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第16章五つの玉オブジェクト

オブジェクト#7

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時刻は青空広がる午前10時、だが優達の周辺だけは夜のように暗くどんよりとしている。

「ドラゴよ、もう勘弁してくれ…」

ドラゴとの馴れ合いは、数時間に及び皆、精神も肉体も疲れ果てていた。

「何言ってるんだい!これからが楽しいんじゃないか、それにあの事を私は忘れてないからね、あー痛い、傷が疼くよ!」

フルミは何か弱みを握られているらしく、ドラゴの言う事に、逆らえずにいる。

「あー楽しかった、私は満足したよ、そうだ!お前ら玉を探してるんだろ?その玉を私も集めて居てね、中々見つからなくて困っていたんだ、どうだその玉を私にくれないか?いいだろ?お前らじゃ、その玉を上手く使えないだろうし」

それを聞いた優は、玉の入っている袋をジュッと抱きかかえ、渡す気は無かった。

「ガハハ!無駄無駄、そんなんじゃ玉は守れないよ」

ドラゴは手を上に突き上げると、無残にも玉の入った袋は優の手から離れ、宙に浮いた。

「わぁやめろ!それは大事な玉なんだ、返してくれ!」

ドラゴは不敵な笑みを浮かべ、こう言った。

「返して欲しかったら、私の城までおいでよ、其処でお前らを試してあげる」って

そう言うと時空は歪み、ドラゴは亀裂の中に消えて行った。

「くそ!玉を全て持ってかれてしまった、城に来いって言ってたけど、何処にあるって言うんだ…」

辺りを見回すと、一ヶ所だけ暗くどんよりとした場合があり、其処に城がある事に皆、一目で分かった。

「アハ、何て分かりやすいのかしら、とりあえず街で準備を整えて、城に向かいましょ!」

こうして玉を奪われた一同は、ドラゴが待つ城に向かうのであったそうな…続く
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