光と陰がまじわる日（未完成）

第16章五つの玉錚々のレクイエム

錚々のレクイエム#34

何分かの沈黙が続き、少し心配の心が芽生えて来た頃、水面に水泡が現れた。

「化学反応か何かで、元の姿に戻るのかしら？ワクワク…」

だが、浮かび上がって来たのは、泡を吹いた魚人だった、花子は腰を抜かし後退りをすると、背後から聞き慣れた声が聞こえてくる。

「おーい！皆んな！そこで何してのー？」

それは、元気いっぱいの優だった、そうなのです、今まで優だと思っていたのは、優に擬態した魚人だったのです、この星の名は魚人星、一目見ただけで相手の風貌、声、記憶、能力までもコピーしてしまう、魚人星人が住み着く、摩訶不思議な星だったのです。

「え？優君？だったら、今まで見ていたのは偽の優君だったの？ふぁぁ…」

花子は緊張の糸が切れたのか、その場に寝そべり、ケタケタと笑っている、それを不思議そうに見つめる優は、愛想笑いをかまし、変な空気がしばらく広がったんだ。

「そんな事より、花子さん見て！玉を見つけたんだよ！草むらに転がってたよ！これで全部の玉が揃ったね！早く火星に帰って長老助けなちゃ！」

かくして、こうもあっさりと玉を手に入れた一同は、急いで宇宙船に戻った、月日は火星を出発して半月ほど経ち、長い長い物語も終盤に向かうのであったそうな…続く