水面の星

白詰えめ

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再会

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「あすかー!」
 翔は、電車の下り口の近くで待っていた。あすかを見つけ、手を大きく振っている。
「翔!」
 あすかも、小さく手を振り返し翔の元へ走った。
「会いたかった!」
 翔はそう言ってあすかに抱きついた。あすかは戸惑って、棒立ちしている。
「ははっ、何その反応」
 翔は楽しそうに笑うと、あすかの手を掴んだ。あすかは、そのまま手を引かれて二人で改札を通った。それから近くのベンチに腰をかけた。
「ところで、何のお土産?」
 翔は不思議そうにあすかの目を見た。あすかは思い出したように、カバンを開いた。
「実家に帰ったんだ」
 そう言って、お菓子を出そうとしたが、翔に止められた。
「俺、今貰っても落としそう」
 そう言って翔は立ち上がり、あすかも立てよと言わんばかりに、あすかを見つめた。
「それもそっか」
 翔に続き、あすかも立ち上がった。
「俺の家、近くだからさ寄ってけよ」
 翔が歩き出したので、あすかもそれに続いた。


 翔が立ち止まった場所は、あすかでも知っているような高級マンションだった。
「え?」
 あすかは、困惑してキョロキョロとする。
「どうしたんだ?」
 翔はきょとんとしたように、あすかを見る。
「え、いや、ここって」
「いいから行こーぜ」
 翔は、立ちすくむあすかを引っ張って中に入った。目の前に広がるキラキラとした空間に、あすかはポカンと口を開ける。翔はかまわず、ボタンを押して扉を開けた。
「翔ってアパートに住んでるんじゃ…?」
「あー、あれは、こっちがバレたくないから、借りてるだけ」
「え?」
「でも、あっちで過ごす事も多いし、あすかが言ってる事も間違いではないよ」
「う、うん?」
 エレベーターが進んでどんどん翔の家に近づいている。なんだかドキドキしてきた。絶対にこの空間のせいだ。自分でも、瞬きの回数が多いのがわかる。

 翔の家の前に着いてしまった。翔が鍵を開けて手招きするので着いていく。
「緊張してんの?」
 ぎこちない歩き方でバレたのだろうか、それとも瞬きでバレたのだろうか、いや、どっちでもいいか。
「だって、こんな場所」
「あはは、そんな反応になるんだ」
 翔は面白そうに笑っている。
「いや、連れてきた人みんなこうなったでしょ」
「あすか以外、連れてきた事ないから」
 あすかは、その言葉でさらに緊張した。
「そうなの?」
「当たり前だろ。こんなん知られたら、めんどくさいに決まってる」
 翔は、歩きながらわざとらしくため息をつく。それに笑って、少し緊張が和らいだ。
「なんで僕はいいの?」
「あすかだからだよ」
 答えになっていない気がするが、これ以上は聞かないでおこう。
「そうだお土産!」
「カバン、そこの机に置いていいよ」
 あすかは、カバンを机の上に置きお土産を取り出した。お菓子、それからネックレス。
「こんなに買ってきてくれたの?」
「そうだよ」
 翔にあげると考えたら、つい沢山買ってしまった。
「嬉しい」
 翔は嬉しそうに目をキラキラさせている。それを見てあすかも嬉しくなった。
「よかった」
 翔は、お土産を一つずつ眺めている。
「彼女とかにもあってきたの?」
 翔は、そう言うとハッとしたように、目を丸くした。それから、困ったような顔になった。
「彼女?」
「いや、ほら、一緒にご飯食べてるのたまたま見ちゃって」
 翔は、焦っている。でも、あすかには何を焦っているのかわからない。
「どういうこと?」
 本当にわからなくて、そう言った。
「盗み見みたいになったのは悪いと思ってる」
 翔は申し訳なさそうな顔をしている。あすかは、さらにわからなくなった。
「僕、彼女いないけど」
「え?」
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