【完結】転生しました。どうやら今世は男のようです。

潤樹 零

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転生しちゃったみたいです?

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現実世界では到底叶わないので、VRMMOで無人島買ってのんびりスローライフを極めていた・・・筈だった私。

いつもの様にゲームにダイブしてベッドで目を覚ました・・・ら、なんかやたら固い場所で寝ていて、真っ暗で、感覚が鮮明すぎて・・・恐くて泣いた。

・・・年齢は聞かないでくれると嬉しいわ?にこり。



「メティス?」

傍で黒い塊が動いて抱きしめられた。

「怖い夢でも見たか?」

もう片側からも手が伸びて来て、ぎゅっと抱きしめられてあやされる。

知らない人の筈なのに、何故か安心感が凄くてぐすぐすと鼻を鳴らしながらもちょっと落ち着いてきた。

「良い子、良い子」

「お休み、メティス」

よしよしとポンポンされて瞼が落ちてきた。

「おやしゅみなしゃい」

自分から出たとは思えない程幼く回らない口に、しかし両側から感じる温もりには勝てず私はそのまま意識を手放したのだった。






さてさて、実はあれから既に一ヶ月位経ちました。

何でかは解らないけれど、私転生してました。

死んだ記憶は全く無いけど夢にしては妙にリアルだし、あの初日に寝た後前世の私をインストロールするかの如くこの身体の頭にインプットされ混ざり合う、と言うより前世を思い出したって感じかな?

小説で良くある乗っ取りみたいにならなくて良かったよ。

なので、生まれてからここで過ごしてきた自覚もあるしあの日抱きしめてきた人達が両親だった事も解った。

父さんはラディッツ、母さんはティスト、僕はメティスって名前で全員性別は男。

ここ一ヶ月の周りへの聞き込みによると、女性は居るけどかなり少ないらしいよ、この世界。

前世女だった私としては安心かな。

記憶だけって言ってもやっぱり女性を好きになるのにはハードル高いし何となく無理って気がするもん。

まあ、会う機会なんて無いだろうけどね。ここど田舎の農村だし。

女性が生まれたら両親共貴族に繰り上がり、王都で保護されるんだって。

出生率が低過ぎて御伽噺扱いだったけどね。

私・・・改め僕の家は村の中心地からはちょっと離れた所にある。

父さんが外の人だから端ぶられてるみたい。

田舎あるあるだよね。

家だけじゃ無くて納税する量も普通の村人よりも嵩増しされてるらしく、この村には良い印象は皆無である。

父さんは元傭兵で1人で森に入って狩りが出来るから周りより貧乏って事にはなってないけど僕は怒だよ。

転生といえば、チート。僕にも備わってました、チート様っ!

ゲーム中?だったからなのかVRMMOで使えた能力を引き継いでましたよ、僕。

やっふぅっ!!

のんびりスローライフ目的でやってたから島を自分で好きにカスタマイズ出来る様に生産職極めてましたので、自重は秒で捨て去ってどんどこどんどこ改良しまくってやったわ!

両親には

「夢で教わったのー」

と誤魔化しておいたよ。にこっ。

因みに、戦闘はからっきしだよ。センスも無くて、絶賛引き篭り中なう。

日に日に目に見えて良くなる我が家の暮らしに村の人達が嫉妬。

妬みから納税の量も3倍、4倍と増えて売られたケンカは買うぜぇっ!とムキになった結果畑がジャングル化してやっかみが加速し、村に住み続けるのが困難になってしまいました。しょんっ。

「ごめんしゃいっ」

べしょべしょしながら謝ると

「私は楽しかったけど?」

母さんが笑って父さんを見る。

「だな。悔しそうにしてるあいつらを見るのは笑えたし」

子供相手にムキになる大人の姿が滑稽過ぎて今までの理不尽な鬱憤も晴れたしな、と2人で笑い飛ばしてくれた。

「この畑?を手放すのは勿体無いけど行き先はあるし」

そう。チート炸裂で育てた野菜や果物達が普通である訳も無く御役人様が来てこれから開発を進めると言う開拓村に誘われたのだ。

畑も家も無いけれど土地はタダで場所は早い者勝ちで貰えるらしいし、近くにある山には出入り自由で自分達で調達するのなら資材はタダになるとの事。

勿論、開拓地に居る役人から買っても良いとのことだったけど家は調達一拓である。大丈夫。

僕にはインベントリなるものがあるから運ぶのはお手の物なのよ。

食事は1年分は保障してくれて、納税も開拓が終わった時点から3年間は無くて納税が始まっても普通の常識的な量を納めれば良いみたいで自分達にとっては好条件過ぎた。

そしてタイミングも良かった。

村長は家の育ちの良すぎるジャングル目当てだったので即座に頷き早々に家を明け渡すように言って来た。

明日には追い出しに来そうな勢いだったので家にあるもの全部インベントリに突っ込んで御役人様から貰った紹介状を持って3人で村をでた。

出て行く僕達をにやにやと嗤っておいでですけれど、家はもぬけの殻だし畑は僕のチートが無いと維持できないんだけどな?勿論お口にチャックで言わないけどさぁ。

徒歩で出る僕らの荷物は少ない。

流石に手ぶらは怪しいから3人とも小さなリュックは抱えているけれど村の人から見れば持てるだけ持って慌てて村を出たようにしか見えないと思う。

だって大荷物抱えて出ようとしたら襲われそうだもん。

そう思う位僕等は彼らを信用していなかった。

村から程よく離れると、父さんは僕ら2人を抱えて急いで山を駆け下りた。

一応偽装はしたけど家の中を見て追って来ないとも限らないからね。

父さんは普段から鍛えてるからか力持ちで、僕達を支える腕には全然不安を感じなかった。

休憩以外は全て走り続けて5日目の夕方。

特に何かしらのイベント発生もなく街の門が閉まる前までに着けた。

凄い!カッコイイ!!と手を叩いて喜んだら頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。でへへへへ。

門で紹介状を見せたら開拓地へ向かう人用の待機所に案内された。

「出発は3日後です」

ここから開拓地までは物資と一緒に馬車で送って貰えるんだって。

それまでに街で買って行きたい物があれば買い物をして行く様にと言われたけれど大抵の物は僕が作れるので待機所の簡易的な建物内で大人しく待機して過ごすよ。

ご飯は1日2食分炊き出しがあって、暇なので御手伝いして他の人達と交流を図った。

お陰で僕には初めての友達が出来ました!やったね!!

物資もあるので結構な数の冒険者が雇われている上に大所帯だったから

「これなら盗賊も出そうに無いな」

と言う父さんの言葉にはちょっとほっとしちゃったよ。

「馬車に伯爵家の紋章もありますし、盗賊に襲われる事は滅多にありませんよ」

よっぽど相手が馬鹿でない限り、と父さんの声が聞こえたのであろう御者さんも笑って教えてくれる。

魔物はちらほら出るらしいけど

「物資の追加分と考えれば美味しいので」

との何とも余裕ある言葉に安心感が凄い。

「出発しまーす」

の声と共に馬車が動き出してゆっくりと順調に進んでいく。

何度か魔物は出たけれど頼もしかった言葉を体現するようにさくっと冒険者たちが魔物を狩って処理して行くので半日で緊張感は霧散した。

馬車で10日後、やっと開拓地に到着した。

まだまだ大雑把に囲いがしてある位で建っている家も疎ら。

圧倒的にテントが多く、聞いたら家は御役人様関係の建物なんだって。

勿論仮の家でまた別で建てるらしいけどね。

僕たちはその建物の1つに連れて行かれて簡易的な地図でどこら辺に住むかの当たりを付けていく。

決まればその場所に杭を打ち込んで縄で繋ぎ自分達の土地にして良いんだって。

早速コンコンして土地を仕切っていく。

「わぁ~!!」

貰えた土地は元の家の4倍位広くて思わずその場ではしゃいじゃったよ。

「一時はテント暮らしだな」

「うん。でも、楽しいよね。ここ、好きにして良いんでしょ?」

「ああ。メティス、杭の中だったら自由にして良いからな」

「うん、楽しみ!」

勿論ここでも自重しないよ。

村では意地になってただけだけど、これからは自分達の為にチートを使って快適に過ごして楽しむ所存。

僕ら家族ののんびりスローライフはこれからだー!!

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