奥さまはモンスターバスター 時々 異世界召喚勇者

はなぶさ 源ちゃん

文字の大きさ
144 / 155
その後…とは限らない番外編

番外編4 冒険者になろう! その1

しおりを挟む
登場人物

如月 健人きさらぎ けんと : 瀬利亜の二つ年下の幼馴染。四年前に瀬利亜が引っ越したのを見送る。異世界に勇者として召喚されたが…。

橋本 太郎 :瀬利亜の元同級生で、モンスターバスター養成機関に所属。お調子者のフツメンだが、人がいい。ツッコミ力が抜群。

銀田一 初 ぎんだいち はじめ:瀬利亜と同じ年の小柄な女の子。モンスターバスター養成機関に所属。自称『美少女名探偵』。頭はいいが、『妄想力』が高い。

石川瀬利亜  地上最強のスーパーヒロインでモンスターバスター。ゴメラキラー、無敵のシードラゴンの異名を取る。

錦織光一 :瀬利亜の旦那はん。関西弁を操るイケメンで、電子技術のエキスパートにして『サイバーヒーロー・電脳マジシャン』。瀬利亜はんを溺愛していて、『三日離れたら寂しゅうて死んでまうんや!』(確定)。

神那岐千早:  瀬利亜たちと同じモンスターバスター一二星の一人で、『対魔神剣・神那岐の太刀』を扱う、巫女剣士。瀬利亜の三つ年下で瀬利亜はんが大好き。

石川トラミ: 未来の国から来た猫娘型人造人間。善良だが、気ままでウルトラマイペース。スーパーヒロイン・ミラクルキャットとしても活躍。

(SIDE:????)

 「うわあああああ!!!」
悲鳴を上げて目を覚ますと、いつもの自室のベッドだった。

 (よかった。夢だった。)

「いつもの夢」から目覚めて、俺はため息をつく。

 ここのところ、「タイムリミット」が近づいたせいか、「あの夢」を頻繁に見るようになった。

 俺の名はデューク・トウジョウ。いわゆる異世界転生者だ。
 「一周目」の転生時は、一〇歳の時、暴走した馬車に轢かれそうになった幼馴染の少女を助けて体を強打した際に前世の記憶が甦ってきた。

 狩人の息子だった俺はその時から「ステータス画面」を活用する能力が身に付き、前世のVRMMGを遊びこんだ知識生かし、自身の隠れた才能を引き出せることに気づき、有頂天になった。

 前世知識を存分に活用した俺は、一三歳で冒険者になり、俺TUEEE!!の状況を存分に楽しんだ。冒険者になった時分からそこいらの冒険者よりも剣の腕も魔法の威力も桁違いに優れていたのだ。

 仲間と共に充実した冒険者生活を送っていた俺は、しかし、一七歳の時にとんでもない状況に追い込まれた。

 俺たちの町の冒険者ギルドに立ち寄った冒険者の中に魔王軍の先兵が紛れ込んでいたのだ。
 そいつらは駆け出しの冒険者に絡んだ後、それを諌めようとした俺たちのパーティと大きくもめた。
 その時はおれたちが何とか場を収めたが、その際に俺たちの実力に目を付けた魔王軍の幹部が俺たちのパーティに襲い掛かってきたのだ。
 俺たちは必死に戦ったが、魔王軍の幹部のあいつの戦闘能力は文字通り、人知を超えたものだった。
 俺たちをあっさり壊滅させると、ただ一人残った俺を嘲笑いながら、そいつは言った。

 「次はもう少し私を楽しませてくださいね。」

 復讐を誓った俺は必死で剣と魔法を磨き続けた。
 その甲斐あって、二年後には新たな仲間たちと共に魔王をその居城で追い詰めた。

 しかし、魔王のバックにはさらに恐るべき魔神が控えていた。
 魔王こそなんとか仕留めたものの、圧倒的な力を持つ魔神の前に俺たちは次々と倒れていった。
 そして、魔神の持つ凶悪な剣が俺の胸に刺さったところで、俺の意識は途絶えた。


 ……気が付くと、俺は見覚えのある、ベッドの上で目を覚ましたところだった。

 慌てて起き上がると、自分の手足が随分と小さくなっていることに気付いた。

 俺は幼馴染を助けて、前世の記憶を取り戻した場面まで戻っていたのだ。

 今までの事は夢だったのだろうか、それとも『時間の巻き戻し』が起こったのだろうか…。
 いずれにしてもやることは変わらなかった。

 俺は大切な友人や仲間を失わないために7年後までには魔王軍の幹部を、9年後までには魔神を倒せるくらいに自分を徹底的に鍛えなければならないのだ。


 「二周目」は一周目より明らかに成長が早くなった。もともと能力の成長がゲームでやりこんでいたシステムに非常に似通っていた上に、前回の経験が大いに役に立ってくれた。
 そもそも覚悟が根本的に違ったのだ。
 信頼できる幼馴染とは情報を共有したうえで、俺たちは着実に実力をつけていき、魔道戦士の俺と回復・支援魔法のエキスパート・白魔道士のエルザ、重戦士のダイドーの三人で連携を組めば、魔王軍四天王の「あいつ」にも十分勝算が持てるくらいの自信がもてるようになっていった。

 それでも、「あの日」が近づくにつれて、俺の不安は高まっていった。
 あいつがそのままの実力でいるのか?さらにあいつ以外にも強敵がいるかもしれないのだ。

 そして、「運命の一〇月一〇日」、俺たちはメルキドの町の冒険者ギルドに足を運んだ。

 「予定通り」昼食後にギルドの受付に近づいていくと、あの時同様初心者パーティーが冒険者登録をしようとしていた。
 ……え?!あの時とメンバーが全く違うように見えるのだけど…。


(SIDE:瀬利亜)

 モンスターバスター養成機関の実習課題として『異世界で冒険者ギルドに登録』して、冒険を請け負ってみる…をやってみたのですが、始まって早々に大きな問題が発覚しました。

 自身も冒険者としての活動もしてきたという健人に手続きなどをお願いしたのですが、別の大陸の冒険者ギルドでシステムが微妙に違うということ、そして、最初の登録時に健人の仲間のデフォルドさんがてきぱきと手続きを済ませてくれたことから、健人がシステムを碌に把握していなかったことが分かったのです。
 さらに健人は頭は悪くないのですが、話下手なのでさらに苦戦しているようです。

 仕方ないので、受付のお姉さん相手にしどろもどろになっている健人に代わって私と橋本君が交渉にあたることになりました。

 「では、健人の職業は『勇者』ということで…。」
 「いやいや、それたぶん職業じゃなくて『称号』でしょ?!それから、いきなり勇者は目立ちすぎるよね?!」
 私が行動を間違えそうになると橋本君が適切に修正をかけてくれます。
 さすがは『突っ込み王』の異名を取るだけのことはあります。

 いつもなら望ちゃんが修正をかけてくれるのですが、今回は……健人が機能不全になっている現状では橋本君しかいませんね。

 「それからトラミちゃんの『運転手』もおかしいし……銀田一さんの『美少女探偵』てなに?!冒険者としての職業であって、日ごろの行動や、自分の希望を書く欄ではないよね?!
 あと、僕の職業に『突っ込み王』とか書くのはやめて!!」

 「ちっちっち、橋本君。私の場合は『美少女』と『探偵』は切り離せないのよ。銀田一初
といえば、美少女探偵。美少女探偵と言えば、銀田一初と完全に一体化しているの♪」
 「にゃるほど♪では、私も『美少女ドライバー』でお願いするのにゃ♪」
 「二人とも余計なことを言って、さらに事態を紛糾させないでくれる?!!」
 
 橋本君が必死に叫び、受付嬢さんは完全に固まってしまっています。
 ううむ、『セルフプロデュース』はとても大切ですが、この場ではTPOをもう少し考えた方がいいかもしれませんね。


(SIDE:デューク)

「ねえ、デューク。固まってしまってどうしたの?状況はそんなに悪いのかしら?」
 冒険者ギルドの受付カウンターの様子をうかがっている俺の様子がおかしいのに気付いたエルザが訝しがっている。
 近所の神父の娘だったエルザはもともと神官希望だったせいか、しっかり者だ。同い年なのに前世の記憶を取り戻すまでは完全に俺のお姉さんポジだったし、記憶を取り戻した後も、実務的なことも含めてとても頼りになっていた。
 だからこそ、前世のこと、一周目の事もエルザにだけはすべて打ち明けたのだが…。

 気のいい脳筋戦士のダイドーは受付カウンターでの不可思議すぎるやり取りに完全に固まってしまっている。俺すら理解不能なやり取りはダイドーにとってはさらに不可解なはずだ。

 「…ええと、受付に来ていたメンバーが『想定と違う』ようなんだ。もう少し様子を見よう。」
 半ば呆然としながら、俺はエルザに伝えた。

 彼らは確かに初めて冒険者登録をするようではあるものの、年かさの青年を除いては非常に落ち着いているように見える。
 特にリーダーと思しき銀髪の女性はいろいろな意味ですごく存在感を感じる。
 このことが一周目とどういう違いを及ぼすだろうか…。


(SIDE:瀬利亜)

 「そうそう、私の職業は『格闘家』でお願いするわ。」

 いろいろと試行錯誤しながらもなんとか受付が進みだしたころ、近くにいたむさいおっさんたちが私たちに近づいてくるのが見えた。

 「そして、あなたたちは『そんな細腕で、モンスター相手に格闘ができるのか?』と言う!」
 
 ニヤニヤ笑いをしながら私に近づいてきた大柄の戦士風のおっさんを初ちゃんが右手を指さしながら言い放った。
 言われたおっさんが固まった時、初ちゃんはどや顔で笑った。

 「なーに、初歩的な推理ですよ、ワトソン君。そこの筋肉ダルマから見れば、瀬利亜さんは一見細腕のか弱い女性に見えなくもありません。その筋肉ダルマがどや顔で近づいてくれば、口にするセリフなどおのずと似たようなものになるのですよ♪」

 ええと、初ちゃん。某漫画の某シーンを再現させた構成力は確かにすごいですが、どう見ても火に油を注ぐ言動になってますよね。
 と思ったら、予想通りおっさんは顔を赤くして怒鳴りました。

 「だから、どうしたと言うんだ!!その女の細腕で、たとえば俺をどうにかできるとでも?!」

 おっさんは言うなり、私に掴みかかってこようとします。

 こんな素人丸出しの動きをするおっさんをどうこうするのは何でもありませんが、どう動いたら騒ぎが最小限に収まってくれるでしょうか?
 私がおっさんが突っ込んでくるのを待ち構えていると、先にトラミちゃんが動き出しました。

 ゴイーーーン!!!
 「気絶ハンマー♪♪」
 謎の効果音と共にトラミちゃん本人よりもでっかいハンマーを懐から取り出すと、トラミちゃんは容赦なくおっさんの頭をハンマーで殴りつけました。
 おっさんは口から泡を吹いてぶっ倒れて、ぴくぴくと痙攣しています。

 おっさんの仲間を含めて、ギルド内が完全に固まってしまっている中、トラミちゃんはにこにこしながら宣言します。

 「安心するのにゃ♪『峰撃ち』だから、気絶しているだけなのにゃ♪」
 「ハンマーに峰もなにもないよね?!というか、そんなバカでかいハンマーでぶん殴って、本当に大丈夫なの?!!」

 「もちろん、大丈夫なのにゃ♪こんなでかいハンマーで加減なくぶん殴ったらこんなおっさんの頭くらいは卵を割った時のように軽く粉砕されるのにゃ♪」

 さすがはトラミちゃんです。無用な殺生をしないためのモンスターバスター講習をしっかり受けてくれているので、こういう時は安心です。

 さて、この事態を無理なく収拾させることもいい『実習課題』になってくれそうですね♪

(続く)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...