モンスターバスター in 大江戸

はなぶさ 源ちゃん

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シルクロード編

22 結末 

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 「三蔵法師一行に関してコメントします。
 まずは、『元祖』三蔵法師一行ですが……『落第』です。
 試練の結果も踏まえて、三蔵法師と沙悟浄はもう少し修行をして貰う必要があります。
 二人にはここ天竺で修業をして貰いつつ、準備が整ったら『お経を持って中国に帰国』してもらうことにしましょう。」
 お釈迦様は元祖三蔵さんと沙悟浄さんを優しい視線で見やる。

 「孫悟空と猪八戒は……スーパー落第です。旅が成功、失敗どうこう以前に『根性が無さすぎ』です。本来なら『マッスル三蔵さんにびしばししごいて欲しい』くらいなのですが……その手があったか?!!」
 「「なんだってーー??!!」」
 元祖悟空と八戒が悲鳴を上げる。

 「悟空と八戒はしばし、マッスル三蔵さんの下で修業を積んだ後、元祖三蔵法師の元に戻って、修業を積み、『お経を持って中国に帰国』してもらうことにします。
 マッスル三蔵さん、ご遠慮なくびしばし鍛えてあげてください。」
 「はっはっは、お任せください!!」
 マッスルさんは胸を張って高笑いしている。
 元祖悟空と八戒は…死んでます。目が完全に死んでしまいました。


 「次に『イザベル』三蔵法師一行ですが、『ぼちぼち』です。」
 それ、『もうかりまっか?』『ぼちぼちでんな』という関西での問答の答えですよね?!

 「マッスル三蔵さんは試練の結果も含めて『圧倒的な存在感』を示してくれました。純粋な活躍度なら元祖以上です。したがって『敢闘賞』を授与します。賞品の内容は後程詳細をお伝えします。」
 「おお、なんだかよくわからんが、お釈迦様直々に褒めていただいて、光栄です!」
 マッスルさんは素直に喜んでいる。
 ところで、僕もお釈迦様のおっしゃっている内容がよくわかりません。

 「八戒ちゃんは試練の内容も含めて、すごく頑張っておられます。『殊勲賞』を授与したいと思います。」
 「やったある!嬉しいある!!」
 ……敢闘賞とか殊勲賞…大相撲ですか?!

 「沙奈絵さんは召喚されて間もないので止むを得ないのですが、あまりご活躍されていません。ですが、とりあえず『かわいいから許す』ということで♪」
 いえいえ、おっしゃっている意味がまったくわからないですから??!!

 「御三方ともに『賞品付き』で元の世界の召喚された直後の時間軸に戻させていただきます。……いえ、マッスルさんと八戒ちゃんこと美鈴メイリンちゃんは必ずしもそうでない方がいいかもしれませんね。
 では、沙奈っちは元の時間軸に、マッスルさんと八戒ちゃんは『現代中国』の沙奈っちと同じ時間軸に戻すのが正解ですね。お二人のお供にしばらく悟空と元祖八戒をお付けしますので、びしばし鍛えてあげてください。」
 「はっはっは!心得ました!!」
 「わかったある!まかせるある!!」
 「よかった♪これで、ナースチャ様の元に無事戻れるのですね♪」

 ……喜ぶ三人を元祖悟空と八戒が死にそうな目で眺めています。

 「お釈迦様、お待ちください!それでは私のチームが負けたということですか?!!」
 イザベル観音様が焦って口を開く。

 「イザベル、待ちなさい。話しは最後まで聞きなさい。その上で抗議なり要望なりを受け付けるから。」
 お釈迦様が落ち着いて話をされて、イザベル観音様は口をつぐむ。


 「そして、『桃花』三蔵法師一行だが、『よく頑張りました』の花丸です。」
 それ、『小学校の通信簿』ですよね??!!

 「桜姫は癖の強いメンバーを三蔵法師としてよくまとめてくれました。試練の結果も含めて『最優秀監督賞』を授与させていただきます。」
 「……えーと、褒めていただいているようで嬉しいのですが、内容がよくわからないのですけど…。」
 …本当に意味がわかるような、わからないような内容です。
 とは言え、桜姫がこの調子なら、僕たち全員変な扱いにはならなそうだ。
 それだけでも安心だね。

 「巧人君は『能力が貧弱』なのに、鑑定能力、具現化能力、ツッコミ能力をフルに活用して、実力以上に活躍されました。『沢村賞』を授与させていただきます。」
 鑑定と具現化はまだしも、『ツッコミ』が高評価の対象なんですか??!!
 それから、『沢村賞』は今までで一番意味がわかりません!!

 『さすが、巧人君、授賞式でも抜群のツッコミ能力だね♪』
 アテナさん!それ、本当に褒めていただいてるんですか?!それから、どうしてわざわざテレパシーを使うんですか??!!

 「そして、カイザス君はその能力と性格特性をフルに使って、良くも悪くも大活躍されました。貢献度もおばか度も両方ともに最高クラスです。
 『究極の残念王子賞』を授与させていただきます。」
 「はっはっはっは♪そんなにお褒めいただくと照れちゃいますよ♪」
 カイザスさんが歯をキラッと光らせて嬉しそうに笑っている。

 お釈迦様は本当に褒めておられるのですか?!それから、カイザスさんも 『究極の残念王子賞』なんかもらって喜ばないで下さい!!

 「そして、いよいよ、アナスタシアさんです。
 試練も含めて戦闘に於いてはもちろん、旅全体に於いても『精神的な柱』として大活躍されました。アナスタシアさんのご活躍がなければ、この旅は完全に失敗に終わっていたでしょう。今回の『MVP』はアナスタシアさんです。豪華賞品を贈呈させていただきます!」
 「…そんなに褒めて頂いたら照れてしまいます。みんなの助けがあったから ここまでこれたわけですから、俺一人そこまでおっしゃっていただくのは…。」
 ……照れるナースチャはとてもかわいいです!!見ているだけでなんだかドキドキしてしまいます。

 『うーん、二人とも青春だね♪』
 アテナさん、僕の思考を読まないで下さい!!

 「チーム全体は『豪華賞品を授与』させていただいた後、元の時間軸に戻っていただきます。本当におつかれさまです。そして、ありがとうございます。」
 お釈迦様が僕たちに向かって頭を下げている。


 「「え?私たちは??」」
 「それには私が答えましょう。」
 イザベル、桃花観音様が疑問の声を上げた時、凛々しい女性の声が聞こえてきた。

 長身で理知的な雰囲気のインド系のきれいな女性が姿を現した。
 アルテアさん並みに空気が柔らかいのだが、ぴんと張りつめた空気も同時に感じさせる人だ。おそらく女神さまか仏様のようなのだが…。

 「「先代観音様!!!!」」
 イザベル、桃花観音様が同時に叫ぶ。

「 結論から先に言います。お二人とも『落第』です。
 御二人とも『人選だけは良かった』ですが、いろんな面でダメすぎます。」
 先代観音様が厳しい顔で口を開かれます。

 「まず、イザベルさんです。
 現地に有望な人材がいなければ、『緊急避難』で異世界召喚をされた…そのこと自体はやむを得ないと判断できます。ただし、呼び出した人への配慮、サポート共に未熟過ぎです。
 特に『貞子を見て、みんなを置いて逃亡』とか、観音菩薩にあるまじき失態です。」

 「次に桃花さんです。
 八戒と悟空、特に悟空が予想以上にヘタレという悪条件だったのには同情の余地が多々あります。ただ、悟空の敵前逃亡を防げなかったのはサポート力に課題が多々あります。
 また、召喚された皆さん、特にアナスタシアさんへの配慮のなさは致命的です。とっくに愛想を尽かされていても仕方のないレベルです。」

 先代観音様の厳しいダメ出しにイザベル、桃花観音様が固まってしまう。

 「というわけで、私が『観音菩薩に復帰』して、お二人とも『観音見習い』からやり直しです。なお、お二人とも『変なライバル意識を持ちすぎ』です。適合者がお二人ならお二人とも『観音菩薩』になられてもいいのですよ。
 イザベルさん、桃花さん、また一緒にがんばりましょうね。お返事は?」
「「はい!!!」」


 こうして、僕たちの旅は終わりを告げ、観音様たち、召喚者たち、試験管たちはそれぞれの場所に戻っていった。


 元祖三蔵さんたちはそのうち、中国に経典を持って帰られるのだろう。別れる時の三蔵さん、沙悟浄さんは使命感に燃えた目をされてました。

 マッスル三蔵さんと美鈴ちゃんはやる気満々という顔をされ、悟空と八戒は真っ青な顔をしていた。
 「はっはっは、皆さん、また会おう!!エレーナさんによろしく!!」
 「再会が楽しみある!!」
 うーん、この人達は現代中国に行くとはいえ、マッスルさんが『瀬利亜さんの関係者』らしいんだよね…。再会が楽しみなような、不安なような…。

 池内さんと美佐はあっさり帰ってしまった。
 まあ、この二人とはすぐ再会するからね。特に美佐は同居しているし…。


 「これでお別れですね…。」
 桜姫は寂しそうだ。
 「あら、だったら、こういうのはどうかしら?」
 アルテアさんが桜姫になりやら囁いている。

 「えええ??!!本当ですか?!!」
 「ええ、伴天連の事件といい、今回の事件といいいろいろ調べた方がよさそうだからね。」

 アルテアさんとの話が終わると、桜姫が僕らを見て口を開く。
 「さよならは言いません。皆さんに会えて本当に良かったです!お元気で!!」
 桜姫がにっこり笑うと同時にアルテアさんの魔法で姿を消す。

 桜姫の姿が見えなくなって、僕たちは本当に旅が終わったのだと実感する。

 「さて、私はニャントロ神と一緒に戻るとするよ♪」
 カイザスさんがニャントロ神と一緒に姿を消す。
 うん、この人は殺しても死なないし、気が付くとどこからでも戻ってきそうだから、気にしなくていいか…。


 「そして、ナースチャと巧人君は『南の楽園豪華ホテルのスイートルームに六泊』していただいた後、元の時間軸に戻ってもらいます♪」
 「え?アルテアさん何をおっしゃっておられるのですか…?そんなお金は僕持ってませんし、どういう風に泊まるのでしょうか?」

 「もちろん、『賞品』だから、宿泊費、食費その他経費はお釈迦様がもってくれるから安心して。二人で同じ部屋に心行くまで泊まってくれて大丈夫。」
 アテナさんがニコニコしながら話しかけてくる。
 「同じ…部屋…ですか…。」
 「当たり前じゃん!!恋人同士が別々の部屋に泊まってどうするの?
 MVPと沢村賞だから、これくらいの特典がないとね♪
 しかし、沢村賞よりも『バットコントロール』を考えると『打点王』の方がよかったかな♪」
 アテナさん!!下ネタはやめてください!!ナースチャが真っ赤になっているじゃないですか!!
 …て、気が付いたら、太陽降り注ぐ青い空の下、海岸に近い高級ホテルの前に四人で立っているじゃないですか!!

 「六泊して、チェックアウトしたら、自動的に現代日本に召喚されるように魔法を設定したから♪存分に楽しんでね♪」
 アルテアさんが手を振ると、アテナさんともども二人は姿を消してしまった。

 僕とナースチャの服装もいつの間にか『南国リゾート風』に変わっていた。
 僕たちはしばし、顔を見合わせた後、『勇気を振り絞って』ホテルのロビーに入っていった。

(次回エピローグ)
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