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68話 初夜ですね (余談2)
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翌朝。
目を開いた瞬間、視界いっぱいに広がったのは、朝の光を受けて艶めく黒髪と、宝石みたいに深い碧みを宿した黒い瞳だった。
「……おはよう、セレス」
寝起きのくせに完璧で、ひどいほど綺麗で――頬に落ちる影までもが色っぽくて胸が締め付けられて、気づけば呼吸するのも忘れて見惚れていた。
ああ、こんな顔で名前を呼ばれたら誰だって油断する。
だから、仕方ない。
次の瞬間、アルチュールが俺にのしかかってきた。
「えっ、あの、ちょっと――」
言葉が喉に消えるより早く、熱と重みが全身を包んだ。
いやいやいや、ちょっと待って。
まだ意識の半分は夢の中なんだが?
思考が追いつく前に耳朶をじっとりと舐め上げられ、昨日の続きのように情熱的に求められ、弓なりに反った背骨を下から上へと鮮烈な衝撃が走り抜けて俺は完全に戦闘不能になった。
泣くぞ、俺は。
いや、そのまま啼かされたけど。
あちこちがだるいとか、痛いとか、そういう次元ですらない。
体の芯から魂が抜けていく感じがして、本気で幽体離脱した気がする。
この世界に転生するとき一度やってるからね、俺は。その感覚はよく知っている。
骨の奥にまで響くような、獰猛なほど激しい衝撃に何度も何度も襲われる。
あ、これ、イクんじゃなく逝くやつだ……。
そんなことを思いながら半ば意識を飛ばしていた俺は、再び腹の奥でそれが如実に形を変え膨れたのを感じ、最後の衝撃に耐えるようにシーツを鷲掴みにしてやっとのことで全行程が終わった。
死ぬかと思った。
荒く上下する呼吸の中、胸元にふわりと影が落ちる。
アルチュールは満足げにほほ笑むと、四つ這いになり、俺の肩や喉元、鎖骨へゆっくりとキスを落としながら、ベッドから抜け出していく。その仕草は妙に丁寧で、余韻を楽しむようで――正直、今の俺には刺激が強すぎる。
彼は名残惜しそうに最後に俺のこめかみにキスを落とすと、軽く汗を流すためシャワールームへ向かった。
そのあいだ、俺の視線はつい先ほどまで超絶元気マックスで暴れていた彼の股間へと吸い寄せられていた。
ほぼ一晩中、あのアルチュールのアル君の圧と勢いを直視し体感し続けたせいで、シャワーを浴びる前の日常サイズの穏やかな姿を見た瞬間、思わず「お前……久しぶり……」と声をかけそうになった。
俺は心身ともに限界を迎えているようだ。
通常時が妙に愛おしく見えるくらいに、瀕死状態だった。
しかし元気だね、アルチュールは。
今からマラソンでも完走できるんじゃないかってくらい、桁違いのスタミナを見せつけてくる……。
対して俺は、ベッドの上で干からびたナメクジみたいになっている。
一ミリも動けない。指先ですら重い。
そんな俺を置き去りにし、シャワーを終えたアルチュールは爽やかな顔で言った。
「朝食、取ってくる。セレスはそのまま寝てていいよ」
「いや、寝てていいよって言われても……。そもそも、動けない……」
彼はお詫びのつもりだったらしい。
朝食を取りに行き、ついでに隣室で寝ていたネージュとシエルを起こして、朝ご飯を食べさせ、窓を開けて時計塔へ送り出してくれた。
そして――、
その全部をこなしたあとで、涼しい顔で部屋に戻ってきた。
まるで軽く散歩してきたかのような、爽快な笑顔で。
どこにそんな体力が残っているんだよ……俺は、虫の息だよ……。
え?
なんでまた脱ぎ出すの?
「セレス、まだいける?」
いけるわけ、ねえーだろう!
「ちょ、ま、ストップ! 本当に! 物理的に無理っ、体力がしんどい!! 骨が砕ける!! 命が危ない!!」
布団にしがみつく俺と、爽やかに迫ってくるアルチュール。
絶望と欲望が隣り合わせになった地獄絵図である。
た……、助けて、デュラン副官!!
おっ始めたら止めるって言ってたじゃないか! それも、合体寸前で止めてやるって言ってたじゃないか!
ドア蹴破って来てくれよ! ……あ、蹴破るのはオベール警備官だった。
もう、ホント無理っ!
……も、もいでもいいかな?
目を開いた瞬間、視界いっぱいに広がったのは、朝の光を受けて艶めく黒髪と、宝石みたいに深い碧みを宿した黒い瞳だった。
「……おはよう、セレス」
寝起きのくせに完璧で、ひどいほど綺麗で――頬に落ちる影までもが色っぽくて胸が締め付けられて、気づけば呼吸するのも忘れて見惚れていた。
ああ、こんな顔で名前を呼ばれたら誰だって油断する。
だから、仕方ない。
次の瞬間、アルチュールが俺にのしかかってきた。
「えっ、あの、ちょっと――」
言葉が喉に消えるより早く、熱と重みが全身を包んだ。
いやいやいや、ちょっと待って。
まだ意識の半分は夢の中なんだが?
思考が追いつく前に耳朶をじっとりと舐め上げられ、昨日の続きのように情熱的に求められ、弓なりに反った背骨を下から上へと鮮烈な衝撃が走り抜けて俺は完全に戦闘不能になった。
泣くぞ、俺は。
いや、そのまま啼かされたけど。
あちこちがだるいとか、痛いとか、そういう次元ですらない。
体の芯から魂が抜けていく感じがして、本気で幽体離脱した気がする。
この世界に転生するとき一度やってるからね、俺は。その感覚はよく知っている。
骨の奥にまで響くような、獰猛なほど激しい衝撃に何度も何度も襲われる。
あ、これ、イクんじゃなく逝くやつだ……。
そんなことを思いながら半ば意識を飛ばしていた俺は、再び腹の奥でそれが如実に形を変え膨れたのを感じ、最後の衝撃に耐えるようにシーツを鷲掴みにしてやっとのことで全行程が終わった。
死ぬかと思った。
荒く上下する呼吸の中、胸元にふわりと影が落ちる。
アルチュールは満足げにほほ笑むと、四つ這いになり、俺の肩や喉元、鎖骨へゆっくりとキスを落としながら、ベッドから抜け出していく。その仕草は妙に丁寧で、余韻を楽しむようで――正直、今の俺には刺激が強すぎる。
彼は名残惜しそうに最後に俺のこめかみにキスを落とすと、軽く汗を流すためシャワールームへ向かった。
そのあいだ、俺の視線はつい先ほどまで超絶元気マックスで暴れていた彼の股間へと吸い寄せられていた。
ほぼ一晩中、あのアルチュールのアル君の圧と勢いを直視し体感し続けたせいで、シャワーを浴びる前の日常サイズの穏やかな姿を見た瞬間、思わず「お前……久しぶり……」と声をかけそうになった。
俺は心身ともに限界を迎えているようだ。
通常時が妙に愛おしく見えるくらいに、瀕死状態だった。
しかし元気だね、アルチュールは。
今からマラソンでも完走できるんじゃないかってくらい、桁違いのスタミナを見せつけてくる……。
対して俺は、ベッドの上で干からびたナメクジみたいになっている。
一ミリも動けない。指先ですら重い。
そんな俺を置き去りにし、シャワーを終えたアルチュールは爽やかな顔で言った。
「朝食、取ってくる。セレスはそのまま寝てていいよ」
「いや、寝てていいよって言われても……。そもそも、動けない……」
彼はお詫びのつもりだったらしい。
朝食を取りに行き、ついでに隣室で寝ていたネージュとシエルを起こして、朝ご飯を食べさせ、窓を開けて時計塔へ送り出してくれた。
そして――、
その全部をこなしたあとで、涼しい顔で部屋に戻ってきた。
まるで軽く散歩してきたかのような、爽快な笑顔で。
どこにそんな体力が残っているんだよ……俺は、虫の息だよ……。
え?
なんでまた脱ぎ出すの?
「セレス、まだいける?」
いけるわけ、ねえーだろう!
「ちょ、ま、ストップ! 本当に! 物理的に無理っ、体力がしんどい!! 骨が砕ける!! 命が危ない!!」
布団にしがみつく俺と、爽やかに迫ってくるアルチュール。
絶望と欲望が隣り合わせになった地獄絵図である。
た……、助けて、デュラン副官!!
おっ始めたら止めるって言ってたじゃないか! それも、合体寸前で止めてやるって言ってたじゃないか!
ドア蹴破って来てくれよ! ……あ、蹴破るのはオベール警備官だった。
もう、ホント無理っ!
……も、もいでもいいかな?
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