キリの異世界探検( Kiri's Otherworldly Exploration)

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第4章 教会(対決)編

70.王宮の秘密

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 ザーセン王国について、色々な事が分かった。以前から、この国は、神殿に牛耳られていると思っていたが、実際には、神殿ではなくて、教会にだった。

 軍隊は、王宮を守っているように見せかけて、実際には、教会を守っていた。王宮の周りには、神殿に見せかけた建物が4つある。その内の一つは、教会の教皇の住む建物だ。それ以外の3つは、軍隊が、待機している建物だった。

 私達が、このまま、王宮に攻め入ると、ザーセン王国と戦争を開始することになる。既に、宣戦布告は、しているが、今のままなら、リーグリ王国を守るためだと言えないこともないが、これ以上は、言い訳できない。

 私は、ミユに思念伝達で連絡を取った。

 「ねぇ、この後は、どうしたらいい?」

 「そうね。このまま、攻めてもいいけど、これって、どう思われるかしら?」

 「あれ? ミユって、はた目を気にするのだった?」

 「勿論、気にするわよ。特に、私達は、正しいことをやっているって、思っているもの」

 「これ以上攻めると、正しくないってこと?」

 「そうよ。キリ、やりすぎってことよ」

 「そうかなぁ? よく分かんない」

 「軍隊を攻めるのは、いいけど。教会は、だめよ」

 「そうなの? だったら、どうするの? ミユにいい考えがあるの?」

 「勿論、無いわ」

 「なーんだ、私と同じじゃん」

 「キリと、同じってことはないのよ。だから、今、キリを止めているでしょ」

 「ふーん、よく分かんない」

 「キリ、少し考える時間を頂戴」

 ミユは、思念伝達を一方的に切ってしまった。

 私は、カルロスを呼び寄せて、王宮を攻めるのに、どのような方法があるかを検討させた。

 それから、隠密チームのエプリに思念伝達で連絡を取った。

 「エプリ、ちょっと、頼みがあるの」

 「キリ様、何でしょうか?」

 「隠密チームの1隊を王宮に忍び込ませてくれない」

 「分かりました。それで、何をしたらいいのでしょうか?」

 「王宮に、魔人が居ないか、調べてくれる? それから、隠れて勇者を召喚していないかも、至急、調べて欲しい」

 「分かりました。至急に、侵入させます」

 「よろしくね」

 私は、エプリとの思念伝達を切った。私は、思念伝達を切ってから、指示が間違えたことに気が付いた。今回は、国王より、教皇の情報を得るべきだったわ。だったら、王宮を調べるより、4つの神殿に見せかけた建物を調べるべきだったわ。そして、教皇がどのような人物なのかを知るべきだったわ。

 でも、一度出した指示を直ぐに変更するのは、少し、恥ずかしくて、実行できなかったの。ミユより、私の方が、傍目を気にしているみたいね。

 少し、眠くなってきたので、パープルに添い寝をして貰いながら、ベッドで、横になっていたの。

 勿論、パープルのふさふさの毛の中に潜り込んだわ。いつの間にか、寝入ってしまっていたの。やはり、疲れていたようね。

 起きてからも、暫くは、ベッドで、パープルに抱き付いていたの。そしたら、エプリから、思念伝達で、連絡が入ったの。

 「キリ様、エプリです」

 「どうしたの? 朝、早くから」

 「いえ、キリ様が、至急調べろと仰っていたので、こんな時間ですが、連絡しました。迷惑だったでしょうか?」

 「そんなことは、無いわ。ご苦労様。教えて」

 「まず、勇者の召喚に関してですが、王宮には、そのような痕跡はありませんでした。ただ、神殿を調査しないと確実ではありません」

 「分かったわ。国王は、勇者召喚と関わっていないと、言うことね」

 「その通りです。次に、魔人の件ですが、王宮の各部屋を調べた所、国王の家族以外には、王宮には、兵士のみでした」

 「ふーん、王宮に、国王の親族が全員いるの?」

 「その通りです。それぞれが、自分の部屋におり、ドアには、兵士が守っておりました」

 「その兵士達は、本当に、守っているの? それとも、監視しているの?」

 「そうですね。キリ様が仰る通り、守ると言うより、監視していると言った方が、近い感じがします」

 「それで、国王は、どんな様子?」

 「国王の傍には、兵士しか居ませんでした。宰相とか、実務を担当するような官吏は、見当たりませんでした」

 「へぇ、そうなの? 侍女や執事は、居たの?」

 「いいえ、本当に、兵士だけでした」

 「分かったわ。ご苦労様。それでは、次に、教皇について、調べてくれる」

 「分かりました。至急、調査を開始します」

 「あっ、今度は、至急じゃないわ。ゆっくりで、いいわよ」

 「はい、了解しました」

 私は、少し、これまでを整理してみることにした。

 まず、リーグリ王国の神殿長が魔人を使って、色々と画策していた。特に、勇者召喚を国王に申し出ていた。

 教会が認めた者でないと、勇者とは呼べない。そして、勇者を召喚できるのは、ザーセン王国だけである。

 つまり、ザーセン王国の教皇が、承認しないと勇者召喚は、行われないということだ。

 だが、王宮の状態を考えると、そこには、国王は介在していない。

 表に出ている神殿の組織には、結果的には、それほど大きな力はなく、裏に隠れている教会が、大きな権力をもつ組織だということだ。

 しかし、教会については、まだまだ不明な事が多い。確かに、ミユの言う通り、用心しないといけないみたい。
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