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最終章帰還

帰還#9

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ボーっと火星人が棺桶を埋める所を眺める優は、ふらふらーっと人気のない場所に向かって行く。

「おい!何処へ行く!おい…」

必死の制止も今の優には届かず、魂が抜けた様に遠ざかる優は、小石に躓き大胆にすっ転んだ。

「きやぁぁ!もうやだ!もう…うぅぅ…」

そのまま意識を失い、何時間が経っただろうか、全身の痛みに悶絶しながら目を覚ますと、見覚えがない部屋に横たわっていたんだ。

「全身が痛い…うぅ…」

すると誰が部屋に入って来るではありませんか。

扉の音「ギギィ…バタンッ」

軋む床が不安を逆撫で、何故か振り向く事が出来ず金縛り状態に陥っていた。

「くぅ…これが金縛りか、意識はしっかりしているのに身体は動かない、誰だ、誰が来たんだ…怖い…」

ギシギシとゆっくり近づき、何故か優の背後に回り込んだ。

「おっと、頭の方に来たでバッ!って来るのかな?」

その予想は的中し、勢いよく伸びる手は顔面を覆い尽くし、万事休止だ。

「わぁぁぁあ!」

慌てて飛び起きるとそこは、宇宙船の寝室だったそうな…続く
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