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カモ吉

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何でもなかった日々たち

校庭とノンビリ女

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『おっそいなぁー』

もうついてもいい時間なのにいつまでたっても
来る気配のないやつを考えながら授業を受けていた。

『まあいいかー』

こないなら来ないで連絡くらいよこせばいいのにと
思いながら思考を止めた。

授業の内容は生物。植物の範囲で今は校庭のはずれで
先生の話を流し流し聞いていた。
今目の前でどーでもいいことを垂れ流しているのは
生徒からの評判の割といい方の確か…

『そう、新谷先生。』

『ほい。槙原どうかしたか?
お前が授業で質問なんて珍しいな。なんかいいことでもあったか?』

『え?あ、そうです。こんな晴れてる中外に出られて
鬱々とした感じがまぎれたなぁって思ってたんですよ。』

『そうだな。確かにこんな日に中に引きこもってたら勿体無いし、外での授業で正解だったかもな。』

『そ、そうですよねー』

『でも、しっかり話はきけよ?一応授業だ。』

『はい』

バレてたか。

そう私はいわゆる内弁慶というやつに近い。
ある程度信頼関係のできているやつには、
心を開くことができるが、そうでないやつと話すのは苦手。
楽しく談笑なんてできやしない。

あーあ。早くやつがこないかなぁー

先生はすでに授業モードに戻っていた。
対して私は晴れたこの空とは真逆のどんよりとした言いようのない気怠さで、擬態していた。

ーーーーーー幕間ーーーーーー

『すっかり話しこんじまった』

『授業も半ば過ぎてるし、どうせあいつも怒ってるし、このままふけちまおうかなぁ。』

こんなことを考えつつも悪い気はしない。
何故なら。

『それにしても…さっきの子なんか謎めいてて、何ていうか、この…そう。うまく言えないけどよかったなー』

そんなこと思っても意味はないのだが。
特に俺みたいな無気力系男子はあまり女子と交友関係はない。
口癖が、『眠い』『腹減った』『疲れた』なんて三拍子揃った俺はよくていい人どまりだろう。

いくら無気力といっても年頃だ。
男でも女でも異性に興味がないと言えば嘘になるだろう。
まあ、それをバカらしいと諦めてしまう反面もあるのが
俺なんだけども。もっとも名前すら教えてもらえなかった関係で
ある。最初から捨て牌待ったなしだ。

『すみません。遅れました』

『また、矢島か』

『はい、その矢島です』

『まあいい。どうせ寝坊だろ?その様子じゃろくに朝飯も
食ってないな?早めに終わらせてやるから休み時間に
少しは腹に何か入れとけよ』

『おっしゃる通りです。ありがとうございます』

『うん。素直でよろしい。お前はこのルーズささえなければ
素行は悪くないはずなんだがな』

『耳の痛い話です』

『わかっているなら直す努力をしろ。
早く周りに進捗状況でもきいて追いつけ』

『はい』

俺はおとなしく従う。長い物にはまかれろだ。
新谷先生は入学当初からの付き合いだ。気質が似ているのか、
何かと気にかけてくれる。エピソードがあるわけでもないし、
担任というわけではないが、恩師を選ぶならばこの人だろう。

『さて、なにやってんだこれ?』

『…』

『無視すんなよー、俺とお前の中じゃんか』

『…』

『ごめん!悪かった。あとありがと!!』

『…』

『なあ』

『帰り』

『了解しました。槙原紗理奈殿。』

『うむ』

『で、早速だが…』

『ん、これ』

『サンキュ、ニーナ様』

『おだててもなにも出ないぞー』

『またまた』

『…』

『これに要点まとめてある』

『やっぱり流石だわ』

『見くびってもらっちゃ困るぜー』

『お、やっといつもの調子が出てきたね?』

『うるっさいぞ!遅刻してきて更に授業妨害か?さっきの素行に関しては見直す必要があるかもしれんな?んー?』

『すみませんー。ちょっと手間取ってて』

『話すにしてももう少し静かにな』

『それは先生としてどうなんですか』

『槙原。お前は怒られたいのか?さっきも話をボケーとして聞いてないし、今度はこれだ』

『それはそれこれはこれじゃないでしょうか』

『そうか、なら私にも考えがあるぞ。やはり授業は時間目一杯つかわんとな』

『バカっ、ニーナ!』

『あ』

『お前らは仲良いな本当に!』

『先生。考え直してくれませんか?』二ヘラ

『知らん。考え直すつもりはない』

『そんなぁ…』

『いい気味だー』

『なんだとこのアホニーナ』

『勝手に言ってればいいー』

このアホのドチビは槙原紗理奈。サリナなのになぜニーナかって?それは単純に小さかった時の俺がサリナをサニナに聞き間違えて覚えていたからだ。

でも愛称としてはいいと思うし、なんだかんだずっとそう呼んできたから今更変えるこもアホらしいのでニーナと呼んでいる。その頃はみっくんと呼んで可愛らしいもんだったが今はこの有様である。

『光国』

『ん?』

『おはよ』

『おはよさん、いろいろサンキュな』

『ん、わかればいいのー』

『そりゃどーも』

『光国がダメ山ダメ太郎なことは私が知っているー』

『そーかい』

『またそうやってー』

『面倒いからパース』

『帰りヤシの実亭ね』

『またかよ』

『いーじゃん』

『ふーんまあいーけどね』

なんだかんだでこいつが1番落ち着く。付き合い長いし。

『うげ』

『…青臭っ』

『さっさと終わらずぞ』

『光国がノロノロしてなければとっくにおってたー』

『あーそーかい』

『そういうことでーす』

”懐かしいねニーナ思えば1番長かったんじゃないかな?そして俺の1番の心の支え。
あーねがわくばこの時間がいつまでも続かんことを”

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