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アトランティスから来た転生者 編
71 気が付くと転生していました。
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僕、早川良太は学校帰りにトラックに轢かれそうになっていた小さな女の子を突き飛ばした後、僕は酷い衝撃を受けて意識を失った。
気が付くと…妙に近代的な病室で目を覚ました。
目の前に可愛い女の子がいて、僕に声を掛けてきた。
「大丈夫ですか?長いことコールドスリープ状態だったのですから、まだ意識も体も本調子ではないはずです。あせらずゆっくりされてくださいね。
なにかあったらこちらのコールボタンを押してください。」
どう見ても日本人と思しき高校生くらいのセミロングの清楚な雰囲気の女の子はにっこり笑って僕に告げる。
僕はこの可愛らしい女の子の笑顔に既視感を感じ、すごく戸惑う。
女の子が立ち去った後、僕はとんでもないことを思い出した。
あの子は僕がよく遊んだ美少女ゲーム『わくわくモンスターバスター』の攻略ヒロインの一人の北川望海ちゃんだ!
すごく清楚で優しい見た目と違い、非常時には完璧な兵士の異名を取るくらい苛烈な戦いぶりの実力派モンスターバスターだ。
普段も黒い…とまではいかないものの、一筋縄ではいかない曲者ぶりにゲームでは散々攻略にてこずっている段階で僕はトラックに撥ねられたのでした。
したがって、見た目より黒い曲者…という以上の詳しい情報が入っていないのです。
とりあえず、自分を落ち着かせるために鏡に向かうと…全然元の自分と違った…でも、何処かで見たような顔があります。
なんか、白人と日本人の中間のような、元の僕より少し整った15歳くらいの少年の顔が……この顔も見たことあるよ!!
『わくわくモンスターバスター』の主人公じゃん!!
設定では膨大な魔力を持ったアトランティス皇帝の忘れ形見…正確には母親が妊娠を隠していたから皇帝が存在を知らない子供で、母親が一二歳になるまで僕を育てていたものの、そこで病死。
その後母の兄が魔法を叩きこんでくれた後、一五歳になった時にその存在が父親である皇帝がいなくなった後の宮廷に知られ、桁違いの能力の高さ、特に絶大な魔力を背景にした能力の高さゆえに宮廷から非常に恐れられたそうだ。
結果、騙されてコールドスリープで封印されたのだ。
うん、なんか、そんな記憶があるのを思い出してきたし…。
この体の本名はマイト・フォン・ガイラーク。
強大な魔法戦士!
とはいえ、戦闘経験のほとんどない、マザコンのおっとりしたお人よしだったらしい。
最後に裏切られたことを知り、人間不信になり、復讐を誓った!
…そういう記憶が映画を見たかのようにあるのだけれど、それ以上にのんきな高校生だった前世の記憶の方が圧倒的に強く、現時点では復讐したいとか思う以前に今からどうしたものかという戸惑いの方が大きい。
さらに今の状況は『わくわくモンスターバスター』のゲームのスタート地点と同じなのだ!
モンスターバスター協会に保護された僕はその桁違いに高い能力を買われ、さまざまな怪奇事件を解決するプロ・モンスターバスターへの就任を誘われる。
天涯孤独になり、行き先のない僕は自信の居場所を作るため、また、いろいろと世話をしてくれる『ヒロイン』のためにモンスターバスターになることを承諾する。
僕はモンスターバスターになって、さまざまな事件に巻き込まれつつ、ヒロインと共に事件を解決し、二人で素敵なハッピーエンドを目指すというゲームだった。
蘇生された後の行動で、メインヒロインが決定し、そのヒロインの好感度を上げると同時に事件もしっかり解決しないといけないというなかなか難易度の高いゲームだったけど、何人ものヒロインたちがとても魅力的だったので、僕は激ハマリしたのだった。
素敵なヒロインたちは隠しヒロインを除いて望海ちゃんも含めて五人いたはず。
どんな子と仲良くなれるのだろうか?
前世で年齢=彼女いない歴 だった僕は深くにも可愛くて魅力的な女の子と仲良くなれる期待でいっぱいになり、冷静な判断力を失っていた。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
「退院まで私が面倒をみてやるにゃ。感謝するにゃ♪」
ええと…どうしてこうなったのでしょう?
最初の状況説明こそ、望海ちゃんがしてくれたものの、しばらく望海ちゃんと話した後、僕のサポートに着いてくれたのはゲームには出てこなかった猫耳娘のトラミちゃんだった。
虎縞のワンピースを着た一四歳位に見える小柄な金髪のセミロングの髪の女の子で、くりくりとした青い目の愛嬌のある子です。
ただ、言動が幼すぎて、面倒を見ると言いながら、スマホを渡して、使い方を説明してくれた後は基本『放置プレイ』です。
お風呂や食堂の場所なども『タブレットで調べるにゃ♪自分で調べた方が場所も頭に入ってくるにゃ♪』で自分で調べる羽目になりました。
まあ、食事は一緒に付きあってくれたので、一人さびしく食べるという悲しい事態にはならなかったですが…。
ただ、『気になることがあるなら、私で答えられる範囲で答えてやるにゃ♪』とは言ってくれたので、トンチンカンな答えや的外れの回答に悩まされつつも、会話からいろいろな情報を得ることが出来ました。
この世界は『わくわくモンスターバスター』の舞台の世界とあまり大きな差異はないと考えてよさそうです。
違ったのはゲームで目覚めた時は20◎◎年の春でしたが、現在は八月の終わりです。
また、ゲームのメインヒロインの一人でもあるシードラゴンマスクの活躍がゲームよりさらに派手になっています。
トラミちゃん本人は二三世紀の未来から来た猫娘型人造人間で、ヒロインの一人を破滅の運命から救うためにやってきた…はずが人違いで、それでもトラミちゃんはヒロインと仲良くなって、時々遊びに来ているとか…。
うん、某国民的アニメの設定をパクリつつもずれてきてる…という感じだね…。
また、今日で目覚めてから三日目ですが、ゲームでは何人かのメインヒロインたちと接触しているはずですが、現時点では望海ちゃんと何度か会話をしたくらいです。
それ以外は病室でトラミちゃんと会話したり、二人で並んでタブレットを調べまくるという時間の潰し方をしております。
さらに油断すると、トラミちゃんは僕のベッドに入って昼寝をしてしまいます。
…行動様式がほとんど猫だよね?!!
ゲームとはまるで違う展開に漠然とした不安を抱えていると、トラミちゃんと二人で昼食を終えた時に、望海ちゃんが僕たちの前に姿を現した。
「今から大切な話がありますから、一緒に来ていただけますか?」
相変わらず魅力的な笑顔の望海ちゃんにトラミちゃんと一緒に着いていくと、今までに行ったことのないエリアに進んでいく。
そして、大きな両開きの自動ドアが開くと、特撮ドラマの地球防衛軍の指令室のような部屋に円卓のテーブルが置いてあった。
円卓の各席にはゲームでは見たことのあるメンツがずらりと座っており、全員ただものでないオーラを纏っていた。
「A級モンスターバスター北川望海参りました。マイトさんと付添いのトラミちゃんを連れてきました!」
「望海ちゃん、お疲れ様♪それでは三人ともそこの席におかけください。」
僕たちの真正面にいた女性がにっこり笑いながら声を掛けてくれる。
ゲームのヒロインの一人でもある『年上ゆる系美女』の大魔女・リディアことアルテアさんだ。
僕は望海ちゃんたちと同時に席に着くと同時に、改めて周りのメンバーを見渡した。
ゲームに出てきたモンスターバスター一二星中一一人が揃っている。
金髪の長身のマッチョなイケメンは五〇〇歳になるというモンスターバスター全体のリーダーでもある『コーザル・ガイア』だ。
地球内部にある最終防衛線『地球システム』内では全メンバー中最強だという。
さらに僕の目の前の『大魔女』と並んで三強の一人と目されている地球防衛軍副隊長の陰陽師・土御門美夜さん……お腹がすごく大きくなっているよ?!!妊婦さんですか?!!ゲームでは攻略ヒロインの一人ですらっとした年上黒髪の美女だったけど、ここでは結婚されているわけ?!
そして…あれ?いないのは『魔神戦士』ことカイザスさんだ。
超絶イケメンの魔法戦士なのだけれど、『美少年が大好き』で、ゲーム中に主人公に散々アプローチを掛けてくれるという困ったキャラでした。
間違って、彼の誘いに応じると、BL展開に入り、『これって誰得?!』と思ったのは苦い思い出です。
変な好奇心を持つんじゃなかったと酷く後悔したものです。
「さて、今からマイトさんとここにいるメンバー全員に対して非常に大切なお話があります。」
議長席にいるアルテアさんが周りを見回しながら言った。
「先日カイくんが抜けて、一二星の一角が空席になったままですが、現在一二星の後釜の有力候補がこうして現れてくれました。」
ええええええ?!!それって僕のこと?!
ゲーム中にはそんな設定や展開は全然なかったよ?!!!
「マイト君は非常に優秀な魔法戦士のようなので、現時点では望海ちゃんと並んで一二星候補の最右翼になると判断しています。」
アルテアさんが周りを見回しながら説明を続けている。
「ということで、マイト君、お願いね。…それとも、『早川良太』君と呼んだ方がいいかしら♪」 えええええええ???!!!!
なんでその名前を知っているんですか??!!!!!
続く
気が付くと…妙に近代的な病室で目を覚ました。
目の前に可愛い女の子がいて、僕に声を掛けてきた。
「大丈夫ですか?長いことコールドスリープ状態だったのですから、まだ意識も体も本調子ではないはずです。あせらずゆっくりされてくださいね。
なにかあったらこちらのコールボタンを押してください。」
どう見ても日本人と思しき高校生くらいのセミロングの清楚な雰囲気の女の子はにっこり笑って僕に告げる。
僕はこの可愛らしい女の子の笑顔に既視感を感じ、すごく戸惑う。
女の子が立ち去った後、僕はとんでもないことを思い出した。
あの子は僕がよく遊んだ美少女ゲーム『わくわくモンスターバスター』の攻略ヒロインの一人の北川望海ちゃんだ!
すごく清楚で優しい見た目と違い、非常時には完璧な兵士の異名を取るくらい苛烈な戦いぶりの実力派モンスターバスターだ。
普段も黒い…とまではいかないものの、一筋縄ではいかない曲者ぶりにゲームでは散々攻略にてこずっている段階で僕はトラックに撥ねられたのでした。
したがって、見た目より黒い曲者…という以上の詳しい情報が入っていないのです。
とりあえず、自分を落ち着かせるために鏡に向かうと…全然元の自分と違った…でも、何処かで見たような顔があります。
なんか、白人と日本人の中間のような、元の僕より少し整った15歳くらいの少年の顔が……この顔も見たことあるよ!!
『わくわくモンスターバスター』の主人公じゃん!!
設定では膨大な魔力を持ったアトランティス皇帝の忘れ形見…正確には母親が妊娠を隠していたから皇帝が存在を知らない子供で、母親が一二歳になるまで僕を育てていたものの、そこで病死。
その後母の兄が魔法を叩きこんでくれた後、一五歳になった時にその存在が父親である皇帝がいなくなった後の宮廷に知られ、桁違いの能力の高さ、特に絶大な魔力を背景にした能力の高さゆえに宮廷から非常に恐れられたそうだ。
結果、騙されてコールドスリープで封印されたのだ。
うん、なんか、そんな記憶があるのを思い出してきたし…。
この体の本名はマイト・フォン・ガイラーク。
強大な魔法戦士!
とはいえ、戦闘経験のほとんどない、マザコンのおっとりしたお人よしだったらしい。
最後に裏切られたことを知り、人間不信になり、復讐を誓った!
…そういう記憶が映画を見たかのようにあるのだけれど、それ以上にのんきな高校生だった前世の記憶の方が圧倒的に強く、現時点では復讐したいとか思う以前に今からどうしたものかという戸惑いの方が大きい。
さらに今の状況は『わくわくモンスターバスター』のゲームのスタート地点と同じなのだ!
モンスターバスター協会に保護された僕はその桁違いに高い能力を買われ、さまざまな怪奇事件を解決するプロ・モンスターバスターへの就任を誘われる。
天涯孤独になり、行き先のない僕は自信の居場所を作るため、また、いろいろと世話をしてくれる『ヒロイン』のためにモンスターバスターになることを承諾する。
僕はモンスターバスターになって、さまざまな事件に巻き込まれつつ、ヒロインと共に事件を解決し、二人で素敵なハッピーエンドを目指すというゲームだった。
蘇生された後の行動で、メインヒロインが決定し、そのヒロインの好感度を上げると同時に事件もしっかり解決しないといけないというなかなか難易度の高いゲームだったけど、何人ものヒロインたちがとても魅力的だったので、僕は激ハマリしたのだった。
素敵なヒロインたちは隠しヒロインを除いて望海ちゃんも含めて五人いたはず。
どんな子と仲良くなれるのだろうか?
前世で年齢=彼女いない歴 だった僕は深くにも可愛くて魅力的な女の子と仲良くなれる期待でいっぱいになり、冷静な判断力を失っていた。
~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~
「退院まで私が面倒をみてやるにゃ。感謝するにゃ♪」
ええと…どうしてこうなったのでしょう?
最初の状況説明こそ、望海ちゃんがしてくれたものの、しばらく望海ちゃんと話した後、僕のサポートに着いてくれたのはゲームには出てこなかった猫耳娘のトラミちゃんだった。
虎縞のワンピースを着た一四歳位に見える小柄な金髪のセミロングの髪の女の子で、くりくりとした青い目の愛嬌のある子です。
ただ、言動が幼すぎて、面倒を見ると言いながら、スマホを渡して、使い方を説明してくれた後は基本『放置プレイ』です。
お風呂や食堂の場所なども『タブレットで調べるにゃ♪自分で調べた方が場所も頭に入ってくるにゃ♪』で自分で調べる羽目になりました。
まあ、食事は一緒に付きあってくれたので、一人さびしく食べるという悲しい事態にはならなかったですが…。
ただ、『気になることがあるなら、私で答えられる範囲で答えてやるにゃ♪』とは言ってくれたので、トンチンカンな答えや的外れの回答に悩まされつつも、会話からいろいろな情報を得ることが出来ました。
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違ったのはゲームで目覚めた時は20◎◎年の春でしたが、現在は八月の終わりです。
また、ゲームのメインヒロインの一人でもあるシードラゴンマスクの活躍がゲームよりさらに派手になっています。
トラミちゃん本人は二三世紀の未来から来た猫娘型人造人間で、ヒロインの一人を破滅の運命から救うためにやってきた…はずが人違いで、それでもトラミちゃんはヒロインと仲良くなって、時々遊びに来ているとか…。
うん、某国民的アニメの設定をパクリつつもずれてきてる…という感じだね…。
また、今日で目覚めてから三日目ですが、ゲームでは何人かのメインヒロインたちと接触しているはずですが、現時点では望海ちゃんと何度か会話をしたくらいです。
それ以外は病室でトラミちゃんと会話したり、二人で並んでタブレットを調べまくるという時間の潰し方をしております。
さらに油断すると、トラミちゃんは僕のベッドに入って昼寝をしてしまいます。
…行動様式がほとんど猫だよね?!!
ゲームとはまるで違う展開に漠然とした不安を抱えていると、トラミちゃんと二人で昼食を終えた時に、望海ちゃんが僕たちの前に姿を現した。
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そして、大きな両開きの自動ドアが開くと、特撮ドラマの地球防衛軍の指令室のような部屋に円卓のテーブルが置いてあった。
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ええええええ?!!それって僕のこと?!
ゲーム中にはそんな設定や展開は全然なかったよ?!!!
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アルテアさんが周りを見回しながら説明を続けている。
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