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第二章 ギルドとクラン
第32話 気にしたら負け!
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真っ白い天井が目に入り、また神様か? と思ったが、自分で作った家だと気が付いた。
家具はベッドしか置いていないので、広い部屋がより広く感じる。
少し仮眠をとって頭もすっきりし、昨日のテンションも落ち着いてきて冷静な頭で考えてみる。
やばい……やりすぎたんじゃないだろうか……?
タックと一緒にノリに任せて作ってしまったが、魔法を使えるだけのたかだか17歳の奴が住んでいいような家じゃない気がする。
急に心配になって来て部屋から出ると、高い天井に広い廊下、左右に並ぶ部屋に改めて自分の仕出かしたことを目の当たりにし、恐ろしくなってきた。
広い家なので誰がどこにいるか分からないが、とりあえずリビングに向かってみると、グウェンさんとセラーナがいた。
窓側の日が差す位置の床にそのまま座り、一生懸命何かを紙に書いている。
テーブルや椅子は作っておいた方がよかったかもしれない。
「おはよう、の時間じゃもうないかな。2人とも何しているの?」
「あ! ヴィト! おはようなのだ!」
「おはようございます!」
「今セラーナと一緒にお絵かきしていたのだ!」
「お絵かき?」
「ヴィトが好きな家具を作ってくれるって言ったから、2人でどんなものを作ってもらおうか絵を描いていたんです」
「あ、あぁそうなの…」
そういえば言ったな。
これ以上何かしたらヤバいんじゃないだろうか?
「あ、タックやススリーはどこに行ったの?」
「タックはたぶんまだ寝てるのだ! ススリーは一旦家に帰ると言っていたのだ」
「お昼頃にまた来ると言っていたから、そろそろ来ると思いますよ」
タックは共犯者だから、唯一冷静であろうススリーが来たら聞いてみよう。
これヤバくない? と……。
「ヴィト、こんなベッドとこんな感じのイスとテーブルが欲しいのだ! あと着替えを入れておく収納も欲しいのだ!」
「私もこういうベッドが欲しいです! 机と椅子もこんな感じなのがいいです!」
2人とも装飾のついたベッドや椅子の絵を見せてくる。
どちらもとても絵がうまく、セラーナのはシンプルだけど可愛らしいデザインになっている。
グウェンさんのは……どこの玉座だ。
1人掛けの椅子だけど背もたれが直角でやたら高い。
背後になんかトゲトゲの装飾もされている。
もしかしたらとんでもない闇を抱えているのかもしれないな……。
絵を見て戸惑っているとススリーがやってきた。
「わかった。考えておくよ。ちょっとススリーと話してくるね」
「「はーい」」
「ススリー、ちょっと聞きたいんだけど」
「どうしたの? 正気に戻ってやりすぎたって思った?」
「ぐっ……何でわかるの?」
「すぐわかるわよ。冷静になって怖くなったんでしょ」
「仰る通りです……。大丈夫かなぁこれ?」
「さぁ……。でも作ってしまったものはしょうがないじゃない。自分の土地に自分で作った家なんだから、文句を言われる筋合いはないわね」
「そうかな? ならいいんだけど」
「それにあの2人もあんなに元気になって喜んでいるだし、今更やっぱり壊しますじゃ大変よ? それに私もあのお風呂に入りたいもの!」
「あ、うん。どうぞご自由に」
「それから私もお部屋貰っちゃったけど、本当にこっちに移ってもいいのかしら?」
「もちろんだよ。皆で一緒の方が楽しいし」
「ありがと。こっちに移れたら私の部屋も妹に譲れるし、助かるわ。私も作ってほしい物も絵に描いておくからそのうちよろしくね」
「うん、わかったよ」
ブルータクティクスの常識人ススリーにも許可(?)を貰えたし、気にしないことにしよう。
何か言われたらその時考えればいいよね!
その後、タックは家具の材料となる木を山から切り出してきたり、屑鉄集めをしたりしていた。
オレはそれを材料に、家の内装や各人が希望する家具などを作っていった。
ススリー、グウェンさん、セラーナにはオレやグウェンさんの家から必要な物や使えるものを運んだり、魔法じゃ作れない物を街に買いに行ったりしてもらった。
家を作り始めて3日目くらいに結界を解いたら、大騒ぎになってしまったけど、全て『魔法のおかげ!』で押し切った。
また、ご近所さんにはブルータクティクスの拠点とする事、用がある時は新しい家に来てもらう事を伝えておいた。
家具を作っている内に木工もかなり得意になってきたので、家事で燃えた部分もあっという間に直すことが出来た。
もう住めるようになったけど、皆で新しい家に住みたいので、綺麗に修復した後、“次元隔離結界”で覆っておいた。
これで泥棒に入られる心配もないし、劣化もしない。
魔物の襲来があっても壊されることはないだろう。
朝はセラーナ以外は仕事へ行き、みんな同じ家に帰ってくる。
オレとグウェンさんは家でも店でも一緒だ。
セラーナは家事や買い物など家の事を全般的にやってくれていて、オレたちが帰ってくる頃には夕飯を作って待っていてくれる。
空いた時間には必要なものを作ったり、今後の事を話したり、鍛錬したり、みんなで他愛のない話をしたり、と幸せな時間を過ごしていた。
そんな日々が続き、セラーナがティルディスに来て1か月ほど経った頃、王都から手紙が届いた。
封蝋がしてあり、上質な封筒に入っている。
開けてみると、王城からの呼び出しだった。
あれ? バレたのかな……?
家具はベッドしか置いていないので、広い部屋がより広く感じる。
少し仮眠をとって頭もすっきりし、昨日のテンションも落ち着いてきて冷静な頭で考えてみる。
やばい……やりすぎたんじゃないだろうか……?
タックと一緒にノリに任せて作ってしまったが、魔法を使えるだけのたかだか17歳の奴が住んでいいような家じゃない気がする。
急に心配になって来て部屋から出ると、高い天井に広い廊下、左右に並ぶ部屋に改めて自分の仕出かしたことを目の当たりにし、恐ろしくなってきた。
広い家なので誰がどこにいるか分からないが、とりあえずリビングに向かってみると、グウェンさんとセラーナがいた。
窓側の日が差す位置の床にそのまま座り、一生懸命何かを紙に書いている。
テーブルや椅子は作っておいた方がよかったかもしれない。
「おはよう、の時間じゃもうないかな。2人とも何しているの?」
「あ! ヴィト! おはようなのだ!」
「おはようございます!」
「今セラーナと一緒にお絵かきしていたのだ!」
「お絵かき?」
「ヴィトが好きな家具を作ってくれるって言ったから、2人でどんなものを作ってもらおうか絵を描いていたんです」
「あ、あぁそうなの…」
そういえば言ったな。
これ以上何かしたらヤバいんじゃないだろうか?
「あ、タックやススリーはどこに行ったの?」
「タックはたぶんまだ寝てるのだ! ススリーは一旦家に帰ると言っていたのだ」
「お昼頃にまた来ると言っていたから、そろそろ来ると思いますよ」
タックは共犯者だから、唯一冷静であろうススリーが来たら聞いてみよう。
これヤバくない? と……。
「ヴィト、こんなベッドとこんな感じのイスとテーブルが欲しいのだ! あと着替えを入れておく収納も欲しいのだ!」
「私もこういうベッドが欲しいです! 机と椅子もこんな感じなのがいいです!」
2人とも装飾のついたベッドや椅子の絵を見せてくる。
どちらもとても絵がうまく、セラーナのはシンプルだけど可愛らしいデザインになっている。
グウェンさんのは……どこの玉座だ。
1人掛けの椅子だけど背もたれが直角でやたら高い。
背後になんかトゲトゲの装飾もされている。
もしかしたらとんでもない闇を抱えているのかもしれないな……。
絵を見て戸惑っているとススリーがやってきた。
「わかった。考えておくよ。ちょっとススリーと話してくるね」
「「はーい」」
「ススリー、ちょっと聞きたいんだけど」
「どうしたの? 正気に戻ってやりすぎたって思った?」
「ぐっ……何でわかるの?」
「すぐわかるわよ。冷静になって怖くなったんでしょ」
「仰る通りです……。大丈夫かなぁこれ?」
「さぁ……。でも作ってしまったものはしょうがないじゃない。自分の土地に自分で作った家なんだから、文句を言われる筋合いはないわね」
「そうかな? ならいいんだけど」
「それにあの2人もあんなに元気になって喜んでいるだし、今更やっぱり壊しますじゃ大変よ? それに私もあのお風呂に入りたいもの!」
「あ、うん。どうぞご自由に」
「それから私もお部屋貰っちゃったけど、本当にこっちに移ってもいいのかしら?」
「もちろんだよ。皆で一緒の方が楽しいし」
「ありがと。こっちに移れたら私の部屋も妹に譲れるし、助かるわ。私も作ってほしい物も絵に描いておくからそのうちよろしくね」
「うん、わかったよ」
ブルータクティクスの常識人ススリーにも許可(?)を貰えたし、気にしないことにしよう。
何か言われたらその時考えればいいよね!
その後、タックは家具の材料となる木を山から切り出してきたり、屑鉄集めをしたりしていた。
オレはそれを材料に、家の内装や各人が希望する家具などを作っていった。
ススリー、グウェンさん、セラーナにはオレやグウェンさんの家から必要な物や使えるものを運んだり、魔法じゃ作れない物を街に買いに行ったりしてもらった。
家を作り始めて3日目くらいに結界を解いたら、大騒ぎになってしまったけど、全て『魔法のおかげ!』で押し切った。
また、ご近所さんにはブルータクティクスの拠点とする事、用がある時は新しい家に来てもらう事を伝えておいた。
家具を作っている内に木工もかなり得意になってきたので、家事で燃えた部分もあっという間に直すことが出来た。
もう住めるようになったけど、皆で新しい家に住みたいので、綺麗に修復した後、“次元隔離結界”で覆っておいた。
これで泥棒に入られる心配もないし、劣化もしない。
魔物の襲来があっても壊されることはないだろう。
朝はセラーナ以外は仕事へ行き、みんな同じ家に帰ってくる。
オレとグウェンさんは家でも店でも一緒だ。
セラーナは家事や買い物など家の事を全般的にやってくれていて、オレたちが帰ってくる頃には夕飯を作って待っていてくれる。
空いた時間には必要なものを作ったり、今後の事を話したり、鍛錬したり、みんなで他愛のない話をしたり、と幸せな時間を過ごしていた。
そんな日々が続き、セラーナがティルディスに来て1か月ほど経った頃、王都から手紙が届いた。
封蝋がしてあり、上質な封筒に入っている。
開けてみると、王城からの呼び出しだった。
あれ? バレたのかな……?
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