キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

無似死可

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第1章 貴族編

11.神殿からの使者

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 今日も、朝から、孤児院に出かけることにした。

 孤児院の玄関で、シュリに出会った。なんだか、不安そうな顔をしている。

 「シュリ、お早う」

 「あっ、キリ様、お早うございます」

 「何だか、浮かない顔をしているわね」

 「実は、昨日なのですが、キリ様が帰られたあとに、神殿から、官吏の人が来まして、孤児院の様子を見せてくれと、言われました。でも、責任者が不在なので、後日にしてくれるように頼みました」

 「そう。神殿からね?」

 「今日、もう一度、来るそうです」

 「分かったわ。シュリは、気にせずに、普段通りにしていていいわよ」

 「はい」

 私に話して、少しは落ち着いたようだ。神殿と聞くだけで、少し緊張しているみたいだ。理由を確かめておかないといけないかも知れない。

 調べたところによると、神殿には、魔法が使える平民が奴隷のように働かされているという噂がある。実際に、私は、自分で見たわけではないけど、本当のようだ。

 それに、最近は、治療に対しても法外なお布施を要求してくることがあるようで、怪我と言えども、おいそれと神殿に連れていけないようだ。それに孤児院を神殿の管理下から外れて運営することを好ましく思っていないようだ。

 暫くして、神殿からの使いがやって来た。

 「お早うございます。私達は、神殿から孤児院を視察に来ました」

 「どうぞ、中に入って、見てください」

 「構わないのですか?」

 「もちろんですよ」

 「それでは、失礼します」

 3人は、孤児院の中に入って、施設を見て回った。

 「ここで、働いている者は、ボランティアですか?」

 「いいえ、給料を払っています」

 「でも、孤児からお金を貰えないでしょう?」

 「そうですね。でも、いいのです。孤児院自体が、私の趣味ですから」

 「あの、失礼ですが、何か、商売でもやっているのでしょうか?」

 「私は、これでも貴族ですよ」

 「あっ、失礼しました。このような場所なので、てっきり、平民の方かと、思っていました」

 「どうも、誤解があったようですね。」

 「そのようですね。スラムの中に急に孤児院ができて、子供を集めていると聞いたので、何か、悪い事でもあっては行けないと思い、やってきました」

 「それなら、納得していただけましたか?」

 「はい、貴族の方が経営していると聞いて、安心しました」

 「そうですか。また、何かあれば、遠慮せずに、来てくださいね」

 「はい。それでは、今日は、失礼します」

 神殿からの使者は、何事もなく、帰って行った。でも、後で、神殿の様子を知っておかないといけないように感じた。この孤児院が神殿の注目を集めたということだから。

 孤児院の近くに創った薬草畑に従業員がやって来た。早速、栽培の開始だ。暫くしたら、工場で、ポーションづくりを開始する。そちらの方も、少しずつ、募集を聞いてやってきている。

 でも、このスラムの人達を使って、安定した生活をして貰いたいので、何か、宣伝をしないといけないわ。

 この土地に詳しいシュリに聞いて見ることにした。

 「ねえ、シュリ、今、少しいいかしら」

 「はい、何でしょうか?」

 「私は、この近くに、ポーションの工場を作っているの。そこで働く人を、このスラムから、雇いたいと思っているの。でも、まだ、誰も、採用できていないの。何か、いい方法はないかしら?」

 「多分、用心しているのだと思います。条件が良すぎるのでしょう」

 「条件が良いとだめなの?」

 「はい、騙されると思って、用心していると思います」

 「それなら、どうすればいいの?」

 「日雇いを雇い、確かに支払いがされることを示すことです」

 「そうか、毎日、お給金を出せばいいのね」

 「そうです。そうすれば、徐々に人が増えると思います」

 「ありがとう。早速、やってみるわ」

 私は、シュリのアドバイス通りに、近くで、ぶらぶらしている若者を何人かに、声を掛けた。

 「私は、この近くで、工場を作っているものでけど、少し、仕事を手伝ってくれない?」

 「いくら出す?」

 「そうね。半日で、銀貨10枚では、どうかしら?」

 「そんなに貰えるの? 本当? でも、大変な仕事じゃないの」

 「工場の中の整理と掃除よ。それほど、大変じゃないとおもうわ」

 「そうかなぁ? 皆、どう思う」

 「暇だし、しんどかったら、帰ればいいよ」

 「そうだね」

 「途中で、帰ったら、お金は貰えないの?」

 「3時間で、銀貨10枚だから、それに見合った額は払うわよ」

 「よし、それなら、試しに行って見よう」

 私は、工場で、仕事の指示をした。工場内で、荷車で、荷物を運んだり、掃除をするだけなので、結局、全員最後まで、仕事をこなした。

 「ご苦労様。今日の仕事は、これで終わりよ。 それでは、約束の銀貨を渡すわね」

 私は、1人に付き銀貨30枚を渡していった。

 「あれ、銀貨20枚と言ったじゃない? これ、多いよ」

 「いいのよ。皆、集中して仕事をしてくれたから、おまけよ」

 「ありがとう。また、声を掛けてよ」

 「いいわよ。明日の朝に、ここに来てくれたら、同じ様に仕事を頼むわ。友達を連れて来ても良いわよ。仕事は、いくらでもあるからね」

 「分かった。周りの皆にも、声を掛けておくよ」

 「よろしくね」

 私は、若者と別れて、ミユのいる城に転移魔法で、帰った。そして、今日一日のことをミユに報告した。 
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