Please. help me and lest me

カモ吉

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何でもなかった日々たち

屋上とカツサンド男

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そんなこんなで1時間目が終わり、
その後も滞りなくいつも通りの日常だった。
先生は言葉通り目一杯時間を使ってくださり、
昼休みには、おかげで俺は空腹がピークを
通り越して痛くなる程だった。

だがまだ終わりではない、
放課後だ。俺は部活に入っている。
部活とは名ばかりの幽霊部員ならぬ幽霊部活だが、
だが幸い今日は活動日ではない。

ならなにが残っているのかと思う方もいらっしゃるだろう。
支払いだ。ニーナに借りを返さなくては…。
ニーナの指定したヤシの実亭はつまるところ、あいつの家だ。
あいつのおじさんが趣味で営んでいる小さな喫茶店が正体である。おじさんはなぜか俺の事を気に入っている様子で遊びに行くたび、
何かとアホみたいなこという。というのも

『婿に来ないか?』『結納はあとでいい』『神前婚でいいか?』
『二世帯ではダメだろうか?』etc.

言い出したらきりがない。おそらくオレオレ詐欺よりタチが悪い。
そんなこんなで憎からず思っていながらも近寄りがたいなんとも
形容しづらい人なのだ。先ほどは喫茶店と訳してしまったが、
実際は軽食屋といったほうが通りがいいかもしれない。

おじさんはとにかく無駄に多才だ。前に聞いた話では腹話術まで
できるらしい。本当に才能の無駄遣いのすぎる人だ。
ある意味尊敬の念すら芽生えるレベルである。

そんなことを考えながら歩いているとついてしまった。
『ヤシの実亭』なにを考えてこの名前にしたのか全くわからない。
店の風貌はウッドハウスにどでかい看板が貼ってある感じ。
しっかりとしたデッキもあり、ちょっとしたものだった。

『いらっしゃい。おかえり紗理奈、みっくんも』

『ただいまーおとうさん』

『おいまて、俺はお邪魔する立場だ』

『そんな寂しい事いうなよって感じだ、どうにか?』

『もういいよ』

俺はため息をつきながらカウンターに腰掛けた。
そう俺の某ミュージシャンへのリスペクトのソースはこの人だ。
小さい頃から聞かされて育った。
店でかけているのも大体そんな感じだ。
まあ、別にいいけど。

『とにかく何か食いたい』

『確かに血色悪いね。朝寝坊でもしてそれで
うちの紗理奈に借りでも作ったってとこかな?』

『まあそんなとこ』

この人の勘の鋭さはいつもの事なのであまり
特筆するべき事ではない。疲れるしね?

『それじゃカツサンドなんてどうかな?
揚げ過ぎちゃって少し余ってるんだけど』

『もらう』

『んじゃ、ちょいまち』

『…』

『着替えてきてたのか?』

『そう。制服疲れるし』

『お前は相変わらずせたけのびねぇなぁ』

『伸びてる』

『かわんねーよ』

『光国が伸びすぎまるでゴボウ』

『ゴボウはカツサンドなんて食わねーよ』

『ふーん』

『なんだよ』

『今日は貸しのへんさいできてるんだよねー』

『そうだな』

『じゃあ、奥に行こー』

『俺カツサンド頼んだんだけど?』

『勝手に届く』

『なるほど』

『hurry up』

『へいへい』

そんなこんなで奥の部屋。あいつの部屋だ。
あのねー今更ドギマギしないよ?昔っからきてるし時々くるし、今更そんな事で…ねぇ?

『で?なにすんの?』

『別にノンビリするだけー』

『あそ』

『ノンビリが1番』

『あ、そういえば』

『なに?活動日じゃないでしょーきょー』

『部活じゃない』

『んじゃなにー?』

『変わった人にあった』

『それこそ大ばさみ煌めかせながら
追ってくるワープ男とかじゃなきゃ驚かないよ?』

『そんなんじゃねーけど、今朝違う学校の生徒が
うちの学校に来てたんだ。』

『今朝?』

『道知らないのに道案内したり、
語尾にカナが付いてたりとにかくよくわからないやつだった』

『本当に今朝?』

『そー』

『光国ついに幻覚が…』

『ちげーよ!確かにキャラたちすぎてもはや
フィクションっぽいけど。』

『でー?』

『まあ、可愛かった』

『女?!』

『びっくりしたなぁ!』

『光国が?話せた?』

『バカにしすぎだろ?!』

『それで?』

『名前聞いていて…断られた』

『あはっはは』

『そこまで笑う事ないじゃんか』

『あっははっはは』

あー、こいつツボ入ると長いんだよなぁと思っていたら
ケータイにメッセが届いた。部長からだ。

『学校に来い?』

『あっはははっふっふふ』

ニーナはまだ笑い転げてる。

部長もなんだかんだ曲者である。
むかし、今ほど丸くなる前は近くの界隈じゃ知らないもの
のいない大グループの頭はってたとか、先生に詫びのため
といって、根性な焼きを入れさせたりだとか、
今は見る影もないメガネの似合うただの優男だが切れた時の
目力が常任の何倍も違う。それと発想が斜め上すぎる事を
除けば常識人。

つまり、おとなしく言う
事聞かなきゃなにされるかわかったもんじゃない。
ま、あくまで噂だが。

『ちょっと出てくるわ』

『あっははははっちょっとまって』

そうして俺は学校は向かった。

『紗理奈。カツサンドできたから持って行ってくれ』

『光国学校行ってくるって言ってたし届けてくる』

『そっか?なら飲み物とお前の分もいれとくなー』

『…いーのに』

学校に着いた。そして最初に目指したのは部室高等部の本校舎の
裏側に別棟があるそこの1階の奥から2つ目が我らが探索部の部室
だ。立て直した本校舎と比べ昔からある別棟は、薄汚れていてところどころガタがきはじめている。なんとも雰囲気のあるところである。

『日が沈み切る前に間に合ってよかった。』

まだ夏だということもあってかまだ太陽は沈みきっていなく、その焼けるような赤さをこのまちに放ち続けていた。

部室に着くと部長はいなかった。ここではないらしい。第二候補としては本校舎の屋上の自治会倉庫が怪しいと睨んだ。そこには部活の道具がしまってあるからだ。屋上へ踵を返した。

ーーーーーー幕間ーーーーーー

学校につくと校舎が夕日で赤く染まっていた。それがとても綺麗に見えて何気ない風景なのについ見とれてしまっていた。すると光国が本校舎に急いでいるのが見えた。なにをしているのか。毎回突拍子のない事をする部活だがこんな時間になにをする気なのやら。

『おーい、光国ー?』

声をかけるが聞こえているそぶりがない。
何度かやっているうちにだんだん腹が立ってきた。
私がご飯を届けてやっているのにあのバカはと
そして追いかける事を決めた。決めてしまった

ーーーーーー幕間ーーーーーー

屋上に着くと一面の赤色。とにかく眩しかった。一瞬目を背けるも人影はない。また見込み違いだったのかと確認するために倉庫の方向へと歩みよる。倉庫には鍵が刺さったままだった。無用心この上ない。中を確認して締めてしまおう。

倉庫の中は薄暗く夏だというのに少し肌寒かった。それどころか風がないのに風を感じるほど異様であった。そして

それがいた。いや、あった。残念な方向に予感は的中してしまった。そこには部長が在った。

ーーーーーー幕間ーーーーーー

『うわああぁあわぁああぅあ!!!!!』

『光国!?』

光国が叫んでいる。この静まり返った校舎に。
では一体なぜ?誰が?どうして叫んでいるのだろう?嫌な汗が全身から一気に吹き出た。
そして走った。

ーーーーーー幕間ーーーーーー

どのくらい叫んだだろう。なぜ叫んでいるのかも忘れるくらい頭はパニックだった。見なければよかった。こんな事になるなら。メッセなんて見ても無視すればよかった。どうしてこうなってしまったのだろう。なにがいけなかったのだろう。
そうして彼の物語は捻れた。

ーーーーーー幕間ーーーーーー

ついた頃にはもう悲鳴は止んでいた。開ききっていないドアから明かりが見えた。そこから出てきたのは亡霊のような幼馴染だった。
先程まで自分と話をしていた彼とは思えない顔つきだった。どう捻ればこうなるのかそういう捻れた表情だった。中がとても気になったが亡霊が先へ進ませてはくれなかった。私は諦めて屋上の脇で話を聞く事にした。

『なにがどうしたのか説明して』

『どうもこうもない』

『なぜ叫んでいたの?』

『言いたくない』

『あの中になにがあるの?呼び出された事と関係があるの?』

『わからない。とにかくあれはヤバイ』

『もう平気なの?』

『危険はないと…思う』

『そうじゃなくて光国は平気なの?!』

『…』

『ダメじゃん』

『疲…れた』

『そう』

『なんで』

『とりあえず私も確認してくる』

『やめろ!』

『なぜ?』

『いいから』

『そんなに声を荒げるなんて普通じゃない』

『普通でなんかいらんないさ!』

パッと走り出した彼女。そして伸ばした手が引き戻す。しかし、勢いの乗った彼女を支えきれず。俺はとっさに手すりをつかむ。だが無抵抗に破砕音を立てて手すりは倒れていくのだった。そう。犯人がそうやすやすと目撃者を逃すわけがないとわかっていたのに。俺は無様な声をあげ、ニーナもろとも落ちていくのだった。


『ああ、また捻れた』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

”学園ミステリーじゃんこれ!なんていわないでよ?どんな物語にも山に登るまでの下準備があってこそさ。にしたって確かにファンタジーのファの字も見えやしないのは確かに問題だ。
だからね?そんな疲れた読者さんに朗報を持ってきたよ。次からは頑張る!って筆者が言ってたよ!やっとファンタジーになるのかな?次からは新章にもなるし期待してくれると嬉しいなぁ。声にならない声が今なによりもおしゃべりということで。そんな感想を期待してます。”

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