる、でもキャシーも黒龍も居てくれているから寂しさは少し無いのだが、あの賑やかさが無いと少し寂しかった。精霊の国で過ごした賑やかさは一瞬にして消えていった、ブラックナイト戦後から一気に難しくなった

  ブラックナイト戦後から難しくなってくるとこれから戦う敵もどんどん難易度が上がっていくことになる、英雄ギルドが強くならないまま戦い続けると次の敵に勝てなくなってしまう。だから進化するしかない、戦う度に進化を遂げるしかない、今の環境だけは

『泣いてやがるな、リンジェのやつ』

『一番悔しいのはリンジェちゃんだからね~、誰も救えなく、誰も助けられなかったからね~』

『確かにな……………』

『私達がなんとかカバーしてあげないと………………』

『悪魔の血液』

『ん?なんか言ったか?キャシー』

『ううん、なんも言ってないよ~』

確かに声が聞こえてきた、2人にちゃんと

  これは一度聞いたことがある、リンジェと黒龍が大戦国の中心部に飛ばされる前に一度囁かれた声の場面と一致している。でも喋ったのはキャシーではなかった、黒龍でもなかった。だとすると喋ったのは何処かの誰かだった、でも喋ったのは悪魔の血液だった
  何処から来るかも分からない悪魔の詠唱魔法、というかまた悪魔が来ていたのかと思うとびっくりする。さっき倒した悪魔の遺体がもうバレていたのだろうか、そうだとすると情報が悪魔の国に渡っていた。リンジェは寝ている、だから守らないといけない

          今守れるのはキャシーと黒龍だけ、だから2人で悪魔を倒すしかない。でも2人じゃ今の環境を守ることは不可能、せめてリンジェを起こして戦うしかない。それか天隊長がこちらに来て助けてくれることしか方法がない、その声を聞いてもでもキャシーと黒龍は

『ま、気の所為だよね~、多分』

『多分なのかよ……………でも怖いな』

『だよね~、でもその時リンジェだけは守らないとね~』

『魔の銃撃』

目の前でヘッドショットを食らうキャシー

『……………は?』

「あれれァッ、ワンパンしちゃったなァッ………………そこの精霊ちゃァッん、死んじゃったなァッ」

『きゃ…………キャシー、おいキャシー!しっかりしろ!キャシー!』

突いても反応は無かった

  目の光は消えていて完全に死んでいる、ヘッドショットで死ぬのは精霊も同じだと分かっていても現実を受け止められない。何が起きたのかも分からない、魔力探知すら出来なかった。何処から撃って来たのかも分からない、なんなんだコイツと思っていたがこんなことするのは多分悪魔だ
  キャシーはもう意識がない、完全に死んでいる。完全に目の光が無くなって死んでいるこんな一瞬で死ぬのは流石に黒龍でも許さなかった、せっかく精霊の国でキャシーを取り戻したのにキャシーを死なす訳には行かない。行かないのだが蘇生魔法なんて持っていない

  今の黒龍は普通の短剣に宿っているだけのただの短剣だった、だからなんも出来ない。リンジェが起きないと戦うことすら出来ない、この状況をどう切り抜けるかをまず考えなければならない。キャシーはもう助からないし、助けられない。蘇生魔法がないから

「アハハハハァッ!アハハハハァッ!アッハハハハハァッ!弱い者撃破ァッと」

『てめぇ………………何してやがる、リンジェの仲間に何してやがる!!てめぇは何者だッ!』

「俺ァッ?俺ァッは、悪魔の国、上級悪魔のグォーク・ペンダルジ、よろしくなァッ」

『また悪魔かよ……………!』

(どうする?リンジェを連れて撤退する力はねぇ、戦う力もねぇ、どうすりゃいい!)

この詰んだ状況をどうすればいいのか

  黒龍はリンジェが居ないと戦うことすら出来ない、リンジェを持ち上げて逃げる力もない。リンジェが起きてくれないと戦うことが出来ない、リンジェは疲れているから爆睡している。無理に起こす訳には行かないが戦わないとやられてしまうのは確かだろう
  今爆睡してるリンジェは起きるのだろうか、起こしても起きなかったら黒龍は短剣としてやられてしまう。やられてしまったら、リンジェの元から居なくなってしまう。だから絶対にその失態を犯さないためにもリンジェを無理矢理でも起こすしかない

『リンジェ!起きろリンジェ!』

「………………すぅ…………んん…………すぅ…………」

「残念だなァッ、お仲間さんが起きてくれなくてさァッ。さァッ、てめぇは死ぬんだァッ。これからァッ!」

『いや死ぬわけには行かねぇ!必ず生きてやる!』

「足掻いてみろやァッ、たかが短剣野郎がァッ」

確かに短剣だけでは足掻くことが出来ない

  キャシーももう死んでいるから黒龍をカバーすることは不可能であった、この状況で生きているのはリンジェと黒龍だけ。戦いの音を聞いて天隊長がこちらに来ればこちらの勝ちである、だがそれまでは時間を稼げるだろうか、こいつの言う通り、ただの短剣だ
  だから足掻くことは出来ない、出来ないからこそ、やることはリンジェを守ること。リンジェだけを守れば時間だけを稼げれば、天隊長が必ず来てくれてリンジェを救ってくれるはずだから、黒龍はそれまでどうやって時間を稼ぐかを考え始めた

  リンジェをどう守ればいいのかが思い付かない、短剣一つだけじゃリンジェを守ることは不可能。どうやったらリンジェを守ることが出来るのか、黒龍の力なんて使えない。だから戦う方法がない、リンジェを起こさないと戦うことすら出来ないただの短剣だった

(どうやってリンジェを守る?ジャンプ力があれば斬り掛かれる、天隊長が気付いてこちらに来てくれれば行ける!だから時間稼ぎだ!時間稼ぎだけでも!)

「もしかしてお前は時間稼ぎをしようとしてるのかァッ?考えてる事はバレバレだなァッ、短剣ちゃァッん」

(バレてる……………だが時間だけ稼げれば!)

『はぁぁぁぁッ!!』

ジャンプしてグォーク・ペンダルジに斬り掛かる

だが黒龍は直ぐに飛ばされる

「足掻くなァッ、こいつが居なきゃなんも出来ねぇクソ無能がァッ」

『クッソ………………勝てる気がしねぇ………………』

リンジェが持たないと短剣は機能しない

  だからグォーク・ペンダルジの言う通りかもしれない、リンジェが居なきゃ機能なんてしない。このままグォーク・ペンダルジにやられるしか無かった、リンジェが起きてくれなきゃグォーク・ペンダルジには勝てない。でもリンジェは深い眠りについているようだ、だから起きてもくれない
  いつ起きてくるのかすら分からない、だからそれまでは時間稼ぎするしかないのだが短剣が人に勝てる訳がなかった。どう足掻いても勝てる訳なんて無い、天隊長が来てくれればグォーク・ペンダルジなんか一撃で倒してくれそうだが、魔力を感じさせない

  魔力を感知させないようにしているから天隊長達に届いていない、どうすればいいのだろうか、リンジェが起きる前に黒龍は死んでしまう、死んで短剣から魂が抜かれてただの短剣となってしまうだろう。だから死ぬ前にリンジェが起きてくれるといいのだが

「んん……………なんの音ぉ…………?」

目を擦りながら起きてきた

『避けろリンジェ!説明は出来ない、戦え!悪魔だ!』

反射で避けた

「なんだァッ?やけに反射神経がいいなァッ」

「………………キャシーさんやったの、貴方?」

低い声で話しかけた

(何だァッ?このド冷たい魔力は……………クソ冷えるなァッ、楽しくなりそうだなァッこいつはァッ)

「ああ、俺だがァッ」

矢が飛んできて手に刺さる

「黒龍・デスブラック・ファスト」

指が破裂した

「クッァッ!なにしやがったァッ、クソガキがァッ!」

矢が腕、足に刺さる

「ッ!」

「なんで殺した?私が貴方の仲間を殺したから?」

「当たり前だろうがァッ」

「正義が悪を倒して何が悪いの?ねぇ、なんで?」

「ッ!」

凄まじい殺気が伝わってくる

  この凄まじい殺気は天使城内に渡っている、キャシーの死を知ったことにより怒りが湧き上がってきた。今からでも殺してもおかしくないくらいの強さはリンジェは持っている、グォーク・ペンダルジを倒せるのはリンジェしか居ない、でも今のグォーク・ペンダルにリンジェは本当に怒っている
  グォーク・ペンダルジがやったことはやってはならない事の一つ、だが仲間の為に復讐しに来たのなら間違っているだろう。最初に喧嘩を売ってきたのは悪魔と堕天使なのだから、殺されて罰を受けるべきだろう。リンジェは本当に悪魔と堕天使を殺そうとしている、もう迷わず殺すしかない

  悪魔が一人殺されたから、復讐して来たのは分かるが悪魔一人くらいで復讐して来るのはおかしい。こちらは英雄ギルドの仲間、エレナ、武翠、レンが重症になり。ミラエル、アンリデット、クレアが連れ去られているのに悪魔側は一人死んだだけで復讐は謎だった

「罪の悪魔、ここで死んでね。バイバイ」

「やめ…………ろァァァァァッ!!!!」

全てが破裂して無くなった

『リンジェ………………すまん、俺が守れなかったから』

「………………私、エルフの国に帰ることにした」

『な、なんでいきなりそうなるんだ、俺が守らなかったからか?』

「ううん、間違ってる人達を間違ってるって正さないと行けないから、そのために私はトップになってくる。エルフの国で……………黒龍は着いてこなくていいよ」

間違ってる人達を間違ってると正さないといけない

  リンジェはエルフの国へと帰ってトップになって来るから黒龍は置いて一人で向かう、黒龍のことは置いて行ってリンジェだけが向かうことにした。なんで急にこんなことを言い始めたのかというと、ただの罪償いとして少しの間、逃げたかったからだ
  英雄ギルドから少し離れて自分で罪償いをして、堕天使と悪魔はリンジェだけで片付けようとしている。英雄ギルドから少しの間離れることにした、裏切るとかそういうことではなく、ただの罪償いと堕天使と悪魔の撃破だけを目的に帰るだけだった、エルフの国に

「さようなら、黒龍」

『待っ、待ってくれ!リンジェ!!』

窓から飛んでエルフの国へ向かった

孤独にこれからを耐え抜いていく、リンジェは一人で戦いを始めようとするのであった
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