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第一章
010 積み重なる愛─②
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──ヴァシリスへ。膝の痛みは確かにあった。声変わりのときは喉も痛くなったし。成長したお前を早く見たい。
(サボテンの絵を描く)図鑑を見ながら描いた。昨日はサボテンのスープが出たんだ。とろみがあり、美味しかった。
この前、アーディム王子の上后から手紙を頂いた。来年はお茶会を開くので、ぜひ一緒にお茶をしましょう、だそうだ。
好きなお茶を教えてほしいと書いてあったので、蜂蜜入りのお茶が好きだと書いた。手紙の書き方の作法も、ダナとアイラから教わっている。好きなものを聞かれた場合、遠慮してはいけないのだな。
──敬愛なるフィリへ。俺の上后になれば、しょっちゅう手紙のやりとりがあるはずだ。ある意味、腹のさぐり合いだな。兄上の上后は、とても思慮深く、機転の利く方だ。
蜂蜜が好きなんだな。朝餉に出るパンにつけて食べるのも、フルーツにかけて食べるのもいい。とれる花の蜜によって味が変わるから、いろいろ食べ比べてみてくれ。
──ファルーハ王国へ来て二度目の冬だ。最近、午後はお茶会について勉強している。ほとんどが作法やお茶の種類、后たちの好みなど、アイラがまとめてくれている。彼女にはいつも助けられている。
初めてスパイスティーを飲んだ。……とんでもない味だ。
──愛しきフィリへ。ファルーハ王国の出身の后はスパイスティーを好む者もいるだろうが、異国出身の后はどちらかというと苦手な后が多い。
フィリ、あと少しで帰れる。会って抱きしめたいし、口付けも交わしたい。お揃いの指輪とお前が作ってくれたお守りが心の支えだ。
身体も丈夫になった。この身体でフィリを守り、とことん愛し合いたい。
そろそろ帰国の準備を始める。手紙はもう送れないと思う。フィリも送らなくて大丈夫だ。
昼餉を終えてうんと背伸びをし、フィリは風通しの良い外を眺めた。
ここ二年間でやせ細った身体は大きくなり、筋肉もついた。身長も伸びた気がする。
「フィリ様、本日はプールに入られますか?」
「そうだな……そうしようか」
「では、準備をいたしますね」
夏を迎え、フィリは二十歳になった。ヴァシリスの誕生日は聞いていないが、今年で十八歳になる。成人を迎える年だ。
第三王子が帰国するためか、最近は侍従たちも慌ただしく動き回っている。
「ヴァシリスが成人したとき、何か儀式はあるのか?」
「ええ、ございますよ。国をあげてお祝いいたします。その後、宴を遅くまで行いますが、ヴァシリス様は派手なものにはしないとおっしゃっていましたので、宴はひっそりと行われると思われます」
「ヴァシリスらしいな。……にしても、今日はやけに忙しないな」
「アイラ、ちょっといいですか?」
侍従の一人がやってきて、アイラに耳打ちをする。
アイラは目をかっと見開き、漆黒の瞳が潤み出す。
侍従は礼をしてすぐに下がった。
「どうした?」
「国王様のご容体が、よろしくないようです。ここのところは起きて散歩に出かけるほどよくなってきてると伺いました」
「良くなったり悪くなったりを繰り返しているんだな。病気だと聞いてはいるが……」
「原因はよく判っていないのです。国で一番腕のある医師に診てもらっても、はっきりとしないのです」
「良くなると信じているよ」
「はい、私も信じます。それにもうすぐヴァシリス様が帰国なされます。お顔をご覧になって、きっと元気になられますよ」
「ジャミル王子はいつ頃帰国されるんだ?」
「ヴァシリス様と同時期か、少し早いくらいだと思います。長めのご旅行を、さぞ楽しまれていることでしょう」
「旅行? 仕事ではなく?」
「はい、ご旅行です。……お伝えしておりませんでした」
「いや、そんなことはいいんだ。数年間、帰ってきていないんだぞ?」
「フィリ様がファルーハ王国へいらっしゃる前にも、同様のことがございました」
これには愕然としてしまった。同時に、失望感もふつふつと煮え立っている。
蓄えのある国で民衆も豊かな暮らしをしているが、汗水流して働く民を見て何とも思わないのか。弟であるヴァシリスも未成年で働いているというのに。
「自由奔放な方ですから」
アイラはそう言うが、立場を弁えない奔放さは国を任せるに相応しい人ではない。
「フィリ様はフィリ様の立場を重んじて、いつも通りにお過ごし下さいませ」
──程なくして国王がみまかられたと訃報が届いた。
葬儀は三か月もの間、行われる。その間は黒の装いで過ごすことになる。
フィリはまだ国が正式に認めた后ではなく、葬儀には出られない。歯痒いが、こればかりはどうしようもなかった。
「結局、一度もお会いできなかったな」
ヴァシリスも自身の父君に立ち会えず、挙措を失ってもおかしなくない。
「いけません! こちらはヴァシリス様の后、フィリ様のっ……!」
侍従の声が廊下から聞こえた。物騒な靴音が徐々に近づいてきて、殴りつけるように扉が開いた。
見たことのない男だった。浅黒い肌に黒髪、あまり似てはいないが、ヴァシリスを思い出してしまった。
「ジャミル王子! こちらは……」
「黙れ。たかが侍従の分際で。口を開いていいと許可していない」
アイラを含む侍従たちは、皆一斉に頭を垂れた。
ジャミル王子。この国の第二王子である。
フィリの顔が歪んでいく。葬儀の最中でありながらも、彼の格好は旅行帰りで、喪服ですらない。指や首には煌びやかな宝石を咲かせている。
「写真で見るより美しいな」
「それ以上近寄るな」
フィリの凛とした透き通る声に、ジャミルはぴたりと止まる。
「我が夫は第三王子・ヴァシリスと知ってのことか。ここは後宮であり、いくら第二王子といえど足を踏み入れて良い場所ではない。即刻立ち去れ」
「……声も美しい」
ジャミルはにやりと口角を上げると、一歩、また一歩とフィリへ近づく。
フィリは後ろへ下がらなかった。立場は違えど、第三王子の后としての威厳を示さなければならなかった。
ジャミルは手を伸ばして顔に触れる瞬間──背後から誰かがジャミルの腕を掴んだ。
フィリの目が動揺の色に染まる。
浅黒い肌、筋肉質な腕、漆黒の髪。
ジャミルよりも上背があり、男は見下ろしている。
「──……ヴァシリス……か?」
「貴様っ……なぜここに…………っ」
「ジャミル兄様、お久しぶりですね」
(サボテンの絵を描く)図鑑を見ながら描いた。昨日はサボテンのスープが出たんだ。とろみがあり、美味しかった。
この前、アーディム王子の上后から手紙を頂いた。来年はお茶会を開くので、ぜひ一緒にお茶をしましょう、だそうだ。
好きなお茶を教えてほしいと書いてあったので、蜂蜜入りのお茶が好きだと書いた。手紙の書き方の作法も、ダナとアイラから教わっている。好きなものを聞かれた場合、遠慮してはいけないのだな。
──敬愛なるフィリへ。俺の上后になれば、しょっちゅう手紙のやりとりがあるはずだ。ある意味、腹のさぐり合いだな。兄上の上后は、とても思慮深く、機転の利く方だ。
蜂蜜が好きなんだな。朝餉に出るパンにつけて食べるのも、フルーツにかけて食べるのもいい。とれる花の蜜によって味が変わるから、いろいろ食べ比べてみてくれ。
──ファルーハ王国へ来て二度目の冬だ。最近、午後はお茶会について勉強している。ほとんどが作法やお茶の種類、后たちの好みなど、アイラがまとめてくれている。彼女にはいつも助けられている。
初めてスパイスティーを飲んだ。……とんでもない味だ。
──愛しきフィリへ。ファルーハ王国の出身の后はスパイスティーを好む者もいるだろうが、異国出身の后はどちらかというと苦手な后が多い。
フィリ、あと少しで帰れる。会って抱きしめたいし、口付けも交わしたい。お揃いの指輪とお前が作ってくれたお守りが心の支えだ。
身体も丈夫になった。この身体でフィリを守り、とことん愛し合いたい。
そろそろ帰国の準備を始める。手紙はもう送れないと思う。フィリも送らなくて大丈夫だ。
昼餉を終えてうんと背伸びをし、フィリは風通しの良い外を眺めた。
ここ二年間でやせ細った身体は大きくなり、筋肉もついた。身長も伸びた気がする。
「フィリ様、本日はプールに入られますか?」
「そうだな……そうしようか」
「では、準備をいたしますね」
夏を迎え、フィリは二十歳になった。ヴァシリスの誕生日は聞いていないが、今年で十八歳になる。成人を迎える年だ。
第三王子が帰国するためか、最近は侍従たちも慌ただしく動き回っている。
「ヴァシリスが成人したとき、何か儀式はあるのか?」
「ええ、ございますよ。国をあげてお祝いいたします。その後、宴を遅くまで行いますが、ヴァシリス様は派手なものにはしないとおっしゃっていましたので、宴はひっそりと行われると思われます」
「ヴァシリスらしいな。……にしても、今日はやけに忙しないな」
「アイラ、ちょっといいですか?」
侍従の一人がやってきて、アイラに耳打ちをする。
アイラは目をかっと見開き、漆黒の瞳が潤み出す。
侍従は礼をしてすぐに下がった。
「どうした?」
「国王様のご容体が、よろしくないようです。ここのところは起きて散歩に出かけるほどよくなってきてると伺いました」
「良くなったり悪くなったりを繰り返しているんだな。病気だと聞いてはいるが……」
「原因はよく判っていないのです。国で一番腕のある医師に診てもらっても、はっきりとしないのです」
「良くなると信じているよ」
「はい、私も信じます。それにもうすぐヴァシリス様が帰国なされます。お顔をご覧になって、きっと元気になられますよ」
「ジャミル王子はいつ頃帰国されるんだ?」
「ヴァシリス様と同時期か、少し早いくらいだと思います。長めのご旅行を、さぞ楽しまれていることでしょう」
「旅行? 仕事ではなく?」
「はい、ご旅行です。……お伝えしておりませんでした」
「いや、そんなことはいいんだ。数年間、帰ってきていないんだぞ?」
「フィリ様がファルーハ王国へいらっしゃる前にも、同様のことがございました」
これには愕然としてしまった。同時に、失望感もふつふつと煮え立っている。
蓄えのある国で民衆も豊かな暮らしをしているが、汗水流して働く民を見て何とも思わないのか。弟であるヴァシリスも未成年で働いているというのに。
「自由奔放な方ですから」
アイラはそう言うが、立場を弁えない奔放さは国を任せるに相応しい人ではない。
「フィリ様はフィリ様の立場を重んじて、いつも通りにお過ごし下さいませ」
──程なくして国王がみまかられたと訃報が届いた。
葬儀は三か月もの間、行われる。その間は黒の装いで過ごすことになる。
フィリはまだ国が正式に認めた后ではなく、葬儀には出られない。歯痒いが、こればかりはどうしようもなかった。
「結局、一度もお会いできなかったな」
ヴァシリスも自身の父君に立ち会えず、挙措を失ってもおかしなくない。
「いけません! こちらはヴァシリス様の后、フィリ様のっ……!」
侍従の声が廊下から聞こえた。物騒な靴音が徐々に近づいてきて、殴りつけるように扉が開いた。
見たことのない男だった。浅黒い肌に黒髪、あまり似てはいないが、ヴァシリスを思い出してしまった。
「ジャミル王子! こちらは……」
「黙れ。たかが侍従の分際で。口を開いていいと許可していない」
アイラを含む侍従たちは、皆一斉に頭を垂れた。
ジャミル王子。この国の第二王子である。
フィリの顔が歪んでいく。葬儀の最中でありながらも、彼の格好は旅行帰りで、喪服ですらない。指や首には煌びやかな宝石を咲かせている。
「写真で見るより美しいな」
「それ以上近寄るな」
フィリの凛とした透き通る声に、ジャミルはぴたりと止まる。
「我が夫は第三王子・ヴァシリスと知ってのことか。ここは後宮であり、いくら第二王子といえど足を踏み入れて良い場所ではない。即刻立ち去れ」
「……声も美しい」
ジャミルはにやりと口角を上げると、一歩、また一歩とフィリへ近づく。
フィリは後ろへ下がらなかった。立場は違えど、第三王子の后としての威厳を示さなければならなかった。
ジャミルは手を伸ばして顔に触れる瞬間──背後から誰かがジャミルの腕を掴んだ。
フィリの目が動揺の色に染まる。
浅黒い肌、筋肉質な腕、漆黒の髪。
ジャミルよりも上背があり、男は見下ろしている。
「──……ヴァシリス……か?」
「貴様っ……なぜここに…………っ」
「ジャミル兄様、お久しぶりですね」
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