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第23章 カタリナの王位継承編

2305.ムーンの再起動

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 今日は、レイカとスピアにベッタリくっ付かれて、何もできない。自分自身をスキル鑑定で、調べて見ると、以前の状態まで、戻っていることが分かった。赤ちゃんのテラjrも、私も、十分に魔法を使い、魔力を高めていたようだ。

 ただ、この赤ちゃんの身体では、十分な仕事をすることができない。テラ・ワールドの仕事は、基本的には、リンダに任せている。そして、リンダは優秀なので、心配はしていない。

 そして、ヤガータ国の事は、ガーベラ宰相が仕切っているので、これも、問題はない。また、軍事関係は、シロッコス、レンゲー、メルーロがいるので、大丈夫だ。

 ソーロン帝国と竜人族の関係は今暫くは、様子見で大丈夫だろう。

 問題は、ムーンとして、動いていた仕事だ。まずは、ミューと進めていたヘノイ王国の征服だ。これは、誰かに任せることはできない。それと、ムーン個人の直属の部下の管理だ。これも、ムーンでないとだめだ。最後に、カタリナの事だ。これも、ムーンでないとだめだ。

 こう考えてくると、すぐに、ムーンを引退させることはできない。期間を決めて、もう一度、ムーンを再開させることにした。前回は、6カ月分離していたが、少し、長いと思う。そこで、1ケ月ごとに、一体化することにした。

 直ぐに、レイカとスピアを眠らせて、地下牢前の工房に転移魔法で、移動した。そして、ムーンに魂の一部を移動させた。

 そして、ムーンとして、スキル鑑定を行って、それぞれの身体に異常がないかを調べた。分離することによって、総魔力量は、半減している。そして、レベルが低下している。でも、こちらの方は、半減まで落ちていなかった。2割減と言ったところだ。それほど問題には、ならないだろう。

 私は、テラjrの身体を抱き上げて、転移魔法で、元の城のベッドに移動した。そして、テラjrをレイカとスピアの間に寝かせて、ミューの部屋に転移魔法で、移動した。

 ミューは、ベッドで、寝ていた。私は、その横に潜り込んだ。すると、ミューは、裸で寝ていることに気が付いた。

 「あら、ムーン、やっと来たのね」

 「待って居たのか? 僕を」

 「そうよ。ムーン、大好きよ」

 「頼んでいた仕事は、どうなっている?」

 「順調よ。何を心配しているの? もっと、強硬策で進めた方がいいの?それでも、いいけど」

 「いや、今のままでいいよ。余り、多くの人を殺したくないからね」

 「フーン、そうなんだ。もっと、残酷かと思ったのに」

 「そうだったか? 残酷だったか?」

 「そうよ。私の事を放っておいて、残酷だと思わないの?」

 「何だ、そんなことか? 仕事があったから、仕方がないよ。それぐらい、分かるだろう」

 「本当に、仕事? 他の女の所に行っているのじゃないの?」

 「誰のことを言っているんだ?」

 「多すぎて、言えないわ」

 ミューに、どれだけ知られているのか、いままで、気にしたことはなかった。また、暗示で、自分の思い通りに出来ていると思っていたが、本当は、どこまで、制御出来ているのか?

 「今は、ミューだけのムーンだよ」

 私は、不安を吹き飛ばすかのように、ミューとベッドを共にした。久しぶりの柔らかく滑らかな身体を楽しんだ。

 私は、ミューと別れて、カタリナの居る城に転移魔法で、移動した。

 「キョーリン、何か、変わったことはなかったか?」

 私は、カタリナ付きの侍女に、これまでのカタリナの様子を聞いた。買い物をするぐらいで、特に問題はなかったようだ。すると、カタリナの父親のエドがやって来た。

 「ムーンさん、久しぶりのです。そろそろ、カタリナの結婚を発表したいと思います。いかがでしょうか」

 「その件は、エドさんにお任せします。いつでも、私は、結構です」

 「分かりました。それなら、来週にでも、発表したいと思います。つきましては、そのパーティーをカタリナの城で行いたいのですが、いいですか?」

 「どうぞ、結構ですよ。それに掛かる費用は、好きなだけ、使ってください。エドさん自身の分も自由に使って貰っていいですよ。ご存じのように、もう、王位継承権の第3位のカタリナの父親ですから、それに見合った行動をとってください。ただし、前回のような、裏の仕事は無しですよ」

 「分かっていますとも、私は、表だけです。裏の事は知りません」

 「そうです。それで、お願いしますね。余計な事をすると、私との関係が悪くなりますからね」

 「はい、大丈夫ですよ。それより、カタリナの相手もしてやってくださいね。未だに、王子様って、子供みたいなことを言っているので、心配ですよ」

 「分かりました。これから、会ってきます」

 「よろしくお願いします」

 私は、エドと別れて、カタリナの部屋に入って言った。

 「カタリナ、何か、不自由な事はないかなぁ?」

 「あら、ムーンさん、珍しいわね」
 
 「そうかな?」
 
 「そうよ。私の社交界デビュー以来よ」

 「でも、私との結婚は、まだ、発表したくないのだろう。それなら、余り懇意な所を見せない方がいいのでは?」

 「あら、ムーンさんは、私の事が嫌いなの?」

 「そんなことは、ないよ。大好きだよ。だから、結婚を申し込んだんだから」

 「本当? それなら、明日が何の日か、知っている?」

 「もちろんだよ。カタリナの11才の誕生日だよ」

 「あら、知っていたの。それなら、いいわ。明日は、1日、空けといてね」

 「その予定だよ。何か、したいことがあるのかな?」

 「明日のお楽しみよ。色々と、計画しているの。でも、まだ、内緒よ」

 私は、小さなカタリナを抱き上げて、額にキスをして、部屋を出た。そして、カタリナ付きの侍女に明日のことを尋ねた。カタリナが何を準備しているのかを事前に確認しておいた。
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