四人の勇者

福澤賢二郎

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第三領の勇者

13.森の中

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《天野翼》
僕達は北にある平原を抜けて森に入った。
近くで第三領の勇者達が魔王の軍と戦闘しているはずだ。
何かを感じる。
殺気だ。
それも人間では無い。
「みんな、気をつけろ。何か感じる」
アリスが驚いたように僕を見る。
ファンも同じだ。
(君、どうしたの?)
「感じる。上だ!」
ショートソードを突き上げる。
そこには異形の者が突き刺さっていた。
それを地面に捨てる。
そして、次々と木の上から飛び降りてきた。
手足が長く、異様に細い。
目が黄色で黒目が縦に長く、不気味だ。
奇声を上げながら翔びかかってくる。
うわーー。
アリスが僕の前に出て切り伏せていく。サイラスは僕の後方を守る。
「ツバサ様、このまま進みます」
すると、盾に雷の紋章を描いた兵士達が現れた。
それを見た奇形の者達は一斉に退却をし始める。
「大丈夫か?」
声のした方を見る。
白馬に乗った大柄な男が現れた。
黄色の鎧を身につけ、手に持つ剣には稲光が出ていた。
「あなたが第三領の勇者ですか?」
「そうだ。私の名はアレキサンダー。世界を征する男だ」
「僕は第四領の勇者であるツバサ.アマノだ」
「お主が噂の無能の勇者か」
「無能?」
「気にするな。ついて来い。食事ぐらいもてなそう」
僕は無能と呼ばれた事が腹に立ったが、空腹には勝てなかった。

アレキサンダーの背中を見ながらファンに尋ねた。
「ファン、あいつ、強いのか?」
(相当だよ)
「なんで、僕以外の勇者は強いんだ。てっ言うより僕が選ばれる事自体が間違いじゃないか」
(うん。そう思う。でも、何故、敵がいるとわかったの?)
「なんとなく感じた」
(ふ~ん)
「それより、アイツの力を見せてくれないか」
(了解)
ファンは空中を指さす。

【名前】アレキサンダー
【種族】人間
【LEVEL】LEVEL-697
【攻撃力】3739
【防御力】3803
【回避力】2853
【魔力】 832
【スキル】締め付け殺し
【特殊能力】神の怒り 神の矢

「この人もメチャクチャ強いじゃん」

僕はため息をつき、愛馬ホクトとポツポツとアレキサンダーの後をついて行った。
(元気だせよ)
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