奥さまはモンスターバスター 時々 異世界召喚勇者

はなぶさ 源ちゃん

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その後…とは限らない番外編

番外編3 栄冠は君に輝くか?! その7

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(SIDEライトニングレディこと、マリーザ・アルバネーゼ)

 あの日見たあの人と化け犬の戦いの一部始終は私の脳内にしっかりと刻み込まれていた。
脳の中で何度も何度もあの光景を再現し、トレーニングに生かすことで、私の格闘能力、いや体を動かし方自体が劇的な進化を遂げていった。
あの人の動きもさることながら、化け犬の動きをトレースすることからも私の能力は劇的に進化していった。

  あの化け犬のように『空間を滑るように移動』できるようになったときはさすがに仰天した。
化け犬とは違い、視界の範囲外に移動することはできなかったが、稲妻のように超高速で動けることからその動きを稲妻ライトニングと名付けた。

 それ以来、格闘の鍛錬の傍ら、稲妻をイメージしながら稲妻ライトニングの技量を上げていった。

 同時に『闘氣』を練り上げて、相手を攻撃する際も稲妻をイメージすると効率が良くなることを感じていた。

 いつしか私は稲妻ライトニングのような移動と攻撃を武器とするスーパーヒロイン・『ライトニングレディ』になっていった。


(SIDE健人)

 タッグマッチは抽選の末、うさぎさんチームは超難敵のアメリカチームと当たることになった。

 アメリカチームはアメリカ最強と言われるアメリカ三銃士の一人、ライトニングレディ。
 同じく、三銃士の一人で剣の達人のサムライファイター。
 アメリカ三銃士の一人で、アメリカ最強の超能力者のグレートホーク。
 グレートホークの弟子でモンスターバスター一二星の一人のヤングホーク。
 恐ろしく頑強な肉体を誇り、モンスターバスター一二星の一人のグレートマッスル。

 ……瀬利亜を除けば、全員うさぎさんチームより格上じゃん?!!
 これ、我々は勝てるの?!

 「ふっふっふっふ!相手にとって不足なしだわ!!」
 「その通りなのです!!」
 「我々の力を思い知るのにゃ♪」
 「…え、えーと…。」

 エイムス以外は自信満々だよ?!!
 瀬利亜はまだしも、なんで女神ちゃんやトラミちゃんまで自信満々なの?!!


(SIDE瀬利亜)

 全員が一二星並みのアメリカチームとわれわれうさぎさんチームでは五人同士がまともにやりあったら、正直かなりまずいと思います。

 しかーし!私と女神ちゃんの二人になれるタッグマッチだと、ほとんど互角の戦いができるのです。
 アメリカチームの顔ぶれを見る限り、前衛は私に対応するためにライトニングレディしかありません。そして、後衛はやはりサポート能力のより高いグレートホークに自動的になります。
 もちろん、超難敵ではありますが、十分な勝負に持ち込めます。


 「アメリカチームとうさぎさんチームのタッグ戦の始まりや!!
 一位に僅差で第二位のアメリカチームと、同じく四位に僅差の第五位のうさぎさんチームの対決は優勝争いに大きく影響しそうやで!」
 有力五チームの中で、われわれうさぎさんチームが残念ながら現在一番出遅れております。
 是非ともこの試合と最終戦に勝って優勝を目指したいところです。

 「アメリカチームはアメリカ三銃士の一人、グレートホーク!そして、同じくアメリカ三銃士の一人にして、アメリカ最強として名高いライトニングレディや!!」
 光ちゃんの選手紹介で会場が歓声と拍手に包まれます。
 ライトニングレディは前回のスーパーヒーローオリンピックの活躍もあり、日本でも非常に人気が高いのです。

 「うさぎさんチームは二人とも新顔やね♪」
 光ちゃんが私の事を揶揄して会場を笑わせます。

 「改めまして、うさぎさんチームは新鋭気鋭のスーパーヒロイン、うさぎさんゴッデスや!
 そして、新鋭気鋭のスーパーヒロインやけど、なぜか最強のうさぎさんシードラゴンや!!」
 会場が大きく盛り上がってくれました。
 これは期待に応えて頑張らないといけません!

 私たちが闘技場に入っていくと、歓声はさらに大きくなっていきます。

 私とライトニングレディが前衛で、グレートホークと女神ちゃんが後衛で、直径一〇〇メートルの円形の闘技場の中のアルさんが作った魔法の結界に守られた闘技台の上でそれぞれスタンバイです。
 ライトニングレディは見るからに全身やる気に満ち溢れています。
 私も全身に氣を巡らせつつ、余分な力を抜いて何があっても即対応できる体勢を取ります。

 相手はすべてのスーパーヒーローの中でも最もスピードに長けた雷撃ライトニングのスーパーヒロインです。こちらも最高のスピードで対処する必要があります。

 「さあ、試合開始や!!」
 光ちゃんの合図とともに二人は俊速で動き出します。

(SIDEグレートホークこと、ケツアルコアトル)

 今回のアメリカチームは全員モンスターバスター一二星クラスのメンバーなので、タッグマッチに於いて、マリーザは前衛でも後衛でも務められる。
 その移動速度の規格外の速さと対応力の多彩さから本来は後衛の方が向いているかもしれないのだが、今回の場合は前衛に瀬利亜嬢が来るのは間違いないので、必然的にマリーザが前衛になり、後衛は、能力的に私になってしまった。
 アロがもう少し成長すれば、私の代わりを務められるようになってくれるだろう。

 うさぎさんチームの後衛は……見たことのないスーパーヒロイン…いや?!どこかで見たことがあるはずだ!!
 これだけ霊力が高く只者ではないのだから、見たことがあれば思い出せないはずがないのだが…。
 うさぎさんゴッデス……女神?!石川邸に異世界から遊びに来ていたというちっちゃな女神さんじゃないか?!!
 いつに間にこんなに大きくなったのだ?!

 そして、試合開始と同時にうさぎさんゴッデスは全身から金色の光を放つと、宙に舞いあがった。


(SIDE瀬利亜)

 試合開始と同時に私の左前にライトニングレディが現れ、強烈な左回し蹴りをかましてくる。
 私は紙一重でそれを避けると、左手で突きを返すが、瞬時にライトニングレディは後方二〇メートルくらいの位置に戻っている。
 武道の達人は自身の気配を消したうえで、驚くべき瞬発力で動き回ることができるのだが、ライトニングレディはそれに加えて、『空間を飛び越えて動く』能力を持っている。
 ゲームなどでいう『縮地』という能力に近いのだが、行った先の状況をほぼ把握できているのが縮地と違うところで、さらに質が悪いのだ。
 その上、単に距離を縮めたり、拡げたりできる能力者ならば、近づいたところを『瞬時にカウンターでボコる』ことができるので、実はそれほど怖くないのだ。
 しかし、ライトニングレディは武道の達人で、相手の気配を察する能力も異様に高いため、恐ろしく的確にヒット&アウェイの攻撃を続けることができるのだ。

 前回のスーパーヒーローオリンピックでのタッグ戦でもライトニングレディのクレバーで隙のない戦いにさんざん苦戦させられたのだ。
 さらに、その後も時々模擬選を行って双方ともにお互いの特性を『体感して、対応する体勢が整っている』のです。
 かなりの長期戦になることも覚悟する必要があるでしょう。

 「シードラゴン流星拳!!」
 私は全身から闘氣を込めて断続した遠隔の拳撃を打ち込みます。
 この拳撃には『追尾機能』が付いているので、攻撃を躱した相手をそのまま追尾攻撃してくれるというお得な仕様なのですが…。
 残念ながらライトニングレディは空間を渡って移動するので、その能力を使われたら途中で追尾が切れてしまいます。しかし、相手の動きをけん制しつつ、次の動きを予測する助けにはなります。
 予測通り、ライトニングレディは姿を消した後、すぐ近くに気配が!!
 私は反射的に体を動かして対応する!!


(SIDEグレートホークこと、ケツアルコアトル)

 宙に舞いあがり金色に発光したうさぎさんゴッデスから金色の光が分かれて、シードラゴンマスクに命中し、薄くシードラゴンマスクが光りだす。
 おそらく強力な支援魔法と思われる。
 シードラゴンマスクを素早く透視してみると、攻撃力・防御力共に強力な補正が付いている。明らかに私が施せる支援魔法よりも効果が大きくなっている。
 実力がほぼ伯仲しているシードラゴンマスクとライトニングレディの戦いではこういう支援の効果が馬鹿に出来ない。

 二人とも超高速で動き回るので、前衛二人の間に魔法やその他の攻撃で割って入るのは難易度が高すぎる。
 また、シードラゴンマスクは基本敵からの精神攻撃ほかの妨害攻撃に対して耐性があり得ないほど高いので(本人いわく『熱く燃えさかる正義の心で跳ね除ける』だそうだ)、妨害魔法をかけるのはほぼ意味がない。
 結果的にこの補正を消すにはうさぎさんゴッデスを無力化するしかなさそうだ。
 
 招雲からの雷撃魔法をうさぎさんゴッデスに浴びせるが、うさぎさんゴッデスの張っている防御結界によって簡単にはじかれる。
 こちらに対して攻撃的な意識が全く感じられないので、うさぎさんゴッデスはほぼ支援と防御に特化したスーパーヒーロー(ヒロイン)だと推察される。

 強力な雷撃魔法を簡単に弾いたことから協力極まりない結界だと感じられるが、それでも何もしないわけにはいかない。
 スーパーヒーローはどんな難局にでも立ち向かわねばならないのだから。

 私は宙に舞いあがると、うさぎさんゴッデスに向かって飛んでいった。

(SIDE健人)

 なっ!!瀬利亜が弾き飛ばされた!!!
 数メートル吹き飛んで、なんとか体勢を立て直したけれど、すぐにライトニングレディが飛び込んできて、防戦一方になっている!いったいどうなってんの?!!
 おれとの模擬選ではおれの攻撃はかすりそうにすらならないのにこの展開はなに?!!

 「マリーザ嬢の攻撃はすさまじいな!あり得ない方向からの攻撃を連発しているな。
 武道の達人が特殊能力を使いこなすと、ここま強力な武器になるとはね…。」

 …ええと、日本チームのミラクルファイターさんがどうして我々と一緒に観戦しているのでしょうか?

 「瀬利亜さん、頑張ってください!!『あの攻撃』は確かに反応するのは難しいですが、瀬利亜さんならなんとか対応できるはずです!!」

 千早ちゃんまで、一緒に来ているよ?!!というか、『あの攻撃』て何?

 「健人、安心しろ。ちゃんと解説席まで行って俺が解説してやる。」
 ミラクルファイターさん、何を言い出すんですか?!そんなフリーダムなことができるんですか?!!

 「というわけで、次回に続くのにゃ♪」
 トラミちゃんまで、なにフリーダム過ぎる言動をしているの???

(続く)
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