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第9章 リザードマン編
909.テラの探検
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アストーリア大陸への定期便は、1日に1便出している。現在、船も4隻になっている。これも、シロッコス船長のおかげだ。後継者をしっかりと育ててくれている。それと、船の改善点を明確に指摘してくれる。
今は、まだ、料金をとっていない。というのも、主な目的が移住だからだ。多くの人に移住して貰いたいので、無料にしている。
「スピア、久しぶりに、アストーリア大陸へ、冒険に行かない?」
「テラ、行くよ。冒険、好き」
「よし、今日の便に乗っていこうか」
「うん。いいよ」
私達、2人は、アストーリア大陸への船の旅に出かけた。これまでは、船の操縦や改良点を考えるとか、ゆっくりと景色を見ることもなかった。
「海って、広いね。おっ、大きな魚がいる」
「テラ、クジラ、大きい」
「そうか、すごいな。この船ぐらいあるね」
「氷が見えて来たよ」
「テラ、寒い」
「そうか、部屋の窓で見ようか」
私達は、部屋に戻って、少し温まった。部屋の窓からでは、横の海しか見えない。ここにも、前方が見えるといいな。甲板では、寒い。部屋の装備や、広さも変えて、VIP用も作る必要があるかもね。
「船が、氷を割っているよ。凄い音だね」
「音、響くね」
「そうか、客の部屋の中では、こんなに音が聞こえるのか。これも、改善しないといけない」
違った立場だと、見える物違っていた。船長として見たり、船の技術者として見たり、客として見たり、すべて、同じ物が違って見えた。
「これまで、私は、本当は、何も見て居なかったかもしれないな」
「テラ、何、言っているの」
「落ち着いたら、スピアと今回みたいに、ゆっくりと旅行したいなって、言ったの」
「うん、いいね。テラ、いつも同じ、変わらない」
「ほんとだ、私、何時から、変わっていない」
「テラ、長生き。変わらない」
「ありがとう。忘れていたよ。どうしよう。急に変わるとおかしいね」
「テラ、旅行行こう」
「スピアの言うとおりね。旅行の間、知り合いに会わなければ、いいよね」
この旅が終わったら、長期に渡って、旅行をすることにした。その間に、次の身体を用意しよう。
「もうすぐ、アストーリア大陸のキャメール村に着きます。下船の用意をしてください」
船長の声が聞こえて来た。周りの部屋も、ばたばたと忙しそうだ。私達は、手ぶらなので、何の用意もいらない。
「それじゃ、行こうか」
「うん、行く」
最初に、キャメール村を見に行った。今回が、初めてだったので、色々と意外だった。まず、家が氷で作られている。氷の部屋は、動物の皮で覆われていた。これで、寝れるのだろうか?とても不思議だ。
「色んな物が売っているね」
「うん、あれ、食べたい」
「いいよ。食べよう」
あまり見かけない魚や動物の肉を料理した物が売られていた。
「おいしいね」
「テラ、これ、美味しい。スピア、気に入った」
スピアは、肉が気に入ったようだ。いつも食べている肉より、油が多いようだ。噛むと肉汁が溢れ出る。いつもは、赤身の肉で、しっかり、噛まないといけないが、この肉は、溶けるようだ。
「魚もおいしいよ」
「魚、熱い。スピア、だめ」
「あっ、そうだった。魚は、スープになっていたね」
私は、風魔法で、スープを少し冷やしてあげた。
「これでいいかな。少し、冷やしたよ」
「ありがとう。テラ」
スピアは、スープも飲み干した。スープも気に入ったようだ。
私達は、キャメール村で、雪車を借りて、探検に出発した。特に目的もないので、周りを確認しながら、ゆっくりと移動した。
「そうだ、南の港に行ってみよう」
「うん。いいよ」
私達は、ミーヤ国の港がある南に向かうことにした。港の近くまで、一気に移動した。そこで、雪車を隠して、隠密魔法で、姿を消した。
港の船が停泊している所に近づいて行った。
「おい、早く積み込め。グズグズするな」
「「はい」」
リザードマンの男達が大きな荷物を運んでいた。箱の中には、魚や肉などが入っているようだ。凍らせているので、重くなっているようだ。それとは、別に革を運んでいる。
「噂を聞いたか?」
「どんな噂だ?」
「ただで、仕事を貰えるって、噂だよ」
「どういう意味だ?」
「俺たちは、今、ミーヤ国に行くために働いているだろう」
「そうだ。船に乗せて貰うためだからな」
「そうだ。船に乗る料金分を働いているってわけだ」
「仕方ないだろう。これまで、何人もの仲間が、この方法で、ミーヤ国に渡っていったんだから」
「そこなんだ。働かないで、船に乗れるって、話さ」
「そんな美味しい話があるか?」
「それって、騙されているんじゃないか。何か、裏があるんじゃないか」
「それが、ただで、乗って帰ってきているって、話さ」
「ただで、乗ったやつがいるのか」
「そうだ、それも一人や二人じゃないんだ」
「本当か?それ、何処の村のやつらだ」
「キャメール村だよ」
「おまえ、それ、騙されているよ。最近、あんな田舎から、この港に来たやつはいないよ」
「そうだよ。最近、何故か、キャメール村の奴らは、ここに来ていない。でも、船に乗ったって噂だよ」
「ここ以外に船があるのか。俺は、見たことがないぞ」
「この船は、まだ、出航しないから、一緒に見に行かないか?」
「いいぜ、夕方の食事後で、どうだ」
「わかった。用意しておくよ」
どうも、キャメール村の事が話題になっているようだ。ミーヤ国では、荷役の仕事をさせる代わりに船に乗せているようだ。この大陸では、仕事がないのかもしれない。魚や動物を狩るだけでは、暮らせないのかもしれない。安く、買いたたかれているのだろう。
ミーヤ国の船は、何隻もあった。すでに、荷物の積み込みが終わっている船もある。出航直前の船もある。見渡す限り、船だらけだ。20隻以上は、あるようだ。
私達は、南の港を離れて、北に向かった。この大陸の中心に行ってみることにした。
今は、まだ、料金をとっていない。というのも、主な目的が移住だからだ。多くの人に移住して貰いたいので、無料にしている。
「スピア、久しぶりに、アストーリア大陸へ、冒険に行かない?」
「テラ、行くよ。冒険、好き」
「よし、今日の便に乗っていこうか」
「うん。いいよ」
私達、2人は、アストーリア大陸への船の旅に出かけた。これまでは、船の操縦や改良点を考えるとか、ゆっくりと景色を見ることもなかった。
「海って、広いね。おっ、大きな魚がいる」
「テラ、クジラ、大きい」
「そうか、すごいな。この船ぐらいあるね」
「氷が見えて来たよ」
「テラ、寒い」
「そうか、部屋の窓で見ようか」
私達は、部屋に戻って、少し温まった。部屋の窓からでは、横の海しか見えない。ここにも、前方が見えるといいな。甲板では、寒い。部屋の装備や、広さも変えて、VIP用も作る必要があるかもね。
「船が、氷を割っているよ。凄い音だね」
「音、響くね」
「そうか、客の部屋の中では、こんなに音が聞こえるのか。これも、改善しないといけない」
違った立場だと、見える物違っていた。船長として見たり、船の技術者として見たり、客として見たり、すべて、同じ物が違って見えた。
「これまで、私は、本当は、何も見て居なかったかもしれないな」
「テラ、何、言っているの」
「落ち着いたら、スピアと今回みたいに、ゆっくりと旅行したいなって、言ったの」
「うん、いいね。テラ、いつも同じ、変わらない」
「ほんとだ、私、何時から、変わっていない」
「テラ、長生き。変わらない」
「ありがとう。忘れていたよ。どうしよう。急に変わるとおかしいね」
「テラ、旅行行こう」
「スピアの言うとおりね。旅行の間、知り合いに会わなければ、いいよね」
この旅が終わったら、長期に渡って、旅行をすることにした。その間に、次の身体を用意しよう。
「もうすぐ、アストーリア大陸のキャメール村に着きます。下船の用意をしてください」
船長の声が聞こえて来た。周りの部屋も、ばたばたと忙しそうだ。私達は、手ぶらなので、何の用意もいらない。
「それじゃ、行こうか」
「うん、行く」
最初に、キャメール村を見に行った。今回が、初めてだったので、色々と意外だった。まず、家が氷で作られている。氷の部屋は、動物の皮で覆われていた。これで、寝れるのだろうか?とても不思議だ。
「色んな物が売っているね」
「うん、あれ、食べたい」
「いいよ。食べよう」
あまり見かけない魚や動物の肉を料理した物が売られていた。
「おいしいね」
「テラ、これ、美味しい。スピア、気に入った」
スピアは、肉が気に入ったようだ。いつも食べている肉より、油が多いようだ。噛むと肉汁が溢れ出る。いつもは、赤身の肉で、しっかり、噛まないといけないが、この肉は、溶けるようだ。
「魚もおいしいよ」
「魚、熱い。スピア、だめ」
「あっ、そうだった。魚は、スープになっていたね」
私は、風魔法で、スープを少し冷やしてあげた。
「これでいいかな。少し、冷やしたよ」
「ありがとう。テラ」
スピアは、スープも飲み干した。スープも気に入ったようだ。
私達は、キャメール村で、雪車を借りて、探検に出発した。特に目的もないので、周りを確認しながら、ゆっくりと移動した。
「そうだ、南の港に行ってみよう」
「うん。いいよ」
私達は、ミーヤ国の港がある南に向かうことにした。港の近くまで、一気に移動した。そこで、雪車を隠して、隠密魔法で、姿を消した。
港の船が停泊している所に近づいて行った。
「おい、早く積み込め。グズグズするな」
「「はい」」
リザードマンの男達が大きな荷物を運んでいた。箱の中には、魚や肉などが入っているようだ。凍らせているので、重くなっているようだ。それとは、別に革を運んでいる。
「噂を聞いたか?」
「どんな噂だ?」
「ただで、仕事を貰えるって、噂だよ」
「どういう意味だ?」
「俺たちは、今、ミーヤ国に行くために働いているだろう」
「そうだ。船に乗せて貰うためだからな」
「そうだ。船に乗る料金分を働いているってわけだ」
「仕方ないだろう。これまで、何人もの仲間が、この方法で、ミーヤ国に渡っていったんだから」
「そこなんだ。働かないで、船に乗れるって、話さ」
「そんな美味しい話があるか?」
「それって、騙されているんじゃないか。何か、裏があるんじゃないか」
「それが、ただで、乗って帰ってきているって、話さ」
「ただで、乗ったやつがいるのか」
「そうだ、それも一人や二人じゃないんだ」
「本当か?それ、何処の村のやつらだ」
「キャメール村だよ」
「おまえ、それ、騙されているよ。最近、あんな田舎から、この港に来たやつはいないよ」
「そうだよ。最近、何故か、キャメール村の奴らは、ここに来ていない。でも、船に乗ったって噂だよ」
「ここ以外に船があるのか。俺は、見たことがないぞ」
「この船は、まだ、出航しないから、一緒に見に行かないか?」
「いいぜ、夕方の食事後で、どうだ」
「わかった。用意しておくよ」
どうも、キャメール村の事が話題になっているようだ。ミーヤ国では、荷役の仕事をさせる代わりに船に乗せているようだ。この大陸では、仕事がないのかもしれない。魚や動物を狩るだけでは、暮らせないのかもしれない。安く、買いたたかれているのだろう。
ミーヤ国の船は、何隻もあった。すでに、荷物の積み込みが終わっている船もある。出航直前の船もある。見渡す限り、船だらけだ。20隻以上は、あるようだ。
私達は、南の港を離れて、北に向かった。この大陸の中心に行ってみることにした。
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