3 / 10
ひとつめのはなし
ちょっと時間を挟めば表面上は収まるものです
しおりを挟む
朝一番の妙な雰囲気は、朝のHRが終わる頃には鳴りを潜めて、クラス内の雰囲気は落ち着いた。
恐らく原因である赤神と腰越の二人が自分の感情に一時とはいえ区切りをつけられたからだろう。
要は怒りならこれ以上怒っても仕方ないと考えたり、悲しむならこれ以上この状態を続けても仕方ないと考えたり、できるようになったということである。
単にそうすることに疲れただけかもしれないけれど――まぁそのあたりは私にわかることではないし、興味もない。
大事なのは教室内の空気がまともになったという事実だけだった。
黛は赤神と腰越の二人の雰囲気に当てられて縮こまっていただけだから、二人の雰囲気が戻ればほっとしたように、いつも通りになるだけだしね。
「…………」
しかし、表面上は落ち着いたように見えるけれど、いつもなら――というより昨日までは、事あるごとに黛に対してアクションを起こしていた二人が今日に限って何もしないというのは違和感がはんぱなかった。
いつもと様子が違うという意味で、周囲の人間は若干動揺している様子が隠せていないように見えるから尚更である。
まぁ私個人としては、いつもお花畑みたいなハーレムリア充やりやがって鬱陶しいと思っていたので、たまにはいいんじゃないかと思ってあまり気にならなかったけれど。
周囲の人間で、黛、赤神、腰越の三名と話ができる者は、会話のついでに朝の出来事についてやんわりと聞こうとしているようだった。
聞いたところで、なんでもないと答えられるのがオチだろうに、よくやるものだと感心する。
同時に、グループで動く人間は大変だねぇと同情もするけれど。
「……何事も一長一短。そういうことよね」
思わずそう呟きながら溜め息を吐いた後で、次の授業の準備を始めることにした。
恐らく原因である赤神と腰越の二人が自分の感情に一時とはいえ区切りをつけられたからだろう。
要は怒りならこれ以上怒っても仕方ないと考えたり、悲しむならこれ以上この状態を続けても仕方ないと考えたり、できるようになったということである。
単にそうすることに疲れただけかもしれないけれど――まぁそのあたりは私にわかることではないし、興味もない。
大事なのは教室内の空気がまともになったという事実だけだった。
黛は赤神と腰越の二人の雰囲気に当てられて縮こまっていただけだから、二人の雰囲気が戻ればほっとしたように、いつも通りになるだけだしね。
「…………」
しかし、表面上は落ち着いたように見えるけれど、いつもなら――というより昨日までは、事あるごとに黛に対してアクションを起こしていた二人が今日に限って何もしないというのは違和感がはんぱなかった。
いつもと様子が違うという意味で、周囲の人間は若干動揺している様子が隠せていないように見えるから尚更である。
まぁ私個人としては、いつもお花畑みたいなハーレムリア充やりやがって鬱陶しいと思っていたので、たまにはいいんじゃないかと思ってあまり気にならなかったけれど。
周囲の人間で、黛、赤神、腰越の三名と話ができる者は、会話のついでに朝の出来事についてやんわりと聞こうとしているようだった。
聞いたところで、なんでもないと答えられるのがオチだろうに、よくやるものだと感心する。
同時に、グループで動く人間は大変だねぇと同情もするけれど。
「……何事も一長一短。そういうことよね」
思わずそう呟きながら溜め息を吐いた後で、次の授業の準備を始めることにした。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる