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奥さまはモンバス姉さん編
39 体育教師襲来! 婚約破棄編 その後 その2
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「では、今から『村おこし対策会議』を開きます。」
いつの間にか私が議長になって、教会で会議が開かれております。
村おこし技能LV30が効いているようで、その場にいた全員が私を推挙しました。
いつに間にか望海ちゃんがホワイトボードを用意して、『村おこし対策会議』ときれいな時で書いてくれてます。
さすがは生徒会書記です。こんな時でも仕事が有能過ぎです。
参加メンバーは召喚された私、望海ちゃん、春日さん、如月君、マルク…兜教師と呼ぶべきでしょうか。
カイタク村側からはシスターマリアと五〇歳くらいの村長、酒場のおかみさんです。
「あのう、ここは『西部劇時代のアメリカ』に近い感じだと考えればいいでしょうか?」
「望海ちゃん、今まで得た情報ではどうなの?」
「はい、瀬利亜先輩。春日さんのおっしゃることでほぼ正解です。
微妙な違いはありますが、一九世紀後半のアメリカ並みと想定して大丈夫みたいです。」
「なるほど、俺もアメリカにいたことがあるから、それなら参考にできる話が出来そうだ。
そう、アメリカと言えば……ゴールドラッシュだ!!」
兜先生はどこからともなく、大きなシャベルを取り出すと、表に駆けだします!!
みんな、唖然としながら兜先生を見送り…私が立ち上がります。
「兜先生は私が連れ戻してくるから、望海ちゃん、議長も兼ねて話を進めておいてくれる?」
「了解しました。では、いってらっしゃいませ!」
五分後、『金は掘ればどこでも出るものではない』となんとか兜先生を説得し、会議室に戻ると『食べ物チート』の話をしている最中だった。
うん、確かに食べ物チートは『カソノ村での前例』があるから、悪くはないのですが、そもそも『農業に従事する人数』が少ないことと、作物などを成長させるのに時間と技術・手間が必要ということでしょうか?
ここ、カイタク村ではカソノ村以上に若い男性、働き盛りの男性が少ないのだよね。
まずは『働き手』を魅力あるもので呼んでおいて、その後に『食べ物チート』をする方がうまくいきそうなのだ。
そういう意味では兜先生…『宇宙からの超人』マルクの言っていた『ゴールドラッシュ』というアイデアは『金山があれば』悪くないアイデアかもしれないのです。
もちろん、仮に金山があっても、鉱脈が尽きた時のことも予め想定しておくことや、『ゴールドラッシュ時』にその土地は『スゴク治安が悪くなった』という歴史的事実を踏まえると、『あまり欲の皮の突っ張った品物』でのチートはここのように老人、子供、女性の多い村では、お奨めしにくいかもしれません。
みんながいろいろ話しているうちに、深く考え込んでいたマルクが再び立ち上がります。
「そうだ!アメリカと言えば…石油ラッシュ!よし、石油を掘り上げよう!!」
ええと…再びマルクがシャベルを持って走り出そうとします。
「ちょっと待った!今度は石油を掘りだそうというの?!どこを掘ればいいか、わかっているわけ??!!」
「ふっふっふ!今度は一味違うぜい!!先日ロシアのパザロヴァ姉妹から貴重な情報を聞いたのだよ!
石油はロシアでは『生物から作られるのではなく、無機的に地球内部のガスが変質してできる一種の『鉱物由来』のものだと…。
だから、多くの人が思っている以上に埋蔵量はあり、深く掘りさえすれば、どこでも石油は入手できるのだと。
ロシア(旧ソ連)はそのことを知っており、とにかく『出てくるまで深く掘っていった』ため、常に世界でもトップレベルの産油国だったのだ。
幸い俺は『無敵のパワー、不死身の肉体、あくなき耐久力を兼ね備えている。
『出てくるまで掘る』なんぞ、ナンボのもんじゃい!!」
ええと、今度は私の制止もむなしく、駆け出していってしまいました。
「皆さん、兜先生は言いだしたら聞かないので、しばらく放っておきましょう。」
固まっていたみなさんは私の声にようやくうなずいてくれました。
実は『地球のどこでも深く掘れば石油が出てくる』という話は私もパザロヴァ姉妹から聞いて知っています。ただし、ロシアだと『平気で一万メートルくらい掘る』のです。
ここで『スゴク深くまで掘らないとダメ』だった場合、どうやって石油を汲み上げるのかという問題と、『チート技術』で解決できた場合、その維持をどうするかという問題がでてくるんですよね。
作ったはいいものの、技術の維持が出来なかったり、あるいは技術が『チート過ぎ』だと、『争奪戦の対象』になり、村おこしどころか災厄の元になりかねないのですよね。
まあ、現時点では仮に石油が掘れても使用用途が『ランプの油の代わり』くらいなので、そこまで大事ではないかもしれません。
そして、話がさらに食べ物チートで盛り上がっている。
「チキンのから揚げのスパイスを開発し、そのロイヤリティで勝負するんだ!」
「平岡君、それ、ケンタッ◎―フライドチキンだよね…。」
「パンの間にハンバーグをはさんで焼いた食品を作って売る!しかも素材にこだわって、なるべく無農薬の野菜をつかったりするんだ!」
「平岡君、それはモ◎バーガーだよね…。ちなみにこの時代は農薬自体が使われていないと思うんだけど…。」
「想像してごらん 天国なんて無いんだと♪
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし♪」
「ええと、ジョンレノンのイマジンを作詞作曲して売り出そうとしたいの?それ、本当に単なるパクリじゃん。」
「石川!!全否定しないでくれ!!」
「…平岡君、そういうのをヒントにするのはいいのだけれど、丸パクリしたのではまずいと思うのよね…。」
そんなやりとりをしていたら、バタン!と扉を開けてマルクが戻ってきた。
「掘ったどーーー!!!」
えええっ??!!本当に掘り当てちゃったんですか!!!
そして現場に行くと…直径2メートルくらいの穴が開いて、周りに柵がしてあった。
間違って人が落ちないように配慮してあるようだ。
「油が噴出してこないということはかなり深くまで掘ったのね。どれくらい掘ったの?」
私が穴を覗きこんでも全く何も見えない。
「はっはっは、瀬利亜嬢。君のことだから大丈夫だと思うが、間違っても落ちないように。何しろ二キロは掘ったからね。」
マルクの言葉に私以外の全員が固まった。
…さすがはモンスターバスター一二星中最強の肉体派だけのことはあります。
魔法とか一切使わずにそんなことができるのはあなただけです。
望海ちゃんが魔法で、簡易汲み上げやぐらを作ってくれました。
上部は今から見るとレトロ風に下部の汲み上げ部は私たちのほぼ最新鋭の技術を使ってあるようです。
ただ、望海ちゃんの魔法では数日程度で魔法の効き目がなくなるそうなので、その時は施設そのものが消えるのだとか。
アルさんが迎えに来てくれた時点で効果時間を100年レベルに延長してもらうそうです。
「よし、ついでに掘った石油で『シルフ号』を走らせてみましょう。」
私がモンスターバスター御用達の『4次元収納ポーチ』から愛車シルフ号を取り出すと、望海ちゃんとマルク以外のみんなが唖然としています。
私が早速燃料タンクにオイルを入れようとすると、望海ちゃんがストップを掛けます。
「瀬利亜先輩!待ってください!オートバイにはガソリンに精製しないとまずいのでは?」
「ふっふっふ♪それが、このシルフ号のすばらしいところなのよ♪
燃料ぽいものを入れたら、魔法で自動的に適切な燃料に修正してくれるの。
ガソリン価格が高いから、最近では『灯油』で走らせているわ♪」
「……えーと、そろそろ『水素ガス』ステーションが普及しだすという話もありますよね。」
「そうなるとさらに大歓迎だわ♪車もバイクも今は水素エンジンの方が主流になりつつあるしね♪ ちなみにこの油田には『天然ガス』はなかったのかしら?」
「ないわけではないですが、一昔前の『シェールガス』のように、水を大量にぶち込まないと出てこないようです。あれはコストも高いだけでなく、環境汚染が酷いので最終的には禁止されたのですよね。」
ううむ、望海ちゃんは魔法でいろいろサーチしてくれると同時に、タブレットで必要な情報をドンドン取り出してくれるのでものすごくありがたいです。
世界が完全に平和になっても…いえ、なった後こそさらに活躍してくれるんじゃないかと楽しみな逸材です。
望海ちゃんを後ろに乗せてちょっとひとっ走りしてこようかと思うと、平岡君が後ろに乗せてくれと頼んできます。
当然拒否します。
後部座席に乗っていいのは女性だけです。男性で例外はダーリンだけです。
がっかりする平岡君を放置して走り出そうとすると、遠くから何頭もの馬の影が見えます。
なんとなく嫌な予感がするので、みんなで待機していると、がらの悪そうな連中が十数騎やってきました。
テンガロンハットをかぶった、こわもてのおっさんが私たちの方に近づいてきます。
「よお、御嬢さん方に頼みたいことがあるんだがよ♪」
「お断りします!!」
「………。」
私が涼しい顔で拒否したので、おっさんたちは固まります。
「話しくらい聞いてくれよ!!」
「…えーと、話は一応聞きますね。」
さすがにシスターマリアが口を挟んできます。
「了解では、話は聞きます。で、どういうご提案がおありなのかしら?」
「あんたたちが掘った油田を売って欲しいんだ。」
おや?どうしてそんなに早く情報がはいったのでしょうね?これはいろいろ調べてみる必要がありそうです。
「ちなみにいくら提示していただけるのかしら?」
「一万ドルでどうだい?」
「御冗談を。この油田は推定採掘可能埋蔵量は二千万バレルだわ。
最低一桁は違うんじゃない?それにあなたたちがこの施設を維持できる技術を持っているようには思えないけど。」
「いやいや、『俺たちに買ってもらう』ことで、この村を俺たちが守ってやるから、『用心棒代』のおまけまでつくのさ。それから、俺たちにも『勇者』がいるから、そのくらいの施設の管理は簡単なもんさ♪」
なるほど、勇者の能力で察知したか、あるいは彼らのスパイが石油を掘ったという情報をいち早く手に入れたわけなのだね。
彼ら全員のオーラがどす黒いだけでなく、勇者らしき長身の男もとても善人とは言えないようだ。上手に説得(物理)する必要がありそうですが、さて、どうしたものでしょうか?
「なんですって!我が村には最強の勇者がいます!用心棒なんか必要ありません!そんな金額では取引するのは論外ですし、とっとと村から出て行ってください!」
あらら、シスターマリアがキレちゃったよ…。まあ、マリアさんが言いださなかったら私が同じようなことを言ったんだけどね。
「ほほお、それではどうでしょうか?そちらの勇者と我々の勇者が力試しをして、勝った方がこの村を守るというのはいかがでしょうか?」
「望むところです!勇者様方お願いします!!」
うーむ、前回、望海ちゃんが魔王軍を火力に物を言わせて粉砕したからね…。
とはいえ、今回は彼らがからめ手を使わないように望海ちゃんは決闘時は村の守りに着いてもらった方がいいような気が…。
「よかろう!!敵の勇者は私がふんさいしてくれよう!!」
自信満々にマルクが名乗り出ます。
……えーと、マルクさん?決闘のやり方はわかっておられるのですか?
双方拳銃を持って、撃ちあうんですが…。
「ほお、強面が出てきやがったか。だが、これは格闘技じゃないんだが、わかっているかね♪」
敵の親玉はニヤニヤ笑っている。
マルクはどう見ても徒手だし、銃だこみたいなものもないから、銃は素人だと見ぬいているよね。
ですが、全モンスターバスター最高峰の一二星をなめてはいけませんよ♪
相手もかなりの猛者のようですし、なかなか面白いことになりそうです。
いつの間にか私が議長になって、教会で会議が開かれております。
村おこし技能LV30が効いているようで、その場にいた全員が私を推挙しました。
いつに間にか望海ちゃんがホワイトボードを用意して、『村おこし対策会議』ときれいな時で書いてくれてます。
さすがは生徒会書記です。こんな時でも仕事が有能過ぎです。
参加メンバーは召喚された私、望海ちゃん、春日さん、如月君、マルク…兜教師と呼ぶべきでしょうか。
カイタク村側からはシスターマリアと五〇歳くらいの村長、酒場のおかみさんです。
「あのう、ここは『西部劇時代のアメリカ』に近い感じだと考えればいいでしょうか?」
「望海ちゃん、今まで得た情報ではどうなの?」
「はい、瀬利亜先輩。春日さんのおっしゃることでほぼ正解です。
微妙な違いはありますが、一九世紀後半のアメリカ並みと想定して大丈夫みたいです。」
「なるほど、俺もアメリカにいたことがあるから、それなら参考にできる話が出来そうだ。
そう、アメリカと言えば……ゴールドラッシュだ!!」
兜先生はどこからともなく、大きなシャベルを取り出すと、表に駆けだします!!
みんな、唖然としながら兜先生を見送り…私が立ち上がります。
「兜先生は私が連れ戻してくるから、望海ちゃん、議長も兼ねて話を進めておいてくれる?」
「了解しました。では、いってらっしゃいませ!」
五分後、『金は掘ればどこでも出るものではない』となんとか兜先生を説得し、会議室に戻ると『食べ物チート』の話をしている最中だった。
うん、確かに食べ物チートは『カソノ村での前例』があるから、悪くはないのですが、そもそも『農業に従事する人数』が少ないことと、作物などを成長させるのに時間と技術・手間が必要ということでしょうか?
ここ、カイタク村ではカソノ村以上に若い男性、働き盛りの男性が少ないのだよね。
まずは『働き手』を魅力あるもので呼んでおいて、その後に『食べ物チート』をする方がうまくいきそうなのだ。
そういう意味では兜先生…『宇宙からの超人』マルクの言っていた『ゴールドラッシュ』というアイデアは『金山があれば』悪くないアイデアかもしれないのです。
もちろん、仮に金山があっても、鉱脈が尽きた時のことも予め想定しておくことや、『ゴールドラッシュ時』にその土地は『スゴク治安が悪くなった』という歴史的事実を踏まえると、『あまり欲の皮の突っ張った品物』でのチートはここのように老人、子供、女性の多い村では、お奨めしにくいかもしれません。
みんながいろいろ話しているうちに、深く考え込んでいたマルクが再び立ち上がります。
「そうだ!アメリカと言えば…石油ラッシュ!よし、石油を掘り上げよう!!」
ええと…再びマルクがシャベルを持って走り出そうとします。
「ちょっと待った!今度は石油を掘りだそうというの?!どこを掘ればいいか、わかっているわけ??!!」
「ふっふっふ!今度は一味違うぜい!!先日ロシアのパザロヴァ姉妹から貴重な情報を聞いたのだよ!
石油はロシアでは『生物から作られるのではなく、無機的に地球内部のガスが変質してできる一種の『鉱物由来』のものだと…。
だから、多くの人が思っている以上に埋蔵量はあり、深く掘りさえすれば、どこでも石油は入手できるのだと。
ロシア(旧ソ連)はそのことを知っており、とにかく『出てくるまで深く掘っていった』ため、常に世界でもトップレベルの産油国だったのだ。
幸い俺は『無敵のパワー、不死身の肉体、あくなき耐久力を兼ね備えている。
『出てくるまで掘る』なんぞ、ナンボのもんじゃい!!」
ええと、今度は私の制止もむなしく、駆け出していってしまいました。
「皆さん、兜先生は言いだしたら聞かないので、しばらく放っておきましょう。」
固まっていたみなさんは私の声にようやくうなずいてくれました。
実は『地球のどこでも深く掘れば石油が出てくる』という話は私もパザロヴァ姉妹から聞いて知っています。ただし、ロシアだと『平気で一万メートルくらい掘る』のです。
ここで『スゴク深くまで掘らないとダメ』だった場合、どうやって石油を汲み上げるのかという問題と、『チート技術』で解決できた場合、その維持をどうするかという問題がでてくるんですよね。
作ったはいいものの、技術の維持が出来なかったり、あるいは技術が『チート過ぎ』だと、『争奪戦の対象』になり、村おこしどころか災厄の元になりかねないのですよね。
まあ、現時点では仮に石油が掘れても使用用途が『ランプの油の代わり』くらいなので、そこまで大事ではないかもしれません。
そして、話がさらに食べ物チートで盛り上がっている。
「チキンのから揚げのスパイスを開発し、そのロイヤリティで勝負するんだ!」
「平岡君、それ、ケンタッ◎―フライドチキンだよね…。」
「パンの間にハンバーグをはさんで焼いた食品を作って売る!しかも素材にこだわって、なるべく無農薬の野菜をつかったりするんだ!」
「平岡君、それはモ◎バーガーだよね…。ちなみにこの時代は農薬自体が使われていないと思うんだけど…。」
「想像してごらん 天国なんて無いんだと♪
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし♪」
「ええと、ジョンレノンのイマジンを作詞作曲して売り出そうとしたいの?それ、本当に単なるパクリじゃん。」
「石川!!全否定しないでくれ!!」
「…平岡君、そういうのをヒントにするのはいいのだけれど、丸パクリしたのではまずいと思うのよね…。」
そんなやりとりをしていたら、バタン!と扉を開けてマルクが戻ってきた。
「掘ったどーーー!!!」
えええっ??!!本当に掘り当てちゃったんですか!!!
そして現場に行くと…直径2メートルくらいの穴が開いて、周りに柵がしてあった。
間違って人が落ちないように配慮してあるようだ。
「油が噴出してこないということはかなり深くまで掘ったのね。どれくらい掘ったの?」
私が穴を覗きこんでも全く何も見えない。
「はっはっは、瀬利亜嬢。君のことだから大丈夫だと思うが、間違っても落ちないように。何しろ二キロは掘ったからね。」
マルクの言葉に私以外の全員が固まった。
…さすがはモンスターバスター一二星中最強の肉体派だけのことはあります。
魔法とか一切使わずにそんなことができるのはあなただけです。
望海ちゃんが魔法で、簡易汲み上げやぐらを作ってくれました。
上部は今から見るとレトロ風に下部の汲み上げ部は私たちのほぼ最新鋭の技術を使ってあるようです。
ただ、望海ちゃんの魔法では数日程度で魔法の効き目がなくなるそうなので、その時は施設そのものが消えるのだとか。
アルさんが迎えに来てくれた時点で効果時間を100年レベルに延長してもらうそうです。
「よし、ついでに掘った石油で『シルフ号』を走らせてみましょう。」
私がモンスターバスター御用達の『4次元収納ポーチ』から愛車シルフ号を取り出すと、望海ちゃんとマルク以外のみんなが唖然としています。
私が早速燃料タンクにオイルを入れようとすると、望海ちゃんがストップを掛けます。
「瀬利亜先輩!待ってください!オートバイにはガソリンに精製しないとまずいのでは?」
「ふっふっふ♪それが、このシルフ号のすばらしいところなのよ♪
燃料ぽいものを入れたら、魔法で自動的に適切な燃料に修正してくれるの。
ガソリン価格が高いから、最近では『灯油』で走らせているわ♪」
「……えーと、そろそろ『水素ガス』ステーションが普及しだすという話もありますよね。」
「そうなるとさらに大歓迎だわ♪車もバイクも今は水素エンジンの方が主流になりつつあるしね♪ ちなみにこの油田には『天然ガス』はなかったのかしら?」
「ないわけではないですが、一昔前の『シェールガス』のように、水を大量にぶち込まないと出てこないようです。あれはコストも高いだけでなく、環境汚染が酷いので最終的には禁止されたのですよね。」
ううむ、望海ちゃんは魔法でいろいろサーチしてくれると同時に、タブレットで必要な情報をドンドン取り出してくれるのでものすごくありがたいです。
世界が完全に平和になっても…いえ、なった後こそさらに活躍してくれるんじゃないかと楽しみな逸材です。
望海ちゃんを後ろに乗せてちょっとひとっ走りしてこようかと思うと、平岡君が後ろに乗せてくれと頼んできます。
当然拒否します。
後部座席に乗っていいのは女性だけです。男性で例外はダーリンだけです。
がっかりする平岡君を放置して走り出そうとすると、遠くから何頭もの馬の影が見えます。
なんとなく嫌な予感がするので、みんなで待機していると、がらの悪そうな連中が十数騎やってきました。
テンガロンハットをかぶった、こわもてのおっさんが私たちの方に近づいてきます。
「よお、御嬢さん方に頼みたいことがあるんだがよ♪」
「お断りします!!」
「………。」
私が涼しい顔で拒否したので、おっさんたちは固まります。
「話しくらい聞いてくれよ!!」
「…えーと、話は一応聞きますね。」
さすがにシスターマリアが口を挟んできます。
「了解では、話は聞きます。で、どういうご提案がおありなのかしら?」
「あんたたちが掘った油田を売って欲しいんだ。」
おや?どうしてそんなに早く情報がはいったのでしょうね?これはいろいろ調べてみる必要がありそうです。
「ちなみにいくら提示していただけるのかしら?」
「一万ドルでどうだい?」
「御冗談を。この油田は推定採掘可能埋蔵量は二千万バレルだわ。
最低一桁は違うんじゃない?それにあなたたちがこの施設を維持できる技術を持っているようには思えないけど。」
「いやいや、『俺たちに買ってもらう』ことで、この村を俺たちが守ってやるから、『用心棒代』のおまけまでつくのさ。それから、俺たちにも『勇者』がいるから、そのくらいの施設の管理は簡単なもんさ♪」
なるほど、勇者の能力で察知したか、あるいは彼らのスパイが石油を掘ったという情報をいち早く手に入れたわけなのだね。
彼ら全員のオーラがどす黒いだけでなく、勇者らしき長身の男もとても善人とは言えないようだ。上手に説得(物理)する必要がありそうですが、さて、どうしたものでしょうか?
「なんですって!我が村には最強の勇者がいます!用心棒なんか必要ありません!そんな金額では取引するのは論外ですし、とっとと村から出て行ってください!」
あらら、シスターマリアがキレちゃったよ…。まあ、マリアさんが言いださなかったら私が同じようなことを言ったんだけどね。
「ほほお、それではどうでしょうか?そちらの勇者と我々の勇者が力試しをして、勝った方がこの村を守るというのはいかがでしょうか?」
「望むところです!勇者様方お願いします!!」
うーむ、前回、望海ちゃんが魔王軍を火力に物を言わせて粉砕したからね…。
とはいえ、今回は彼らがからめ手を使わないように望海ちゃんは決闘時は村の守りに着いてもらった方がいいような気が…。
「よかろう!!敵の勇者は私がふんさいしてくれよう!!」
自信満々にマルクが名乗り出ます。
……えーと、マルクさん?決闘のやり方はわかっておられるのですか?
双方拳銃を持って、撃ちあうんですが…。
「ほお、強面が出てきやがったか。だが、これは格闘技じゃないんだが、わかっているかね♪」
敵の親玉はニヤニヤ笑っている。
マルクはどう見ても徒手だし、銃だこみたいなものもないから、銃は素人だと見ぬいているよね。
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