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しおりを挟む子爵家で働き始めて一年が経つ。
主人であるシャルル様と仲良くなってから、半年くらい。
「レイラ...好きだ」
「シャルル様?」
急な告白に戸惑っていると腰を抱かれ、口を塞がれた。
「んっ」
シャルル様と私は仕事上の関係で、このようなキスは初めてだ。
もしかして、また揶揄っているのかしら。
「やめてくださいっ」
精一杯押しのける。
シャルル様が床に手をついた。
私ったら、強く押し過ぎたのかしら。
「やっぱりレイラは僕のことが...」
「すみません。大丈夫ですか?でも先に手を出したのはそちらなのですからね...って、ちょっと」
今度は寝室のベットに押し倒された。
強く手首を掴まれた後、ネクタイで縛られる。
身動き一つ取れない。
「僕の気持ちを教え込んであげる。...嫌という程にね」
体の至る所にキスをされる。
まるでキスの雨だ。
まさか、本当にシャルル様は私のことが好きなの...!?
「シャルル様...私のことが好きなんですか?」
「だから前から言っているだろう。好きだ、と。でも君はまともに取り合うどころか、他の男といちゃついて...」
まともに取り合うことはしなかったけれど、他の男といちゃついてとはどういうことだ。
ううん、...アレスのことかしら?
義弟で家族というのを知らずに誤解しているのかも。
「誤解があると思います、話し合いましょう」
「嫌だ。そう言って、君はあの男の所へ行くのだろう」
今のシャルル様は冷静ではない。
一番効く言葉を言わなければ。
私のことが好きなのであればやはり...。
「これ以上したら、嫌いになっちゃいますからね!」
動きが止まった。
黙ってネクタイをしゅるると解く。
シャルル様は私のことが好きなのだと確信してしまった。
身動きが自由に取れるようになる。
「キスをしてしまい、すまなかった...。嫌わないでくれ」
しょんぼりしているシャルル様。
「えーと、どうしていきなりこんなことを?」
「兄上から健康にいいという薬をもらって、それを飲んだらこんな状態に...」
「原因はその薬ですね。貴方のお兄様はいつも嫌がらせしてきますもの」
シャルル様の兄であるリュイ様は、私とシャルル様が仲良いのを妬んでいるのか、よく嫌がらせをしてくるのだ。
「僕の兄もレイラのことが好きなんだ」
は!?
それはないと思うけれど。
「ま、まあ一緒に全部聞いてきましょうか」
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