上 下
141 / 256
 第17章 テラの社交界デビュー編

1705.魔人族の村

しおりを挟む
 私は、基地に戻り、モリーロと話した。

 「モリーロ、魔人族の村は、壊滅状態だね」

 「はい、もうダメです」

 「これから、どうするの?」

 「あの子供達を育てていきたいと思っています」

 「そうか、でも、一人では無理だろう」

 「何から、初めていいのかすら、分かりません」 

 「良ければ、この基地の近くに村をもう一度作り直すのは、どうかな?」

 「それでは、もう一度、助けてくれるのですか?」

 「子供達のためだからね。ちょっと、待っていてね」

 「レンゲー、どうかな、この魔人族の人たちを助けてやってくれないかな?」

 「いいですよ。私達が、一緒に、村を再建します」

 私は、基地を出て、地下5階の施設を作った。そこで、魔人族の人達が暮らせるように、部屋を作っておいた。

 「地下施設を作ったから、使ってね」

 私は、モリーロに、住むところを提供した。それから、レンゲーに声を掛けた。

 「この大陸を横断する形で、大きな川が流れている。その川の幅は、20mぐらいあり、普通なら、簡単には、渡れないと思う。その川の北側に魔物の群れが集中しているよ」

 「そうですか。その川の南側、今我々がいる所は、魔物の存在はどうですか?」

 「今の段階では、こちら側にはいないようだね。それで、この基地で、魔物の大群から守れるかな?」

 「そうですね。前回よりは、落ち着きましたが、少し不安ですね」

 「それじゃ、スピアの仲間に暫くここに居て貰おうか」

 「そうして貰えると、助かります」

 「スピア、どうかな、もう暫く、レンゲーを助けてくれないかな?」

 「うん。いいよ。仲間にも聞いてみるよ」

 スピアは、仲間と連絡を取り、了承を貰えたようだ。

 「大丈夫。スピア、仲間、ここにいる」

 「ありがとう。スピア達がいると、心強いよ」

 「それじゃ、スピア達の住むところも作っておくよ」

 私は、基地の横に同じような5階建ての建物を創り、中に部屋を作っていった。

 「これで、どうかな?」

 「うん。大丈夫、皆も気に入っているみたい」
 
 「それじゃ、私は、一旦、ヤガータ国に戻るね」

 「はい、後の事は任せてください」

 レンゲーは、元気に返事をした。

 私は、床に移動用の転移魔法用魔法陣を描いた。そして、操作盤を創り、簡単にヤガータ国の港に移動できるようにした。そして、その使い方をレンゲーとスピアに教えた。
 
 それから、私は、転移魔法で、ヤガータ国の港に戻った。

 「ガーベラ、何とか間に合ったよ」

 「ご苦労様。今日はどうするの?」

 「これから、魔法学院の見学に参加することも出来ないし、王宮に戻るよ」

 「それなら、私も連れて行って」

 「いいよ」

 私は、ガーベラの腰を抱き、転移魔法で、王宮に移動した。

 「さあ、着いたよ」

 「ありがとう。ところで、レイカとは、どうなっているの?」

 「付き合おうと思っていたんだけど、うまくいっていないよ」

 「そうか、やっぱりね」

 「ガーベラは、何か知っているの?」

 「レイカが引きこもりだったって、知っている?」

 「知っているよ。シルバに聞いたよ」

 「それで、早くから、両親が許嫁を決めたのよ。変な噂が出ない内にと思ったのね」

 「そうか、それで、両親に会わせてくれないんだ」

 「へぇ、テラは、本気なのね」

 「そうだよ。結婚してもいいと思っているよ」

 「テラは、伯爵だよ。結婚は、一人で決めれないよ」

 「どういうこと?」

 「ウェーリィ王から、聞いていないの?」

 「何も聞いていないよ」

 「ウェーリィ王には、3人の子供がいるけど、それ以外に親族が居ないの。だから、伯爵は、王族に匹敵するのよ。だから、ウェーリィ王の息子のような物ね。でも、テラは、社交界に出ていないから、まだ、お相手がいないのよ。そうでなかったら、とっくに結婚の話が来ているわよ」

 「もともと、社交界には、興味ないし。結婚の話が来なくて良かったよ」

 「まあ、ウェーリィ王に相談すれば、レイカの縁談はすぐに破棄できるけどね。でも、テラが、レイカと結婚するのは、難しいと思うよ。側室ならいいけどね」

 「私には、わからないよ。私は、レイカと一緒に居れば、良いだけだよ。後の事は、どうでもいいよ」

 「そうか、そんなに好きなのか」

 「そうだよ。ダメかい」

 「ダメな事はないけど、貴族は、表面上は、つりあった相手と結婚するよ。だから、側室として、迎えた方がいいよ」

 「わかったよ」

 私が、自分の部屋に入ると、ガーベラが一緒に入って来た。

 「ねえ、私じゃだめ?」

 「何が、だめなの」

 「まあ、いいわ。私が何とかしてあげる」

 ガーベラは、私をベッドの上に押し倒して、抱き付いてきた。

 「いつもと、同じよ。テラ、力を抜いてね」

 「ガーベラ、私は、レイカの事が好きなんだよ」

 「知っているわ。いいのよ。それで。私に任せて」

 「何を任せるの? 」

 「すべてよ。テラ、すべて、私に任せてね。テラの希望通りにしてあげるよ」

 ガーベラは、私の唇に唇を重ねて、吸い始めた。

 「わかったよ。任せるよ」

 私は、以前の様に、ガーベラと一夜を過ごした。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

はい、私がヴェロニカです。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:5,646pt お気に入り:939

【完結】待ってください

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,501pt お気に入り:44

転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7,710pt お気に入り:23,936

魔族の寵愛2

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:69

転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:10,092pt お気に入り:7,500

チートなタブレットを持って快適異世界生活

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:859pt お気に入り:14,313

魔拳のデイドリーマー

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,100pt お気に入り:8,522

処理中です...