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Ⅳ ボクヲカンキンシタオトコ
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朝。
朝といえば、
「推し」の朝枠。
身体は、勝手に朝枠の5分前に起きるようになっている。
5:55。
よし、朝枠聞くぞ~……
と、いつもスマホを置く場所を見る。
そこは、
見慣れない壁だった。
あれ………
天井も、いつもと……
「起きた?日向、」
………そうか、
ここはひゅーまさん……
もとい雷飛さんの家だった。
ということは、
「推しの朝枠」が………!
「ねぇ、俺の朝枠聴くつもり?」
「……あ、うん、」
「スマホは、通報されたら困るから取ったけど。
その代わり、朝枠とかは……
俺の生声、ってことで。」
……………………神だ。
発狂ものだ。
けれど、雷飛はストーカーなのだ。
僕の。
でも……
今は、最高だ。
ちょっと良い気もする。
でも______
「日向、始めるよ」
『皆さん、おはようございます!
朝から元気……なひゅーまです!』
いつもの声だ。
「推し」の。
『今日は……
ちょっと眠いかなぁ…w』
横のコメント欄に飛び交う言葉。
いつもの「声」が、
いつもの「推し」が、
目の前に、居る。
そのまま、「推し」の声を____
ひゅーまさんの声を、聴き続けた。
「……………どうだった?w」
「……いつもの、本当にいつもの、毎日聴いてる、ひゅーまさんの声でした…
なのに、」
「なのに?」
「特別感がある、っていうか……」
「www、それは良かったよ、
……ねぇ、……ちょっとは、ここに居て良かったと思えた…?」
「……………まぁ……ちょっとは………、」
「そっか!!」
と、満面の笑みを浮かべる雷飛。
少し、ほんの少し、
カッコよく見えてしまった。
いや……ストーカーなんだよ、
今は午前8時。
少し腹が減ってくる。
「俺、腹減ったわー……何か作る?」
「あ、僕作るよ、」
「え、マジ!?俺の彼女が……」
「……まだ、彼女とかじゃないんですけど、」
「……まだ…?
ってことはいつか!?」
「…なんないよ、」
「………えぇ……w」
「ってことで、朝飯作るよ?」
「そういえば、日向って自炊得意だったな」
「……謎のストーカー情報………」
「……ほら、出来たよ」
「え、美味そ」
「簡単なものしか作れないけどさ。」
「日向の作ったものなら何でも好きだよ?」
「…………、」
「ご馳走様でした!」
「………お粗末さまでした、」
「ね、家具買いいこ!」
「ってか、昨日「でっかいもの以外……」って言ってたけどさ、何を…持ってきた?」
「え、機材とか、服とか」
「…………どこに?」
「日向の部屋。」
じゃぁ、昨日一緒に寝る意味なかったじゃん……
「でも、ベットとか机……
無いからさ、買いにいこうよ!」
「…………まぁ、良いけど……、」
「よし、そうと決まれば行動開始!
行くぞぉ!」
「……ぇ、え…?」
いつの間にか、そんな展開になっていて。
買い物に行くことになった。
「お洒落にね?」と釘を刺され。
「……雷飛……?」
「あ、日向!」
…………うっわ、
雷飛さん…………
スタイルいいなぁ……
身長高いもんな。
「相変わらず低身長だねw」
「……るっさいなぁ………」
「あ、拗ねた。」
「も……、見んなっ!」
「www、……可愛いよ、」
「………っ、」
そう、イケメンな顔で言われると困るんですが。
「さ、行こ?w」
ドアを開ける。
ここは…
いつもの景色、とは一味違ったものの。
この場所は、僕の家……
いや、「元」家から歩いていけるような距離のところだった。
「ね、近場でしょ?w」
「…うん……こんな近くに、推しと…ストーカーが居るとは思ってたいなかった」
「…ストーカー、ねー…w
そんなのもあったわ。」
「…つい先日ですけど?」
「ごめんごめんw」
何か……
この人と過ごすのも良いのかもしれない。
いや、ストーカーなんだよ。
ちょっとは気を引き締めないと……、ね、
「ほら、車乗って」
「え、……雷飛、免許持ってたの?」
「一応大人だからね、w」
「……あーー、混んでるなー…」
「……ショッピングモールって……こんな感じなんだ、」
「え、来たことないの!?」
「…まぁ、うん」
「っしゃ、日向の初めて奪えた!
……って言い方悪いな、w」
「………………?」
「何色が好き?」
「………ん、オレンジとか……」
「じゃぁ、部屋はオレンジで纏めた方が良いのか。」
「……ぇ、何でもいいよ…?」
「折角なら、好きな感じで纏めた方がいいでしょ?
というか、俺がそうしたい。」
「………ふぇぇ……、」
「日向、大丈夫、?w」
「…何で雷飛は……一日中歩いてても平気なの……?」
「普通じゃない?w
ってか、日向が外出しなさすぎるだけだよ、w」
「……そう、かな……」
いや……
雷飛はまた異常だ。
けれど、楽しかったんだ。
「あ、服も買っとこ。」
「いや、流石に……」
「ほら、心機一転、さ。」
「……うん、」
「あ、ちょっと待っててよ」
「…?うん、」
あれ、結構振り回されてない?
まぁ、良いか。
こんな僕に色々してもらって大丈夫なのかな、
「ね、そこの君」
あ、誰かナンパされてる。
ま、僕には関係な______
「だから、君、」
……何なんだよ………、
と、僕は振り返る。
「あ、やっと気づいてくれた」
え…………、
まさか……、
「……久し振りだね、「光」くん」
有名実況者、「リア」。
僕の……、
中学の同級生。
僕は、こいつが、
「大嫌い」だ。
「……なんで、ここに」
「ん?それは、偶々だよ」
偶々……
「ま、君を見たから追いかけてきた、ってのもあるけど。」
「……………、はぁ……、」
こいつは、平野 怜。
僕を…………、
監禁した中学の………、知り合いだ。
顔も見たくなかった。
一生。
「ねぇ…、こっちにもう一度来る気はない?」
「行く訳ないでしょ…、
勝手にあんなことさせられて、行く気なんてないから……」
「………w、そうだよね、」
と、怜は僕の手を掴む。
「ねぇ、こっち来てよ」
力任せに連れて来られたのは、あるロッカーの中だった。
「なんで、こんな所に………、」
「まぁ、君は弱いから……w
簡単に連れてこれるし、何より……、」
「……………何、より……?」
「もう一度、ヤりたかったんだよね」
「……………っ…………は……!?」
「ってことで……………w」
朝といえば、
「推し」の朝枠。
身体は、勝手に朝枠の5分前に起きるようになっている。
5:55。
よし、朝枠聞くぞ~……
と、いつもスマホを置く場所を見る。
そこは、
見慣れない壁だった。
あれ………
天井も、いつもと……
「起きた?日向、」
………そうか、
ここはひゅーまさん……
もとい雷飛さんの家だった。
ということは、
「推しの朝枠」が………!
「ねぇ、俺の朝枠聴くつもり?」
「……あ、うん、」
「スマホは、通報されたら困るから取ったけど。
その代わり、朝枠とかは……
俺の生声、ってことで。」
……………………神だ。
発狂ものだ。
けれど、雷飛はストーカーなのだ。
僕の。
でも……
今は、最高だ。
ちょっと良い気もする。
でも______
「日向、始めるよ」
『皆さん、おはようございます!
朝から元気……なひゅーまです!』
いつもの声だ。
「推し」の。
『今日は……
ちょっと眠いかなぁ…w』
横のコメント欄に飛び交う言葉。
いつもの「声」が、
いつもの「推し」が、
目の前に、居る。
そのまま、「推し」の声を____
ひゅーまさんの声を、聴き続けた。
「……………どうだった?w」
「……いつもの、本当にいつもの、毎日聴いてる、ひゅーまさんの声でした…
なのに、」
「なのに?」
「特別感がある、っていうか……」
「www、それは良かったよ、
……ねぇ、……ちょっとは、ここに居て良かったと思えた…?」
「……………まぁ……ちょっとは………、」
「そっか!!」
と、満面の笑みを浮かべる雷飛。
少し、ほんの少し、
カッコよく見えてしまった。
いや……ストーカーなんだよ、
今は午前8時。
少し腹が減ってくる。
「俺、腹減ったわー……何か作る?」
「あ、僕作るよ、」
「え、マジ!?俺の彼女が……」
「……まだ、彼女とかじゃないんですけど、」
「……まだ…?
ってことはいつか!?」
「…なんないよ、」
「………えぇ……w」
「ってことで、朝飯作るよ?」
「そういえば、日向って自炊得意だったな」
「……謎のストーカー情報………」
「……ほら、出来たよ」
「え、美味そ」
「簡単なものしか作れないけどさ。」
「日向の作ったものなら何でも好きだよ?」
「…………、」
「ご馳走様でした!」
「………お粗末さまでした、」
「ね、家具買いいこ!」
「ってか、昨日「でっかいもの以外……」って言ってたけどさ、何を…持ってきた?」
「え、機材とか、服とか」
「…………どこに?」
「日向の部屋。」
じゃぁ、昨日一緒に寝る意味なかったじゃん……
「でも、ベットとか机……
無いからさ、買いにいこうよ!」
「…………まぁ、良いけど……、」
「よし、そうと決まれば行動開始!
行くぞぉ!」
「……ぇ、え…?」
いつの間にか、そんな展開になっていて。
買い物に行くことになった。
「お洒落にね?」と釘を刺され。
「……雷飛……?」
「あ、日向!」
…………うっわ、
雷飛さん…………
スタイルいいなぁ……
身長高いもんな。
「相変わらず低身長だねw」
「……るっさいなぁ………」
「あ、拗ねた。」
「も……、見んなっ!」
「www、……可愛いよ、」
「………っ、」
そう、イケメンな顔で言われると困るんですが。
「さ、行こ?w」
ドアを開ける。
ここは…
いつもの景色、とは一味違ったものの。
この場所は、僕の家……
いや、「元」家から歩いていけるような距離のところだった。
「ね、近場でしょ?w」
「…うん……こんな近くに、推しと…ストーカーが居るとは思ってたいなかった」
「…ストーカー、ねー…w
そんなのもあったわ。」
「…つい先日ですけど?」
「ごめんごめんw」
何か……
この人と過ごすのも良いのかもしれない。
いや、ストーカーなんだよ。
ちょっとは気を引き締めないと……、ね、
「ほら、車乗って」
「え、……雷飛、免許持ってたの?」
「一応大人だからね、w」
「……あーー、混んでるなー…」
「……ショッピングモールって……こんな感じなんだ、」
「え、来たことないの!?」
「…まぁ、うん」
「っしゃ、日向の初めて奪えた!
……って言い方悪いな、w」
「………………?」
「何色が好き?」
「………ん、オレンジとか……」
「じゃぁ、部屋はオレンジで纏めた方が良いのか。」
「……ぇ、何でもいいよ…?」
「折角なら、好きな感じで纏めた方がいいでしょ?
というか、俺がそうしたい。」
「………ふぇぇ……、」
「日向、大丈夫、?w」
「…何で雷飛は……一日中歩いてても平気なの……?」
「普通じゃない?w
ってか、日向が外出しなさすぎるだけだよ、w」
「……そう、かな……」
いや……
雷飛はまた異常だ。
けれど、楽しかったんだ。
「あ、服も買っとこ。」
「いや、流石に……」
「ほら、心機一転、さ。」
「……うん、」
「あ、ちょっと待っててよ」
「…?うん、」
あれ、結構振り回されてない?
まぁ、良いか。
こんな僕に色々してもらって大丈夫なのかな、
「ね、そこの君」
あ、誰かナンパされてる。
ま、僕には関係な______
「だから、君、」
……何なんだよ………、
と、僕は振り返る。
「あ、やっと気づいてくれた」
え…………、
まさか……、
「……久し振りだね、「光」くん」
有名実況者、「リア」。
僕の……、
中学の同級生。
僕は、こいつが、
「大嫌い」だ。
「……なんで、ここに」
「ん?それは、偶々だよ」
偶々……
「ま、君を見たから追いかけてきた、ってのもあるけど。」
「……………、はぁ……、」
こいつは、平野 怜。
僕を…………、
監禁した中学の………、知り合いだ。
顔も見たくなかった。
一生。
「ねぇ…、こっちにもう一度来る気はない?」
「行く訳ないでしょ…、
勝手にあんなことさせられて、行く気なんてないから……」
「………w、そうだよね、」
と、怜は僕の手を掴む。
「ねぇ、こっち来てよ」
力任せに連れて来られたのは、あるロッカーの中だった。
「なんで、こんな所に………、」
「まぁ、君は弱いから……w
簡単に連れてこれるし、何より……、」
「……………何、より……?」
「もう一度、ヤりたかったんだよね」
「……………っ…………は……!?」
「ってことで……………w」
応援ありがとうございます!
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