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第16章五つの玉オブジェクト

オブジェクト#49

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騒ぎに嗅ぎつけた花子は、冷静に粒子を払い気絶している優を思いっきりビンタした。

「ハッ!ここは何処?私は誰?」

植物は粒子を撒き散らすと、細く散りじりに枯れ優の手に持つ植物だけは枯れずに水々しさを保っていた。

「なんて収穫が難しい食材なの!こんな植物今まで見たことも聞いたこともないわ、世界は広いわね…」

この日の夜、その植物を調理して食べる事にしたよ。

「さ!この食材を料理するわよ!腕が鳴るわね!」

花子は、料理が上手く人齧りしただけで、その食材の調理法が分かってしまう。

「これは、灰汁が強いから湯桶しして、灰汁を取らないと、とてもじゃないけど食べれないわね」 

沸騰したお湯に食材を潜らすと、お湯は黒く濁り鮮やかな食材が浮いて来る。

「今よ!分かったわ!このタイミングよ!ふふっ私の手に掛かればこんなのへっのカッパよ!」

食材を一旦容器に移し、フライパンにゴマ油を垂らし加熱する、そこに香りが高い食材を刻み香りが立つまで炒め、先程湯桶しした食材を加え、軽く炒めて出来上がりだ。

「さぁ出来たわよ!花子特製、素粒子炒めよ!初めての食材で手こずったけど、上手く出来たと思うわ、たーんと召し上がれ!」

お腹が空いていた優達は、貪る様にその料理を頬張ると、口一杯に芳醇な香りが広がり、不愉快な感触を噛み締め、しばらくの沈黙が広がった。

「どう?黙っちゃったけど…」

いつまでも口の中に残るその食材をもごもごと噛み、ようやく飲み込むと一言こう言った。

「うーん複雑なお味」って

そんな生活が3日余り続き、最後惑星がすぐ側まで近づいていたそうな…続く
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