1500人の女に何が起こったのか

AAKI

文字の大きさ
7 / 18

7話目・確かに筋力だと男子に分があるでしょうけど、テクニックも含めればイーブンなんです。これぐらいやれて当然ですよ(ドヤァ

しおりを挟む
『お説教は後で聞きます。(既読)
 今はここを出る方法を教えてください。(既読)
 ホテルの一室に軟禁されています。(既読)
 室内の様子を動画で送ります。(既読)』

 無事に取材を終わらせるには何もしないことこそが安全の要なのだろうが、彼女は危険を冒すことにした。そして、カメラ機能を動画にして部屋をゆっくり一周回りフォルダに収める。
 入り口も、床も、天井も、はめ殺し窓も。ベッドの下さえ忘れず。

「廊下は……さすがに怪しまれそうですね」

 どこであゆみたちが見張っているかわからないため室内までにして送信した。
 すかさず答えがくる。

『オレだったら天井の通気口だな。(既読)』

 知り合いの意見に顔を上げると確かに、二ヶ所通気口がある。
 ローテーブルを足場にして探して探ってみると、工事自体が手抜きなのか簡単に格子は外れた。

「これで裏口にでも出られたら……あ」

 真清はそこで気づく。

『私くらいであれば通れそうですが、台を動かしてあったらバレませんか?(既読)』

 彼女はすぐさまその気付きを知り合いに確認した。見張りが彼女の寝ているのを覗きにこないとも限らないのだ。布団にダミーを仕込むくらいはできても、ローテーブルはわかり易すぎる。

『なら使わずに登れば良いじゃねぇか。(既読)』

 知り合いは簡単に言ってくれた。

『どうやってです? さすがにこの高さは簡単には飛び上がれませんよ。(既読)』

 決して高すぎるということのない距離だが、真清ではダンクシュートは決められない。

『そんなん壁を蹴ってトントンって。(既読)』

 知り合いはずいぶんと当たり前のように言ってくれた。
 三階以上の高さから飛び降りても無傷だったこともあるので朝飯前なのだろうが。

『悪い。もう無理そうだ。(既読)』

 これからというときに知り合いからのサポートが打ち切られた。

『ありがとうございました。お気をつけて?(未読)』

 真清は、一応のところお礼をして労っておく。
 そして彼女は、必要な道具をベストのポケットに詰め込み、布団に細工をして準備を終わらせた。ローテーブルを元の位置に戻し、軽くストレッチをすれば後は覚悟を決めるだけ。
 壁に向かって走り出す。

「ふっ!」

 ここだというところで跳躍。壁を蹴ったタイミングで体をひねり、通気口の縁に手をかける。スイングした勢いで懸垂すると、方から上を根性で穴の中へ突っ込む。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

 【最新版】  日月神示

蔵屋
歴史・時代
 最近日月神示の予言本に不安を抱いている方もあると思うがまったく心配いらない。  何故なら日月神示では「取り越し苦労や過ぎ越し苦労はするな!」 「今に生きよ!」  「善一筋で生きよ!」  「身魂磨きをせよ!」  「人間の正しい生き方」  「人間の正しい食生活」  「人間の正しい夫婦のあり方」  「身も心も神さまからお借りしているのじゃから夜になって寝る前に神さまに一旦お返しするのじゃ。そうしたら身と心をどのようにしたらよいか、分かるじゃろ!」  たったのこれだけを守れば良いということだ。  根拠のない書籍や情報源等に惑わされてはダメだ。  日月神示も出口王仁三郎もそのようなことは一切言っていない。  これらの書籍や情報源は「日月神示」が警告する「臣民を惑わすものが出てくるから気をつけよ!」 という言葉に注目して欲しい。  今回、私は読者の皆さんに間違った解釈をされている日月神示を分かりやすく解説していくことにしました。  どうか、最後までお読み下さい。  日月神示の予言については、私が執筆中の「神典日月神示の真実」をお読み下さい。    

結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました

ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。 ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。 王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。 そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。 「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。

〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?

ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」 その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。 「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

処理中です...