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2章 異世界オタクと人形達の街
13話 飢えたヒモの末路
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13話
ー封魔の草原ー
「やけに魔物の数が少ないな」
そう、ミケが呟いたのは歩き始めて暫く経った頃だった。小川に沿って下流の方へ進んでいた二人だが、今の所、何かに邪魔されるということもなく、順調に行程を済ましている。
魔物が少ない。これはある程度整備された街道や村、町の近くならば不思議でも何でもない。国家にとって重要な箇所は騎士が守るだろうし、その手が行き届かない箇所も住民達が自発的に狩るだろうからだ。
だが、ここは魔物が多いことで有名な封魔の草原である。ここまで遭遇しないというのは並大抵のことでは無かった。
「龍でも住み着いたんですかね。それだったら警戒しなきゃですけど」
リアンは白銀の髪を弄りながら返した。
「だが、この辺の魔物は翼竜や地竜等だぞ。並大抵のことでは動じない魔物ばかりだ」
この草原は魔王の治める北辺半島の目と鼻の先であり当然恐ろしい魔物が所狭しと生息している。魔物は魔王の眷属なのだ。
「注意して行きましょうか」
「そうだな、周りをよく見て慎重に進も……ん?」
ミケは側で流れる小川を注視した。
何かが、いる。
ミケは小川の側に屈み込んで、それをよく見た。
「どうしたんですか? 隊長……ぅわっ」
そこにいたのは、魚だった。だが、初見でそれを見て魚だと考える者はいないだろう。
何故ならその姿は余りに魚、いや生物という域から逸脱していた。
その口や目という穴という穴から白く細い触手が何本もニョロニョロと伸び、それが水によって流される自らの身体を固定している。
例えるならば蛇程の太さがあるハリガネムシが一匹の魚から何十匹も這い出ているという感じだった。
背筋が舐められるようなおぞましい存在。リアンはあまりの気味の悪さに口を抑えた。
だが、これだけであれば、まだそういう生物なのだと理解できただろう。理解が及ぶ範囲である。
しかし、それだけでは無かった。
ミケはそれの尾びれに当たる部分に目を当て、驚愕した。
そこに生えていたのは、人の目だった。
最初は模様に見えたが、よく見てみるとそれは確実に人間の眼球で、埋め込まれながらギョロギョロとあちこちを見ている。自分達と同じものが異形のものにある。その不気味さは言うべくもない。
二人は暫らく黙った。この生物について喋って良いものなのか逡巡していた。
それ程までにこの生物の姿は、罪深く哀れだったのだ。
沈黙を破ったのは、意外なことに少女の方だった。
「これは……明らかにキメラですね」
「きめら……何だそれは?」
「人造の……合成生命体のことです。基本的に魔刻技師の領分なので、実家でも研究してましたよ。嫌な思い出です」
ミケはリアンの言葉を聞いて、目を細めた。
「魔刻技師、か……」
リアンは、その呟きが色々なものを含んでいるように感じた。
ー竜の森ー
さて、お昼だ。
「腹が減ったな」
昨日から何も口にしていないので、流石の俺もお腹が空いてきた。何か食べたい。
だがここは、現代日本のように金さえあれば直ぐに飯にありつけるような世界ではない。いや、ここが田舎なだけで実は文明度高めかもしれないけど、今いるのは森だしな。
という訳でだ。ご飯を探そう。
「森での食料と言ったら、山菜やキノコ、動物の肉とかか。ああ、でもこの世界だと普通の動物狩るのでもクシャルダオラ戦みたくなりそうだからなぁ。俺はハンターばりの超人でも無いし、菜食だけにしよう」
という訳で俺はさっきから何か無いかなぁっと周りを見渡しながら、進んでいる訳なのだが……
「何も無いな」
この森はやけに綺麗だ。草本植物が一切見えず、高い松のような樹木だけが均等に生えている。地面を覆うのは枯れ葉で、柔らかい感触が足の裏から伝わってくる。
「木ばっかりで果物とかが全く見当たらない。動物の気配も無いし、寒々としているな、ここ」
すっきりし過ぎているというか、死んでいるというか。そう、まるで森という名前をした荒野のようだった。
「まあ、いつか見つかるだろ」
俺は楽観的に思考を停止した。
ー5時間後-
「飯は、飯は、何処だぁああ゛」
俺は順調に飢えていた。
なんなんだよ、この森は。
全然、食べられるものが見つからないんですけど? 普通、森に入ればなんか見つかるんじゃありませんかね。
ルフ●ーはそう言ってたぞ。
きのこ一本見つからない。ああ、腹と背中がくっつきそうだ。
「【ドリンクバー】」
ゴクゴク。
ぷはぁ、オレンジジュースで紛らすのもそろそろ限界だな。何かを見つけなくてはいけない。
俺は近くの木を見つめた。
「木の皮って美味しいのかな」
なんかどっかのテレビで松の皮で作ったお菓子みたいな奴もあったし、食べれない事はないだろう。鹿も食うしな。
俺は近くの木に爪を立てて、樹皮と木肌の隙間に指を入れていく要領で少しずつ皮を剝がしていった。
「結構簡単に剥けるな、これ」
結果、掌サイズの物が直ぐに取れた。
さて、問題はこれをどうするかである。普通、樹皮を食べるときはよく煮たり、細かく砕いたりして食べるが、残念ながらそれができるような道具は俺には無い。アイシャが使ってた剣を生み出す魔法の鍋版でも使えれば話は別だけどな。
「取り敢えず水で洗って手で揉んで柔らかくしてみるか」
さっき出しておいたドリンクバーで水を選択して、紙コップに溜める。そして、松の皮を細かくちぎって水にさらし、灰汁を抜く。
「松明様、この水を沸騰させられますか?」
そして、別の紙コップに入れた水を松明様に温めて貰い、そこに樹皮を移し変えて暫く漬けておく。
「よし」
幾らか時間が経ったら、お湯から皮を取り出して、繊維をほぐすように手で揉んでやり、そして、大分柔らかくなったものを。
「いざ実食」
俺は口に入れた。
柔らかくなったと言ってもやはり木の皮。きちんと煮ればそうでも無いと思うのだが、水とお湯でさらして揉んだだけだからな。やはり固い。
だが、食べられないレベルでもないな。ビーフジャーキーのめっちゃ固い奴って感じだ。味は全くもって似てないけど。
少し甘さを感じる。思ったより灰汁は少なく渋みはない。
「意外といけるな」
考え直すと別に今食べなくちゃ死ぬような緊急事態でも無かったので、別に木の皮なんて食べなくても良かったのだが、結果として成功だった。
食べられるものがあると知れただけでも報酬はあっただろう。
「残りも食べちゃうか」
俺は先程剥いた皮を全て食べ切った。よく噛まないと飲み込めないのでかなり満腹感がある。
もしかしたら、この森は畑なのかも知れないな。余りにもこの樹皮は食に適しているし、案外そうかもしれない。
「さてと、進むかね」
俺は再び前に進みだした。
ーーーー
「身体がポカポカしてきたな~」
頭もボーッとしてきた。まるで酒でも煽ったかのようだった。この木の効能かもしれない。
「でも、悪かねぇな」
うへへ。気分が上がってきたぞ。今ならなんにでも勝てそうだ。アイシャだって直ぐに見けられそう。
「ん、ありゃなんだ?」
俺の前に現れたのは落ち葉が踏み固められ一本の筋のように続いている、つまりは道だった。
道、つまり多くの何かがここを通っているということ。獣道にも見えないし、何よりその道には馬車かなんかの轍があった。明らかに知的な生物の道である。
「街が近くにあるのかもな。村レベルかもしれないけど」
するとさっきまで黙っていた松明様が急に動き出し、その道の上に移動した。そして、その場で回転し始めると、俺から見て左側をビシッと指した。
「松明様、そっちにアイシャが居るんですか!」
松明様はめらりと炎を揺らした。肯定のサインである。
「待ってろぉ! アイシャ。すふにそっちれいくひゃらな」
俺は進もうとして落ち葉の絨毯にバタリと倒れた。
ー封魔の草原ー
「やけに魔物の数が少ないな」
そう、ミケが呟いたのは歩き始めて暫く経った頃だった。小川に沿って下流の方へ進んでいた二人だが、今の所、何かに邪魔されるということもなく、順調に行程を済ましている。
魔物が少ない。これはある程度整備された街道や村、町の近くならば不思議でも何でもない。国家にとって重要な箇所は騎士が守るだろうし、その手が行き届かない箇所も住民達が自発的に狩るだろうからだ。
だが、ここは魔物が多いことで有名な封魔の草原である。ここまで遭遇しないというのは並大抵のことでは無かった。
「龍でも住み着いたんですかね。それだったら警戒しなきゃですけど」
リアンは白銀の髪を弄りながら返した。
「だが、この辺の魔物は翼竜や地竜等だぞ。並大抵のことでは動じない魔物ばかりだ」
この草原は魔王の治める北辺半島の目と鼻の先であり当然恐ろしい魔物が所狭しと生息している。魔物は魔王の眷属なのだ。
「注意して行きましょうか」
「そうだな、周りをよく見て慎重に進も……ん?」
ミケは側で流れる小川を注視した。
何かが、いる。
ミケは小川の側に屈み込んで、それをよく見た。
「どうしたんですか? 隊長……ぅわっ」
そこにいたのは、魚だった。だが、初見でそれを見て魚だと考える者はいないだろう。
何故ならその姿は余りに魚、いや生物という域から逸脱していた。
その口や目という穴という穴から白く細い触手が何本もニョロニョロと伸び、それが水によって流される自らの身体を固定している。
例えるならば蛇程の太さがあるハリガネムシが一匹の魚から何十匹も這い出ているという感じだった。
背筋が舐められるようなおぞましい存在。リアンはあまりの気味の悪さに口を抑えた。
だが、これだけであれば、まだそういう生物なのだと理解できただろう。理解が及ぶ範囲である。
しかし、それだけでは無かった。
ミケはそれの尾びれに当たる部分に目を当て、驚愕した。
そこに生えていたのは、人の目だった。
最初は模様に見えたが、よく見てみるとそれは確実に人間の眼球で、埋め込まれながらギョロギョロとあちこちを見ている。自分達と同じものが異形のものにある。その不気味さは言うべくもない。
二人は暫らく黙った。この生物について喋って良いものなのか逡巡していた。
それ程までにこの生物の姿は、罪深く哀れだったのだ。
沈黙を破ったのは、意外なことに少女の方だった。
「これは……明らかにキメラですね」
「きめら……何だそれは?」
「人造の……合成生命体のことです。基本的に魔刻技師の領分なので、実家でも研究してましたよ。嫌な思い出です」
ミケはリアンの言葉を聞いて、目を細めた。
「魔刻技師、か……」
リアンは、その呟きが色々なものを含んでいるように感じた。
ー竜の森ー
さて、お昼だ。
「腹が減ったな」
昨日から何も口にしていないので、流石の俺もお腹が空いてきた。何か食べたい。
だがここは、現代日本のように金さえあれば直ぐに飯にありつけるような世界ではない。いや、ここが田舎なだけで実は文明度高めかもしれないけど、今いるのは森だしな。
という訳でだ。ご飯を探そう。
「森での食料と言ったら、山菜やキノコ、動物の肉とかか。ああ、でもこの世界だと普通の動物狩るのでもクシャルダオラ戦みたくなりそうだからなぁ。俺はハンターばりの超人でも無いし、菜食だけにしよう」
という訳で俺はさっきから何か無いかなぁっと周りを見渡しながら、進んでいる訳なのだが……
「何も無いな」
この森はやけに綺麗だ。草本植物が一切見えず、高い松のような樹木だけが均等に生えている。地面を覆うのは枯れ葉で、柔らかい感触が足の裏から伝わってくる。
「木ばっかりで果物とかが全く見当たらない。動物の気配も無いし、寒々としているな、ここ」
すっきりし過ぎているというか、死んでいるというか。そう、まるで森という名前をした荒野のようだった。
「まあ、いつか見つかるだろ」
俺は楽観的に思考を停止した。
ー5時間後-
「飯は、飯は、何処だぁああ゛」
俺は順調に飢えていた。
なんなんだよ、この森は。
全然、食べられるものが見つからないんですけど? 普通、森に入ればなんか見つかるんじゃありませんかね。
ルフ●ーはそう言ってたぞ。
きのこ一本見つからない。ああ、腹と背中がくっつきそうだ。
「【ドリンクバー】」
ゴクゴク。
ぷはぁ、オレンジジュースで紛らすのもそろそろ限界だな。何かを見つけなくてはいけない。
俺は近くの木を見つめた。
「木の皮って美味しいのかな」
なんかどっかのテレビで松の皮で作ったお菓子みたいな奴もあったし、食べれない事はないだろう。鹿も食うしな。
俺は近くの木に爪を立てて、樹皮と木肌の隙間に指を入れていく要領で少しずつ皮を剝がしていった。
「結構簡単に剥けるな、これ」
結果、掌サイズの物が直ぐに取れた。
さて、問題はこれをどうするかである。普通、樹皮を食べるときはよく煮たり、細かく砕いたりして食べるが、残念ながらそれができるような道具は俺には無い。アイシャが使ってた剣を生み出す魔法の鍋版でも使えれば話は別だけどな。
「取り敢えず水で洗って手で揉んで柔らかくしてみるか」
さっき出しておいたドリンクバーで水を選択して、紙コップに溜める。そして、松の皮を細かくちぎって水にさらし、灰汁を抜く。
「松明様、この水を沸騰させられますか?」
そして、別の紙コップに入れた水を松明様に温めて貰い、そこに樹皮を移し変えて暫く漬けておく。
「よし」
幾らか時間が経ったら、お湯から皮を取り出して、繊維をほぐすように手で揉んでやり、そして、大分柔らかくなったものを。
「いざ実食」
俺は口に入れた。
柔らかくなったと言ってもやはり木の皮。きちんと煮ればそうでも無いと思うのだが、水とお湯でさらして揉んだだけだからな。やはり固い。
だが、食べられないレベルでもないな。ビーフジャーキーのめっちゃ固い奴って感じだ。味は全くもって似てないけど。
少し甘さを感じる。思ったより灰汁は少なく渋みはない。
「意外といけるな」
考え直すと別に今食べなくちゃ死ぬような緊急事態でも無かったので、別に木の皮なんて食べなくても良かったのだが、結果として成功だった。
食べられるものがあると知れただけでも報酬はあっただろう。
「残りも食べちゃうか」
俺は先程剥いた皮を全て食べ切った。よく噛まないと飲み込めないのでかなり満腹感がある。
もしかしたら、この森は畑なのかも知れないな。余りにもこの樹皮は食に適しているし、案外そうかもしれない。
「さてと、進むかね」
俺は再び前に進みだした。
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「身体がポカポカしてきたな~」
頭もボーッとしてきた。まるで酒でも煽ったかのようだった。この木の効能かもしれない。
「でも、悪かねぇな」
うへへ。気分が上がってきたぞ。今ならなんにでも勝てそうだ。アイシャだって直ぐに見けられそう。
「ん、ありゃなんだ?」
俺の前に現れたのは落ち葉が踏み固められ一本の筋のように続いている、つまりは道だった。
道、つまり多くの何かがここを通っているということ。獣道にも見えないし、何よりその道には馬車かなんかの轍があった。明らかに知的な生物の道である。
「街が近くにあるのかもな。村レベルかもしれないけど」
するとさっきまで黙っていた松明様が急に動き出し、その道の上に移動した。そして、その場で回転し始めると、俺から見て左側をビシッと指した。
「松明様、そっちにアイシャが居るんですか!」
松明様はめらりと炎を揺らした。肯定のサインである。
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