奥さまはモンスターバスター 時々 異世界召喚勇者

はなぶさ 源ちゃん

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 6 あるモンスターバスターの日記(ブログを書こう♪)

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※ 時系列的には第1話の2年以上前の話です。

◎月X日 私はモンスターバスターである。名前はまだない……。


 「そんなわけないじゃん!!うわーーー!!なに書けばいいかぜんぜんわかりません!!」

 「瀬利亜はん!パソコンとにらめっこしながら叫ばれて、どないしてん?!」

 自室で作業をしていると、用事で来てくれていた幼馴染の年上の友人の光ちゃんこと、錦織光一さんが声をかけてくる。

 「ほら、私この前、A級モンスターバスターに昇格したじゃん。それでモンスターバスター協会の日本支部長から、『若い子の感性でブログを書くよう』依頼されたの。
 モンスターバスターの知名度と好感度アップのためにできれば若い女性のモンスターバスターに匿名でブログを書いて欲しいらしいの。」
 「なるほど、それで、瀬利亜はんが指名されはったんやね。
 確かに『交渉の達人』『橋渡しの瀬利亜ちゃん』の異名を取りはる瀬利亜はんなら戦いだけやのうて、いろんなモンスターバスターの仕事の内容の紹介のブログを書けはるやろね。
 どんなブログになるか、わても楽しみや♪」
 話をしながら光ちゃんが嬉しそうに笑ってくれる。


 さまざまな怪異・怪物の脅威から人々を守るため、世界を股にかけた「モンスターバスターズ」チームが結成され、人知れず(?)世界の治安を守っていた。

 モンスターバスター達は「とりあえず能力のある」C級。
 「一芸に秀でた」B級。
 「一人で様々な事件に対応できる」A級の3つに分けられ、単独・あるいはチームで「警察や軍隊の手に余る」様々な「怪奇事件」を解決していく。

 「迷子になった妖精探し」から「ホラーハウスの怪」「海の大怪獣ゴメラ退治」など、モンスターバスター達に任せればどんな事件でも解決されていた。


 五年前、私が一〇歳の時に両親が行方不明になった後、私は『両親の仕事』を継ぐべく、まずは『さまざまな超常事件を解決するモンスターバスター』を目指し、必死で特訓を続けた。
 我が家の執事になってくれた巧さんは我が家に残されていた様々な『特殊技術』を伝授してくれた上、父と兄弟弟子だった武術の師匠に弟子入りすることで、私は日々精進を重ね、ついに中学入学後まもなくB級モンスターバスターになることができ、学校に通いながら仕事をすることになった。

 『ある事件』がきっかけで私は『特殊能力に開眼』し、先日A級モンスターバスターに昇格した。
 A級モンスターバスターとしての実践を経て、コンピューターのスペシャリストでもある光ちゃんや他の人達のサポートを得て、私は両親同様スーパーヒロインの『シードラゴンマスク』として活動できるようになったのだ。

 光ちゃんは私より六つ年上で、敵の能力を分析したり、さまざまなサポートアイテムを活用するスーパーヒーロー『電脳マジシャン』として活躍する仲間だ。
 二人とも単体でも活動するものの、同じ武術道場に通うこともあり、仕事上も私生活上もいろいろと一緒に行動することも多い。
 少し『お嬢様で天然(光ちゃん談)』な私にとって、年上で知識が豊富なうえに気配りのできる光ちゃんという友人がいてくれることは非常にありがたいのだ。

 「期待して依頼してくれたのはいいんだけど、私、日記とかほとんど書いたことがないから、なにを書けばいいのかさっぱりわからなくて困っているの。」
 「さよか…まあ、長続きさせながら、みんなに興味を引いてもらいたいんなら、瀬利亜はん自身がすごくおもろいとか、感動されはったことをそのまま文章にした方が伝わりやすい思うんや。
 瀬利亜はん、口八丁で伝える能力は高いんやから、しゃべりはる時の調子で、『ちょっとだけ読者を意識』されはると良さそうやねん。
 もちろん、個人が特定されんように注意は必要や思うけんど。」
 「うわー、さすが光ちゃん!すごくわかりやすいアドバイスありがとう!!
 じゃあ、いろいろ書いてみるから最初のうちは添削してくれるとうれしいな♪」
 「よっしゃ!ガンガン添削イクで!なんなら一〇割くらい削ってもいいんやけど♪」
 「……それ、丸ごと削除しているだけだよね…。」


 というわけで、ようやく『あるモンスターバスターの日記』が立ち上がることになった。


 『 ◎月●日 すっかり風も春らしくなり、雪女たちも山奥に帰っていく時分になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?』

 「いやいや、ブログに時候の挨拶とかいらへんから!
ていうか……雪女って渡り鳥みたいに季節によって移動するん?」
 「ありゃあ、時候の挨拶をちょっとひねると面白いかと思ったんだけど…。
 そうそう、雪女たちは実はみんなが思うよりはずっと人数も多くて、平和的なの。
 それで人里に交じって暮らしている人たちもたくさんいるんだけど、『桁違いに能力が高くないと』都会なんかの夏の暑さには耐えられないみたい。
 だから、普通の雪女の人達は四月下旬までは都市部から山奥や北海道に避難して、一〇月中旬くらいになると都市部に戻ってくるの。」
 「それ、おもろい話やね。そんな話もブログのネタになりそうやね♪
 ところで、雪女が人の精を吸う言うんはホンマなん?」
 「間違いです。親しくなった雪女の友達から詳しい話を聞いてます。」
 私はきっぱりと断言した。

 「体温が人間と比べて低いことが多いから、『交わる』と結果的に精を吸われたような感じになるとか…あわわわ!!」
 「そうなんや。『異種族ラブ』はなかなかハードルが高いんやね。それじゃあ、雪女と人間の男が夫婦になった言う民話がようあるけど、それも間違い?」
 「それは本当みたい。と言いますか、雪女は『女性しかいない種族』で、人間とか他の種族を婿にもらうことで成り立つ珍しい種族なんだって。
 ちなみに女性が生まれたら『必ず雪女』で、男性は『必ず元の種族』なんだって。
 本来は遺伝子が半々なんだそうだけど、胎内にいる時に『遺伝子を変質させてしまって』種族が分かれるようになっているそうよ。
 昔はそれで『一家離散』になることが日常茶飯事だったけど、最近では政府やモンスターバスター達の仲介で『一家が仲良く暮らせる』ようにいろいろサポートが入るんだって。
 少し話がずれるけど、吸血鬼も血を吸った人が吸血鬼になるわけじゃないから、『子供を作ることによってしか増えない』の。
 血を吸われることで『失血死』することはあっても、吸血鬼にはならないの。」
 「なんやて?!!そんじゃあ…少し前に瀬利亜はん、『真祖を粉砕した』言うてはったけど、あれは『オリジナルの吸血鬼』いう意味と違うん?」
 光ちゃんが目をハテナにしながら聞いてくる。

 「それは『純血』という意味で、『混血していない方が吸血鬼としてのポテンシャルが相対的に高い』ということになるわけ。
 そうでなかったら『吸血鬼が世界中に増えて困る』事態になっているよね。
 ちなみにごくまれに『凶悪な吸血鬼』もいるけど、大半は善良な市民だから。
 たまにガラの悪い暴走族がいるとライダーのイメージが悪くなるのとおんなじで、凶悪な吸血鬼がでると、吸血鬼自体のイメージが悪くなって、『善良な一般吸血鬼さん』たちにとってはものずごく迷惑な話なのよね。」
 「うわー、その辺の話もおもろいね。
 そうや!!子供たちがモンスターバスターのお姉さんにそういうモンスターバスターの仕事に関する質問をして、いろいろ答えていくコーナー…みたいなんはどないやろか?
 好奇心旺盛な『コーイチくん』がいろんなことを質問して、物知りの『モンバスおねえさん』にそれに対して回答していくんや♪
 あるいは、最初だけ『ハテナくん』みたいな架空の男の子が質問して、次からは『質問を一般募集』してもいいかもしれへんで♪」
 「光ちゃん、ナイスアイデア!!さっそくそれやってみよう!!」


 『 ◎月●日 わがはいはモンスターバスターである。名前(ハンドルネーム)はまだない。
学生もすなるブログというものをモンバスの私もしてみんとてするなり。

 すっかり風も春らしくなり、雪女たちも山奥に帰っていく時分になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 というわけで、(どういうわけだ?)今日から現役モンスターバスターである私がブログを始めてみました。

ハテナ 「ブログ開設おめでとう!おねえさん♪
 始めまして♪僕はハテナくん♪
 好奇心旺盛なただの男の子さ♪
 ところで、モンスターバスターのおねえさん、略して『モンバスねえさん』と呼んでいい?」

ねえさん「いきなり、ぶしつけだけど、おねえさん太っ腹だからどんとこいだわ!」

ハテナ「うわー、おねえさんありがとう!!早速だけど、モンバスねえさんに質問です♪
 『雪女たちも山奥に帰っていく時分に』てあるけど、雪女って渡り鳥みたいに季節によって移動するの?」

ねえさん「ハテナくん、なかなか目の付け所がいいわね♪実はね…。」


 記念すべきブログの第一回はこんな感じで始まったのだった。
 これを読んだモンスターバスター協会日本支部長は卒倒し、私のモンスタ―バスター関連の友人たちからはおおむね好評でした。
 なお、最初は多くの人から冗談ブログだと思われていたようですが、時々『本物でないと説明できないリアリティー』が入りだしたため、当初数十アクセスから始まったブログはあっという間に数百~数万アクセスの人気ブログになったのでした。

 なお、本物のモンスターバスターのブログと認知されてからは『超常関連の様々な問い合わせや真面目な相談』が相次ぎ、専用の質問サイトへ転送することになりました。

 なお、このブログを立ち上げて一年後、海の大怪獣ゴメラが『地球防衛軍に撃退されて逃げていく写真(※本当は私が撃退しましたが、地球防衛軍のイメージダウンを避けるため手柄を譲りました。)』をアップしたところ、書き手が『正義のスーパーヒロイン・シードラゴンマスク』とばれて、えらい騒動になったお話は…またの機会に。

(※ばれた原因は二つあり、一つは『腹を上にして降伏のポーズを取るゴメラ』の写真を私がアップしたこと。もう一つは有名写真家のブロガーの人が私(シードラゴンマスク)とゴメラが格闘戦を繰り広げている写真をいくつもブログにアップしたことらしい。
 写真家の方、肖像権を考えてくれないと困りますよ…。)
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