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シルクロード編
9 天上の戦士と不死の騎士
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「…観音様、あの状況どうします?」
桜姫が桃花観音様に『元祖悟空がいじけている』状況を見やって囁く。
「…それより、私を見捨てないでください…。」
桃花観音様は今度は桜姫にすがりついている…。
もしかしなくてもこっちの方が重症なのでは…。
「わかりました。とりあえず行けるところまでやりますよ。」
渋い顔をしてナースチャが口を開く。
途端に桃花観音様の顔がぱっと明るくなる。
「ナースチャさん、ありがとう!!
ではでは、三蔵法師様は元祖にやってもらって♪
孫悟空はもちろん、ナースチャさんで♪
沙悟浄はカイザスさんにしていただいて、猪八戒は巧人さん。
あと、エレーナさんにも補助で入っていただけると完璧かと♪」
……えーと、なんだか『都合のいい』話をされているようなんですが…。
「観・音・様!!本来俺らは単なる代役なんですよね!代・役!!
この世界の本来のメンバー、『純血』でやることが大切だったのではないのですか?
『元祖悟空と三蔵法師』が復活するまでは俺らが代行しますから。ただし、彼らが復活するように『全力でサポート』お願いしますよ!」
ナースチャが観音様を睨むと、桃花観音様はぺこぺこと頭を下げている。
……向こうもこちらも観音様たちは大丈夫なんだろうか…。
「ナースチャの姉御…。お手数おかけします。今の悟空の兄貴の状況を観る限り、うちらの三蔵法師は『悟空の兄貴』が負け犬になったから、みんなを巻き込まないためにあえて『敵前逃亡』を選択されたんでしょうね。」
落ち込む悟空を必死で励まされ続けている三蔵さんを見やりながら沙悟浄さんがため息をついている。
「そう言えば、われわれのパーティも『女性の方が強い』気がするね。はっはっは♪」
いやいや、カイザスさん!笑い事ではないです!!
確かに精神面も含めて『ナースチャ>>カイザス 桜姫>>巧人(僕)』であることは明らかですね…。僕らももっと頑張らないと…。
しばらくして我々が旅支度を始めた時もまだ三蔵法師、そして桃花観音様の元祖悟空に対する説得は続いていた。
沙悟浄さんと八戒さんは遠巻きに様子を見ている。
「…悟空さん、本当に大丈夫なんですか?」
桜姫が今度は沙悟浄さんに囁く。
「…難しいですね。そう言えば、旅に出て何日かしたときに三蔵法師がぽろっと私に漏らされたことがありました。
『悟空さんは本当は繊細で優しい人なんですよ。』て。
悟空の兄貴も根はいい人だとは思うんですがね。ちょっとメンタル弱すぎですね…。」
「悟空さん!もう、本当に置いていきますよ!!」
優しく説得を続けていた三蔵法師さんがとうとう堪忍袋の尾を切らしたようだ。
観音様は渋い顔を続けておられるが、悟空はそれでも立ち直りそうにない。
僕らが立ち去ろうかとした時、天上から真っ赤な流星?がこちらに向かって落ちてきた。
ぎょっとして僕たちが身構える中、流星は三蔵法師の少し後ろに落ち、もうもうと土煙を上げた。
「まったく、ヘタレの『負け猿』なんぞ、とっとと砂漠に埋めたらどうだい、観音様!」
煙の中から姿を現した鎧姿の美青年はぞんざいな口調で観音様をみやっている。
「哪吒(なた)太子!」
桃花観音様が仰天して青年を見て叫んだ。
原作だと哪吒太子は天界で孫悟空と互角に戦ったという天界の武将で、凄まじい宝貝(武器)をいくつも持っているんだよね。
「武器を加減していたとはいえ、俺と天界で戦った時とは比べ物にならないくらい腑抜けているな…。全く情けないことだ…。
それと…後を継いだ悟空も…女で、しかも、『代役しかやりません』とか、同じくらいヘタレぽいんだが…。桃花観音様、あきらめられたらいかがですか?」
ナースチャは哪吒太子の挑発的な視線を涼しい顔でかわしたが、エレーナさんがまなじりを決して馬から降りた。
「そこの負け猿のことはともかく、お姉さまのことを悪く言うのは許しません!!」
回復半ばとは言え、エレーナさんが凄まじいオーラを出して哪吒太子を睨んでいる。
「あれあれ、気の強い御嬢さんだこと…。」
そのオーラを気にせずにエレーナさんに近づこうとした哪吒太子の前にナースチャが立ちはだかった。
「少々の暴言は放置してもいいが、エレーナを傷つけようとする相手には容赦はしない!」
僕が見ているだけで震えが来るようなパザロヴァ姉妹のオーラを浴びながら哪吒太子は嬉しそうに笑っている。
「あの孫悟空ですら、『武器を相当加減』しないとちょうどいい戦いにならなくてね。
『フルスロットル』で武器を使っても大丈夫な相手を探していたのさ。
それが、悟空を一蹴し、さらにマッスル三蔵ともやり合える猛者が出てきてくれるとはね♪」
言いながら哪吒太子は懐から大量の武器(宝貝)を取り出した!
いやいや、この人今までで一番の戦闘狂だよ?!!
名前:哪吒太子 ◎◎歳 天界人 男
レベル:965
複合戦士
スキル: 刀剣術全般(LV375) 魔術(LV250) 軍事知識(LV110)他
法術: 火炎系の術 浮遊術 等
装備: 「火尖槍」「乾坤圏」「陰陽剣」
称号 武神 中壇元帥
善良度:☆☆☆☆☆☆ (※善良ではあるものの、戦いをこよなく愛する危険人物!)
特記事項 天界最強の武人の一人 毘沙門天の息子
「巧人さん!武器と盾を出してナースチャに投げて!!こいつは一〇星クラスの化け物だわ!!」
エレーナさんの叫びに応えて僕は剣と盾を具現化してナースチャに投げ、ナースチャはそれをキャッチする。
「ナースチャ!私とあなたが巧人さんの武器・防具を強化すれば、『不死の騎士』装備にできるはずだわ!」
「わかった!やってみる!!」
ベヒモス以上の戦闘オーラを放っている哪吒太子を睨みながら、ナースチャが今まで以上の闘気を纏い始めた。
「『不死の騎士』顕現!!」
ナースチャの叫びとともに僕の渡した剣と盾がまばゆい光を放ち、まもなくナースチャを目を開けていられないくらいの輝く閃光が包み込んだ。
光が次第に薄れるなか、顔面は少し見える西洋風の黄金色に輝ける甲冑と長大な剣を構えるナースチャが姿を現した。
背中には金属製の金色の翼を纏っており、地上から数十センチのところに浮かび上がっていた。
「こいつはすげえ!!予想以上の怪物が出てきやがった。こりゃあ全力で戦わないと失礼だわな!!」
哪吒太子が歓喜の声を上げている。どんだけヤバイお兄さんなの?!
「く、いくら美青年でも、私はSは苦手なのだよ。Mである必要はないけれど、せめてノーマルでいて欲しい!」
いや、カイザスさんの趣味はどうでもいいからね?!
「巧人さん!桜姫!こちらへ!!」
空間からエレーナさんの手がひょっこり生えて僕たちを手招きしている。
一瞬怪奇現象かと思ってびっくりしたが、空間を割ってエレーナの顔も出てこちらを伺ったので、桜姫と顔を見合わせた後、二人ともエレーナさんの言葉に応じて『空間に開いた隙間』に二人とも飛び込んだ。
そこは、四畳半くらいの空間になぜか、ソファのようなものがあり、エレーナさんはそこに腰かけていた。
周りは三六〇度のパノラマのようになっていて、周りの情景がほぼ普通と同じように見えているが、ところどころ、例えば哪吒太子やナースチャの様子は拡大して見えた。
「この結界空間は『不死の騎士の指令塔』でもあるの。ナースチャ自身も非常に適切な判断を瞬時瞬時にやってのけてくれるのだけれど、こちらの視点からの分析も随時伝えることができるようになっているわ。
また、ナースチャに強化魔法や回復魔法もかけることができるの。そして、この結界にはナースチャの鎧以上の強度の対物理、対魔法防御結界が張られていて、あの哪吒太子の攻撃が直撃しても大丈夫だから。
ここは『私の霊力』が尽きるまでは『私たちより格上の桁違いの怪物』を相手にしない限り、暗線地帯と言えるわね。」
エレーナさんが哪吒太子を冷静に見つめながら僕たちに説明してくれる。
「それにしてもあの『戦闘狂美青年』はトンデモナイ武器ばかり持っているわね。」
エレーナさんが画面に拡大された哪吒太子の画像を見ながら苦い表情をしている。
いつの間にか腕が八本になった哪吒太子はそれぞれの腕にいろいろな武器を持っており、それらが画面上では『警告マーク』とともに赤い光で囲われている。
「ひゃっはーー!!行くぜ!『乾坤圏』!!!」
哪吒太子の前二本の手で持っていたチャクラム状の武器は金色の光を発すると何十本に増え、その大きさを増した後、四方八方に飛び散り、それぞれの方向からナースチャに襲い掛かっていった!!
ナースチャはそれを大剣の一振りで弾き飛ばすと、飛ばされた円盤はあちこちで岩盤やらいろいろなものを切り裂いた後、哪吒太子の手元に戻ってきた。
近辺を飛び回る大量の円盤にカイザスさん、沙悟浄や八戒は逃げ回り、三蔵法師は悟空をかばうように地面に突き倒している。
「エレーナさん!あの人達が危ないよ!この中に避難させることはできないの?!」
「ごめん。それ無理。結界の強度、スペースもだけど、私がよほど信頼した相手以外は結界が受け付けないのよ。だから、巧人さんが入れそうと感じた時は『意外』だったわよ。
まあ、あの人たちはあなたたち二人より自衛する能力があるから、死にさえしなければ後で回復させればいいんじゃない。」
僕の言葉にエレーナさんは肩をすくめる。あれ、それって…。
「危ない武器を使うなあ!ちょっとは周りに配慮したらどうだ?」
ナースチャが苦笑いしている。
「いやいや、いやしくも三蔵法師御一行様だぜ?これくらいでどうこうするようじゃ、天竺までとてもたどり着けやしないさ♪」
哪吒太子は嬉しそうにナースチャを見やっている。
「なるほど…。じゃあ俺も遠慮せずに『全力投球』させてもらおうか!!」
『不死の騎士』の鎧の発する光がさらに強くなり、哪吒太子も嬉しそうに身構えた。
桜姫が桃花観音様に『元祖悟空がいじけている』状況を見やって囁く。
「…それより、私を見捨てないでください…。」
桃花観音様は今度は桜姫にすがりついている…。
もしかしなくてもこっちの方が重症なのでは…。
「わかりました。とりあえず行けるところまでやりますよ。」
渋い顔をしてナースチャが口を開く。
途端に桃花観音様の顔がぱっと明るくなる。
「ナースチャさん、ありがとう!!
ではでは、三蔵法師様は元祖にやってもらって♪
孫悟空はもちろん、ナースチャさんで♪
沙悟浄はカイザスさんにしていただいて、猪八戒は巧人さん。
あと、エレーナさんにも補助で入っていただけると完璧かと♪」
……えーと、なんだか『都合のいい』話をされているようなんですが…。
「観・音・様!!本来俺らは単なる代役なんですよね!代・役!!
この世界の本来のメンバー、『純血』でやることが大切だったのではないのですか?
『元祖悟空と三蔵法師』が復活するまでは俺らが代行しますから。ただし、彼らが復活するように『全力でサポート』お願いしますよ!」
ナースチャが観音様を睨むと、桃花観音様はぺこぺこと頭を下げている。
……向こうもこちらも観音様たちは大丈夫なんだろうか…。
「ナースチャの姉御…。お手数おかけします。今の悟空の兄貴の状況を観る限り、うちらの三蔵法師は『悟空の兄貴』が負け犬になったから、みんなを巻き込まないためにあえて『敵前逃亡』を選択されたんでしょうね。」
落ち込む悟空を必死で励まされ続けている三蔵さんを見やりながら沙悟浄さんがため息をついている。
「そう言えば、われわれのパーティも『女性の方が強い』気がするね。はっはっは♪」
いやいや、カイザスさん!笑い事ではないです!!
確かに精神面も含めて『ナースチャ>>カイザス 桜姫>>巧人(僕)』であることは明らかですね…。僕らももっと頑張らないと…。
しばらくして我々が旅支度を始めた時もまだ三蔵法師、そして桃花観音様の元祖悟空に対する説得は続いていた。
沙悟浄さんと八戒さんは遠巻きに様子を見ている。
「…悟空さん、本当に大丈夫なんですか?」
桜姫が今度は沙悟浄さんに囁く。
「…難しいですね。そう言えば、旅に出て何日かしたときに三蔵法師がぽろっと私に漏らされたことがありました。
『悟空さんは本当は繊細で優しい人なんですよ。』て。
悟空の兄貴も根はいい人だとは思うんですがね。ちょっとメンタル弱すぎですね…。」
「悟空さん!もう、本当に置いていきますよ!!」
優しく説得を続けていた三蔵法師さんがとうとう堪忍袋の尾を切らしたようだ。
観音様は渋い顔を続けておられるが、悟空はそれでも立ち直りそうにない。
僕らが立ち去ろうかとした時、天上から真っ赤な流星?がこちらに向かって落ちてきた。
ぎょっとして僕たちが身構える中、流星は三蔵法師の少し後ろに落ち、もうもうと土煙を上げた。
「まったく、ヘタレの『負け猿』なんぞ、とっとと砂漠に埋めたらどうだい、観音様!」
煙の中から姿を現した鎧姿の美青年はぞんざいな口調で観音様をみやっている。
「哪吒(なた)太子!」
桃花観音様が仰天して青年を見て叫んだ。
原作だと哪吒太子は天界で孫悟空と互角に戦ったという天界の武将で、凄まじい宝貝(武器)をいくつも持っているんだよね。
「武器を加減していたとはいえ、俺と天界で戦った時とは比べ物にならないくらい腑抜けているな…。全く情けないことだ…。
それと…後を継いだ悟空も…女で、しかも、『代役しかやりません』とか、同じくらいヘタレぽいんだが…。桃花観音様、あきらめられたらいかがですか?」
ナースチャは哪吒太子の挑発的な視線を涼しい顔でかわしたが、エレーナさんがまなじりを決して馬から降りた。
「そこの負け猿のことはともかく、お姉さまのことを悪く言うのは許しません!!」
回復半ばとは言え、エレーナさんが凄まじいオーラを出して哪吒太子を睨んでいる。
「あれあれ、気の強い御嬢さんだこと…。」
そのオーラを気にせずにエレーナさんに近づこうとした哪吒太子の前にナースチャが立ちはだかった。
「少々の暴言は放置してもいいが、エレーナを傷つけようとする相手には容赦はしない!」
僕が見ているだけで震えが来るようなパザロヴァ姉妹のオーラを浴びながら哪吒太子は嬉しそうに笑っている。
「あの孫悟空ですら、『武器を相当加減』しないとちょうどいい戦いにならなくてね。
『フルスロットル』で武器を使っても大丈夫な相手を探していたのさ。
それが、悟空を一蹴し、さらにマッスル三蔵ともやり合える猛者が出てきてくれるとはね♪」
言いながら哪吒太子は懐から大量の武器(宝貝)を取り出した!
いやいや、この人今までで一番の戦闘狂だよ?!!
名前:哪吒太子 ◎◎歳 天界人 男
レベル:965
複合戦士
スキル: 刀剣術全般(LV375) 魔術(LV250) 軍事知識(LV110)他
法術: 火炎系の術 浮遊術 等
装備: 「火尖槍」「乾坤圏」「陰陽剣」
称号 武神 中壇元帥
善良度:☆☆☆☆☆☆ (※善良ではあるものの、戦いをこよなく愛する危険人物!)
特記事項 天界最強の武人の一人 毘沙門天の息子
「巧人さん!武器と盾を出してナースチャに投げて!!こいつは一〇星クラスの化け物だわ!!」
エレーナさんの叫びに応えて僕は剣と盾を具現化してナースチャに投げ、ナースチャはそれをキャッチする。
「ナースチャ!私とあなたが巧人さんの武器・防具を強化すれば、『不死の騎士』装備にできるはずだわ!」
「わかった!やってみる!!」
ベヒモス以上の戦闘オーラを放っている哪吒太子を睨みながら、ナースチャが今まで以上の闘気を纏い始めた。
「『不死の騎士』顕現!!」
ナースチャの叫びとともに僕の渡した剣と盾がまばゆい光を放ち、まもなくナースチャを目を開けていられないくらいの輝く閃光が包み込んだ。
光が次第に薄れるなか、顔面は少し見える西洋風の黄金色に輝ける甲冑と長大な剣を構えるナースチャが姿を現した。
背中には金属製の金色の翼を纏っており、地上から数十センチのところに浮かび上がっていた。
「こいつはすげえ!!予想以上の怪物が出てきやがった。こりゃあ全力で戦わないと失礼だわな!!」
哪吒太子が歓喜の声を上げている。どんだけヤバイお兄さんなの?!
「く、いくら美青年でも、私はSは苦手なのだよ。Mである必要はないけれど、せめてノーマルでいて欲しい!」
いや、カイザスさんの趣味はどうでもいいからね?!
「巧人さん!桜姫!こちらへ!!」
空間からエレーナさんの手がひょっこり生えて僕たちを手招きしている。
一瞬怪奇現象かと思ってびっくりしたが、空間を割ってエレーナの顔も出てこちらを伺ったので、桜姫と顔を見合わせた後、二人ともエレーナさんの言葉に応じて『空間に開いた隙間』に二人とも飛び込んだ。
そこは、四畳半くらいの空間になぜか、ソファのようなものがあり、エレーナさんはそこに腰かけていた。
周りは三六〇度のパノラマのようになっていて、周りの情景がほぼ普通と同じように見えているが、ところどころ、例えば哪吒太子やナースチャの様子は拡大して見えた。
「この結界空間は『不死の騎士の指令塔』でもあるの。ナースチャ自身も非常に適切な判断を瞬時瞬時にやってのけてくれるのだけれど、こちらの視点からの分析も随時伝えることができるようになっているわ。
また、ナースチャに強化魔法や回復魔法もかけることができるの。そして、この結界にはナースチャの鎧以上の強度の対物理、対魔法防御結界が張られていて、あの哪吒太子の攻撃が直撃しても大丈夫だから。
ここは『私の霊力』が尽きるまでは『私たちより格上の桁違いの怪物』を相手にしない限り、暗線地帯と言えるわね。」
エレーナさんが哪吒太子を冷静に見つめながら僕たちに説明してくれる。
「それにしてもあの『戦闘狂美青年』はトンデモナイ武器ばかり持っているわね。」
エレーナさんが画面に拡大された哪吒太子の画像を見ながら苦い表情をしている。
いつの間にか腕が八本になった哪吒太子はそれぞれの腕にいろいろな武器を持っており、それらが画面上では『警告マーク』とともに赤い光で囲われている。
「ひゃっはーー!!行くぜ!『乾坤圏』!!!」
哪吒太子の前二本の手で持っていたチャクラム状の武器は金色の光を発すると何十本に増え、その大きさを増した後、四方八方に飛び散り、それぞれの方向からナースチャに襲い掛かっていった!!
ナースチャはそれを大剣の一振りで弾き飛ばすと、飛ばされた円盤はあちこちで岩盤やらいろいろなものを切り裂いた後、哪吒太子の手元に戻ってきた。
近辺を飛び回る大量の円盤にカイザスさん、沙悟浄や八戒は逃げ回り、三蔵法師は悟空をかばうように地面に突き倒している。
「エレーナさん!あの人達が危ないよ!この中に避難させることはできないの?!」
「ごめん。それ無理。結界の強度、スペースもだけど、私がよほど信頼した相手以外は結界が受け付けないのよ。だから、巧人さんが入れそうと感じた時は『意外』だったわよ。
まあ、あの人たちはあなたたち二人より自衛する能力があるから、死にさえしなければ後で回復させればいいんじゃない。」
僕の言葉にエレーナさんは肩をすくめる。あれ、それって…。
「危ない武器を使うなあ!ちょっとは周りに配慮したらどうだ?」
ナースチャが苦笑いしている。
「いやいや、いやしくも三蔵法師御一行様だぜ?これくらいでどうこうするようじゃ、天竺までとてもたどり着けやしないさ♪」
哪吒太子は嬉しそうにナースチャを見やっている。
「なるほど…。じゃあ俺も遠慮せずに『全力投球』させてもらおうか!!」
『不死の騎士』の鎧の発する光がさらに強くなり、哪吒太子も嬉しそうに身構えた。
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