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2章 異世界オタクと人形達の街
26話 アウトロック
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―森林都市サンリンサン 中央通りー
明るい音楽を垂れ流しながら道路を進む革命政府の広報車。
街の大スクリーンに映っているのはろくろを回すような仕草をしながら堅苦しく、にもかかわらず理解しやすいように今後の政策を説明する革命政府のリーダー。
都市の革命を祝う華やかなパレード。
サンリンサンは毎日が祭日のような状態であった。
「まさか、こんなになってるとは思わなかったっす」
へベノは浮かれる民衆を背に高層ビル群の建ち並ぶ中央区の街角を歩いていた。
300フィル(300m)はあろうかという建造物の数々は環境保全の観点から街の外部、いや他の区画からも見えないようになっている。
隠蔽には最新の魔導具が使われているらしい。
それにしても騒がしい。ここに来てからというもの、静かになった日を一度も拝めていないのだ。
それほど連合国軍の統治下に不満を抱いていたということなのか。
だがよく見れば祭りに参加せず怪訝な目でその狂乱を眺めているものもいる。その多くは人や獣人などで、立ち止まってその狂乱を眺めると、すぐに仕事に戻っていく。
それも当然だろう。彼らはおそらく出稼ぎ労働者なのだ。
今この街で浮かれているのは樹木系魔動演算人形ウッドゴレムだ。
つまり、この街では人は人形のように働き、人形は人のように浮かれている。
へベノは別に差別主義者ではなかったが、その転倒した様子が少し可笑しかった。わかってはいるのだ。樹木系魔動演算人形ウッドゴレムにも感情、魂が存在していることは魔術理論的に証明されており、またそれを否定して彼らを侮辱することは国際法で禁じられている。
それでも被造物の愉快な光景を見ていると変な気分になってくる。
「さて、この住所で合ってるっすかね」
へベノはメモ書きの情報を見た。それは団長から貰ったものだった。
中央区23番街42ブロック。
この街には土地の名前というものはなく、住所は全て番号で管理される。
住所を尋ねるという意味では分かりやすいが、少し情趣に欠けると感じる。
こういうところも、この街らしい。
「ここっすか」
中央通りの人混みを抜けると、閑静な住宅街になり、一気に建物の高さが低くなる。
この辺は探索者、労役ではなく迷宮に行ったり、竜の森に住まう魔物を狩ったりする者たちの住居が多いらしい。
彼らは高級取りだが、あまり家にいる習慣がない。よって、家はかなり簡素な必要最低限なものだ。
そんな一角にへベノの目的地はあった。
年季の入った木造2階建て。一階はガラス張りになっており、中の様子が伺える。どうやら喫茶店になっているようだ。
2階は個人宅なのか装飾が少ないが、1階のヴィンテージな雰囲気にマッチしている。
感じの良い店構えだ。
「ごめんくださいっす」
「いらっしゃぁい」
男のとも女のとも取れない絡みつくような声が店内に響いた。
ヘベノが店の奥にあるカウンターを見ると、あまり健康そうには見えない長身の人物が肘をついて、ヘベノの来訪を歓迎していた。
目の下の大きな隈に、骨と皮しかないのではと不安になるほどの細身。青い血管が色白の肌からちろりと姿を見せており、なんとなく蛇を思わせる。
油断ならない不気味さが、その人物にはあった。
正直、接客業としてどうなのだろう。。
「お尋ねしたいんすけどーー」
「なんだぁい?」
不思議な店主は触手のような口調で頬杖をついた。顔はにやけている。
「ここは、喫茶店【アウトロック】でよろしいっすかね?」
お頭のメモに書かれていた店名を尋ねてみる。
外見の感じは聞いていた印象と違うので、間違ったかと考えたのだが、ヘベノはこの人物を見て、間違いではないと確信した。
ああ、たしかにここは魔女の領域だ、と。
「いかにも、ここは【アウトロック】。豆の挽き方から、焙煎、産出地にまでこだわった喫茶店さぁ。お客様に最高の1杯を提供できると保証しよう」
毒でも盛られそうだ。ヘベノは寸分の迷いなく、ここで食べ物を頼まないことを決めた。
「さあ、座り給えよ。幸運なことに、席はガラ空きさぁ」
お言葉に甘えて座らせてもらうことにした。カウンター席の丸椅子は木製でクッション部分には綿が詰められている。
「――あの、すみません」
「うん?」
魔女が小首を傾げる。
ヘベノは例のメモを見せると、はきはきと相手の雰囲気に飲み込まれないように言った。
「あっし、牙山団のものなんすけど。団長から何か聞いてませんか?」
魔女が合点に至ったのか、目を少し見開く。
「なるほどねぇ。うんうん、きいてるよぉ。ヘベノ君、だっけぇ。――アデスの奴も妙なことをするなあ」
「アデス?」
見知らぬ名前だ。だが、魔女は気にするなと言って話を進めた。
「ということは君は喫茶店の方じゃなくて、私の副業の方を頼りに来たのかなぁ?」
「はいっす」
「やっぱりねぇ。ちょっと悲しいよ。せっかく僕のコーヒーを飲んでくれる奴が現れたと思ったのになぁ。また、あっちかぁ。残念だなぁ」
先ほどは”私”という一人称だったのに今は”僕”。一人称が安定しない人だ。
魔女は悲しそうにため息をつきながら、カウンターの下から紙の束を取り出していく。
どの紙も真っ白である。しかし、どれも使い込まれように酸化していた。
「えーと、あの案件は量が多くて困るなぁ。めんどくさいなぁ」
しかし、魔女にとってはその紙は一枚一枚違う紙であると認識しているらしい。まるでそこに情報が書き込まれているように。
しばらく経って、準備が整ったのか魔女はヘベノの方を向きなおした。
「さて、ご用件はなんだい? 私の名前はヴェルギリウス。世界の秘密から、あの子のスリーサイズまで何でもござれ。対価を払えば何でも教えてあげよう」
ーー回想ーー
ヘベノが部屋で出立の準備をしているとき、扉をたたく音がした。
「ちょっと……いいか?」
「あ、今開けるっす!」
大急ぎで扉を開けると、そこにいたのは団長だった。
「どうしたんすか? お別れなら、後で向かおうと思っていたんすけど」
キュリは真剣なまなざしでこちらを見た。
「ああ、それは明日の朝でいい。お前も……忙しいだろうからな。――それではなくて、お前に伝えるべきことがあって来た」
はて、なんだろうか。ヘベノは不思議に思った。
「森林都市サンリンサンのことだ」
ますます謎が深まる。あの街には何回も仕事で行っているし、今更新たに学ぶべきことがあるとは思えない。
だが、団長の言葉だ。ヘベノは素直に聞いた。
「あの街には、ある喫茶店がある」
「はあ、それでその喫茶店がどうしたんすか?」
キュリはヘベノにメモを渡しながら、重々しく告げた。
「そこの店主は情報屋もやっていてな」
「な、なるほど」
ただ単に情報屋ならば、ヘベノだって幾人か知っている。表立って活動できないような情報を売る業者ならば見つけるのも一苦労だが、それでもわざわざ今、自分に伝える理由がわからない。
「結局、どういうことなんすか?」
ヘベノはしびれを切らしてキュリに問いかけた。
キュリは目を固くつぶり、何かを耐えるかのように顔を顰める。
だが、それでも彼は重い口を開いた。
「ヘベノ、これは私なりのお前への贈り物だ。そこの店主は――すべてを知っている」
その意味を解さないまま、ヘベノは謎の情報屋と出会った。
明るい音楽を垂れ流しながら道路を進む革命政府の広報車。
街の大スクリーンに映っているのはろくろを回すような仕草をしながら堅苦しく、にもかかわらず理解しやすいように今後の政策を説明する革命政府のリーダー。
都市の革命を祝う華やかなパレード。
サンリンサンは毎日が祭日のような状態であった。
「まさか、こんなになってるとは思わなかったっす」
へベノは浮かれる民衆を背に高層ビル群の建ち並ぶ中央区の街角を歩いていた。
300フィル(300m)はあろうかという建造物の数々は環境保全の観点から街の外部、いや他の区画からも見えないようになっている。
隠蔽には最新の魔導具が使われているらしい。
それにしても騒がしい。ここに来てからというもの、静かになった日を一度も拝めていないのだ。
それほど連合国軍の統治下に不満を抱いていたということなのか。
だがよく見れば祭りに参加せず怪訝な目でその狂乱を眺めているものもいる。その多くは人や獣人などで、立ち止まってその狂乱を眺めると、すぐに仕事に戻っていく。
それも当然だろう。彼らはおそらく出稼ぎ労働者なのだ。
今この街で浮かれているのは樹木系魔動演算人形ウッドゴレムだ。
つまり、この街では人は人形のように働き、人形は人のように浮かれている。
へベノは別に差別主義者ではなかったが、その転倒した様子が少し可笑しかった。わかってはいるのだ。樹木系魔動演算人形ウッドゴレムにも感情、魂が存在していることは魔術理論的に証明されており、またそれを否定して彼らを侮辱することは国際法で禁じられている。
それでも被造物の愉快な光景を見ていると変な気分になってくる。
「さて、この住所で合ってるっすかね」
へベノはメモ書きの情報を見た。それは団長から貰ったものだった。
中央区23番街42ブロック。
この街には土地の名前というものはなく、住所は全て番号で管理される。
住所を尋ねるという意味では分かりやすいが、少し情趣に欠けると感じる。
こういうところも、この街らしい。
「ここっすか」
中央通りの人混みを抜けると、閑静な住宅街になり、一気に建物の高さが低くなる。
この辺は探索者、労役ではなく迷宮に行ったり、竜の森に住まう魔物を狩ったりする者たちの住居が多いらしい。
彼らは高級取りだが、あまり家にいる習慣がない。よって、家はかなり簡素な必要最低限なものだ。
そんな一角にへベノの目的地はあった。
年季の入った木造2階建て。一階はガラス張りになっており、中の様子が伺える。どうやら喫茶店になっているようだ。
2階は個人宅なのか装飾が少ないが、1階のヴィンテージな雰囲気にマッチしている。
感じの良い店構えだ。
「ごめんくださいっす」
「いらっしゃぁい」
男のとも女のとも取れない絡みつくような声が店内に響いた。
ヘベノが店の奥にあるカウンターを見ると、あまり健康そうには見えない長身の人物が肘をついて、ヘベノの来訪を歓迎していた。
目の下の大きな隈に、骨と皮しかないのではと不安になるほどの細身。青い血管が色白の肌からちろりと姿を見せており、なんとなく蛇を思わせる。
油断ならない不気味さが、その人物にはあった。
正直、接客業としてどうなのだろう。。
「お尋ねしたいんすけどーー」
「なんだぁい?」
不思議な店主は触手のような口調で頬杖をついた。顔はにやけている。
「ここは、喫茶店【アウトロック】でよろしいっすかね?」
お頭のメモに書かれていた店名を尋ねてみる。
外見の感じは聞いていた印象と違うので、間違ったかと考えたのだが、ヘベノはこの人物を見て、間違いではないと確信した。
ああ、たしかにここは魔女の領域だ、と。
「いかにも、ここは【アウトロック】。豆の挽き方から、焙煎、産出地にまでこだわった喫茶店さぁ。お客様に最高の1杯を提供できると保証しよう」
毒でも盛られそうだ。ヘベノは寸分の迷いなく、ここで食べ物を頼まないことを決めた。
「さあ、座り給えよ。幸運なことに、席はガラ空きさぁ」
お言葉に甘えて座らせてもらうことにした。カウンター席の丸椅子は木製でクッション部分には綿が詰められている。
「――あの、すみません」
「うん?」
魔女が小首を傾げる。
ヘベノは例のメモを見せると、はきはきと相手の雰囲気に飲み込まれないように言った。
「あっし、牙山団のものなんすけど。団長から何か聞いてませんか?」
魔女が合点に至ったのか、目を少し見開く。
「なるほどねぇ。うんうん、きいてるよぉ。ヘベノ君、だっけぇ。――アデスの奴も妙なことをするなあ」
「アデス?」
見知らぬ名前だ。だが、魔女は気にするなと言って話を進めた。
「ということは君は喫茶店の方じゃなくて、私の副業の方を頼りに来たのかなぁ?」
「はいっす」
「やっぱりねぇ。ちょっと悲しいよ。せっかく僕のコーヒーを飲んでくれる奴が現れたと思ったのになぁ。また、あっちかぁ。残念だなぁ」
先ほどは”私”という一人称だったのに今は”僕”。一人称が安定しない人だ。
魔女は悲しそうにため息をつきながら、カウンターの下から紙の束を取り出していく。
どの紙も真っ白である。しかし、どれも使い込まれように酸化していた。
「えーと、あの案件は量が多くて困るなぁ。めんどくさいなぁ」
しかし、魔女にとってはその紙は一枚一枚違う紙であると認識しているらしい。まるでそこに情報が書き込まれているように。
しばらく経って、準備が整ったのか魔女はヘベノの方を向きなおした。
「さて、ご用件はなんだい? 私の名前はヴェルギリウス。世界の秘密から、あの子のスリーサイズまで何でもござれ。対価を払えば何でも教えてあげよう」
ーー回想ーー
ヘベノが部屋で出立の準備をしているとき、扉をたたく音がした。
「ちょっと……いいか?」
「あ、今開けるっす!」
大急ぎで扉を開けると、そこにいたのは団長だった。
「どうしたんすか? お別れなら、後で向かおうと思っていたんすけど」
キュリは真剣なまなざしでこちらを見た。
「ああ、それは明日の朝でいい。お前も……忙しいだろうからな。――それではなくて、お前に伝えるべきことがあって来た」
はて、なんだろうか。ヘベノは不思議に思った。
「森林都市サンリンサンのことだ」
ますます謎が深まる。あの街には何回も仕事で行っているし、今更新たに学ぶべきことがあるとは思えない。
だが、団長の言葉だ。ヘベノは素直に聞いた。
「あの街には、ある喫茶店がある」
「はあ、それでその喫茶店がどうしたんすか?」
キュリはヘベノにメモを渡しながら、重々しく告げた。
「そこの店主は情報屋もやっていてな」
「な、なるほど」
ただ単に情報屋ならば、ヘベノだって幾人か知っている。表立って活動できないような情報を売る業者ならば見つけるのも一苦労だが、それでもわざわざ今、自分に伝える理由がわからない。
「結局、どういうことなんすか?」
ヘベノはしびれを切らしてキュリに問いかけた。
キュリは目を固くつぶり、何かを耐えるかのように顔を顰める。
だが、それでも彼は重い口を開いた。
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その意味を解さないまま、ヘベノは謎の情報屋と出会った。
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