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15話目・賢いわー。女って賢いわー。賢すぎて男どもとか要りませんよー。チラッ。チラチラッ。褒めてくださいよぉ・・・
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そして、スプーンみたいなプラスチックに鉛筆の芯がくっついている簡易の鉛筆を手にすると、オフィツィアスメッサーを取り出して作業を開始した。
「十徳ナイフまで持ってるなんてね」
「これはオフィツィアふッ。痛ぃ!」
真清は格好をつけて呼ぼうとして舌を噛んだ。素直にスイスアーミーナイフとでも呼ぶべきだ。
そうしている間にナイフで芯を削り終える。幸い、電子ロック式で4桁の暗証番号を打ち込むタイプである。
「鉛筆の粉?」
「えぇ、これをふぅ~」
紙の切れ端に溜めた粉を金庫のパネルに吹きかける。すると指紋――というよりタッチパネルに残った皮脂に、削りカスが付着して黒い痕跡が浮かび上がった。
並びは1~9の数字が3行3列、0が8番下部に突き出たような感じである。
「この通り、頻繁に使う数字がわかるという寸法です」
押し間違えの分こそあっても、黒く染まった部分が大きいのは0と3と8である。0が2回、3と8が1回ずつの4桁というのがわかる。
「なるほど。ただ、これでもまだ何通りもあるんでしょ?」
「10通りぐらいでしょうか。何度か失敗すると警報がなったり、パスワードがリセットされる可能性もありますね」
ミレイの心配する声に対して、真清はなんてことなさそうに答えた。12通りある組み合わせの中からほぼ失敗なしで解を導き出すのは難しいはずなのに。
さすがのミレイも、この状況は楽観視しすぎていたという表情である。
「やっぱり無理……」
「まぁ、見てください」
真清は彼の言葉を遮った。
「まず、2番の痕は少し上へ伸びています。8番もやや斜めに伸びています。それなのに0はやや上部に痕が集中していることを除けば滲んだ様子もありません」
「!」
その説明で彼も理解したようだ。
「ということは、00と28の組み合わせってことか」
「そういうことです。ま、確定でないので最悪は覚悟しておきますけど」
自分の推理を信じて真清はボタンを押し、エンターをターンッ。
ピー。
「ふぅ」
調子に乗ってみた結果、あっさりと電子ロックが外れた音がする。真清はそこそこに安堵しつつ金庫の中を覗く。
「おー。すごいや。お姉さんってもしかしてスパイか何か?」
見事に盗みを成功させた彼女を拍手で称賛するミレイ。
「知り合いはそうかもしれません」
「えぇっと……」
冗談のつもりだったのだろうが、真清が妙な返答をするものだから戸惑いを浮かべる少年。
「まぁ、それは良いじゃないですか。この帳簿、使途不明金がたんまりですよ」
「えぇ、あぁ、うん」
流石にここまでやっておいて盗みはしたくないので、パシャパシャとスマホに収めたら退散だ。
「十徳ナイフまで持ってるなんてね」
「これはオフィツィアふッ。痛ぃ!」
真清は格好をつけて呼ぼうとして舌を噛んだ。素直にスイスアーミーナイフとでも呼ぶべきだ。
そうしている間にナイフで芯を削り終える。幸い、電子ロック式で4桁の暗証番号を打ち込むタイプである。
「鉛筆の粉?」
「えぇ、これをふぅ~」
紙の切れ端に溜めた粉を金庫のパネルに吹きかける。すると指紋――というよりタッチパネルに残った皮脂に、削りカスが付着して黒い痕跡が浮かび上がった。
並びは1~9の数字が3行3列、0が8番下部に突き出たような感じである。
「この通り、頻繁に使う数字がわかるという寸法です」
押し間違えの分こそあっても、黒く染まった部分が大きいのは0と3と8である。0が2回、3と8が1回ずつの4桁というのがわかる。
「なるほど。ただ、これでもまだ何通りもあるんでしょ?」
「10通りぐらいでしょうか。何度か失敗すると警報がなったり、パスワードがリセットされる可能性もありますね」
ミレイの心配する声に対して、真清はなんてことなさそうに答えた。12通りある組み合わせの中からほぼ失敗なしで解を導き出すのは難しいはずなのに。
さすがのミレイも、この状況は楽観視しすぎていたという表情である。
「やっぱり無理……」
「まぁ、見てください」
真清は彼の言葉を遮った。
「まず、2番の痕は少し上へ伸びています。8番もやや斜めに伸びています。それなのに0はやや上部に痕が集中していることを除けば滲んだ様子もありません」
「!」
その説明で彼も理解したようだ。
「ということは、00と28の組み合わせってことか」
「そういうことです。ま、確定でないので最悪は覚悟しておきますけど」
自分の推理を信じて真清はボタンを押し、エンターをターンッ。
ピー。
「ふぅ」
調子に乗ってみた結果、あっさりと電子ロックが外れた音がする。真清はそこそこに安堵しつつ金庫の中を覗く。
「おー。すごいや。お姉さんってもしかしてスパイか何か?」
見事に盗みを成功させた彼女を拍手で称賛するミレイ。
「知り合いはそうかもしれません」
「えぇっと……」
冗談のつもりだったのだろうが、真清が妙な返答をするものだから戸惑いを浮かべる少年。
「まぁ、それは良いじゃないですか。この帳簿、使途不明金がたんまりですよ」
「えぇ、あぁ、うん」
流石にここまでやっておいて盗みはしたくないので、パシャパシャとスマホに収めたら退散だ。
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