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第28章 魔大陸編
2801.聖剣を求めて
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竜人軍が魔大陸へ進撃を開始したが、魔王軍の魔物との戦いで膠着状態に陥っている。これで、魔王軍の四天王などのリーダーが現れると、一気に形勢決定しかねない。
もし、魔火山が噴火して、魔王が完全復活を遂げたら、現状のままでは、勝ち目がないだろう。そこで、私は、一旦、戦線から離脱して、聖剣等を探すことにした。
既に、ヘノイ王国やソーロン帝国の陰謀は、ヘノイ王国の国王から、知ることが出来た。同様に、他国の国王は、その国独自の秘密を持って居そうだ。これまでは、国王に信頼されてそれらの情報を得ようと思っていたが、どうやら、時間がないようだ。最後の手段として、国王を私の恐怖で、屈服させることにした。
私は、久しぶりに魔人族である冒険者のモリーロに思念伝達で、連絡を取った。
「ムーンだけど、モリーロかな?」
「急に、どうした?」
「実は、竜人軍が魔大陸に進撃を開始したのです」
「そうか。いつかは、攻撃を開始すると思ってい居たが、こんなに早く開始するとは」
「でも、黒死病が蔓延して、魔大陸の魔力濃度が高まったのです。そのため、いつ魔火山が噴火し、魔王の完全復活がなされてもおかしくない状況です。ですから、竜人軍が魔大陸に進撃を開始したのは、早くはないのです」
「そうか。そのような事が起こっていたのか」
「そこで、モリーロに助けて欲しいのです」
「私は、魔法が使えないぞ。それでもいいのか?」
「はい、実は、魔王を倒すには、聖剣が必要です。そして、完全復活した魔王と対等に戦うには、聖盾と聖防具が必要です」
「聖剣の噂は聞いたことがあるが、本当に存在するのか?」
「それは、間違いありません。ミヤーコ王国やアータキ国などのフラン連合国のどこかに隠されていると思っています」
「それで、私に何をさせたいのだ」
「魔王になって貰いたいのです」
「何? 魔王だと」
「はい、そうです」
「私が、魔法を使えないことは知っているだろ。それなのに、魔王だと!」
「はい、お願いします」
「ムーン、何がしたいのだ」
私は、モリーロにヘノイ王国の秘密を話した。そして、何がしたいのかを納得してもらった。
「なるほど。魔人族の子供たちを助けて貰ったこともあったからな。少しだけ、手伝おう」
「ありがとうございます」
私達は、早速、ミヤーコ王国に移動することにした。モリーロは、魔人だが、転移魔法が使えないので、私が、モリーロを迎えに行くことにした。偽魔大陸にある魔人族の集落の一つに魔人モリーロは、住んでいる。今は、部族の子供たちの世話をするために、冒険者を止めている。
私は、転移魔法で、モリーロの居る偽魔大陸に移動した。
「お待たせしました」
「久しぶりにだな。ムーン」
「すみません。お手数をお掛けします」
「それでは、行こうか?」
「はい」
私達は、直ぐに、転移魔法で、ミヤーコ王国の宮廷に移動した。そして、隠密魔法で、二人とも、姿を消した。
王宮の国王の間に近づいて行くと、扉を兵士達が守っていた。私は、闇魔法で、それらの兵士達を拘束した。扉を守っていた兵士達は、立ったまま身動きが出来なくなった。
私は、思念伝達でモリーロに連絡を取った。
「モリーロ、門番の兵士達は、拘束した。扉を開けて、中に入ります。少し演出をしますが、驚かないで下さい」
「分かった」
私は、扉を開けながら、闇魔法で、怪しげな靄を開きかけた扉の隙間から、中に入れた。いよいよ、魔王の登場だ。
「何だ! あれは?」
国王の間の兵士達が、異常に気が付き、口々に叫びながら、扉を取り囲んだ行った。
私は、思念伝達でモリーロに指示を出した。
「これから、私の言うように、声を出してください。出来るだけ、低い声でお願いします」
「分かった」
私は、モリーロに指示を出していった。
モリーロが、低い声で、呻くように声を出し始めた。
「我は魔王、闇より来たりし者なり」
モリーロの威圧的な声と魔王の言葉に反応して、兵士達がどよめき出した。そこで、私は、国王の間にいる兵士たち全員を闇魔法で、拘束した。今度は、単に拘束しただけでなく、眠らすことにした。
扉を取り囲んでいた兵士達は、次に倒れて行った。まるで、死んでしまったかのように。
私達は、静かに扉を開け、中に入って行った。国王の間の中央に位置したときに、モリーロが、威圧的な声で国王に、声を掛けた。
「国王よ、我の前に跪け。そして、我の忠実な僕となれ!」
「何を言っている。魔王などに屈しはしないぞ!」
国王は、震える声でモリーロに返答するが、その怯えは、隠せようもなかった。
隣にいた神殿長が、倒れかかった国王を抱きかかえた。
「無駄な抵抗をするな!」
「魔王など、何も出来ないだろう」
「ほう? 何も出来ないだと! 今、お前の民が黒死病で苦しんでいるのを知らないのか?」
「何、あの黒死病は、お前の仕業というのか」
「そうだ。お前が、俺の僕となれば、黒死病も消してやろう! どうだ!」
「そんなはずはない。あのヘノイ王国は、黒死病を克服したと聞いたぞ」
「あ、は、は、は。お前は、ヘノイ王国が、自力で、黒死病を克服したと思っているのか? それは、違うぞ。ヘノイ王国の国王が、我の僕となったから、黒死病を消したやったのだ。
まあ、これは、誰も知らぬことだからな」
「うぞだ。うそだ」
国王は、怯え切っている。そして、隣の神殿長も、モリーロの言葉に異を唱えることが出来ないでいる。
「魔王、お前は、私を僕にして、何をしたいのだ!」
モリーロは、薄ら笑いをして、静かに語り始めた。
もし、魔火山が噴火して、魔王が完全復活を遂げたら、現状のままでは、勝ち目がないだろう。そこで、私は、一旦、戦線から離脱して、聖剣等を探すことにした。
既に、ヘノイ王国やソーロン帝国の陰謀は、ヘノイ王国の国王から、知ることが出来た。同様に、他国の国王は、その国独自の秘密を持って居そうだ。これまでは、国王に信頼されてそれらの情報を得ようと思っていたが、どうやら、時間がないようだ。最後の手段として、国王を私の恐怖で、屈服させることにした。
私は、久しぶりに魔人族である冒険者のモリーロに思念伝達で、連絡を取った。
「ムーンだけど、モリーロかな?」
「急に、どうした?」
「実は、竜人軍が魔大陸に進撃を開始したのです」
「そうか。いつかは、攻撃を開始すると思ってい居たが、こんなに早く開始するとは」
「でも、黒死病が蔓延して、魔大陸の魔力濃度が高まったのです。そのため、いつ魔火山が噴火し、魔王の完全復活がなされてもおかしくない状況です。ですから、竜人軍が魔大陸に進撃を開始したのは、早くはないのです」
「そうか。そのような事が起こっていたのか」
「そこで、モリーロに助けて欲しいのです」
「私は、魔法が使えないぞ。それでもいいのか?」
「はい、実は、魔王を倒すには、聖剣が必要です。そして、完全復活した魔王と対等に戦うには、聖盾と聖防具が必要です」
「聖剣の噂は聞いたことがあるが、本当に存在するのか?」
「それは、間違いありません。ミヤーコ王国やアータキ国などのフラン連合国のどこかに隠されていると思っています」
「それで、私に何をさせたいのだ」
「魔王になって貰いたいのです」
「何? 魔王だと」
「はい、そうです」
「私が、魔法を使えないことは知っているだろ。それなのに、魔王だと!」
「はい、お願いします」
「ムーン、何がしたいのだ」
私は、モリーロにヘノイ王国の秘密を話した。そして、何がしたいのかを納得してもらった。
「なるほど。魔人族の子供たちを助けて貰ったこともあったからな。少しだけ、手伝おう」
「ありがとうございます」
私達は、早速、ミヤーコ王国に移動することにした。モリーロは、魔人だが、転移魔法が使えないので、私が、モリーロを迎えに行くことにした。偽魔大陸にある魔人族の集落の一つに魔人モリーロは、住んでいる。今は、部族の子供たちの世話をするために、冒険者を止めている。
私は、転移魔法で、モリーロの居る偽魔大陸に移動した。
「お待たせしました」
「久しぶりにだな。ムーン」
「すみません。お手数をお掛けします」
「それでは、行こうか?」
「はい」
私達は、直ぐに、転移魔法で、ミヤーコ王国の宮廷に移動した。そして、隠密魔法で、二人とも、姿を消した。
王宮の国王の間に近づいて行くと、扉を兵士達が守っていた。私は、闇魔法で、それらの兵士達を拘束した。扉を守っていた兵士達は、立ったまま身動きが出来なくなった。
私は、思念伝達でモリーロに連絡を取った。
「モリーロ、門番の兵士達は、拘束した。扉を開けて、中に入ります。少し演出をしますが、驚かないで下さい」
「分かった」
私は、扉を開けながら、闇魔法で、怪しげな靄を開きかけた扉の隙間から、中に入れた。いよいよ、魔王の登場だ。
「何だ! あれは?」
国王の間の兵士達が、異常に気が付き、口々に叫びながら、扉を取り囲んだ行った。
私は、思念伝達でモリーロに指示を出した。
「これから、私の言うように、声を出してください。出来るだけ、低い声でお願いします」
「分かった」
私は、モリーロに指示を出していった。
モリーロが、低い声で、呻くように声を出し始めた。
「我は魔王、闇より来たりし者なり」
モリーロの威圧的な声と魔王の言葉に反応して、兵士達がどよめき出した。そこで、私は、国王の間にいる兵士たち全員を闇魔法で、拘束した。今度は、単に拘束しただけでなく、眠らすことにした。
扉を取り囲んでいた兵士達は、次に倒れて行った。まるで、死んでしまったかのように。
私達は、静かに扉を開け、中に入って行った。国王の間の中央に位置したときに、モリーロが、威圧的な声で国王に、声を掛けた。
「国王よ、我の前に跪け。そして、我の忠実な僕となれ!」
「何を言っている。魔王などに屈しはしないぞ!」
国王は、震える声でモリーロに返答するが、その怯えは、隠せようもなかった。
隣にいた神殿長が、倒れかかった国王を抱きかかえた。
「無駄な抵抗をするな!」
「魔王など、何も出来ないだろう」
「ほう? 何も出来ないだと! 今、お前の民が黒死病で苦しんでいるのを知らないのか?」
「何、あの黒死病は、お前の仕業というのか」
「そうだ。お前が、俺の僕となれば、黒死病も消してやろう! どうだ!」
「そんなはずはない。あのヘノイ王国は、黒死病を克服したと聞いたぞ」
「あ、は、は、は。お前は、ヘノイ王国が、自力で、黒死病を克服したと思っているのか? それは、違うぞ。ヘノイ王国の国王が、我の僕となったから、黒死病を消したやったのだ。
まあ、これは、誰も知らぬことだからな」
「うぞだ。うそだ」
国王は、怯え切っている。そして、隣の神殿長も、モリーロの言葉に異を唱えることが出来ないでいる。
「魔王、お前は、私を僕にして、何をしたいのだ!」
モリーロは、薄ら笑いをして、静かに語り始めた。
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