[BL短編集]性癖の煮凝り[不定期更新]

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報われない恋を終わらせる方法

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おじさん(先生)×少年(教え子)

逆レ、死ネタ、無理矢理、反社、メリバ、自己犠牲、いじめ、胸くそ、流血表現あり

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 「最近、何か妙な視線を感じるんですよね……」
「春になると変なやつ増えるらしいですし、気をつけてくださいねw」
「めっちゃ他人事じゃないですかwまぁ、男ですし大丈夫でしょ」
なんて会話した日の夜、仕事終わり。夜道を帰る俺は、背後から殴られて気を失った。

*****

「あ、先生目が覚めましたか?」
「ッってぇ……は?なん、だ……ここ……?は?」
「乱暴なことしてごめんなさい、大丈夫ですか?」
「は?なっ、誰だお前!なんだよこれ!」
「覚えてないんですか?僕のこと……?」
「は?」
「………僕ですよ、先生。一年生の時に先生のクラスだった佐藤ですよ」
「は?…さ、とう?……お前、そんなだったか?」
「先生のために僕変わったんですよ」

 あぁ、先生だ。やっぱりかっこいい。僕の中一の時の担任の先生。僕みたいなやつに優しくしてくれた、僕のハジメテの人。


***


 僕はいわゆるいじめられっ子だった。先生はそんな僕を助けてくれた。そんな先生に僕は恋をした。想いを告げた時、先生は驚いた顔をして、それから真剣な顔で、お前の気持ちには応えたいけど、先生と生徒だから無理だって言われた。それでも!ってお願いしたら先生は、困った顔でナイショだぞって僕にキスしてくれた。学校生活は最悪なことしかなかったけど、先生がいたから耐えられた。僕には先生しかいない。先生、先生、好きなんです。僕の全部をあげるので、先生を全部ください。そう言った日、僕らは結ばれた。痛いばっかでネットでみたみたいに気持ちよくなんかなかったけど、先生とひとつになれたって思ったら痛いとかどうでもいいくらいしあわせだった。それから僕と先生は何度もつながった。やっぱり僕には先生だけだ。そう、思ってたのに、先生は僕を残していなくなった。先生は僕にちゃんと迎えに来るって、だからそれまでナイショにして我慢するんだぞって言った。だから、だから僕は我慢した。学校生活は相変わらず最悪だった。

 僕と先生のことをどこかで知った先輩から輪姦された。具合がいい、さすが先公をたぶらかすだけある。そう言って僕を犯した。最悪より悪い時をなんと言えばいいのかわからないけど、最悪より最悪だった。僕はたびたび先輩に呼び出され、殴られ、犯され、そしてウリをやらされた。知らないおじさんにお金をもらって抱かれた。先生、助けて。早く迎えにきてって思いながら我慢した。でも、こんな汚れちゃった僕なんか……って心のどこかで思ってた。


 先生が結婚したらしい。先輩が教えてくれた。目の前が真っ暗になった。先生、先生、僕には先生しか、いないんだよ?
 先生は幸せそうだった。僕は?
 終わらせなきゃ。


***


 「先輩の先輩の先輩?から紹介されて、おじさんの愛人になったんだよ。ここを自由につかっていいよって言ってくれた。おじさんは気持ち悪いし、痛いことをして痛がる子を犯すのが好きな変態だけど、別によかった。先生じゃなきゃ、誰と何してもどうでもいい。先生じゃなきゃ。先生、ねぇ、先生。僕、先生が立場を利用して悪いことするひどい大人だって今は知ってるよ。でも、でも、先生が好きなんだ。だから、先生、僕の所にちゃんと戻ってきて欲しいの。…お金があれば、だいたいのことはできるって、先生知ってた?ここに先生を連れてきたのは、そういう仕事をしてる人たちだよ。ねぇ、先生、僕ね汚れちゃったの。いろんな人に犯されて、たくさんの人にかわいいって言われて、こんな身体になっちゃった。でもね、先生。僕はやっぱり先生がいいんだ。先生じゃなきゃだめなんだよ。ね、先生。……興奮してるの?」

 わからない。俺は、興奮しているのだろうか。いや、そんなわけない。裸でベッドに拘束され、長々と教え子が話すのを聞いて、恐怖を感じても興奮なんかしているはずがない、のに、なぜか俺の股間はいきり勃っている。

 「なんて、冗談だよ。ほんとは先生に優しく抱いてもらいたかったんだけど、きっと先生は嫌がるかなって。ね?先生は何も知らない無垢な子が好きだもんね。それに、もうきっと僕のものにはなってくれないんだよね?僕の全部をあげるから、先生の全部をくださいって言ったのにね。ねぇ、先生いま誰のこと考えてた?奥さん?娘さん?それとも今教えてる子?ねえ、先生。先生。先生。先生。だめだよ。先生は僕のことだけを考えててくれなきゃ。だからさ、」

 不意に言葉を切った佐藤が、俺の股間に手を伸ばし、俺の陰茎をぎゅっと握ったかと思えばおもむろに口付けた。思わず、声が出る。佐藤は丁寧に丁寧に陰茎を咥え、舐める。そして、身体を起こし、その蠱惑的な肢体を見せつけつつ、ゆっくりと俺の陰茎へと腰を下ろした。佐藤の胎内に収まった陰茎は俺の意思とは関係なく吐精した。いや、なんだこれは。腰が抜けそうなほど気持ちいい。ベッドに大の字に拘束されている俺は、無意識のうちに無様に腰を逸らし、もっと奥へと向かいたがる。

 「ふふっ、先生、気持ちいい?ナカでびくびくしてるよ。もっと僕の中に入りたいって腰ふってくれて、嬉しい。ね。もっと気持ちよくなって。」

 あぁ、いやだ。佐藤の尻が上下するたびに、射精感が高まる。きもちいい。いやだ。もう、やめてくれ。許してくれ。俺にはもう妻と娘がいるんだ。ぴたりと佐藤の動きが止まる。

 「先生。先生、先生、先生、先生……先生は、もう、僕のこと好きじゃない?こんなにしても僕のことだけを考えてくれないの?先生、先生。ねぇ、先生、僕、、、」

 佐藤が刃物を構える。枕元の刃物に気づいた時から、そんな予感はあった。いや、こいつが佐藤と名乗った時から。目を閉じる。脳裏に浮かぶ妻と娘の笑顔に謝る。そっと目を開ければ、佐藤が刃物をふりかざしたまま、泣きそうな顔で俺を見下ろしていた。

 「…………やっぱり。」

 そう呟くと、佐藤は自分の太ももへと刃物を振り下ろした。

 「……ッ、せ、んせッ……」

 ぶしゅっと冗談みたいに血が吹き出す。脂汗の滲んだ顔で俺の上に倒れこみながら、佐藤が何か呟く。

 「……わ、、れなッ、で……くの、こッと、」

 そう言うと重なり合った胸越しの不自然に早い鼓動をのこして、ぴくりとも動かなくなった。のしかかる身体はだんだんと冷たくなっていた。


(ねぇ、先生。僕は先生が大好きだから、先生の為なら死ねるよ。これできっと先生の頭の中は僕でいっぱいだよね。ね、先生、愛してる。………)
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