義兄が溺愛してきます

ゆう

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玩具

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「九重先生~!この問題分からないんですけどぉ」

「私にも教えてください~!」

教育実習生である九重先生の周りには女生徒が群がっている。
質問に対して丁寧に答えていく姿からは、とても凛と瑠衣を虐めるような人には見えないけど、人は見かけで判断出来ないしな。

「そうだ、次の授業の手伝いをしてくれませんか?海崎くんと桜木くん」

また俺も!?

「俺だけで充分だ、恋は...」

「いや、俺も行く」

ぶっちゃけ凛のこと親友として心配だから。
関わらなくていいからと言われたのに、つい首を突っ込んでしまった。

「恋!」

「揉めていても仕方ないでしょう。先生の言うことには従ってもらいます」

周りの女生徒からは九重先生に強く同意する声が聞こえる。
ここで断れば、バッシングを受けることは間違いないな。

「ちっ」

凛の舌打ちが聞こえる。
先生に対する凛の態度が良くないことは多々あるため、皆とくに何も思わないようだ。

化学準備室に着くと、九重先生によってドアを閉められる。

「...えーと、何を手伝えばいいんですか?」

「人数分の冊子がダンボールの中にあるはず。取り出して2人で持っていってください」

「はい」

普通に授業の手伝いかとほっとして、冊子を取り出していると、頬に何かが当たった感触がした。

見ると、頬には九重先生の手が。

「柔らかいです」

「やめろよ!」

俺が制止する前に、凛がその手を払う。

「凛はこの柔らかい頬に触れましたか?」

「...!」

明らかに挑発している。
ていうか、凛の好きな相手が誰かわかった上での発言だよな。

「凛!落ち着いて。で、九重先生はこれ以上凛を挑発しないでください」

それから俺と凛に関わらないでほしい。
だが、これ以上はいえなかった。
九重先生の鋭い視線が僕に向けられたから。

「恋くん?貴方に指図される覚えはありませんよ?」

そうかもしれない...、でも!

「しっ。唇で口を塞いじゃいますよ」

口を開こうとした瞬間、九重先生の人差し指が俺の唇に触れた。

「なっ、九重!」

「ふふっ、今のは冗談ですから。それから先生を付けて下さいね?」

冗談だとしても質が悪い…。
凛の拳が強く握られているのを見て、手を出さないかとヒヤヒヤする。

「九重...先生。恋を解放してやってくれ!」

「いいですよ。...凛がまた玩具になってくれるなら」

「...っ。わかった。その代わり!恋には絶対手を出すな、...もう二度と」

九重先生によってパッと手が離された。



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