1500人の女に何が起こったのか

AAKI

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最終 最後くらいは真面目にお別れしましょうか。

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 少しばかり怒られ、出版社の方に連絡はされたものの、真清は無事に“バステズ”から出て戻ってこれた。
 建前的なお説教を編集長からくらったことを除けば、特に問題なく記事の執筆に移れたのは“バステズ”の彼女たちの知らぬところだろう。
 ちなみに、不思議な体験については伏せることにした。

「こいつはぁ、なかなかセンセーショナルな記事じゃねぇか!」
「ありがとうございます。大変だった分に見合うだけの収穫はあったと思います」

 記事を見た編集長は手放しに喜んだ。真清も、いくらかの文句は飲み込んで満足して見せた。
 しかし、これでまたおかしな仕事を押し付けられるのは決まったようなものである。

「やっぱり頼んで正解だったぜ。次も頼むぜ」
「いやぁ、できれば遠慮したいところです……」

 案の定そう言ってくるので、苦笑いを浮かべて逃げ出す彼女。言っても聞かないのがこの編集長だと思うが。
 いずれにせよ、お互いの忙しさゆえに半端な連絡しかできていなかった知り合いにも報告して置かなければならない。そしてちょうど、向こう側から連絡がくる。

『そっちの様子はどうだ?(既読)』
 なんとかこっちも片付いた。(既読)』

 無事のようだ。

『こっちは大丈夫です。(既読)
 お陰様で良い記事が書けました。(既読)
 ありがとうございます。(既読)』

 当たり障りのない答えを返しておいた。当然、何をしていたかは聞かない。どうせ教えてくれないだろうから。
 それでもなんとなく危ない橋を渡っているのだとはわかっている。

『ならもう連絡しなくて良いな。(既読)』

 いつもと変わらず冷たい反応だが、それで傷ついたり呆れたりするほど付き合いが短いわけではない。

『そんなこと言わないでくださいよ。(既読)
 私たちの仲ではありませんか。(既読)
 今度、時間があったら一緒にお食事などどうです?(既読)』

 真清は誰かと仕事完了の気持ちを分かち合いたいと思い、知り合いをそうやって誘った。
 少しばかり意表を突くセリフだったのか、彼から返信がくるまでに十分を要する。

『珍しいことを言うじゃないか。(既読)
 お前と飯を食べるぐらいなら豚小屋の臭い飯のがマシだな。(既読)
 老婆心ってやつだがもっと良いヤツを誘え。(既読)』

 冷たくあしらおうとしているのかそれとも気遣っているのか、良くわからない言葉を跳ね返してくる。ならばこちらも受け止めるだけだ。

『私だってたまには酔狂なことを言う日だってありますよ。(既読)
 美味しい居酒屋を編集長に教えてもらったので。(既読)
 ね?(既読)』

 いつもいつも、おかしなことを言って飽きられているのは彼女の方だというのに。今日はいつになく真面目で、誰かと一緒にいたいと思ってしまう。

『分かった。(既読)』

 彼も真清の気持ちを察してか、短く返事をしてくれた。彼女は、友から受け取った を手にして目的地へと向かった。
 まさかフランスから戻ってくるのを待たなければならないとは思わなかったが。
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