立ち直る少年 雄太

２章

器用貧乏はこうして作られる

一般的な会社に就職した雄太は、何が得意かは分かっていなかった

雄太は知らないが人事担当者も知らなかった

まずは、ルーチンルートと言って、順繰りに全ての部門を経験させられていった


当然その中で特別な技能もない雄太は器用貧乏なスキルを開花したとされる

経歴が積みあがっていく

本当はやってみたいことが有ったとしても、考慮されることなくルーチンルート

に乗せられてある程度年功序列で、一応の地位を築いてからやってみたいことが

叶えられるようになった


雄太はそれまでに積み上げたスキルを使って、最もやってみたかった

あることを会社で始めた


しかし、器用貧乏なスキルでは特筆すべき結果を出せるはずもなく

車内で煙たがられていることは分かっていた、そこで

SNSで出会った専門家を頼み夢を一歩一歩実現に近づけていった

（退職金の前借で専門家にアドバイスをもらった）

少なくないお金がかかったが、充実した日々を過ごしている


雄太は以前から自分の能力に疑問を持ち専門家を会社に隠れて働いてもらい
能力の底上げに手伝ってもらっていた

そこで専門家の扱い方と言っては悪いかもしれないが、付き合い方を知っていたのが
功を奏した

奥さんはぶつぶつ言っていたが、生き生きと働いているのを見て
我慢することにしたようだ


「今まで我慢してきたのが報われるのが今だと思えば全力で応援します」

と言ってくれた

そうして家族全員で協力応援してくれることになりました