ホラー短編集【キグルミ】

AAKI

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4篇目タイトル【蘇生の回廊】

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「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――!」

 大きな声を上げて来た道を走り去ってしまった。

「しん!」
「ダメ!」

 淳平と奈々で止めようとするも、声は届かず角の向こうへと消えた。そして悲鳴もピタリと聞こえなくなる。

「……」
「まだ……まだ、亡くなったとは限りません。急げば、贄となる前に助けられるかも」

 手を伸ばして友人の疾走と失踪を見つめる。奈々は希望を捨ててはいけないと諭そうとしてくれる。
 打ちひしがれていると、廊下の向こうから誰かが歩いてくる気配がした。

「真吾?」

 淳平は一瞬の希望を抱いたが、それは打ち砕かれた。いや、完全な破壊ではなかったのは救いだろう。

「え? 福田君の声はしたけどこっちには来なかったよ?」

 顔を出した千春は、何事かと言った様子で淳平たちを見つめる。やはり、姿はどこかに消えてしまったのだろう。

「いえ、その……。とりあえず落ち着いて聞いてください」

 奈々は比較的に落ち着いていて、部屋で話したこと、骨格標本の変化について話していく。

「儀式のせいで血と肉を得た神の絵面はヒドいので心して見てください」
「なるほど。まぁ、見たくないから目つぶっておくね」

 グロテスクやゴアの耐性はないようである。千春はなぜか淳平に手を差し出してくる。

「え?」

 さすがに彼はその行動の意味を理解できなかった。モタモタしていたせいで、千春は少し怒ったかのように言うのだ。

「いえ、だから、目をつぶっているので見えないところまで連れて行ってください。手を引いて」
「えぇっ!」
「はぁっ?」

 その答えを聞いた二人はおかしな声を上げる。

「岸さん?」

 さすがに淳平も、奈々までが驚いているのを不思議に思った。

「あ、いえ、その……私が引っ張ります! そういう意味です!」
「え、あ、あぁ、それなら、お願いしようかな?」

 彼女は慌てて申し出てきた。それでも、そう言われては淳平も引き下がらざるを得ない。ちょっとだけ残念だ。

「そう。まぁ、誰でも良いよ」

 千春はあっけらかんと答え、声を頼りに奈々の方へと向く。
 こうして三人はセベクの標本前を通り過ぎる。

「もう良いですよ」
「ありがとう。さて、歩いてみたは良いけど、これと言って解決する方法が見つかってないんだよね」

 奈々の合図で目を開いた千春だが、ここで才女にも難しい部分を指摘してきた。

「確かに確たる解決方法は思いついていません」

 奈々も認めるが、決して無策というわけではなさそうだ。

「ただ、私たちの方からはまだ動けません」
「と言いますと?」
「先程も言ったと思いますが、生贄になった方々が逆周りに3週して儀式が完成します」
「そうでしたね」

 淳平は説明を聞きつつ整理していく。
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