134 / 256
第16章 魔法学院(夏休み)編
1603.セダン魔法学院の見学
しおりを挟む
朝食後、馬車で、セダン魔法学院に向かった。10分ほどで、セダン魔法学院に着いた。
イーキ王国は、フラン連合国の西端の国で、農業中心の国だ。そのため、セダン魔法学院においては、農作物に関する魔法が活発に研究され、利用されている。そのため、普通の魔法学院では、攻撃系の魔法が人気なので、火魔法のできる者が多いが、ここでは、水魔法のできる者が多い。
また、光魔法で、治癒するのではなく、土壌の改良に魔法を活用していた。
セダン魔法学院の前では、係のゲーマン先生が私達を出迎えてくれた。
私達は、馬車を下りて、ゲーマン先生の後についていった。ゲーマン先生は、建物の説明をしながら、学院長室室まで案内した。
「コン、コン。学院長、お連れしました」
「どうぞ、お入りください」
私達は、学院長室のソファに座り、学院長を待った。
「ようこそ、おいで下さった。私が、当学院長のコ―メンです。よろしく」
「コ―メン先生、この度は、見学を了承していただき、ありがとうございました。
私は、ヤガータ国のデンロン魔法学院から来ました引率教師のミューといいます」
「長旅で、お疲れでしょう。この魔法学院では、将来自分の領土を豊かにするための豊穣の魔法などを中心に学習しています。教師の研究もそちら方面が多いですね」
「そうですか。一般的には、兵士のための魔法学院と言うような雰囲気が学校が多いですが、こちらは、異なっているのですね」
「そうですか。私は、あまり他国との交流をしていないので、良くは存じていません」
「これは、失礼いたしました。それでは、早速、案内して貰えますでしょうか?」
「そうですね。ここで、長話をしても、生徒さん達が退屈でしょうから」
「ゲーマン先生、案内してあげてください」
私達は、ゲーマン先生というがっちりした体躯の教師に案内されて、学院長室を出た。
「ミュー先生、よろしく、お願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私達は、ゲーマン先生とミュー先生の後を付いて行った。暫く、歩くと、校舎の外に出た。
「先ほど、学院長が申していたように、この学院では土壌改良関係の実習がほとんどで、そのため授業を外で行っています」
「そうですか。座学のような物はないのですか?」
「いえ、無いことはないのですが、生徒があまり希望しないのです。つまり、受講生がほとんどいないので、結果的にそのような講座が開講されていません」
「そうですね。座学は、生徒の人気がないですね」
「そうでしょ。生徒は、魔法をとにかく使いたいですからね」
私達は、農園の前にやって来た。そこでは、いくつかのグループに分かれて、実習を行っているようだ。
あるグループでは、用水路を作っているようだ。別のグループは、倉庫を作っている。よく見るとそれは、サイロに変化していった。
「さあ、付きました。この学院の授業は、ここを見れば、よく分かると思います」
「あの、自由に見学させて貰ってもいいですか?」
「どうぞ、生徒さん達も面白そうなところを好きに見て回ってください」
私達は、言われたように、自由に動き回っていった。
「レイカ、ここの生徒は、土魔法が得意みたいだね。それに、光魔法もうまく使っているよ」
「本当ね。私は、光魔法で、豊穣の魔法を使うところ見るのは、初めてよ」
「ぼくも、見るのは、初めてだ。何も無い所から、芽吹いて行くのだね」
「なんだか、役に立つ魔法と言う感じね。私達のは、何処で使うのって、言う感じの魔法が多いね」
「それは、仕方がないよ。将来国のために働く人材を無償で育てているのだから」
「そうね。国の為って、国王の為って感じ」
「レイカは、そんなことを感じているの。国王中心だって」
「テラもそう思っているのじゃないの? すべて、国王の為って」
「ぼくは、考えたこともないよ。それに、そう感じたこともないよ」
「そうなんだ。テラは、何に興味があるの? 政治?経 済? 医学?」
「わからない。取り敢えず、目の前の物を一つずつ処理するだけで、精一杯だよ」
「テラは、夢ってないの?」
「僕の夢か。今は、レイカのことかな」
「それって、どういうこと?」
「レイカと仲良く過ごしたいなぁって。それが、今の夢だよ」
「それって、もう、叶っているじゃないの。夢って、これから、叶えたいことよ」
「そうかなぁ。まだまだ、これからって感じなんだ。レイカは、不安じゃないの」
「不安ね。特にないわ。私は、自由になりたいの。誰からも、指図されたくないの。特に、あのミュー先生にはね」
「どうして、そんなに嫌っているの?」
「テラは、どうして? そんなにミュー先生の味方をするの?昨日だって、私の事を見張っていたのよ」
「そうだね。ちょっと、引率教師としては、度が過ぎるね」
「そうね。テラもそう感じた?」
「そう思うよ。レイカに干渉し過ぎだよ」
レイカは、困ったような顔になって、下を見つめている。どうも、口止めされているようだ。それが、ミュー先生なのか、レイカの両親か、誰かは、分からないけど。
私達は、セダン魔法学院の見学を終えて、一旦、ホテルに戻った。学院長のシルバからの連絡を待っているようだ。ここから、次の魔法学院の見学へ行くようだ。
イーキ王国は、フラン連合国の西端の国で、農業中心の国だ。そのため、セダン魔法学院においては、農作物に関する魔法が活発に研究され、利用されている。そのため、普通の魔法学院では、攻撃系の魔法が人気なので、火魔法のできる者が多いが、ここでは、水魔法のできる者が多い。
また、光魔法で、治癒するのではなく、土壌の改良に魔法を活用していた。
セダン魔法学院の前では、係のゲーマン先生が私達を出迎えてくれた。
私達は、馬車を下りて、ゲーマン先生の後についていった。ゲーマン先生は、建物の説明をしながら、学院長室室まで案内した。
「コン、コン。学院長、お連れしました」
「どうぞ、お入りください」
私達は、学院長室のソファに座り、学院長を待った。
「ようこそ、おいで下さった。私が、当学院長のコ―メンです。よろしく」
「コ―メン先生、この度は、見学を了承していただき、ありがとうございました。
私は、ヤガータ国のデンロン魔法学院から来ました引率教師のミューといいます」
「長旅で、お疲れでしょう。この魔法学院では、将来自分の領土を豊かにするための豊穣の魔法などを中心に学習しています。教師の研究もそちら方面が多いですね」
「そうですか。一般的には、兵士のための魔法学院と言うような雰囲気が学校が多いですが、こちらは、異なっているのですね」
「そうですか。私は、あまり他国との交流をしていないので、良くは存じていません」
「これは、失礼いたしました。それでは、早速、案内して貰えますでしょうか?」
「そうですね。ここで、長話をしても、生徒さん達が退屈でしょうから」
「ゲーマン先生、案内してあげてください」
私達は、ゲーマン先生というがっちりした体躯の教師に案内されて、学院長室を出た。
「ミュー先生、よろしく、お願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私達は、ゲーマン先生とミュー先生の後を付いて行った。暫く、歩くと、校舎の外に出た。
「先ほど、学院長が申していたように、この学院では土壌改良関係の実習がほとんどで、そのため授業を外で行っています」
「そうですか。座学のような物はないのですか?」
「いえ、無いことはないのですが、生徒があまり希望しないのです。つまり、受講生がほとんどいないので、結果的にそのような講座が開講されていません」
「そうですね。座学は、生徒の人気がないですね」
「そうでしょ。生徒は、魔法をとにかく使いたいですからね」
私達は、農園の前にやって来た。そこでは、いくつかのグループに分かれて、実習を行っているようだ。
あるグループでは、用水路を作っているようだ。別のグループは、倉庫を作っている。よく見るとそれは、サイロに変化していった。
「さあ、付きました。この学院の授業は、ここを見れば、よく分かると思います」
「あの、自由に見学させて貰ってもいいですか?」
「どうぞ、生徒さん達も面白そうなところを好きに見て回ってください」
私達は、言われたように、自由に動き回っていった。
「レイカ、ここの生徒は、土魔法が得意みたいだね。それに、光魔法もうまく使っているよ」
「本当ね。私は、光魔法で、豊穣の魔法を使うところ見るのは、初めてよ」
「ぼくも、見るのは、初めてだ。何も無い所から、芽吹いて行くのだね」
「なんだか、役に立つ魔法と言う感じね。私達のは、何処で使うのって、言う感じの魔法が多いね」
「それは、仕方がないよ。将来国のために働く人材を無償で育てているのだから」
「そうね。国の為って、国王の為って感じ」
「レイカは、そんなことを感じているの。国王中心だって」
「テラもそう思っているのじゃないの? すべて、国王の為って」
「ぼくは、考えたこともないよ。それに、そう感じたこともないよ」
「そうなんだ。テラは、何に興味があるの? 政治?経 済? 医学?」
「わからない。取り敢えず、目の前の物を一つずつ処理するだけで、精一杯だよ」
「テラは、夢ってないの?」
「僕の夢か。今は、レイカのことかな」
「それって、どういうこと?」
「レイカと仲良く過ごしたいなぁって。それが、今の夢だよ」
「それって、もう、叶っているじゃないの。夢って、これから、叶えたいことよ」
「そうかなぁ。まだまだ、これからって感じなんだ。レイカは、不安じゃないの」
「不安ね。特にないわ。私は、自由になりたいの。誰からも、指図されたくないの。特に、あのミュー先生にはね」
「どうして、そんなに嫌っているの?」
「テラは、どうして? そんなにミュー先生の味方をするの?昨日だって、私の事を見張っていたのよ」
「そうだね。ちょっと、引率教師としては、度が過ぎるね」
「そうね。テラもそう感じた?」
「そう思うよ。レイカに干渉し過ぎだよ」
レイカは、困ったような顔になって、下を見つめている。どうも、口止めされているようだ。それが、ミュー先生なのか、レイカの両親か、誰かは、分からないけど。
私達は、セダン魔法学院の見学を終えて、一旦、ホテルに戻った。学院長のシルバからの連絡を待っているようだ。ここから、次の魔法学院の見学へ行くようだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
38
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる