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ダブリン 6

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俺はその後、おっさんの安宿に腰を据えて毎日、魔物狩りに出かけていた。早く金を貯めたかったからだ。
ラノベ小説によくあるようにパーティを組むという考え方は最初から持っていない。俺のように秘密の多い人間が、誰かとパーティを組むのは無理があると思っているからだ。しかし、普通の人間とパーティを組むのは無理でも、奴隷を買ってパーティを組むのはありかもしれない。しかし、奴隷を買うには大金がいるしな。
そんなことを考えていたある日、森で見つけたゴブリンを追跡してみようという気になった。
目の前にいるゴブリンは3匹。グギヤとかゲギヤとか鳴きながら、森の奥へと帰っていこうとしていた。俺は、木の陰から陰へと移動しながらゴブリンの後を付けていった。
半日位付けただろうか、随分と森の奥に入り込んだところで村を見つけた。
『あれはゴブリンの村か?』
ラノベで読んだことがあるが、それが現実となって目の前に現れるとはな。興奮で鳥肌が立つ。
俺は高い木に登り、枝の陰に隠れて夜を待った。
深夜になってゴブリンが寝静まったことを確認し、ゴブリンの村に侵入した。
見張りなのか、小屋に入らずウロウロしているゴブリンがかなりいたがエアーカッターで首を跳ねていく。
ほとんど時間がかからずに30匹ほどを殺したので、一旦引き返そうとしたところで、上位種が異変に気づいて、小屋から出てきた。

『通常のゴブリンの倍はある。ホブゴブリンか?ゴブリンリーダーか?』
俺は間髪入れずにエアーカッターを撃つ。大きなゴブリンの首も簡単に跳ねることが出来たが、そいつに続いて、更に大きくて鎧を着たゴブリンが出て来た。そして、俺が放ったエアーカッターは、そいつの鎧に弾かれた。
『ちっ、誤算だった。鎧は特攻の対象外か』
俺はすぐに踵を返して村から逃げ出した。
それからは夜の森の中でのゲリラ戦が始まった。
ゲリラ戦を仕掛けているのは俺1人。対する敵は無数のゴブリンだ。
木の陰で待ち伏せしては、近付いたところを首を刎ねる。木の上で隠れては、近づく奴をエアーカッターで切り裂く。足元から土の槍を突き出してゴブリンを串刺しにする。俺は森の中を逃げ回りながら、ゴブリンの数を削っていった。
遂にゴブリンは20匹ほどになり、森から引き上げて村の中で一塊になって防御に徹するようだ。
もう普通のゴブリンはおらず、ボブゴブリンが15匹、ゴブリンメイジが3匹、鎧を着たゴブリンゼネラル1匹が残っている。
俺も疲労困憊で、魔力も尽きかけていたので、起死回生の策として倒したゴブリンたちの魔石を食べた。そして、ゴブリン30匹とホブゴブリン2匹の魔石を食べ終わったとき、体が熱くなりレベルアップしたことが分かった。体も大きくなり、もう少年とは呼ばれないくらいになっている。
ステータスを確認すると

名前 ダブリン
種族 人間
性別 男
年齢 8
ジョブ 捕食者2(魔物を捕食する者)、進化者3(魔石によって進化する者)
筋力 C+
耐久 D+
俊敏 C
魔力 D+
抵抗 E+
固有スキル スキルドレイン(接触時) 魔石進化(魔石吸収時) 魔力ドレイン(接触時)
スキル 
飛行1、羽刃1、嘴攻撃1、鉤爪1、風魔法3、警戒1、身体強化1、喧嘩1、威圧1、格闘1、詐欺1、気配察知1、投擲2、噛み付き1、穴掘り1、夜目1、敏捷1、繁殖力1、土魔法2、成長加速1、棍棒術2、悪食1、仲間呼び1、跳躍1、聴覚強化1、突進1、皮膚硬化1、跳躍1、剣術2、短剣術1、斧術1、蹴り1、踏みつけ1、頭突き1、脅し1、裏切り1、逃げ足1、誘拐1
称号 ゴブリンの捕食者
(ゴブリンに対しての攻撃は防御無視になる。ゴブリンからの攻撃はダメージが半減する)

このレベルアップで疲労が取れ、魔力も体力も回復した。俺は改めてゴブリンの村に向かい、残りのゴブリンの討伐の続きを開始した。
ホブゴブリンとゴブリンメイジは、攻撃が俺に届く前に全滅させた。残りはゴブリンゼネラル只一匹のみ。ゴブリンゼネラルの全身を包んでいる鎧は、俺のゴブリン特攻を弾いてしまう。全くやっかいな相手だが、勝てない相手ではない。相手の弱点は露出している顔。
俺はゴブリンゼネラルの攻撃を躱しながら、エアーカッターを放つ。ゴブリンゼネラルは、よっぽど勘がいいのか両腕で顔をかばい、特攻攻撃を弾く。俺は何回かエアーカッターを撃ち込んだ後、トルネードを放った。ゼネラルはまたもや両腕で顔を庇うが、トルネードは腕の隙間から入り込んで顔を切り刻んだ。
「ギャオ?」ゴブリンゼネラルは雄叫びを上げ、防御を捨てて俺に切りかかって来た。
それを待っていた俺は、ここぞとばかりにエアーカッターをぶつけ、顔の真ん前にクレイランスをぶつけた。
半ば目を閉じて突進して来たゼネラルの顔に、クレイランスが突き刺さる。本来ならクレイランスがゴブリンゼネラルにダメージを与えるほどの威力はない。しかし防御力が無視される俺のゴブリン特攻の力で、クレイランスはゴブリンゼネラルの顔の真ん中に深々と刺さった。すぐに俺は剣を投擲し、その剣はゼネラルの眉間に深々と刺さり、脳を破壊した。
ゆっくりと崩れ落ちるゼネラルに俺は急接近し、右手で顔を殴ってスキルをドレインすると、左手に構えた短剣をゼネラルの首に刺し、そのまま首を掻き切った。
俺は肩で息をしていたが、すぐに気を取り直して、ゼネラルの体を切り裂いて体の一部と魔石を食べた。もちろんゴブリンシャーマンとホブゴブリンたちの体の一部と魔石も食べた。
そして、このことでまた体だが熱くなってレベルアップした。体も大きくなり、平均的な大人の男の体格になった。着ている革鎧とズボンは、元々余裕があったので、そのまま着れたが、シャツは窮屈になったので脱いだ。

名前 ダブリン
種族 人間
性別 男
年齢 8
ジョブ 捕食者3(魔物を捕食する者)、進化者4(魔石によって進化する者)
筋力 B
耐久 C
俊敏 C+
魔力 C
抵抗 E++
固有スキル スキルドレイン(接触時) 魔石進化(魔石吸収時) 魔力ドレイン(接触時)
飛行1、羽刃1、嘴攻撃1、鉤爪1、風魔法3、警戒1、身体強化1、喧嘩1、威圧1、格闘1、詐欺1、気配察知1、投擲2、噛み付き1、穴掘り1、夜目1、敏捷1、繁殖力1、土魔法2、成長加速1、棍棒術2、悪食1、仲間呼び1、跳躍1、聴覚強化1、突進1、皮膚硬化1、剣術2、短剣術1、斧術1、蹴り1、踏みつけ1、頭突き1、脅し1、裏切り1、逃げ足1、誘拐1、統率1、大剣術1、怪力1、眷属強化1、異常耐性1、火魔法1、水魔法1、闇魔法1、ゼネラルアーマー召喚、ゼネラルソード召喚、眷属召喚1
称号 
ゴブリンの捕食者
(ゴブリンに対しての攻撃が防御無視になる。ゴブリンからの攻撃はダメージが半減する)
将軍(眷属を統べる)

その後、新しいスキルについて調べてみる。
ゼネラルアーマー召喚を念じると、体が一瞬光って、青みを帯びた銀色の金属のフルプレートアーマーに包まれていた。
自分の体を包んでいるフルプレートアーマーを見下ろして見ると、あのゴブリンゼネラルが着ていた物と同じデザインだ。
手を頭にやると兜も被っている。
着たのはいいが、脱ぐのはどうするだ?
兜を脱ごうとしたが、脱げない。ガントレットも外そうとしても外れない。
暫くいろいろやって、召喚を解除すればいいと思いつき、召喚解除と念じると、プレートアーマーが消えた。
次に、ゼネラルソード召喚と念じると、右手に長さ2メートル近い大剣が現れた。驚いて取り落としそうになるが、何とか堪えた。改めて両手で持って構えたり、振り回してみる。思ったより重くはないが、使いこなすには練習が必要だと感じた。
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