21 / 37
再会
しおりを挟む
「あすかー!」
翔は、電車の下り口の近くで待っていた。あすかを見つけ、手を大きく振っている。
「翔!」
あすかも、小さく手を振り返し翔の元へ走った。
「会いたかった!」
翔はそう言ってあすかに抱きついた。あすかは戸惑って、棒立ちしている。
「ははっ、何その反応」
翔は楽しそうに笑うと、あすかの手を掴んだ。あすかは、そのまま手を引かれて二人で改札を通った。それから近くのベンチに腰をかけた。
「ところで、何のお土産?」
翔は不思議そうにあすかの目を見た。あすかは思い出したように、カバンを開いた。
「実家に帰ったんだ」
そう言って、お菓子を出そうとしたが、翔に止められた。
「俺、今貰っても落としそう」
そう言って翔は立ち上がり、あすかも立てよと言わんばかりに、あすかを見つめた。
「それもそっか」
翔に続き、あすかも立ち上がった。
「俺の家、近くだからさ寄ってけよ」
翔が歩き出したので、あすかもそれに続いた。
翔が立ち止まった場所は、あすかでも知っているような高級マンションだった。
「え?」
あすかは、困惑してキョロキョロとする。
「どうしたんだ?」
翔はきょとんとしたように、あすかを見る。
「え、いや、ここって」
「いいから行こーぜ」
翔は、立ちすくむあすかを引っ張って中に入った。目の前に広がるキラキラとした空間に、あすかはポカンと口を開ける。翔はかまわず、ボタンを押して扉を開けた。
「翔ってアパートに住んでるんじゃ…?」
「あー、あれは、こっちがバレたくないから、借りてるだけ」
「え?」
「でも、あっちで過ごす事も多いし、あすかが言ってる事も間違いではないよ」
「う、うん?」
エレベーターが進んでどんどん翔の家に近づいている。なんだかドキドキしてきた。絶対にこの空間のせいだ。自分でも、瞬きの回数が多いのがわかる。
翔の家の前に着いてしまった。翔が鍵を開けて手招きするので着いていく。
「緊張してんの?」
ぎこちない歩き方でバレたのだろうか、それとも瞬きでバレたのだろうか、いや、どっちでもいいか。
「だって、こんな場所」
「あはは、そんな反応になるんだ」
翔は面白そうに笑っている。
「いや、連れてきた人みんなこうなったでしょ」
「あすか以外、連れてきた事ないから」
あすかは、その言葉でさらに緊張した。
「そうなの?」
「当たり前だろ。こんなん知られたら、めんどくさいに決まってる」
翔は、歩きながらわざとらしくため息をつく。それに笑って、少し緊張が和らいだ。
「なんで僕はいいの?」
「あすかだからだよ」
答えになっていない気がするが、これ以上は聞かないでおこう。
「そうだお土産!」
「カバン、そこの机に置いていいよ」
あすかは、カバンを机の上に置きお土産を取り出した。お菓子、それからネックレス。
「こんなに買ってきてくれたの?」
「そうだよ」
翔にあげると考えたら、つい沢山買ってしまった。
「嬉しい」
翔は嬉しそうに目をキラキラさせている。それを見てあすかも嬉しくなった。
「よかった」
翔は、お土産を一つずつ眺めている。
「彼女とかにもあってきたの?」
翔は、そう言うとハッとしたように、目を丸くした。それから、困ったような顔になった。
「彼女?」
「いや、ほら、一緒にご飯食べてるのたまたま見ちゃって」
翔は、焦っている。でも、あすかには何を焦っているのかわからない。
「どういうこと?」
本当にわからなくて、そう言った。
「盗み見みたいになったのは悪いと思ってる」
翔は申し訳なさそうな顔をしている。あすかは、さらにわからなくなった。
「僕、彼女いないけど」
「え?」
翔は、電車の下り口の近くで待っていた。あすかを見つけ、手を大きく振っている。
「翔!」
あすかも、小さく手を振り返し翔の元へ走った。
「会いたかった!」
翔はそう言ってあすかに抱きついた。あすかは戸惑って、棒立ちしている。
「ははっ、何その反応」
翔は楽しそうに笑うと、あすかの手を掴んだ。あすかは、そのまま手を引かれて二人で改札を通った。それから近くのベンチに腰をかけた。
「ところで、何のお土産?」
翔は不思議そうにあすかの目を見た。あすかは思い出したように、カバンを開いた。
「実家に帰ったんだ」
そう言って、お菓子を出そうとしたが、翔に止められた。
「俺、今貰っても落としそう」
そう言って翔は立ち上がり、あすかも立てよと言わんばかりに、あすかを見つめた。
「それもそっか」
翔に続き、あすかも立ち上がった。
「俺の家、近くだからさ寄ってけよ」
翔が歩き出したので、あすかもそれに続いた。
翔が立ち止まった場所は、あすかでも知っているような高級マンションだった。
「え?」
あすかは、困惑してキョロキョロとする。
「どうしたんだ?」
翔はきょとんとしたように、あすかを見る。
「え、いや、ここって」
「いいから行こーぜ」
翔は、立ちすくむあすかを引っ張って中に入った。目の前に広がるキラキラとした空間に、あすかはポカンと口を開ける。翔はかまわず、ボタンを押して扉を開けた。
「翔ってアパートに住んでるんじゃ…?」
「あー、あれは、こっちがバレたくないから、借りてるだけ」
「え?」
「でも、あっちで過ごす事も多いし、あすかが言ってる事も間違いではないよ」
「う、うん?」
エレベーターが進んでどんどん翔の家に近づいている。なんだかドキドキしてきた。絶対にこの空間のせいだ。自分でも、瞬きの回数が多いのがわかる。
翔の家の前に着いてしまった。翔が鍵を開けて手招きするので着いていく。
「緊張してんの?」
ぎこちない歩き方でバレたのだろうか、それとも瞬きでバレたのだろうか、いや、どっちでもいいか。
「だって、こんな場所」
「あはは、そんな反応になるんだ」
翔は面白そうに笑っている。
「いや、連れてきた人みんなこうなったでしょ」
「あすか以外、連れてきた事ないから」
あすかは、その言葉でさらに緊張した。
「そうなの?」
「当たり前だろ。こんなん知られたら、めんどくさいに決まってる」
翔は、歩きながらわざとらしくため息をつく。それに笑って、少し緊張が和らいだ。
「なんで僕はいいの?」
「あすかだからだよ」
答えになっていない気がするが、これ以上は聞かないでおこう。
「そうだお土産!」
「カバン、そこの机に置いていいよ」
あすかは、カバンを机の上に置きお土産を取り出した。お菓子、それからネックレス。
「こんなに買ってきてくれたの?」
「そうだよ」
翔にあげると考えたら、つい沢山買ってしまった。
「嬉しい」
翔は嬉しそうに目をキラキラさせている。それを見てあすかも嬉しくなった。
「よかった」
翔は、お土産を一つずつ眺めている。
「彼女とかにもあってきたの?」
翔は、そう言うとハッとしたように、目を丸くした。それから、困ったような顔になった。
「彼女?」
「いや、ほら、一緒にご飯食べてるのたまたま見ちゃって」
翔は、焦っている。でも、あすかには何を焦っているのかわからない。
「どういうこと?」
本当にわからなくて、そう言った。
「盗み見みたいになったのは悪いと思ってる」
翔は申し訳なさそうな顔をしている。あすかは、さらにわからなくなった。
「僕、彼女いないけど」
「え?」
0
あなたにおすすめの小説
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
発情期のタイムリミット
なの
BL
期末試験を目前に控えた高校2年のΩ・陸。
抑制剤の効きが弱い体質のせいで、発情期が試験と重なりそうになり大パニック!
「絶対に赤点は取れない!」
「発情期なんて気合で乗り越える!」
そう強がる陸を、幼なじみでクラスメイトのα・大輝が心配する。
だが、勉強に必死な陸の周りには、ほんのり漂う甘いフェロモン……。
「俺に頼れって言ってんのに」
「頼ったら……勉強どころじゃなくなるから!」
試験か、発情期か。
ギリギリのタイムリミットの中で、二人の関係は一気に動き出していく――!
ドタバタと胸きゅんが交錯する、青春オメガバース・ラブコメディ。
*一般的なオメガバースは、発情期中はアルファとオメガを隔離したり、抑制剤や隔離部屋が管理されていたりしていますが、この物語は、日常ラブコメにオメガバース要素を混ぜた世界観になってます。
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
藤崎さんに告白したら藤崎くんに告白してた件
三宅スズ
BL
大学3年生の鈴原純(すずはらじゅん)は、同じ学部内ではアイドル的存在でかつ憧れの藤崎葵(ふじさきあおい)に、酒に酔った勢いに任せてLINEで告白をするが、同じ名字の藤崎遥人(ふじさきはると)に告白のメッセージを誤爆してしまう。
誤爆から始まるBL物語。
孤毒の解毒薬
紫月ゆえ
BL
友人なし、家族仲悪、自分の居場所に疑問を感じてる大学生が、同大学に在籍する真逆の陽キャ学生に出会い、彼の止まっていた時が動き始める―。
中学時代の出来事から人に心を閉ざしてしまい、常に一線をひくようになってしまった西条雪。そんな彼に話しかけてきたのは、いつも周りに人がいる人気者のような、いわゆる陽キャだ。雪とは一生交わることのない人だと思っていたが、彼はどこか違うような…。
不思議にももっと話してみたいと、あわよくば友達になってみたいと思うようになるのだが―。
【登場人物】
西条雪:ぼっち学生。人と関わることに抵抗を抱いている。無自覚だが、容姿はかなり整っている。
白銀奏斗:勉学、容姿、人望を兼ね備えた人気者。柔らかく穏やかな雰囲気をまとう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる